西日本皮膚科
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42 巻, 1 号
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図説
綜説
症例
  • —電顕的観察を中心に—
    本房 昭三, 和田 秀敏, 幸田 弘
    1980 年 42 巻 1 号 p. 13-21
    発行日: 1980/02/01
    公開日: 2012/03/22
    ジャーナル 認証あり
    鼻翼裂をともなつたnasal gliomaの生後7日目女児例を報告した。光顕的に2種類の細胞がみられ, 1つは卵円形の核をもち, 比較的細胞質に乏しい細胞で, もう1つは楕円形ないし半月形の核をもち, 大きな好酸性に強く染まる細胞質を有する細胞で, これらの細胞間を多数の線維が交錯して走向していた。電顕的観察では小型の細胞は細胞質中にglial filamentを多数有しており, 正常のastrocyteに一致する所見を示した。大型の細胞は大きな細胞質中に多数のミトコンドリア, ゴルジ装置, neurofilamentとribosomeを有しており, これはatypicalな神経細胞と考えた。
  • 鳥山 史, 堀 真, 篠田 英和, 里見 行義, 江上 和也, 吉田 彦太郎
    1980 年 42 巻 1 号 p. 22-29
    発行日: 1980/02/01
    公開日: 2012/03/22
    ジャーナル 認証あり
    68才男子の下眼瞼外側に生じた14×12×12mmの腫瘍を報告した。組織学的には腫瘍は一部に乳頭状の増殖をともなう大小多数の管腔ないし嚢腫様構造よりなり, これらの壁は明らかな2層構成を示していた。電顕的には内側の細胞には多数の分泌顆粒, ミトコンドリア, ライソゾームが存在し, 外側の細胞にはmyofilamentがみられ, 全体的にアポクリン腺分泌部に類似していた。以上の所見より著者らは本腫瘍をアポクリン腺分泌部へ分化を示すadenomaと考えたが, 今までのアポクリン汗器官腫瘍の分類にはあてはまるものがなく, apocrine gland adenoma(仮称)として報告した。
  • 長尾 貞紀, 山田 敏雄
    1980 年 42 巻 1 号 p. 30-34
    発行日: 1980/02/01
    公開日: 2012/03/22
    ジャーナル 認証あり
    2ヵ月男児の仙骨部にみられた脊髄髄膜瘤の組織像を報告し, 若干の考察を加えた。この組織には, 神経膠組織をはじめとし, 脊髄硬膜, クモ膜, クモ膜下腔などが認められた。神経膠組織および硬膜は, 一部をのぞいてほとんど表皮および真皮結合織によりおおわれていた。表皮におおわれていない部分には変性した神経膠組織が露出しており, また表皮直下の結合織内には神経膠組織が島状に存在していた。本例の脊髄髄膜瘤を被う表皮の大部分は, 毛包および汗腺の原基ができる胎生12週から出生までのあいだに形成され, 一部は出生後に形成されたものと思われた。脊椎披裂に併発する「色素沈着」の組織学的検索についての報告はこれまでにないようである。本例では真皮に多数の蒙古斑細胞を認め, これを記録した。
  • 四本 秀昭, 松尾 昭一, 田代 正昭
    1980 年 42 巻 1 号 p. 35-40
    発行日: 1980/02/01
    公開日: 2012/03/22
    ジャーナル 認証あり
    口腔粘膜病変を主訴として来院し, 良性粘膜類天疱瘡と診断した65才女子例を報告した。螢光抗体法直接法で基底膜に一致してC3の線状沈着を認めた。また, ラット口腔粘膜を基質として用いた間接法で比較的高い抗基底膜抗体価を示し, ラット口唇粘膜を基質として用いた場合には表皮細胞間抗体を認めた。本症例は, paramethasone 8mg/dayの投与で症状の軽減を認めた。あわせて若干の文献的考察を行なつた。
  • 夏秋 まき子, 中原 哲士, 田中 光
    1980 年 42 巻 1 号 p. 41-44
    発行日: 1980/02/01
    公開日: 2012/03/22
    ジャーナル 認証あり
    昭和52年から53年に, 頬部および手背に発生した3例の若年性黒色腫を経験したので報告した。3例とも臨床的および組織学的特徴をほぼ満足し, 若年性黒色腫と診断するに至つた。加えて, 統計的事項, 臨床像, 組織像, 自然経過, 予後などについて若干の考察を加えた。
  • 安田 和正, 鈴木 久美子, 平野 京子
    1980 年 42 巻 1 号 p. 45-48
    発行日: 1980/02/01
    公開日: 2012/03/22
    ジャーナル 認証あり
    角膜炎を随伴した酒〓性ざ瘡の35才男子例を報告した。顔面にとくに誘因なく紅色小丘疹, 小結節および膿疱の混在した紅斑と毛細血管の拡張が出現し, 皮疹の病理組織所見はいわゆるrosacea-like tuberculidの典型的所見であつた。本症例における発症機序を推測するとともに, 酒〓性ざ瘡の皮膚変化と眼病変との関係について若干の考察を行なつた。
  • 杉本 憲治, 清水 正之
    1980 年 42 巻 1 号 p. 49-53
    発行日: 1980/02/01
    公開日: 2012/03/22
    ジャーナル 認証あり
    フトラフールによる掌蹠の色素沈着, 爪の変化に加えて日光皮膚炎型薬疹を呈した症例を報告した。患者は71才男子で, 胃癌手術後よりフトラフールを1日800mg, 6ヵ月間, 計136g, 内服したところ日光露出部に境界明瞭な腫脹した紅斑が出現し, 手掌に黒褐色色素斑と指趾の爪の黒褐色縦線条が認められるようになつた。フトラフールによる光貼布試験陽性, フトラフール200mg内服による皮疹の再現, フトラフール内服時のMEDの短縮(UVA, UVBともに), 内服誘発時再現した紅斑の病理組織学的所見で海綿状態を示したなどの検査結果から本例はフトラフールによる光アレルギー性皮膚炎の可能性があると考えられた。
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