西日本皮膚科
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49 巻 , 2 号
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図説
綜説
  • 井上 勝平, 成田 博実, 緒方 克己, 高崎 直哉, 黒川 基樹, 天野 正宏, 江良 幸三
    1987 年 49 巻 2 号 p. 209-221
    発行日: 1987/04/01
    公開日: 2012/03/10
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    通常は緩徐に発病する脂漏性角化症, 老人性血管腫, 多毛症などが突発性(eruptive)に, 多くは6ヵ月以内に発症するケースでは内臓悪性腫瘍が高率に併発することが注目され, 突発性悪性腫瘍随伴性皮膚病変群eruptive paraneoplastic dermatosesとして把握されている。Leser-Trélat徴候(eruptive keratosis), multiple reticulohistiocytosis, hypertrichosis lanuginosa acquisita(eruptive lanugo hair), Crow-Fukase症候群(eruptive angioma), Bazex症候群(eruptive acrokeratosis)に該当すると思われる自験症例を供覧するとともに, わが国の報告例を中心に検討し, eruptive paraneoplastic dermatosesは多発性病変(multiple lesions)という静的状態ではなく突発性病変(eruptive lesions)という動的現象の視点から診ることの重要性を強調した。
ラウンドテーブルディスカッション
  • 奥平 洋巳
    1987 年 49 巻 2 号 p. 222-227
    発行日: 1987/04/01
    公開日: 2012/03/10
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    農薬とは, 農作物を害する菌, 害虫, ダニ, 線虫, ネズミ, 雑草などの防除に用いられる薬剤や天敵, および農作物の生理機能の増進や抑制に用いられる薬剤で, わが国では農薬取締法を中心とした関係諸法規により, 生産, 販売から使用に至るまで, 各方面からの規制を受けている。農薬の生産量は, 昭和40年代中頃まで年々伸長したが, その後は頭打ちとなり, 今日に至るまで横這い状態が続いている。農薬の安全性については, 昭和46年の農薬取締法改正により厳重なチェックが行われるようになり, また昭和60年には毒性試験のガイドラインが改正されて, 毒性試験がより詳細に実施されるようになつた。皮膚毒性試験は, 近年まで毒性試験の中でさほど重要な項目とはされていなかつた。しかし現在では, 皮膚一次刺激性試験および皮膚感作性試験は, 眼一次刺激性試験とともに農薬登録申請に際して必須試験項目となつている。最近の農薬中毒事故の原因は, ひとつには低毒性ということから, 農薬が安易に使用されることにある。このため, 国, 都道府県, 農薬工業会では, 農薬危害防止運動を実施し, 農薬を取扱う際の注意事項の普及徹底をはかつている。また, 昨年, 中毒時の治療に心要な情報を提供するための中毒情報センターが設立された。
  • 堀内 信之
    1987 年 49 巻 2 号 p. 228-235
    発行日: 1987/04/01
    公開日: 2012/03/10
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    農薬による接触皮膚炎の実態を明らかにし, 皮膚炎を生じやすい農薬を選定することを目的に, 臨床例の検討, 農薬によるパッチテスト, 光パッチテストを実施して, つぎの知見を得た。
    1) 感作性の強い農薬は, 有機リン剤ではDDVP, クロルピリホスメチル, サリチオン, MBCP, DMTP, ダイアジノン, MEP, 殺菌剤ではダイホルタン, トリアジン, チオファネートメチル, ベノミル, 硫黄剤ではアンバム, マンネブ, ジネブ, マンゼブ, ジラム, 有機塩素剤ではTPN, PCNB, カーバメート剤ではメソミルである。
    2) 光過敏性の認められる農薬は, DDVP, トリアジン, ダイホルタン, ジネブ, TPN, メソミル, パラコートである。
