薬疹と確診された30例および疑診された16例を対象とし,微量全血培養法により
3H-TdRの取り込み率を指標とするリンパ球刺激試験(以下LST)を実施して,その原因薬物検査法としての有用性および薬疹の発生機序に関する検討を行なつた。陽性率は両群ともに13%と低値であつた。陽性例は,播種状紅斑丘疹型,多形滲出性紅斑型,粘膜皮膚眼症候群型および一部苔癬様皮疹を伴う紅皮症型において認められたので,これらの疹型の薬疹の発生機序には遅延型アレルギーの関与の可能性が高いと考えられた。コルチコステロイド(以下CS)全身投与による治療後にLSTを実施した群ではそれの中止2週以後に,またCS非投与群では薬疹発症の2過以後にLSTを実施した群に陽性例が認められたので,LSTの実施時期ならびに実施前のCS全身投与は陽性率に一定の影響を与える可能性が高いと考えられた。
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