西日本皮膚科
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50 巻 , 6 号
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図説
綜説
症例
  •  
    武 信昭, 平野 哲哉, 伊与田 修, 末永 義則
    1988 年 50 巻 6 号 p. 1018-1021
    発行日: 1988/12/01
    公開日: 2012/03/07
    ジャーナル 認証あり
    66才女子。約10年来の尋常性乾癬が昭和62年の春頃より悪化した。7月頃高血圧を指摘されシンフィブラートの内服を開始した。9月になつて四肢に緊満性水疱が出現し, 水疱性類天疱瘡の疑いで入院となる。検査成績で赤沈亢進, 好酸球増多, IgE高値を示した。病理組織学的所見で表皮真皮間の裂隙とその直下の好酸球, 小円形細胞の浸潤があつた。蛍光抗体直接法で基底膜部にC3の沈着があつた。血清の抗基底膜抗体価は40倍であつた。以上の所見より尋常性乾癬に合併した水疱性類天疱瘡と診断した。
  •  
    三砂 範幸, 幸田 弘
    1988 年 50 巻 6 号 p. 1022-1026
    発行日: 1988/12/01
    公開日: 2012/03/07
    ジャーナル 認証あり
    72才男子。初診1年前より両側肘頭部に落屑性紅斑を生じていた。初診約5ヵ月前より呼吸器症状が出現し, それとともに落屑性紅斑が躯幹, 四肢にひろがつてきた。紅斑は病理組織像から乾癬と診断された。全身的には, Streptococcus faecalisによる膿胸および遷延性肺炎, 糖尿病が認められた。乾癬に対してはとくに処置せず, 膿胸, 遷延性肺炎の治療を行つたところ, 呼吸器症状の改善とともに紅斑が消退していつた。肺の細菌感染症により紅皮症様化した乾癬と考えた。
  • 加藤 晴久, 濱田 稔夫
    1988 年 50 巻 6 号 p. 1027-1030
    発行日: 1988/12/01
    公開日: 2012/03/07
    ジャーナル 認証あり
    顔面に多発したapocrine hidrocystomaの1例を報告した。症例は63才女子で, 初診の約3ヵ月前に右上眼瞼内側部および左外眼角部に自覚症状を欠く皮疹が存在するのに気づいた。初診時には右上眼瞼に直径0.3cm, 表面淡褐色の柔らかい丘疹と, 左外眼角部に直径0.7cm, 半球状に隆起した, 表面正常皮膚色の透光性のある嚢腫状の皮疹が認められた。病理組織学的に, 前者は3つの嚢腫腔を有する腫瘍であり, 嚢腫壁は数層の好酸性の細胞質とクロマチンに富む円形の核を有する立方状ないし円柱状の細胞により構成され, 断頭分泌像が認められた。またその細胞質内には, PAS染色陽性, ジアスターゼ消化抵抗性の顆粒が多数認められた。後者は単一の嚢腫から成り, 壁を構成する細胞はやや扁平であり, 典型的な断頭分泌像はみられず, 細胞質内には少量のPAS染色陽性顆粒が認められるに過ぎなかつた。両者ともよく発達した結合織に取り囲まれていたが, いずれにも筋上皮細胞は認められなかつた。酵素組織化学的検索は行つていないが, 組織像および臨床的特徴から, 自験例を多発性apocrine hidrocystomaと考えた。本症の多発例は, 本邦ではこれまでに2例の報告があるのみで, きわめてまれであると思われたのでこれを報告するとともに, 文献的考察を行つた。
  •  
    津田 摂子, 三砂 範幸, 成沢 寛
    1988 年 50 巻 6 号 p. 1031-1034
    発行日: 1988/12/01
    公開日: 2012/03/07
    ジャーナル 認証あり
    75才女子。臨床的に, 乳頭部に皮角様の円錐状角化性腫瘤を呈した乳房Paget病の1例を報告した。組織学的には, 不全角化を伴つた著明な角質肥厚を認め, 表皮内には, 小胞巣状に増殖したPaget細胞を認めた。真皮では, いわゆるcomedo carcinomaの状態で, 一部に乳管外増殖を認めた。CEA染色を行い, 陽性所見を得た。
  •  
    山元 真理子
    1988 年 50 巻 6 号 p. 1035-1038
    発行日: 1988/12/01
    公開日: 2012/03/07
    ジャーナル 認証あり
    Bowen病7例の組織学的検索(HE染色, PAS染色, アルカリコンゴ赤染色, ダイロン染色)により, 2例(78才男子, 66才女子)に表皮直下および真皮乳頭層にアミロイド沈着を認めた。ポリクローナル抗ケラチン抗体を用いた酵素抗体法(PAP法)では, 2例ともアミロイドは染色されず陰性であり, 表皮細胞のみ褐色の陽性反応がみられたことから, アミロイド沈着物にはケラチンは存在しないかあるいは反応を示さないほどきわめて微量でしかないと推測した。
