西日本皮膚科
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49 巻 , 3 号
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図説
綜説
症例
  • 竹内 実, 磯田 美登里, 西村 正二, 三浦 功博
    1987 年 49 巻 3 号 p. 418-421
    発行日: 1987/06/01
    公開日: 2012/03/10
    ジャーナル 認証あり
    甲状腺機能亢進症と全身性サルコイドーシスを合併した69才女子の症例を報告した。甲状腺機能亢進症の治療中に両側膝部の紅色丘疹および隆起性紅斑に気づき, 生検にて類上皮細胞肉芽腫を認めた。肺, 肝の生検にて同様の肉芽腫を認め, 両眼の精査でもサルコイドーシスを示唆する所見をえた。また血清ACE値の上昇も認められた。ステロイド内服により微熱, 倦怠感などの全身症状の改善をみ, 血清ACE値も低下した。本症例における両疾患の関連性について若干の考察を加えた。
  • 渡辺 亮治, 染谷 通, 吉田 実夫, 大塚 藤男, 石橋 康正
    1987 年 49 巻 3 号 p. 422-426
    発行日: 1987/06/01
    公開日: 2012/03/10
    ジャーナル 認証あり
    汎発性の白斑の治療のため, 計6年間亜細亜丸(亜砒酸)を内服した男子の右足にボーエン病, 有棘細胞癌などの皮膚悪性腫瘍とともに, malignant proliferating trichilemmal cystが生じ, リンパ節および内臓転移をきたして死亡した1例を報告した。慢性砒素中毒により全身の皮膚がいわば前癌状態にあり, このように多発性の悪性腫瘍を生じたと考えた。あわせて本症とボーエン病との関係について, またmalignant trichilemmomaとの類似性について考察を加えた。
  • 佐藤 仁吾, 荒田 次郎
    1987 年 49 巻 3 号 p. 427-432
    発行日: 1987/06/01
    公開日: 2012/03/10
    ジャーナル 認証あり
    2例の寒冷蕁麻疹を報告し, 膨疹発現温度と温度別最少誘発時間との関係および抗ヒスタミン剤の効果を検討するとともに, 発症機序と治療につき若干の考察を加えた。症例1(28才男子)は家族歴·既往歴にアトピー素因を認め27才時発症した。水泳時ショック様症状を生じるほどの重症例であつた。症例2(66才女子)は既往歴に薬物アレルギー(ピリン系感冒薬)があり, 66才時発症の軽症例である。一般検査ではともに特記すべき異常は認められなかつた。ice cube testにて症例1は1秒, 症例2は40秒以上で蕁麻疹が出現した。膨疹発現温度は症例1は0℃∼27℃, 症例2は0℃∼14℃であり, 最少誘発時間は誘発温度と正の相関を示した。血中ヒスタミン値はともに誘発後上昇した。ヒスタミン皮内テストはともに正常であつた。以下の諸検査は症例1のみ施行した。10℃における最少誘発時間の比較により各種抗ヒスタミン剤などの効果を判定, cimetidineとcyproheptazineとの併用が最も有効で, cyproheptazine単独でも有効であつた。22∼23℃の水に前腕を5分間, 1時間ごとに浸すことにより脱感作を試みたが蕁麻疹の発現が抑制されるまでに42時間を要し, 寒冷暴露の間隔を3時間以上に延長するのは不可能であつた。Cimetidine+cyproheptazine内服と上記の脱感作の併用により8時間まで延長できた。寒冷蕁麻疹の発症機序は不明な点が多いが, 症例により多様である可能性が強いと考えた。
  • 坂本 兼一郎, 山崎 雙次, 古谷 達孝
    1987 年 49 巻 3 号 p. 433-436
    発行日: 1987/06/01
    公開日: 2012/03/10
    ジャーナル 認証あり
    82才男子に初発し, 臨床ならびに組織学的に定型的な所見を呈した汎発性鞏皮症の1例を報告した。高令者に発症する鞏皮症はきわめてまれで, ここに報告した症例は著者らが調査した限り, 本邦における最高令者発症例である。また高令者発症の汎発性鞏皮症の予後に関して文献的考察を行つた。