    3) 常用使用濃度で一次刺激性の強い農薬が多数みとめられた。
  • 木村 秀人
    1987 年 49 巻 2 号 p. 236-241
    発行日: 1987/04/01
    公開日: 2012/03/10
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    昭和54年から61年6月までの当科における植物による接触皮膚炎は33例であつた。サクラソウ9名, キク5名, キダチアロエ, ハゼ, ギンナンによるもの各4名, まれな植物としてキーウィフルーツ, レタス各1名, その他5名であつた。最近の植物皮膚炎は従来から多くみられているウルシ, ハゼ, ギンナン(イチョウ)のほか, 外国からの輸入植物を含むサクラソウ, キクをはじめとする観賞用植物による皮膚炎の増加がみられる。また, シソ, レタス, タバコなどの栽培者に一種の職業性皮膚炎としての集団発生もみられ, 野菜, 果物による皮膚炎も増加している。しかし, 皮膚炎をおこす原因物質, 抗原物質の不明な植物が多く, 抗原物質が判明していても確定診断のためのパッチテスト試薬の整備が不十分であり, パッチテストの至適濃度についても確立されたものがなく, 今後の研究に期待するものが多い。
  • 茂木 幹義
    1987 年 49 巻 2 号 p. 242-245
    発行日: 1987/04/01
    公開日: 2012/03/10
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    日本には約110種の蚊が産する。その中で医学的に重要なのは, 幼虫(ボウフラ)が人里近くの水域に発生し, 雌成虫がヒトから好んで吸血する種である。西日本ではアカイエカ(南西諸島ではネッタイイエカにおきかわる), チカイエカ, コガタアカイエカ, ヒトスジシマカなどが最も重要である。これらの種は生態がことなるので, その被害に対する効果的対策もことなる。雌成虫が吸血源となる動物を発見して完了するまでの過程は複雑で, わかつていない点もある。
  • 旭 正一
    1987 年 49 巻 2 号 p. 246-251
    発行日: 1987/04/01
    公開日: 2012/03/10
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    蚊の刺咬による皮膚反応の原因となる唾液内物質について概説をおこなつた。刺咬の際には, メス成虫は, まず吻を動物の皮膚に刺入し, 唾液腺物質を注入したのちに吸血をおこなう。この唾液腺は非常に小さく, 虫体の体積の1,000分の1以下しかない。そのため従来の研究のように, 全虫体をホモジネートして皮内反応アレルゲンを調製する方法は, 夾雑物の混入があまりにも多くて, 正確な解析が困難であり, このことが研究の進展が大きく遅れた原因となつている。刺咬による皮膚反応は, 即時反応(膨疹反応)と遅延反応(丘疹反応)があり, 個人差や加令による反応性の変化が大きい。ふつう乳児期には反応性がほとんどなく, 刺咬が重なるにつれて, 次第に遅延反応がおこるようになり, のちに即時反応がおこるようになる。さらに加令がすすむと, 遅延反応が減退·消失し, さらに遅れて即時反応も減退·消失して, 老年者は反応性がなくなつてくる。唾液腺物質は, 直接一次刺激をおこすという説と, アレルゲンとして作用するという説があり, 今日では, ほぼアレルギー説が採られているが, ヒスタミン様物質が含まれていて, 即時反応の形成に関与しているという可能性はある。唾液腺物質の従来の研究では, 非透析性の(分子量1万以上の)ペプチドが存在し, アレルゲンとして作用するらしいと考えられるが, それ以上の分析はおこなわれていない。一昨年, 本邦で, 唾液腺を一匹づつ分離してから分析するという研究が発表され, いくつか新しい知見が得られた。分子量6,000以下の低分子物質のほうが高い活性を示すとしており, 従来の研究とはややことなる結果で, さらに研究を要する。そのほかエステラーゼ, ポリアミンなども存在し, 唾液腺物質には, かなり多彩なものが含まれている。またヒスタミンの存在がみとめられて, アレルギーでない一次的反応も無視できないとしているが, いずれも今後の課題である。今後の研究には, このように唾液腺を分離してから分析する方法の採用が望まれる。
  • 末永 義則
