ST-35(betamethasone 17-valerate含有テープ剤)の至適濃度を設定するため, 181例を被験対象に4施設共同の臨床比較試験を実施した。ST-35の濃度を4
μg/cm
2(4
γと略記), 6
μg/cm
2(6
γと略記)とし, 各々をfludroxycortide 4
μg含有テープ(FCテープと略記)またはfluocinolone acetonide 8
μg/cm
2含有テープ(FAテープと略記)と左右対比較試験法により臨床効果を比較した。皮膚所見では, 4
γは1週後判定の丘疹, 浸潤に関しFAテープより劣つたが, 6
γは2週後判定の紅斑, 浸潤に関しFCテープより優れた。全般改善度では, 6
γが2週後判定の乾癬および群全体でFCテープより優れ, 他群間には有意差を認めなかつた。副作用に関しては, いずれの比較群間にも明らかな差を認めなかつた。なお, 4
γと6
γとの間にも明確な差を認めなかつた。有用性の比較では, 4
γはFCテープとほぼ同等であり, FAテープにはやや劣つた。一方, 6
γはFCテープより優れ, FAテープとほぼ同等であつた。以上の成績から, ST-35の至適濃度として6
μg/cm
2が妥当であると結論した。
抄録全体を表示