西日本皮膚科
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43 巻 , 3 号
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図説
綜説
ワークショップ—皮膚科学における最近の免疫学の進歩—
  • 田上 三朗
    1981 年 43 巻 3 号 p. 380-384
    発行日: 1981/06/01
    公開日: 2012/03/22
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    角層下の無菌性膿疱の形成に特徴づけられる乾癬,膿疱性乾癬,角層下膿疱症,掌蹠膿疱症などいずれの病変部角層においても分子量12,500 daltonsの白血球走化因子が証明される。しかも免疫学的にこのなかには補体活性化で放出されるいわゆるanaphylatoxinといわれC3,C5由来のpeptideの存在が確かめられた。これらのことにもとづき角層の病変形成に果す役割,とくに補体活性化につき考えた。白癬においては真菌抗原に対する接触過敏症が生じ表皮増殖の亢進の結果角層内の菌の排除が行なわれる。しかし不十分であると菌由来の白血球走化因子と補体由来の白血球走化因子の働きによつて菌のいる角層下に膿疱が形成され,乾癬にみられると同様激しい表皮増殖と落屑が起り,菌が排除される機序が働くことを論じた。
  • 中川 昌次郎
    1981 年 43 巻 3 号 p. 385-389
    発行日: 1981/06/01
    公開日: 2012/03/22
    ジャーナル 認証あり
    接触原が皮膚に触れると,それは生体内に浸透して生体構成成分と結合し,それが抗原となつてアレルギー性接触皮膚炎の感作,誘発,調節などの機構を誘導すると考えられている。DNCBをモルモット皮膚に塗布し,その生体内分布を検討した結果,DNCBは主として表皮細胞(角化細胞,おそらくランゲルハンス細胞も),リンパ組織(とくに領域リンパ節)におけるリンパ球,マクロファージの細胞膜成分と結合することが明らかとなつた。これら接触原,細胞膜成分結合物が抗原となる可能性が示唆された。
  • 山本 昇壮
    1981 年 43 巻 3 号 p. 390-393
    発行日: 1981/06/01
    公開日: 2012/03/22
    ジャーナル 認証あり
    I型アレルギー反応によつて惹起される皮膚疾患の代表的なものは蕁麻疹であろうが,通常の慢性蕁麻疹へのこの反応の関与の証明は困難なことが多い。しかしながら,血清中に抗原特異IgE抗体が検出されないにもかかわらず慢性蕁麻疹患者では抗原による白血球からの特異的ヒスタミン遊離がみられる症例が,健常者に比して有意に多い。このことは,たとえ血清中に抗原特異IgE抗体が検出されなくても,蕁麻疹へのI型アレルギー反応の関与の可能性を示唆している。I型アレルギー反応による蕁麻疹の発現は主として遊離されるヒスタミンによつて起るが,その遊離機序をヒト皮膚をもちいてin vitroで検討した。このヒスタミン遊離反応には,温度,Ca++,esteraseの活性化,cyclicAMP,contractile systemなどの関与が推察される。また,局所のhistamine degrading enzymesも反応の程度に関与する可能性が示唆された。
症例
  • 平井 玲子, 岸本 武, 大熊 守也, 手塚 正, 上石 弘
    1981 年 43 巻 3 号 p. 394-397
    発行日: 1981/06/01
    公開日: 2012/03/22
    ジャーナル 認証あり
    43才男子の頭部右半を覆う巨大なcirsoid aneurysmの1例を報告した。この拍動性腫瘤は,10年前主栄養動脈である右後頭動脈を結紮,一時退縮したが,徐々に再燃増大したものである。Angiographyでは,左後頭動脈が拡張,蛇行し,正中部を越えてangiomatous lesionを形成していた。治療は,左外頸動脈および周囲からの輸入動脈を数回に分けて結紮し,腫瘤を全剔した。組織所見では,真皮上層より筋層におよぶ著しい血管新生像と内弾性板および壁の厚さの不規則な奇型血管の集塊から成る。術後1年で腫瘤が再燃し,angiographyで右甲状頸動脈由来の異常血管が主栄養動脈と確認されたので,これを結紮し腫瘤を全剔した。
  • 成田 博実, 緒方 克己, 菊池 一郎, 指宿 一彦, 海老原 宏
    1981 年 43 巻 3 号 p. 398-404
    発行日: 1981/06/01
    公開日: 2012/03/22
    ジャーナル 認証あり