    1987 年 49 巻 2 号 p. 252-259
    発行日: 1987/04/01
    公開日: 2012/03/10
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    蚊刺症は臨床的に蕁麻疹型, 痒疹型, 過敏症型, 致死型の4型に分けることができる。蕁麻疹型と痒疹型はごくありふれた病型であるが, 過敏症型と致死型はかなりまれなものである。本邦において, 過敏性蚊刺症の報告は現在まで27例あり, そのうち死亡例は11例である。死因の大部分は悪性組織球症に由来するものであつた。今回, 軽症型蚊刺症2例と過敏性蚊刺症3例を報告した。過敏性蚊刺症は組織学的にはArthus型血管炎の像を示した。37才女子の成人発症例の経過はきわめて良好であつた。死亡した2例のうち, 18才女子例は腎不全によるものであつたが, 剖検時の組織検査で肝, 脾, 腎などに組織球系の悪性腫瘍細胞の浸潤が認められた。23才女子例は初診時すでに右下腿に腫瘍性病変があり, 組織学的に悪性組織球症であり, 種々の治療にもかかわらず死亡した。
症例
  • 宮元 千寿, 川田 暁, 御藤 良裕, 大滝 倫子
    1987 年 49 巻 2 号 p. 260-265
    発行日: 1987/04/01
    公開日: 2012/03/10
    ジャーナル 認証あり
    全身性白皮症の3例を報告した。患者は症例1(7ヵ月女児), 症例2(1才4ヵ月男児), 症例3(8才男児)でいずれも生下時は毛髪, 眉毛, 皮膚が白つぽかつたが, 初診までの経過で色素の出現の有無にかなり差があつた。背部皮膚にて290nmおよび300nm単色光に対するMEDを測定したところ, いずれの症例も正常値の1/2∼1/3以下と低下が著明であつた。皮膚のドーパ反応ならびに電顕的検索により, 症例1をチロジナーゼ活性陰性型, ほかの2例を陽性型と診断した。頭髪の毛球部チロジナーゼ活性をも検討し, その成績は皮膚のドーパ反応および電顕的所見と一致した。この検査は簡便で患者に与える負担の少ない点により最優先すべき有用なものと考えた。治療対策として, 皮膚にはPreSun 15 “Creamy”(Westwood)を用い, 眼には紫外線カットのプラスチックレンズ(Nikon SX-13: 日本光学)とさらに症例1には透過率10%のneutral density filterを重ねた眼鏡を試用させた。症例1はとくに羞明が著しかつたが, この眼鏡により屋外で眼を開くことが可能となつた。
  • 樋口 満成
    1987 年 49 巻 2 号 p. 266-269
    発行日: 1987/04/01
    公開日: 2012/03/10
    ジャーナル 認証あり
    右下肢および右手背に生じたスポロトリコーシスの2例について報告した。症例1では腫脹, 硬結, 瘻孔がみられ足菌腫が疑われた。また症例2では, 比較的明瞭な紅斑が存在したことより接触皮膚炎を思わせた。しかし両症例とも病理組織学的にリンパ球, 好中球, マクロファージ, 巨細胞よりなる肉芽腫の像を示し, PAS染色で菌要素が観察された。培養でSporothrix schenckiiと同定, 本症と診断した。症例1ではステロイド長期内服, また症例2では抗生剤外用による処置が特異な臨床像をとらせた要因となつたものと思われた。
  • 前田 学, 森 俊二, 貝谷 久宣
    1987 年 49 巻 2 号 p. 270-274
    発行日: 1987/04/01
    公開日: 2012/03/10
    ジャーナル 認証あり
    左側の頭頂部より線状に鼻尖部ないし上口唇部におよぶ剣傷状鞏皮症の3才11ヵ月女児例を経験し, 頭部CTスキャン像で左側脳室の脈絡膜に石灰沈着と思われる所見を得たので, この病変と皮疹の相関につき考察した。また自験例に対し1年5ヵ月, 64回の針治療を行い, 皮膚硬化および色素沈着の改善と発毛がみられた。
研究
  • 池川 修一, 石原 和之, 大倉 久直, 中島 孝, 池田 重雄
    1987 年 49 巻 2 号 p. 275-279
    発行日: 1987/04/01
    公開日: 2012/03/10
    ジャーナル 認証あり
