西日本皮膚科
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42 巻 , 2 号
選択された号の論文の27件中1~27を表示しています
図説
綜説
症例
  • 比江嶋 睦典, 緒方 克己, 井上 勝平, 豊島 里志
    1980 年 42 巻 2 号 p. 201-208
    発行日: 1980/04/01
    公開日: 2012/03/22
    ジャーナル 認証あり
    致死型遺伝性表皮水疱症の1才8ヵ月男児例を報告した。帝王切開にて生まれ, 生下時より水疱や糜爛面が認められた。全指趾爪は脱落し, 鼻囲や口囲に特徴的な血痂がみられた。検査所見では著明な貧血, 血清亜鉛値の低下などを認め, 組織学的に水疱は表皮下にあり, PAS陽性基底膜は真皮側に存在した。また電顕的観察では接合部水疱であり, 非水疱部では半デスモゾームの未発達が認められた。治療は硫酸亜鉛の経口投与で血清亜鉛値を補正できたが, 皮疹の改善は得られなかつた。貧血に対しては頻回の輸血を行なつた。硼酸亜鉛華軟膏の塗布はある程度糜爛面からの出血防止に役立つたが, 開放部の方が痂皮などに被われ, 出血が少なかつた。剖検所見では死因は肺炎であり, それ以外に特異的な病変はなかつた。
  • 古川 雅祥, 谷井 司, 庄司 昭伸, 濱田 稔夫, 安本 亮二, 岸本 武利, 前川 正信
    1980 年 42 巻 2 号 p. 209-212
    発行日: 1980/04/01
    公開日: 2012/03/22
    ジャーナル 認証あり
    4名の乾癬患者に血液透析を行ない, 皮疹の軽快を見た。症例1は60才男子で約5年前より両下肢にそう痒のある米粒大の紅色丘疹が出現し, 種々の治療に抵抗した。血液透析を行なつたところ, 皮疹の軽快が認められた。一時増悪したが, 再度皮疹の軽快を見た。症例2は37才男子で約9年前より頭部に皮疹を生じ, 3∼4年前より小指頭大∼拇指頭大の紅斑性落屑性の皮疹を呈した。血液透析終了約8週後より皮疹の中心部より軽快した。症例3は32才男子で5∼6年前より皮疹が生じ, 膿疱性乾癬の状態となつた。血液透析終了後より皮疹の軽快を見たが1週間で再発した。症例4は20才女子で約11年前より皮疹を生じた。血液透析途中より皮疹は軽快したが約1ヵ月間で再発した。以上の4例を報告するとともに今までに本邦, 外国で発表された乾癬に対する透析療法の報告をまとめ若干の考察を加えた。
  • 熊切 正信, 浅沼 広幸, 三浦 祐晶
    1980 年 42 巻 2 号 p. 213-217
    発行日: 1980/04/01
    公開日: 2012/03/22
    ジャーナル 認証あり
    11年前および8年前に数ヵ月の経過で自然消退する孤立性, 深在性膿疱と乾癬様角化局面を生じたが, 再び6ヵ月前から同様の皮疹を発生した48才女子例を報告した。前駆症状として感冒様症状, 関節痛があつたが, 全身状態は侵されず, 検査所見でもCRP陽性をみたのみであつた。組織学的には乾癬型皮膚反応で, 膿疱部は角層直下の好中球を主体とした単房性膿疱であり, 膿疱性乾癬の1型と推測した。
  • 田中 章, 西岡 裕定, 高岩 堯
    1980 年 42 巻 2 号 p. 218-222
    発行日: 1980/04/01
    公開日: 2012/03/22
    ジャーナル 認証あり
    56才男子の右大腿に生じた特異な組織像を呈する悪性腫瘍の1例を報告した。組織学的には, 基本的にはBowen癌の範疇に入るものであるが, trichilemmal keratinization, PAS陽性clear cellなど毛包起源を思わせる所見に富み, 毛包系の悪性腫瘍と思われる1例で, 臨床的にもリンパ節, 肝, 肺への転移がみられた。発生起源としてproliferating trichilemmal cystの癌化した腫瘍を考えた。
  • 多田 讓治, 荒田 次郎, 中北 隆
    1980 年 42 巻 2 号 p. 223-228
    発行日: 1980/04/01
    公開日: 2012/03/22
    ジャーナル 認証あり
