西日本皮膚科
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45 巻 , 1 号
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図説
症例
  • 幸田 弘, 日野 由和夫
    1983 年 45 巻 1 号 p. 3-5
    発行日: 1983/02/01
    公開日: 2012/03/21
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    30才男子の左上腕内側にみられたpapillary eccrine adenomaの1例を報告した。大きさは1.2×1.5cmで, 半球状に隆起した褐色調の硬い腫瘤であつた。本腫瘍に属すると考えられる本邦の3症例について若干の考察をおこなつた。
  • 久永 雅穂, 名嘉 真武司, 阿部 順一
    1983 年 45 巻 1 号 p. 6-10
    発行日: 1983/02/01
    公開日: 2012/03/21
    ジャーナル 認証あり
    両腋窩にも皮疹を生じた外陰部Paget病の1例を報告した。症例は68才男子, 約2年前に陰嚢に拇指頭大湿潤性局面を生じた。初診時, 両腋窩にも米粒大から拇指頭大の紅斑局面がみられた。組織学的には外陰部, 両腋窩ともいわゆるPaget細胞が表皮内に認められ, Paget細胞はジアスターゼ抵抗性PAS染色陽性, Alcian blue染色陽性。Peroxidase antiperoxidase法によりcarcinoembryonic antigenも証明された。電顕的には外陰部, 両腋窩とも分泌型のPaget細胞がみられた。また本邦での外陰部と腋窩Paget病の併発症例を一括し統計的事項について述べると共にPaget細胞の起源について著者の考えを記した。
  • 田中 光, 猿田 泰夫
    1983 年 45 巻 1 号 p. 11-16
    発行日: 1983/02/01
    公開日: 2012/03/21
    ジャーナル 認証あり
    症例は72才の兄と60才の妹である。両者とも両側掌蹠に粟粒大から帽針頭大の淡黄色から褐色を呈する点状角化性丘疹ならびに同大の噴火口状あるいはうけ皿状の陥凹性皮疹が散在していた。現在ではkeratosis punctata palmaris et plantarisの名称で呼ばれているこの疾患の発生原因として汗管との関係が問題となつているが, これを証明すべき病理学的確定的証拠は見出されなかつた。しかし遺伝的要素は考えられた。
  • 赤木 理, 小玉 肇
    1983 年 45 巻 1 号 p. 17-20
    発行日: 1983/02/01
    公開日: 2012/03/21
    ジャーナル 認証あり
    顔面播種状粟粒性狼瘡(LMDF)の2例を報告した。第1例は7才女児で, 口囲皮膚炎様臨床像を呈した。第2例は, 33才男子で大型の結節として発症した。過去に報告された症例について検討した結果, 年少者のLMDFでは, 口囲皮膚炎様の臨床像をとるものが多いこと, また, 大型の結節を持つLMDFは, 20才台∼30才台の男子に多く見られることが判明した。LMDFの臨床形態と性·年令との関係および疾患概念についても考察を加えた。
  • 大山 勝郎, 成沢 寛, 乃木田 俊辰, 甲木 和子, 西田 浪子, 太田原 幸人
    1983 年 45 巻 1 号 p. 21-26
    発行日: 1983/02/01
    公開日: 2012/03/21
    ジャーナル 認証あり
    恙虫病は近年全国的に多発し, 昭和56年全国統計で388例, うち鹿児島県203例, 宮崎県22例と南九州はその多発地区として注目されている。熊本県においても初めて患者発生がみられた。症例のうち3例は39才生コン運転手, 66才農業, 79才建設会社員の男子でいずれも山林に出かけている。1例は42才主婦で, 夫が営林署員でしばしば山林に入つている。媒介者としてのツツガムシは熊本県においてキタサトツツガムシ, フジツツガムシ, ガーリエピアツツガムシ, コウチツツガムシ, クロシオツツガムシが多く, 季節的に春と秋から冬にかけて多く発生している。本症は的確な診断がつけば, 化学療法により完治する疾患である。近年の全国的多発と多職種への深い拡がりを再認識し, これに対する衛生行政の取りくみと臨床諸家の疾患認識の向上が早期診断·治療につながる。