  • —放射線照射続発例と特発例—
    中野 俊二, 蜂須賀 裕志, 加治 英雅, 笹井 陽一郎, 川村 光二
    1988 年 50 巻 6 号 p. 1039-1044
    発行日: 1988/12/01
    公開日: 2012/03/07
    ジャーナル 認証あり
    放射線照射後に生じた悪性血管内皮細胞腫の1例と, 特発性に被髪頭部に生じた1例とを報告した。症例1は78才女子。昭和31年子宮癌の手術ならびに60Coによる放射線照射を両仙骨部, 鼠径部に受けた。25年後左仙骨部の照射部位に紅斑, 潰瘍が出現し, 広範切除を施すも局所再燃を繰り返し, 皮疹発生後6年を経て肺, 後腹膜転移を起こし死亡した。症例2は58才男子。昭和61年なんの誘因もなく前頭部に暗赤褐色腫瘤を形成し, 漸次増大した。広範切除を行うが, 初発より1年3ヵ月後, 血気胸にて死亡した。免疫組織化学的に腫瘍細胞における第VIII因子関連坑原は両例ともに陰性から弱陽性を呈し, 高分化細胞に, より局在する傾向があつた。UEA-Iは細胞の分化度に関係なく弱陽性から陽性を呈した。電顕的には血管内皮特有構造がみられ, 症例2では赤血球を貪食した腫瘍細胞を多数認めた。症例1と2は, それぞれ低分化から中分化, 中分化から高分化を示す悪性血管内皮細胞腫と考えられた。
研究
  • 笠田 守
    1988 年 50 巻 6 号 p. 1045-1049
    発行日: 1988/12/01
    公開日: 2012/03/07
    ジャーナル 認証あり
    線維成分に富む各種腫瘍, すなわちfibroma, dermatofibroma, schwannoma, neurofibroma, dermatofibrosarcoma protuberans, leiomyomaにおける膠原線維についてpicrosirius red染色, 偏光顕微鏡による観察, および電顕的に横断面の直径を計測した。また同時に酸性ムコ多糖についても検索した。これにより以下の結果を得た。
    1) Leiomyomaを除きいずれも膠原線維が豊富に存在した。
    2) Fibroma, dermatofibromaでは偏光顕微鏡で強い複屈折がみられ, 横断面の直径は80nm前後で(正常では100nm以上), 酸性ムコ多糖はデルマタン硫酸優位であつた。
    3) Schwannoma, neurofibromaでは複屈折は減弱, 直径は40nm前後でヒアルロン酸優位であつた。
    4) Dermatofibrosarcoma protuberansでは複屈折はほとんど消失し, 直径は40nm前後のものに加え10∼20nmの細線維もみられた。
    以上から, 膠原線維は疾患によりほぼ一定の直径をもつて縮小し, それらは酸性ムコ多糖の種類に関連していることが示唆された。
  • 吉田 正己, 手塚 正
    1988 年 50 巻 6 号 p. 1050-1054
    発行日: 1988/12/01
    公開日: 2012/03/07
    ジャーナル 認証あり
    生活用品または医療器具を介してウイルスが伝播したと推察される単純ヘルペス5症例について報告した。生活用品や医療器具がウイルス感染の媒介物となりうるかどうかを検討するために, これらの器具の材料物質にウイルス液を塗布または滴下したあと, 経時的に材料物質からのウイルス分離を試みた。結果は, すべての材料物質から1時間後までウイルスが分離された。この結果は, これらの器具がウイルス感染を媒介する可能性があることを示唆している。
  • —硝酸銀内服ウサギを用いて—
    多田 有平, 高橋 伸也
    1988 年 50 巻 6 号 p. 1055-1059
    発行日: 1988/12/01
    公開日: 2012/03/07
    ジャーナル 認証あり
    0.2gの硝酸銀を含有するオリーブ油懸濁液を9羽のウサギに連日, 1日1回経口投与し, これを蛍光灯照射群6羽, 非照射群3羽の2群に分けた。オリーブ油のみを同様に投与する3羽のウサギからなる第3群をコントロール群とした。肉眼的, 光顕的ならびに定量的に, これら3群における皮膚および内臓の色素沈着と銀粒子沈着の相違を内服後40, 70, 125日目に比較検討した。成績は以下に示すごとくである。1)皮膚においては, いかなる時期でも3群とも臨床的になんら色素沈着はみられなかつた。しかし, 毛嚢の基底膜部に銀粒子がごくわずかながら見出され, 2∼5ppmの銀が硝酸銀を14g, 25g投与した場合検出された。2)腸管においては, 硝酸銀を14g, 25g投与後にごく軽度の色素沈着を認めたが, 皮膚におけるとおおむね同じ量の銀が検出されたに過ぎない。3)腎および肝では硝酸銀が8g投与された時点でさえ明らかな色素沈着が見られ, それは投与総量の増加とともにより強くなつた。腎における銀粒子の沈着は硝酸銀25gの投与では皮膚よりも髄質においてより多量に検出された。4)ウサギ皮膚が明らかな色素沈着を示さない理由としては, 外分泌腺であるエクリン腺, 脂腺を欠くためと考えられる。結論的には, 汎発性(全身性)銀皮症における青灰色色素沈着は主として銀粒子の沈着によるものである。
