RS44872クリームの臨床的有用性を評価するため, 10施設よりなる研究班を組織し, 白癬, カンジダ症および澱風について試験を行い, 以下の成績を得た。
1) 最終判定時における菌陰性化率は足白癬で78.9%, 股部白癬で95.1%, 体部白癬で89.9%, カンジダ性指間糜爛症で94.4%, 間擦疹型皮膚カンジダ症で96.3%, 澱風で92.0%であつた。
2) 皮膚所見および菌所見を合わせた総合効果判定における有効率は, 足白癬で64.2%, 股部白癬で95.1%, 体部白癬で84.1%, カンジダ性指間糜爛症で83.3%, 間擦疹型皮膚カンジダ症で88.8%, 癜風で90.0%であつた。
3) 副作用は8例(2.3%)にみられ, 皮膚炎·接触皮膚炎5例, 刺激感2例, そう痒1例であり, 比較的低い発生率であつた。
4) 臨床効果, 菌所見, 副作用, さらに従来の薬剤の使用経験を考慮した有用性の判定では, 有用率は足白癬で62.4%, 股部白癬で92.7%, 体部白癬で84.1%, カンジダ性指間糜爛症で83.3%, 間擦疹型皮膚カンジダ症で85.2%, 癜風で88.0%であつた。
5) RS44872クリームは臨床的有効率に優れ, 副作用の比較的少ない有用な抗真菌剤であると考えられる。
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