  • 山城 一純, 喜々津 京子, 宿輪 哲生, 堀 真
    1987 年 49 巻 3 号 p. 437-442
    発行日: 1987/06/01
    公開日: 2012/03/10
    ジャーナル 認証あり
    昭和53年から昭和60年の間に当科で転移性皮膚癌と診断され, 病理解剖が行われた10例(肺癌8例, 子宮体部癌, 副腎癌各1例)について下記の項目を検討した。
    (1)皮膚転移部と原発臓器, 転移臓器との関連性
    (2)腫瘍塞栓と転移病巣との関係
    (3)原発病巣と皮膚転移病巣の病理組織学的異同
    (4)転移様式の検討
    (5)皮膚転移と予後との関連性。
    その結果, (1)肺癌では顔面頭部への転移が比較的多い。
    (2)自験10例中7例に脈管内腫瘍塞栓を認めた。腫瘍塞栓は転移経路が脈管であることを強く示唆する所見と考えた。(3)自験例では原発病巣と転移病巣は光顕組織学的に一致していた。しかし腫瘍巣のリンパ球浸潤形態には違いが認められた。(4)内臓癌の皮膚へのリンパ行性転移は解剖学的に起りにくいと考え, 皮膚転移の経路は血行性と考えた。(5)皮膚転移病巣が多発している症例は単発の症例よりも予後が悪かつた, などの所見が明らかとなつた。
  • 前田 学, 森 俊二, 常田 順子
    1987 年 49 巻 3 号 p. 443-446
    発行日: 1987/06/01
    公開日: 2012/03/10
    ジャーナル 認証あり
    針治療部に皮膚病変を生じた53才男子, 60才女子例を経験した。男子例は大豆大の結節が治療経穴部に一致して背部に散見された。組織は表皮内水疱とspongiosisおよび真皮全層におよぶ血管周囲性小円形細胞浸潤像を示した。女子例は真皮全層におよぶリンパ球の密な細胞浸潤と一部に胚中心様構築を特徴とし, 2例とも針によるまれな皮膚反応と考えられた。
  • 長尾 貞紀, 伊藤 信夫, 高橋 博, 田崎 京子, 滝口 好彦, 佐藤 紀夫, 飯島 進, 朝比奈 章悟, 北條 洋, 若狭 治毅
    1987 年 49 巻 3 号 p. 447-453
    発行日: 1987/06/01
    公開日: 2012/03/10
    ジャーナル 認証あり
    61才男子にみられたcutaneous T cell lymphoma(CTCL)を報告した。本症例ははじめの2年8ヵ月間, 多発性に皮下脂肪織炎を繰り返し, 死亡2ヵ月前になつて細胞学的に特異な性格を持つCTCLがあらわれ, 剖検では骨髄·脾·肝·リンパ節に反応性に増殖した組織球による著明なerythrophagocytosisがみられた。このような経過をとったCTCLは稀有のものと思われるので, 脂肪織炎と悪性リンパ腫との関係, さらに悪性リンパ腫に続発したreactive histiocytosisについて文献的考察を加えてこれを報告した。
  • 石本 多佳子, 出来尾 哲, 内藤 潤美
    1987 年 49 巻 3 号 p. 454-459
    発行日: 1987/06/01
    公開日: 2012/03/10
    ジャーナル 認証あり
    45才男子の全身皮膚に多発した多形紅斑様皮疹に, 眼瞼結膜·口腔粘膜症状と肝障害, 間質性肺炎を合併した薬疹の1例を報告した。病理組織像は, 表皮型の多形紅斑であり, 諸検査の結果, 発症直前に内服した市販の感冒薬によるものと考えられた。免疫学的な検査ではほとんど異常所見がみられなかつたので, これらの症状は, 非アレルギー性機序によつておこつたものと思われた。その際, 以前よりあつたと思われる肝障害が, 主要な役割をもつたと思われ, 正常では生じない, あるいは生じにくい薬剤の中間代謝産物によるものと想像された。
  • 片桐 一元, 本多 朋仁, 板見 智, 松永 悦治, 新海 浤, 高安 進
    1987 年 49 巻 3 号 p. 460-464
    発行日: 1987/06/01
    公開日: 2012/03/10