    73才男子の粘液型悪性線維性組織球腫の1例を報告した。初診時,右大腿前面下部に可動性のある5×10cmの弾性硬の皮下結節を認めた。切除標本の肉眼所見では,ゼラチン状内容物を持つ結節性病巣が主として皮下脂肪組織内に認められたが,一部には硬いfibrousな部を混じていた。光顕的には,硬い部分は異型性を示すfiroblast様細胞が主体でstoriform patternを呈し,bizarreな核を有する巨細胞も散見された。Myxomatousな病巣は血管が豊富で,異型性のある紡錘型細胞,巨細胞を認め,間質はヒアルロニダーゼ消化性アルシアンブルー陽性所見を示し,粘液型悪性線維性組織球腫と診断した。
  • 新妻 忠, 住友 正和, 船橋 俊行, 竹内 和男, 中島 正男
    1981 年 43 巻 3 号 p. 405-411
    発行日: 1981/06/01
    公開日: 2012/03/22
    ジャーナル 認証あり
    40才女子の原発性胆汁性肝硬変患者に黄色腫の出現をみ,続いて白斑の合併を来し,原疾患の寛解に伴う高脂血症の正常化により,黄色腫の縮小,および消退をみた1例を経験した。黄色腫は,扁平黄色腫,およびそれらが融合して大小の局面を形成したと思われるもの,nodular xanthoma,歯肉の黄色腫,手掌線状黄色腫,眼瞼黄色腫など多彩な形態を呈したことより,原発性胆汁性肝硬変によるものと考えた。白斑の合併に関しては,小児期より額部に白斑を有していたこと,黄色腫に伴い好んでその部に一致して出現したこと,電顕における表皮内メラノサイトに多量の脂肪滴が取り込まれていることから,黄色腫に伴うメラノサイトの傷害が,白斑を誘発したもつとも可能性のある原因と考えた。
研究
  • 園田 優子, 小竹 喜美子, 高原 敬宗, 長 等, 成模 成一郎
    1981 年 43 巻 3 号 p. 412-415
    発行日: 1981/06/01
    公開日: 2012/03/22
    ジャーナル 認証あり
    1.5 MED照射によるUV紅斑を抑制する効果を,種々のステロイド外用法で比較した ODTは,6時間以内のデポー効果を示したが,単純塗布では,頻回に外用しない限り,急性炎症を抑止できなかつた。単純塗布,ODTともに,クリーム基剤よりも軟膏基剤が有効であつた。
  • 安野 秀敏
    1981 年 43 巻 3 号 p. 416-422
    発行日: 1981/06/01
    公開日: 2012/03/22
    ジャーナル 認証あり
    RAST法によるペニシリンおよびセファロスポリンアレルギーのin vitro診断法に対する有用性,およびこれら両薬剤間の交差感作を,同薬疹例なしい疑診例35例について検討した。蕁麻疹型薬疹の9例では,5例(55.6%)にRAST陰性であり,RAST法のこの型の薬疹への応用は,十分に有用と考えられた。播種状紅斑丘疹型薬疹の20例では,RASTは全例に陰性であり,RAST法のこの型の薬疹への応用は,不適当と考えられた。多形紅斑型薬疹の2例では,RASTは陰性であつたが,この型に関しては今後症例を重ねて検討する必要があると思われた。RAST陽性の蕁麻疹型薬疹5例中3例において,ペニシリンおよびセファロスポリンに対する交差感作が認められた。RAST陽性の5例中2例に血清総IgEの高値を認めたが,他3例はほぼ正常値であつた。RAST値の推移を換索した3例において,RAST値は経時的に減少する傾向を示した。
  • 内平 信子, 麻上 千鳥, 西岡 和恵, 西山 和光
    1981 年 43 巻 3 号 p. 423-431
    発行日: 1981/06/01
    公開日: 2012/03/22
    ジャーナル 認証あり
    ヒト脂腺細胞内脂質滴の走査電顕的観察に対するスチレン樹脂割断法および酢酸イソアミル割断法の適性を比較検討し,以下の所見を得た。
    1) スチレン樹脂割断では,脂質滴が融出しやすいのに対して,酢酸イソアミル割断ではその形態がよく保たれていた。従つてスチレン樹脂割断法は脂質滴と周囲細胞質との関係の観察に適するのに対し,酢酸イソアミル割断法は脂質滴自体の形態観察に適していると考えられた。
    2) スチレン樹脂割断法による観察の結果,脂質滴が小胞状滑面小胞体と連絡していることあるいは隣接脂質滴が互いに融合することが示唆された。
    3) 酢酸イソアミル割断法による観察の結果,脂質が脂質滴の成熟に伴つて質的ならびに立体構造的に変化することが示唆された。
  • 外山 望
    1981 年 43 巻 3 号 p. 432-438
    発行日: 1981/06/01
    公開日: 2012/03/22
    ジャーナル 認証あり
    昭和52年11月から昭和55年10月までの3年間に宮崎医科大学皮膚科を受診した帯状疱疹の患者106例のうち63例に局所乾燥·局所加温·交感神経節ブロック(星状神経節ブロックまたは硬膜外ブロック)の併用療法を実施し,疼痛の軽減,皮疹の改善,帯状疱疹後神経痛の予防にすぐれた効果を認めた。とくに高令者では,帯状疱疹後神経痛の予防のため,初期から交感神経節ブロック療法を行なうことの重要性を強調した。
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