    臨床上陰茎結核疹と考えられる5例を報告した。うち4例は組織学的に非定型的であつたが, 1例に類上皮細胞性肉芽腫の典型像がみられた。症例1では丸山ワクチンが, 症例3ではINAH, rifampicinが, 症例5ではINAHがそれぞれ奏効したと考えられた。なお本疾患の診断に際し, その臨床所見と経過が重要であることを述べ, その病因として非結核性のものも考慮すべきことにふれた。
  • Pneumocystis carinii肺炎で死亡せる1例—
    藤田 優, 岩津 都希雄, 西林 聰武, 滝沢 淳
    1980 年 42 巻 2 号 p. 229-233
    発行日: 1980/04/01
    公開日: 2012/03/22
    ジャーナル 認証あり
    菌状息肉症腫瘤期の26才女子例を, 2年余にわたり経過を観察し, 報告した。初期にはprednisolone内服にて軽快したが, 1年後再発したため, prednisoloneに加えBLMを併用し, 2年後, 皮疹はほぼ消退した。しかし, そのころより, 発熱, 肝脾腫, 顎下リンパ節腫脹をきたしたため, VEP療法を施行した。治療開始後, 約2ヵ月にてPneumocystis carinii肺炎を合併し死亡した。剖検所見とあわせ, P. carinii肺炎についても少しく述べた。
  • 坂崎 善門, 武藤 公一郎, 城野 昌義, 前田 利為, 大塚 陽一郎, 絹脇 悦生
    1980 年 42 巻 2 号 p. 234-240
    発行日: 1980/04/01
    公開日: 2012/03/22
    ジャーナル 認証あり
    典型的SLE皮疹とともに肝腫大および肝圧痛のみられた9才女児のSLE症例を報告した。検査所見ではLE現象強陽性, 抗DNA抗体強陽性, 血清補体価の低下, GOT, GPT, LDHの上昇が認められた。治療にはコルチコイド最高85mg/日の大量持続点滴投与を行ない上記の臨床症状および検査所見の改善をみた。SLEの増悪期に一致して肝腫大および圧痛をきたし, GOT, GPTの上昇が経過とよく一致したことから, これらの肝症状はSLEの1部分症状としての重症型hepatic lupusと考えられた。コルチコイド大量投与中, Pneumocystis carinii肺炎を併発したが, pentamidine isethionateとsulfamethoxazole-trimethoprimの併用療法を行ない治療に成功した。P. carinii肺炎は死亡率の高いopportunistic infectionのひとつで皮膚科領域においても留意すべき肺感染症であることを述べ, その概要を紹介した。
  • 山本 須賀子, 伊東 陽子, 清水 正之, 浜口 次生
    1980 年 42 巻 2 号 p. 241-247
    発行日: 1980/04/01
    公開日: 2012/03/22
    ジャーナル 認証あり
    SLEの29才主婦例を報告した。昭和44年(18才時)以来, 11年間, 春から夏にかけて発熱と顔面, 躯幹に環状に拡大する浸潤性紅斑を生じ, 冬から春にかけては手足に凍瘡様皮疹を認めた。検査成績では白血球減少, RA陽性であつたが, 52年11月, 抗核抗体陽性となり, 53年9月には発熱と顔面, 背部のダリエ遠心性環状紅斑様皮疹を多発した。このときは抗核抗体陰性, 抗DNA抗体640倍, LE細胞陰性, 補体正常で背部の環状紅斑の組織像は非特異的であつた。しかし, 電顕的検索で同部位よりmicrotubular structureを証明した。以上のことからRekantらのauto-immune annular erythemaと類似症例と考えたが, 同年11月β1Eグロブリンの低下, 54年3月LE細胞陽性, 抗核抗体40倍(homogeneous pattern), CH50の低下を認めたため, 環状紅斑を主徴としたSLEと診断した。またいわゆる環状紅斑を主徴として, 組織学的, 免疫学的にSLEを疑わしめる症例をまとめて検討を加えた。
  •  
    大島 恒雄, 大島 圭子
    1980 年 42 巻 2 号 p. 248-251
    発行日: 1980/04/01
    公開日: 2012/03/22
    ジャーナル 認証あり