    ジャーナル 認証あり
    16才男子。von Recklinghausen病にて経過観察中に腰部に急速に増大する皮下腫瘤が出現, 後腹膜腔にも同様の腫瘤を認めた。両腫瘤ともに全摘出術を施行した。組織学的にmalignant schwannoma, grade Iと診断した。S100蛋白染色は陽性を示し, 分化度の高いmalignant schwannomaであると考えられた。また, 体型的, 体質的特徴よりMarfan症候群不全型を合併していると考えられた。母親にvon Recklinghausen病を認めたが, Marfan症候群に関しては家族歴は陰性であり, 突然変異による偶発合併と判断した。
  • 細野 久美子, 権 丙浩, 石原 勝, SUN Chee-Ching, 野上 哲則, 左奈田 精孝
    1987 年 49 巻 3 号 p. 465-470
    発行日: 1987/06/01
    公開日: 2012/03/10
    ジャーナル 認証あり
    症例1は27才フィリピン人女子。14才のときtuberculoid leprosy(?)と診断されている。約2年前より側頸, 躯幹, 上肢, 下肢に境界やや不明瞭な淡褐色斑, 小結節が多発, 散在する。左背, 左肘にはpunch out像を呈する環状局面がみられ, その周囲に衛星病巣を認めた。一部の皮疹では温·痛覚低下もみた。レプロミン反応陰性, FLA-ABSテスト陽性。組織像は真皮上層の組織球, 泡沫細胞浸潤で, periodic acid-carbol pararosanilin染色で泡沫細胞内に多数のらい菌を確認した。皮疹部のskin slit-smear法による塗抹標本のZiehl-Neelsen染色からも多数のらい菌が証明され, bacterial indexは4+ないし5+であつた。症例2は41才男子, 茨城県出身。約1年半前より両手指のこわばり感, しびれ感が出現, 約6ヵ月前より左上腕屈側, 左肘, 左前腕屈側に3個の紅斑が出現した。皮疹は比較的大型で, 境界は一部を除いてやや不明瞭であつた。前腕屈側の皮疹は中央がほぼ常色で環状を呈し, 外縁部および内側縁の一部は境界やや不明瞭, 皮疹部の痛覚低下を認めた。また両側尺骨神経腫脹を触知し, 両側手掌, 足底, 左臀の無疹部の痛覚低下も認めた。レプロミン反応陽性, FLA-ABSテスト陽性。組織像は主として神経周囲のリンパ球, 類上皮細胞浸潤で, らい菌は染色されず, skin slit-smear法からもらい菌は検出されなかつた。症例1はBL型, 症例2はBT型と診断した。あわせて病型による臨床, 検査所見の相違を述べた。
研究
  • 大川 幸三, 大野 貴司, 畠中 謙一, 荒田 次郎
    1987 年 49 巻 3 号 p. 471-475
    発行日: 1987/06/01
    公開日: 2012/03/10
    ジャーナル 認証あり
    当院開設以来, 現在までに抗RNP抗体が10,000倍以上の高値を示した17症例につき検討した。その内訳はSLE 5例, PSS 3例, MCTD 7例, UCTD 2例で, MCTDの6例とUCTDの全例およびPSSの1例の計9例は抗RNP抗体単独高値, SLEの5例とPSSの2例は抗DNA抗体ないし抗Sm抗体常時併存例であつた。性別では女子が15例と圧倒的に多く, 初発症状としてはレイノー現象が12例と最多を占めた。レイノー現象, 関節症状, 高γ-グロブリン血症, リウマチ因子が各種膠原病の枠をこえて共通して高頻度に認められ, 抗RNP抗体は疾患特異抗体というより症状特異抗体と考えられた。MCTD例ではレイノー現象, 関節症状, 手指背の腫脹, 肺線維症が高頻度に陽性であつた。腎症合併例はなく, ステロイド剤に対する反応性は全般的に良好であつた。抗RNP抗体の抗体価は, ステロイド治療にもかかわらず高値を持続している症例が多くみられた。以上より, 抗RNP抗体単独高値例はいずれかの膠原病に明確に分類しがたい場合が多いのに対し, ほかの自己抗体併存例ではSLEないしPSSの特徴を示していた。ここで抗RNP抗体とは抗ENA抗体RNase感受性抗体をいう。