  • 嘉月 博, 江川 清文, 中村 昭典, 栗谷 典量
    1983 年 45 巻 1 号 p. 27-28
    発行日: 1983/02/01
    公開日: 2012/03/21
    ジャーナル 認証あり
    インドメサシン軟膏は1%インドメサシンを含有するゲル状軟膏であり, 整形外科領域で頻用されている。症例は右アキレス腱周囲炎に対して同軟膏外用開始6ヵ月後, 塗擦部に第2度熱傷様皮膚炎を生じて来た。接触皮膚炎を疑いインドメサシンの濃度系列による貼布試験を施行した結果allergic contact dermatitisの可能性が示唆された。
研究
  • 野田 寛, 宇良 政治, 津嘉山 務, 知念 信雄, 末野 康平, 名嘉真 武男, 国吉 光雄, 伊集 操
    1983 年 45 巻 1 号 p. 29-34
    発行日: 1983/02/01
    公開日: 2012/03/21
    ジャーナル 認証あり
    ここ数年, 関心の度合いが高まりつつある扁桃病巣感染性皮膚疾患について, 当疾患の診断·治療に当つている皮膚科医ならびに耳鼻咽喉科医が, 現在どのように考え, どのように対処しているかを知るため, 全国86大学病院の皮膚科ならびに耳鼻咽喉科について, 4年前の前回とほぼ同様の内容にてアンケート調査を行い, 皮膚科44大学(回答率51.2%), 耳鼻咽喉科42大学(48.8%)より興味ある回答を得たので報告する。病巣感染の可能性のある皮膚疾患として, 前回1大学が指摘したものまで入れると, 13疾患群40疾患が指摘され, あまりにも数多く, 多彩なことに驚かされたが, 今回はさらに2疾患群17疾患が追加され, 総計15疾患群57疾患が指摘されていた。当疾患の診療の現状をまとめて報告すると共に, 当疾患の診療に当つての問題点を抽出した。
  • 四本 秀昭, 下川 優子, 野元 茂, 田代 正昭
    1983 年 45 巻 1 号 p. 35-39
    発行日: 1983/02/01
    公開日: 2012/03/21
    ジャーナル 認証あり
    近年, さまざまの領域の疾患で種々の方法によりcirculating immune complex(CIC)が測定され, その意義が注目されてきている。われわれはポリエチレングリコール沈降物補体消費試験により, SLE 20例, DLE 4例, PSS 10例, morphea 11例, 天疱瘡6例, 水疱性類天疱瘡7例, 尋常乾癬18例, 膿疱性乾癬2例, 有棘細胞癌8例, 悪性黒色腫3例, 悪性リンパ腫18例でCICを測定した。SLEでは臨床的に活動性であつた症例はすべてCICが高値を示した。これらの患者では適切な治療に反応するとCICは徐々に低下してきた。また非活動性のSLE患者では5.6%でCIC異常値がみられた。PSSでは30%の症例でCICが異常値を示した。またmorpheaでは18%の症例で異常値が認められ, これらはgeneralized morpheaと診断した症例であつた。天疱瘡では全例CICは正常範囲内であつた。水疱性類天疱瘡では29%でCIC異常値を示した。尋常乾癬では, 5.6%の症例でCIC異常値が認められた。また膿疱性乾癬では2例とも正常範囲内であつた。有棘細胞癌では63%の症例でCIC異常値が認められた。悪性黒色腫では3例とも正常範囲内を示した。悪性リンパ腫では17%の症例にCIC異常値が認められた。
  •  
    土居 敦子, 田辺 恵美子, 藤田 優
    1983 年 45 巻 1 号 p. 40-44
    発行日: 1983/02/01
    公開日: 2012/03/21
    ジャーナル 認証あり
