西日本皮膚科
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43 巻, 2 号
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図説
綜説
症例
研究
  • 倉員 正俊
    1981 年 43 巻 2 号 p. 230-241
    発行日: 1981/04/01
    公開日: 2012/03/22
    ジャーナル 認証あり
    Sporothrix schenckiiの菌体から稀塩酸で加水分解抽出し,ピクリン酸沈澱により抗原の精製を行なつた。その化学組成は90%以上が蛋白質からなり,残りは微量の糖や核酸であつた。その抗原活性は酸,アルカリ,熱などの物理化学的な影響にたいして非常に安定性が高く,免疫動物を使つたMIF試験や皮内反応においても特異性の高い遅延型反応活性を示した。一方,蛋白分解酵素で処理すると抗原活性が消失することから遅延型反応活性は蛋白に依存していることも解つた。次に,その抗原と従来使用されている培養濾液抗原(スポロトリキン)とを使つて,スポロトリコーシスの患者に皮内テストを試み,特異反応の比較検討を行なつた。反応活性において両抗原の間に差はほとんどなかつた。したがつて,臨床においてもこの精製された蛋白性の抗原は十分使用できるし,in vitroの遅延型反応にも応用できると考える。
  • 影下 登志郎, 城野 昌義, 中村 昭典
    1981 年 43 巻 2 号 p. 242-246
    発行日: 1981/04/01
    公開日: 2012/03/22
    ジャーナル 認証あり
    高令者(50∼89才)で遅延型皮膚反応(PPDおよびCandidaエキス皮内反応とDNCB皮膚貼布試験)を行ない,非特異的細胞性免疫能を,若年者(18∼29才)を対照として検討した。結果はPPD皮内反応では加令の影響は認めなかつたが,Candida皮内反応では60才以降で低下し,DNCB貼布試験では高令者全体で有意の低下が認められ,加令による細胞性免疫能は抗原認識相がまず障害され,反応相がついで障害される可能性を示唆するものと考えた。
  • 越智 敬三
    1981 年 43 巻 2 号 p. 247-251
    発行日: 1981/04/01
    公開日: 2012/03/22
    ジャーナル 認証あり
    薬疹と確診された30例および疑診された16例を対象とし,微量全血培養法により3H-TdRの取り込み率を指標とするリンパ球刺激試験(以下LST)を実施して,その原因薬物検査法としての有用性および薬疹の発生機序に関する検討を行なつた。陽性率は両群ともに13%と低値であつた。陽性例は,播種状紅斑丘疹型,多形滲出性紅斑型,粘膜皮膚眼症候群型および一部苔癬様皮疹を伴う紅皮症型において認められたので,これらの疹型の薬疹の発生機序には遅延型アレルギーの関与の可能性が高いと考えられた。コルチコステロイド(以下CS)全身投与による治療後にLSTを実施した群ではそれの中止2週以後に,またCS非投与群では薬疹発症の2過以後にLSTを実施した群に陽性例が認められたので,LSTの実施時期ならびに実施前のCS全身投与は陽性率に一定の影響を与える可能性が高いと考えられた。
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