  • 青木 重信, 北島 康雄, 矢尾板 英夫
    1987 年 49 巻 3 号 p. 476-482
    発行日: 1987/06/01
    公開日: 2012/03/10
    ジャーナル 認証あり
    全表皮ホモジネートから2%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS), 5%2メルカプトエタノール(2ME)含有中性トリス塩酸緩衝液(pH6.8)によつて抽出された蛋白中に, 尋常天疱瘡患者血清(PVS)および落葉状天疱瘡患者血清(PFS)と反応する抗原がイムノブロット法によつて認められた。これらのうち尋常天疱瘡(PV)および落葉状天疱瘡(PF)に特異的と考えられる分子量158kdのペプチドがPVSとPFSの各6例中各1例に認められた。このほかPVSおよびPFSの全例に正常ヒト血清(NHS)とも反応する抗原として, ケラチン線維蛋白と推定された数種のペプチドと分子量86kdと116kdの不明のペプチドも認められた。以上のことから, 分子量158kdのペプチドはPVおよびPFに特異的な抗原のひとつであると考えられた。PVおよびPFの各5例で特異的抗原を同定できなかつた理由として, 操作過程における天疱瘡抗原の失活あるいは天疱瘡抗原の多様性(heterogeneity)が考えられた。
  • 臼田 俊和, 柴田 啓子, 大津 稔彦, 樋口 陽子
    1987 年 49 巻 3 号 p. 483-487
    発行日: 1987/06/01
    公開日: 2012/03/10
    ジャーナル 認証あり
    手術室に関与する医療従事者の手荒れ, 皮膚炎の原因を検討するため, 外科系医師22名, 看護職員56名の計78名を対象に, 手術用ゴム手袋および消毒薬のパッチテスト閉鎖法を行つた。また, 薄層クロマトグラフィー(TLC)によるゴム手袋の成分分析も試みた。手術用ゴム手袋6種のパッチテストでは, (+)以上の反応は15/78(19.2%)に認められたが, 製品間にかなりの差異が認められた。老化防止剤の成分パッチテストでは, N-phenyl-N′-isopropyl-P-phenylenediamine(IPPD)に陽性反応が認められたが, ゴム手袋のTLCによる分析では, IPPDと完全に一致するスポットは検出されなかつた。また手術用ゴム手袋の滑剤では, 陽性反応は1例も認められなかつた。消毒薬のパッチテストでは, 実際の使用濃度の1∼10倍希釈の貼付で, 被検者の91%に刺激反応が認められた。
  • 原田 正, 山田 秀和, 手塚 正
    1987 年 49 巻 3 号 p. 488-491
    発行日: 1987/06/01
    公開日: 2012/03/10
    ジャーナル 認証あり
    アトピー皮膚炎患者59例の末梢血リンパ球サブセットについて, OKT3, OKT4, OKT8, OKT4/T8比を測定し, (1)年令相応対照群との比較, (2)気道アトピー合併の有無による比較, (3)皮疹の重症度とOKT4/T8比との相関, (4)血清IgE値(log変換値)とOKT4/T8比との相関について検討し, 以下の結果を得た。
    (1) アトピー皮膚炎患者では年令相応対照群に比較して, OKT8陽性細胞の増加, (p<0.05), OKT4/T8比の低下が認められた(アトピー皮膚炎患者1.29±0.44, 年令相応対照群1.51±0.41, p<0.05)。
    (2) 気道アトピー合併群と非合併群との比較では, 上述の検討項目のいずれにおいても差を認めなかつた。
    (3) アトピー皮膚炎患者の重症度とOKT4/T8比との間には相関は認められなかつた。
    (4) 血清IgE値(log変換値)とOKT4/T8比との間にも相関は認められなかつた。
  • 滝脇 弘嗣
    1987 年 49 巻 3 号 p. 492-498
    発行日: 1987/06/01
    公開日: 2012/03/10
    ジャーナル 認証あり