    慢性蕁麻疹の患者13名に, H1型抗ヒスタミン剤(hydroxyzine)とH2型抗ヒスタミン剤(cimetidine)を単独投与ないし併用投与し, 膨疹出現時間, そう痒の程度, 膨疹の出現範囲, 膨疹の大きさにつき比較検討した。膨疹出現時間, そう痒の程度, 膨疹の出現範囲については, H1·H2型抗ヒスタミン剤併用療法が, 各々単独使用に優つていたが, 個々の膨疹の大きさについては差がみられなかつた。また, 自覚的には, 13例の患者のうち, 12例で併用療法が良い結果をもたらした。以上H1·H2型抗ヒスタミン剤併用療法は慢性蕁麻疹の治療に有効であると判断した。
  • 栗谷 典量, 大谷 靖世, 吉永 愛子, 古城 八寿子, 小野 友道, 米虫 節夫
    1983 年 45 巻 1 号 p. 45-54
    発行日: 1983/02/01
    公開日: 2012/03/21
    ジャーナル 認証あり
    経皮鎮痛消炎剤の臨床応用は増加の傾向にあり, 一方同剤による皮膚障害例もみられるようになつてきた。こうした実態に鑑み, これら製剤の皮膚刺激性あるいはアレルギーについてパッチテストにより検討を行つた。試料は副腎エキス含有軟膏, 同ゲル, インドメタシン軟膏, エトフェナマート軟膏の4種とそれぞれのプラセポである。被験者36名の結果から, インドメタシン軟膏は他剤にくらべ有意に強い皮膚反応を示すことを確認した。
講座
  • 上野 賢一
    1983 年 45 巻 1 号 p. 55-58
    発行日: 1983/02/01
    公開日: 2012/03/21
    ジャーナル 認証あり
    皮膚科領域における放射線療法という命題で本講座への執筆を依頼された。このテーマについては, 従来まで2回, 日皮学会教育委員会刊行の講義録を出し, 二, 三の全書, 大系類の本稿目に筆を執り, また折にふれて原著として発表している関係から, 今更めて再びの感なくもないが, 講座という卒後教育的な面を主眼目として, できるだけくだけた「お話」として書いてゆきたい。したがつて本講座の対象を卒後5, 6年まで, 専門医資格を取つたか取ろうかといつた方方に絞つたことを予め御諒承戴き度い。
治療
  • 新村 眞人
    1983 年 45 巻 1 号 p. 59-64
    発行日: 1983/02/01
    公開日: 2012/03/21
    ジャーナル 認証あり
    顔面を主とする難治性の青年性扁平疣贅患者50例に, ヒト線維芽細胞インターフェロン(Hu IFN-β)の皮下注射による治療を試み, 以下の結果を得た。
    1) 脱落例などを除く37例のうち17例は治癒し, 3例では著明な改善がみられた。治癒率は54.1%であつた。
    2) 治癒までに要した注射回数の平均は11.4回で, 治癒した症例では, 1例を除き治癒直前に, 疣贅部につよい炎症反応が認められた。
    3) 局所的ならびに全身的副作用はまつたく認められなかつた。投与後の臨床検査成績に異常値を認めず, Hu IFN-βの皮内反応(プリック試験)にも陽性例はみられなかつた。
    4) Hu IFN-βの皮下注射は青年性扁平疣贅に対して有効と考えられるが, その効果は確実ではない。しかしながら局所投与は明らかに有効であるので, さらに投与量, 投与方法を工夫する必要がある。
  • 大阪STD研究会
    1983 年 45 巻 1 号 p. 65-70
    発行日: 1983/02/01
    公開日: 2012/03/21
    ジャーナル 認証あり
    種々の病期の梅毒患者76例に対し, AMPC製剤であるSawacillinを経口投与することによつて主にSTS抗体価の推移からその治療効果を検討し, 早期梅毒例では100%の有効率を得た。晩期梅毒や成人先天梅毒例では有効率は低値であつたが, これは大部分がすでに治癒した症例であつたためと考えられた。さらに有効性を確認するために早期梅毒のかなりの症例について分画TPHA法を施行し, 梅毒IgM抗体が投与後速かに減少ないし消失することが証明された。副作用については, Jarisch-Herxheimer反応が比較的多くみられたが, 消化器症状や肝機能異常などは低率であつた。以上より, Sawacillinが梅毒に対して非常に優れた効果を有し, かつ安全性の高い薬剤であることが確認された。