    おもにstage IVの悪性黒色腫患者20例を用い, radioimmunoassayにより血清neuron-specific enolase(NSE)値を測定し, さらに同じ患者より採取された腫瘍組織を用いてNSEの免疫組織化学的検討を行つた。血清NSE値は原発腫瘍のみ, あるいは転移が, 皮膚, リンパ節などに限局している患者では正常範囲内で, 全身に広汎な腫瘍転移を認めた15例中11例で上昇した。その範囲は17.0から261.1ng/ml, 平均54.4ng/ml(正常値15ng/ml以下)で, 同時に測定したLDHの上昇とは必ずしも相関しなかつた。免疫組織化学的検索では, NSEは原発腫瘍では8例中3例, 転移腫瘍では14例中10例が陽性で転移腫瘍での陽性率が高かつた。悪性黒色腫における血清NSE値測定の意義については, さらに検討を加える必要があるものと考えられる。
  • 武井 洋二, 中川 昌次郎, 方 東植, 長田 浩行, 岡 大介, 植木 宏明
    1987 年 49 巻 2 号 p. 280-284
    発行日: 1987/04/01
    公開日: 2012/03/10
    ジャーナル 認証あり
    ハプテン結合表皮細胞(EC)の投与により容易に接触過敏症が誘導される。われわれはこの機序を解明する目的で, 正常あるいはDNCBで感作した近交系strain 13モルモットに同じ系の動物から得たDNP結合ECを皮内注射し, その分布と組織学的変化を経時的に観察した。正常動物への注射では, 3日後には移入ECの著明な増殖がみられ, 5日後にはそれらはepidermal cyst様の表皮構造をとるようになり, 7日後には表皮構造は破壊され小円形細胞, 組織球様細胞, 好塩基球の浸潤がみられた。感作動物では, 1日後から小円形細胞, 好塩基球の浸潤がみられ, 3日以後にも移入ECの増殖は認められなかつた。皮内投与したハプテン結合ECの経時的観察は接触過敏症の感作過程から誘発過程にいたる一連のメカニズムを究明する一方法であると思われる。
  • 永田 陽子
    1987 年 49 巻 2 号 p. 285-289
    発行日: 1987/04/01
    公開日: 2012/03/10
    ジャーナル 認証あり
    真皮における液性免疫にどのクラスの免疫グロブリンが関与しているかを知る意味で, 梅毒二期疹7例および慢性炎症性細胞浸潤12例(炎症性粉瘤3例, 刺爪2例, 頭部乳頭状皮膚炎2例, 基底細胞腫2例, 老人性角化腫3例)にみられる抗体保有細胞についてクラス分けを酵素抗体法(ABC法)を用いておこなつた。その結果IgG保有細胞が平均84.4%とほとんどを占め, 主にIgGが局所の体液性免疫を担つている可能性が示唆された。ついで慢性炎症性細胞浸潤においてはIgAがIgM保有細胞より多く出現していたが, 梅毒二期疹においてはこれと異なり両者に有意差を認めなかつた。
  • 荒瀬 誠治, 中西 秀樹, 永井 隆, 武田 克之, 居村 洋
    1987 年 49 巻 2 号 p. 290-295
    発行日: 1987/04/01
    公開日: 2012/03/10
    ジャーナル 認証あり
    2人のダリエ病患者にソルベース(ポリエチレングリコール400, 4000の合剤)のODTを行い皮疹の改善をみた。作用機序を知る目的で, ポリエチレングリコール400(PEG400)をラット皮膚に塗布し, 表皮DNA合成について14C-チミジンの取り込みとin vitroオートラジオグラフィー法でみたところ, PEG400塗布は表皮DNA合成を亢進させる結果を得た。この結果とPEGの持つ薬理学的性質を考えあわせ, ダリエ病に対する作用機序について考察した。また, ソルベースODT療法は, レチノイド内服が不可能なダリエ病患者に対して有効であることを述べた。
講座
統計
  • 堀 真, 山城 一純, 鳥山 史, 入船 弘子, 吉田 彦太郎
    1987 年 49 巻 2 号 p. 304-310
    発行日: 1987/04/01
    公開日: 2012/03/10
    ジャーナル 認証あり