    鞏皮症および肥厚性瘢痕病変部における経皮酸素分圧(tcPo2: 44℃加温)の低下を報告した。全身性鞏皮症8例の手背では40±11.5mmHg(対照: 64.0±7.3mmHg), 肥厚性瘢痕8例では39.6±11.9mmHg(69.6±4.7mmHg)で有意の低下を認め, モルフィアの少数例も病変部で同様な結果を得た。また低下の程度は臨床的な硬化の程度と比較的並行した。同時に行つたレーザードプラ血流計を用いた同部皮膚血流測定では, 非加温時は対照との差異を認めなかつたが, 局所加温時は硬化病変部で有意の低下がみられ, tcPo2とも相関した。以上の成績から, これら病変部では局所加温による毛細血管の開大や血流増加が正常に比し弱く, 毛細血管のいわゆる“動脈化”が完全でないうえに, 毛細血管からの酸素拡散能の低下が相乗してtcPo2の低下を生起したものと推測し, tcPo2はこれら病変の硬化の程度を知るパラメータになりうると考えた。
講座
治療
  • 高橋 泰英, 中嶋 弘, 永井 隆吉
    1987 年 49 巻 3 号 p. 507-511
    発行日: 1987/06/01
    公開日: 2012/03/10
    ジャーナル 認証あり
    Aciclovir錠内服により単純ヘルペス感染症を治療した結果を報告した。対象はカポシ水痘様発疹症6例, 性器ヘルペス2例, 顔面ヘルペス, 口唇ヘルペス各1例の計10例であつた。いずれの症例も1回200mgのAciclovir錠を1日5回, 5日間経口投与し, 投与後速やかに全身症状ならびに皮膚症状の改善を認めた。副作用としては1例に中等度の肝機能障害を認めたが一過性であつた。有用以上の有用率は88.8%であつた。
  • 高橋 正明, 今田 吏津子, 菅原 隆光
    1987 年 49 巻 3 号 p. 512-514
    発行日: 1987/06/01
    公開日: 2012/03/10
    ジャーナル 認証あり
    エパティック·ゲル(ケトプロフェン軟膏)の疼痛を伴う皮膚疾患に対する有効性, 安全性を検討し以下の結果を得た。
    1) 結節性紅斑2例, 悪性黒色腫術後瘢痕1例, 帯状疱疹2例, 帯状疱疹後神経痛1例, 全身性鞏皮症4例, 全身性鞏皮症と慢性関節リウマチの合併例1例, 結節性動脈炎1例, Behçet病1例, 関節症性乾癬1例の14例に対して鎮痛, 消炎を目的としてエパティック·ゲルを使用し, 著明改善1例, 改善7例, やや改善2例, 不変3例, やや悪化1例, 全般改善度は改善以上57.1%, やや改善以上71.4%という結果を得た。
    2) 副作用については, 14症例中刺激感1例, 局所熱感1例を認めたが, いずれも使用中止により症状は速やかに消失した。
    以上の成績より, エパティック·ゲルは局所的に用いることで消炎·鎮痛の効果を得られる有用な薬剤であると考えられた。
  • 中山 樹一郎, 樋口 理恵, 福島 幸子, 占部 治邦
    1987 年 49 巻 3 号 p. 515-521
    発行日: 1987/06/01
    公開日: 2012/03/10
    ジャーナル 認証あり
    単発および多発型の円形脱毛症患者14例に対し, カリクレイン·デポーの局注(原則として週1回)をおこない, 塩化カルプロニウム液またはフルオシノニドローションを対照薬としてその臨床効果と安全性を検討した。
    1. 改善度においてカリクレイン·デポー群では「改善」以上の改善率は14例中10例(71%), コントロール群で11例中5例(45%)であつた。
    2. 有用度においてカリクレイン·デポー群では「有用」以上の有用率は14例中9例(64%), コントロール群で11例中4例(36%)であつた。
    3. 副作用は局所の疼痛·頸部リンパ節腫大1例, そう痒性落屑局面の出現1例, 紫斑1例(カリクレイン·デポー局注によるものかは不明)計3例みたが, いずれも局注中止あるいは休止によりすみやかに症状は消失した。
    今回は少数例であつたが, 今後, 本剤の投与量, 投与期間や対照薬など, さらに詳細に検討されることが望まれる。
世界の皮膚科学者
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