  • 竹原 和彦
    1983 年 45 巻 1 号 p. 71-74
    発行日: 1983/02/01
    公開日: 2012/03/21
    ジャーナル 認証あり
    全身性鞏皮症患者18例に対して2種のカルシウム拮抗剤(diltiazemおよびnicardipine hydrochloride)を投与し, Raynaud症状を中心とする末梢循環障害に対する有用性を検討した。Diltiazemは14例中有効6例, やや有効4例で, やや有効以上を有効とした場合の有効率は71.4%であつた。Nicardipine hydrochlorideは4例中有効2例で, 有効率は50%であつた。副作用はdiltiazemで胃腸症状4例, 顔面のほてり感1例, ざ瘡様発疹2例, nicardipine hydrochlorideで顔面のほてり感1例, 頭痛1例がみられたが, 重篤なものはなかつた。
  • —非ステロイド性消炎剤の臨床評価に関する試案—
    多田 有平, 角谷 廣幸, 高橋 伸也
    1983 年 45 巻 1 号 p. 75-78
    発行日: 1983/02/01
    公開日: 2012/03/21
    ジャーナル 認証あり
    帯状疱疹に対しては種々の非ステロイド性消炎剤が使用されているが, その有用性についての判定は必ずしも容易ではない。自然治癒を示す本疾患においては, 症例によつて経過に著しい相違がみられる。今回われわれは, 新しい試みとして年令, 重症度, 合併基礎疾患, 併用薬剤を考慮に入れた薬効評価基準を設定し, それにもとづいてナプロキセン(ナイキサン錠)の帯状疱疹に対する治療効果を検討した。その結果, 18例中10例が有効と判定され(有効率55.6%), かつ副作用は1例にみられたに過ぎなかつた。これらの成績から, ナプロキセンは帯状疱疹に対して有用な薬剤であると評価された。
  • 長尾 貞紀, 佐藤 紀夫, 鈴木 讃, 田崎 京子, 鈴木 正夫, 森 憲彦
    1983 年 45 巻 1 号 p. 79-84
    発行日: 1983/02/01
    公開日: 2012/03/21
    ジャーナル 認証あり
    インドメサシン含有の外皮用剤(イドメシンコーワゲル)を帯状疱疹の25例に使用し有効な症例を認めた。急性期帯状疱疹16例中14例(88%)では本剤の使用により皮疹は二次感染をみることなく治癒した。帯状疱疹後疼痛10例中7例(70%)に鎮痛効果を認め, 一時的に疼痛の緩和·消失·蟻走感の消失が得られた。本剤は急性期の帯状疱疹および帯状疱疹後疼痛の治療に有用な薬剤であると思われた。
  • 佐藤 壮彦, 松田 和子
    1983 年 45 巻 1 号 p. 85-87
    発行日: 1983/02/01
    公開日: 2012/03/21
    ジャーナル 認証あり
    新鮮帯状疱疹患者16例に対して, 除痛の目的でビタミンB12のツボ注射を施行した。
    1) 1例を除き, ビタミンB12注射直後に疼痛はすみやかに消失したが, 数時間ないし半日位後に疼痛の再発がみられた。
    2) 疼痛の再然は, 通常, 注射前よりも軽く, 次第に軽減していつた。痛みのあるうちに重ねて注射を行えば, 疼痛は消失していく傾向が認められた。
    3) 部位的に効果の差異が認められたが, その本態は明らかではない。経路の分布の状態も関連があるように思われる。
    4) 除痛効果が迅速に出現するので, 初期治療としてきわめて有効である。
    5) 本法は, その手技が比較的簡便で, かつ容易に行える。他の治療法のような熟練を要する手技や特殊な器具をまつたく必要としない。
世界の皮膚科学者
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