    西日本皮膚腫瘍研究会に属する15施設から提供された75症例の転移性皮膚癌について統計的検討を加えた。75症例中23例は肺癌の, 15例は胃癌の皮膚転移であつた。肺癌ではそのうちの18例が頸部, 頭部への転移であり, 胃癌では10例に腹部皮膚への転移がみられた。原発巣が発見されてから転移巣が出現するまでの平均期間は肺癌13例で7ヵ月, 胃癌11例で24ヵ月であつた。しかし肺のsmall cell carcinomaの3例では1.6ヵ月ときわめて短期間で皮膚転移をきたした。少数例ではあるが, 甲状腺癌の3例で13年, 3年, 1ヵ月と一定しないが長期例がみられ, 膀胱癌の2例で, 転移巣が先に発見された1例と原発巣発見後5ヵ月と, 転移期間の短い傾向がみられた。皮膚転移巣が原発巣より先に発見された症例は肺癌23例中10例, 胃癌15症例中4例であつた。その胃癌4例中3例は病理組織学的にsignet ring cell carcinomaであつた。転移巣が発見されてから死亡までの期間は全症例の平均で11ヵ月であつた。しかし, 肺癌では平均4.7ヵ月, 胃癌では6ヵ月であつた。なお, 肺のsquamous cell carcinomaの3例の平均では3週間後に死亡し, きわめて短期間であつた。一方, 尿管癌の1例では12年6ヵ月と著しく長期間であつた。原発巣が発見されてから皮膚転移をきたすまでの期間と転移巣形成後に死亡するまでの期間に一定の相関は認められなかつた。
治療
  • 本間 賢一, 大浦 武彦, 井川 浩晴
    1987 年 49 巻 2 号 p. 311-319
    発行日: 1987/04/01
    公開日: 2012/03/10
    ジャーナル 認証あり
    Zyderm collagen implant(以下ZCIと略記)は米国Collagen Corp. で開発された注入用牛真皮コラーゲンであり, 0.3%リドカインを加えた生理的燐酸緩衝液に混合され, 1ml中35mgの精製牛真皮コラーゲンを含むZCI-Iと65mgを含むZCI-IIの2種類がある。外傷性瘢痕, 術後瘢痕, にきび痕などの浅い陥凹性瘢痕, 加令によるシワを対象としてZCIの臨床効果および安全性について検討を行つた。昭和60年9月より昭和61年7月までに3∼69才(平均37.0才)の男子5名, 女子26名の合計31名の45症例を対象とした。対象部位はすべて顔面であつた。投与方法はあらかじめZCI-I 0.1mlにより皮内反応検査を行い陰性が確認された後に注入を行つた。臨床効果判定は最終注入後6週に行い, 著効, 有効, やや有効, 無効の4段階で判定した。昭和61年9月までに効果判定ができた31名の45症例について検討を行つた。加令によるシワ24例では, 著効17例, 有効6例, やや有効1例で有効率95.8%であつた。外傷性瘢痕, 術後瘢痕, にきび痕などの陥凹性瘢痕17例では, 著効3例, 有効13例, やや有効1例で有効率94.1%であつた。水痘後の陥凹性瘢痕3例では全例やや有効で効果は少なかつた。加令による上眼瞼の陥凹1例は著効であつた。全身的な副作用は認められなかつた。
  • 中山 樹一郎, 福島 幸子, 旭 正一, 占部 治邦
    1987 年 49 巻 2 号 p. 320-324
    発行日: 1987/04/01
    公開日: 2012/03/10
    ジャーナル 認証あり
    ステロイド外用療法でやや難治性の尋常乾癬9例に, ステロイド外用を続行しながら, 抗脂血剤プロブコールとパンテチンの併用内服投与をおこない, 1∼2ヵ月の投与期間で9例中5例に著明な皮疹の改善をみとめた。臨床検査成績では, 総コレステロール中等度低下, 中性脂肪やや低下がみられた。皮疹の改善効果についての作用機序は不明である。
  • 佐藤 則子, 中山 秀夫, 矢内原 巧, 鈴木 真由美
    1987 年 49 巻 2 号 p. 325-330
    発行日: 1987/04/01
    公開日: 2012/03/10
    ジャーナル 認証あり
    女子ざ瘡患者11例について, 基礎体温(BBT)をもとに, 投与期間, 症状観察時期, 採血時期を決定することにより, メサルモン-Fの尋常ざ瘡に対する臨床効果, 血中ホルモン値におよぼす影響を検討した。メサルモン-Fは1日3錠を1性周期投与した。臨床症状に対する総合判定では, 略治3例, 有効5例, やや有効1例, 無効1例, 悪化1例であつた。メサルモン-F投与により, FSH, LH, prolactine, cortisol, pregnenolone, progesterone, androstenedione, testosterone, estrone, estradiolはいずれも有意の増減は認められなかつた。Dihydrotestosteroneは, メサルモン-F投与後, 低下傾向(p<0.1)が認められ, 臨床症状が有効な症例において, 明らかであつた。
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