  • —とくに組織内多糖体に関する組織学的検討を中心として—
    秋葉 知英, 江藤 義則, 和田 靖史, 滝本 正美, 熊切 正信, 大河原 章
    1988 年 50 巻 6 号 p. 1060-1068
    発行日: 1988/12/01
    公開日: 2012/03/07
    ジャーナル 認証あり
    ラットの背部皮膚にトレパンによる欠損創を作製し, その治癒過程に対する70%sucrose水溶液塗布の影響を6日間にわたつて観察した。治癒の指標として表皮のグリコーゲン量および真皮のヒアルロン酸量の各々の変動を組織学的に観察した。対照群には精製水を塗布した。その結果, 対照群, sucrose塗布群のいずれにおいても, グリコーゲン量は欠損創作製4日後に最大となり, sucrose塗布群でより高値となる傾向があつた。また再生表皮の分裂期表皮細胞数の増加とグリコーゲン量の増加はよく相関した。一方, ヒアルロン酸量は, 対照群で欠損創作製1日後から増加し4日後からは低下し始め6日後には1日後と同じ程度に低下した。Sucrose塗布群のヒアルロン酸量は対照群に比べ2日後, 3日後に高い傾向にあり6日後には低くなる傾向にあつた。これらの成績はsucroseが創傷治癒促進効果を発揮し得る可能性を示したものと考えられる。
  • 野間 建, 清水 信之, 山田 朗, 谷崎 泰象, 吉家 弘, 和田 秀敏
    1988 年 50 巻 6 号 p. 1069-1077
    発行日: 1988/12/01
    公開日: 2012/03/07
    ジャーナル 認証あり
    くりぬき法は顔面の良性の小腫瘍を皮疹に沿つて円形に切除し縫合せずにそのまま創の自然収縮閉鎖を待つて治癒させる方法であり, 色素性母斑にはとくに有効な方法である。本法の適応は小腫瘍の直径が7mm未満とされ, 7mm以上になると治癒期間が延長し瘢痕も顕著になる。そこで適応以上の大きさの腫瘍に対しても同様のくりぬき術を行ないその円形創を縮小するタバコ縫合を考案し, 臨床的に意義のある創の縮小効果を得た。自験例を報告し, 本法の手技について述べ臨床的適応について考察した。
講座
統計
  • 笹嶋 由美, 飯塚 一
    1988 年 50 巻 6 号 p. 1085-1090
    発行日: 1988/12/01
    公開日: 2012/03/07
    ジャーナル 認証あり
    昭和61年·62年の2年間, 旭川医科大学附属病院皮膚科外来を受診した15才以下の小児新患958名を年令別に乳児期(1才未満), 幼児期(1∼5才), 学童期(6∼11才), および中学生期(12∼15才)の4期に分け, 小児皮膚疾患の統計を行つた。とくに小·中学生にみられる皮膚疾患の実態に注目し, 今後の学校保健における皮膚科の重要性について検討した。小児新患数は新患総数の約27%を占め, そのうち約44%は小·中学生であつた。疾患群別患者数は湿疹·皮膚炎群が47.0%と一番多く, アトピー性皮膚炎はその41.2%を占め, 最も多くみられる疾患であつた。感染症は幼児期と学童期に集中しているが, 学校保健法で規定されている「伝染性皮膚疾患」の白癬, 疥癬は少なく, 尋常性疣贅·伝染性軟属腫·伝染性膿痂疹が多かつた。伝染性皮膚疾患と非伝染性皮膚疾患の比は1:4.6で, 後者が圧倒的に多かつた。このような結果から, 皮膚科検診におけるアトピー性皮膚炎を中心とした非伝染性皮膚疾患のチェック, 皮膚科医の皮膚科検診実施など学校保健への参加, 学校保健法の皮膚科に関する部分の改善などが必要と思われた。
  • 今福 武
    1988 年 50 巻 6 号 p. 1091-1095
    発行日: 1988/12/01
    公開日: 2012/03/07
    ジャーナル 認証あり