    前駆症状であるそう痒性紅色皮疹のくりかえす発生がなく, 色素沈着も網目状および大理石紋様ながら色調は薄く, 色素性痒疹であるか, 網状融合性乳頭腫症であるかの鑑別が困難であつた症例を報告した。そう痒性紅色皮疹発生後6ヵ月して色素沈着を生じ, しかも患者自身がそう痒性紅色皮疹の発生に気づいていない場所にも色素斑を見た。病理組織検査によつても色素沈着を見るのみで角質増殖も著しくなく, 乳頭腫症も存在しないため色素性痒疹と診断した。
  • 梅村 茂夫, 荒田 次郎, 野原 望
    1980 年 42 巻 2 号 p. 252-254
    発行日: 1980/04/01
    公開日: 2012/03/22
    ジャーナル 認証あり
    70才女子の顔面に生じたchromomycosisの1例を報告した。皮疹は左頬部に6×3mmの褐色, 表面疣贅状の肉芽腫様病変で, その中央部は深さ1mm足らずの小潰瘍をなし表面に痂皮を付着する。リンパ節腫脹はない。自覚症状はない。組織像は, 真皮中層に巨細胞を混じる細胞浸潤があり慢性肉芽腫の像を示した。その巨細胞内および毛嚢内にsclerotic cellsが認められた。巨大培養および懸滴培養にて, 原因菌をFonsecaea pedrosoiと同定した。病変摘出後5-FC 4.5g/dayを投与し現在経過観察中であるが再発の様子は見られない。本症例は, 岡山地方における第3例目のchromomycosisである。
研究
  • 今山 修平, 幸田 弘, 占部 治邦
    1980 年 42 巻 2 号 p. 255-268
    発行日: 1980/04/01
    公開日: 2012/03/22
    ジャーナル 認証あり
    正常の動静脈吻合の血管壁の中膜は, 縦走する小型の平滑筋細胞より成る内層と, 輪走する大型の平滑筋細胞より成る外層に分けられ, また外膜はアミン作動型とコリン作動型より成る豊富な神経支配を受けることを明らかにした。単発型glomus腫瘍では, 増殖した平滑筋様細胞の持つflamentに異常がみられ, また中膜と内皮下部に多数の神経要素を認めた。多発型glomus腫瘍では, 神経支配が乏しい点をのぞいて, 正常の動静脈吻合の血管壁との高い類似性が確認された。以上の所見は, 両腫瘍が動静脈吻合に由来するという考えを支持するものと思われ, 一方では, この腫瘍の発生に神経の異常が関与している可能性を示すものと思われた。
  • 麻上 千鳥, 西山 和光, 内平 信子, 藤田 英輔
    1980 年 42 巻 2 号 p. 269-275
    発行日: 1980/04/01
    公開日: 2012/03/22
    ジャーナル 認証あり
    デルマシドの抗白癬菌作用を検討するため, 1) in vivoの実験として陰股部白癬落屑中のTrichophyton rubrumがデルマシド外用によつて示す経日的変化を走査電顕および透過電顕的に観察した。透過電顕的には, デルマシド塗布3日および5日後には, 細胞壁で膨化, 一部に破壊および溶解などの所見が, また細胞質内では遊離リボゾームの減少, dense bodyや空胞の出現, 糸粒体のcristeの消失や凝集化が認められた。2) In vitroの実験として, phenyl 11-iodo-10-undecynoate 50γ/ml添加培地上のT. rubrumを走査電顕的に, phenyl 11-iodo-10-undecynoate 5γ/mlおよび 50γ/ml添加液中のT. rubrumを透過電顕的にそれぞれ検討した。その結果, 透過電顕的には5γ/ml 1時間後では明らかな変化はなかつたが, 4時間後では細胞質内に脂質顆粒の出現がみられた。50γ/ml 1時間後ではすでに菌体細胞の壊死性変化が認められた。
  • 猿田 隆夫
    1980 年 42 巻 2 号 p. 276-283
    発行日: 1980/04/01
    公開日: 2012/03/22
    ジャーナル 認証あり
    疥癬の走査電顕による観察は過去に欧米においてPomer (1975)のものがあるが, 本邦においてはいまだなされていないようである。特に虫卵の観察は欧米においてもみあたらない。そこで著者は虫体および虫卵を走査電顕的に観察する工夫をした。その結果その実体を明らかにできたが, これを応用すれば, 蔓延する疥癬に有効な薬剤の効力判定などに利用できるものと考えた。
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