    長崎市のある皮膚科開業施設における昭和60年1月から61年12月にいたる2年間の白癬患者統計, および白癬菌培養成績について述べた。同期間内における白癬患者数は1,185名で, 外来新患総数に対する割合は10.1%であつた。病型別では足白癬が884例(74.6%)と最も多く, 次に体部白癬147例(12.4%), 陰股部白癬78例(6.7%), 以下手白癬, 爪白癬, 頭部白癬の順であつた。2年間の全分離白癬菌株数は732株, 内訳はTrichophyton rubrum 426株(58.2%), T. mentagrophytes 279株(38.1%), Microsporum canis 20株(2.7%)でその他にEpidermophyton floccosum 4株, T. glabrum 2株, T. violaceum 1株がみられた。病型別の原因菌種頻度は, 足白癬ではT. rubrum 252株(48.1%), T. mentagrophytes 271株(51.7%), M. canis 1株が分離され, 体部白癬ではそれぞれ102株(87.2%), 0株, 13株(11.1%)と, ほかにE. floccosum, T. violaceum各1株がみられた。陰股部白癬ではそれぞれ56株(87.5%), 6株(9.4%), 0株のほかE. floccosum 2株がみられ, 頭部白癬では6株すべてM. canisであつた。T. rubrumT. mentagrophytesの比は全白癬については1.53であつたが, 足白癬のみでは0.93とT. mentagrophytes優位を示した。また, T. mentagrophytesについては, T. rubrumに比べ夏季に急増し, 秋季にかけて急減するパターンが認められた。
  • 桐原 義信, 山元 修, 堀江 昭夫, 旭 正一
    1988 年 50 巻 6 号 p. 1096-1099
    発行日: 1988/12/01
    公開日: 2012/03/07
    ジャーナル 認証あり
    産業医科大学病院開院より, 約9年間に経験した基底細胞上皮腫90例について, 主として組織学的な解析を行つた。まず, 性·年令·発生部位の分布をしらべ, 次に, 病理組織型, 腫瘍細胞の形態, 柵状配列·色素沈着·石灰化などの有無について統計的に分類した。
治療
  • 笠田 守, 西尾 達己, 津田 真五, 笹井 陽一郎
    1988 年 50 巻 6 号 p. 1100-1106
    発行日: 1988/12/01
    公開日: 2012/03/07
    ジャーナル 認証あり
    湿疹·皮膚炎群に対するヒスタグロビン(HG)週1回3バイアル投与の治療効果をHGを投与しない群を対照として比較検討した。その結果HG群の有効率は有効以上60.9%, やや有効以上91.3%, 対照群はそれぞれ27.3%, 81.8%でHG群が有意に優れており, 有用度でも同様であつた。臨床症状別では最終観察日での比較でそう痒·紅斑·丘疹·落屑においてHG群で有意に改善がみられ, 総合重症度, 全般改善度でもHG群が対照群より優れていた。両群間に明らかな治療効果の差がみられたのは治療開始後3週間後であつた。基礎薬剤の減量効果ではHG群でステロイド外用剤の有意な減少がみられた。また副作用や一般臨床検査値には両群とも特記すべき異常は認められなかつた。
  • —週1回3バイアル投与の検討—
    中山 樹一郎, 松本 忠彦, 真崎 治行, 宮岡 達也, 武石 正昭, 松田 知子, 樋口 理恵, 徳永 孝道, 占部 治邦
    1988 年 50 巻 6 号 p. 1107-1117
    発行日: 1988/12/01
    公開日: 2012/03/07
    ジャーナル 認証あり
    慢性湿疹·皮膚炎群, 蕁麻疹群に対するヒスタグロビン1週1回, 3バイアル投与法の臨床効果を九州大学附属病院およびその関連施設病院皮膚科で検討した。
    1) 解析対象例の内訳は慢性湿疹·皮膚炎群85例(うち慢性湿疹53例, アトピー性皮膚炎11例), 蕁麻疹60例(うち慢性蕁麻疹58例)であつた。
    2) 蕁麻疹群の有効率, 有用率は各83.3%, 90.0%, 慢性湿疹·皮膚炎群のそれは各75.3%, 90.4%であつた。
    3) ヒスタグロビン3∼4回投与後にいずれの疾患群の改善率もプラトーに達した。また併用した抗ヒスタミン剤, ステロイド外用剤の有意の減量がみられた。
    4) 副作用は2例にみられた。
    5) ヒスタグロビン投与開始あるいは終了時期で臨床効果に差がみられた。
  • 島本 順子, 島本 博幸, 中村 英雄
    1988 年 50 巻 6 号 p. 1118-1123
    発行日: 1988/12/01
    公開日: 2012/03/07
    ジャーナル 認証あり
    各種基礎疾患により長期臥床, 経口栄養摂取不良となり, 保存的療法に抵抗性でしばしば菌血症の原因となる褥瘡を有する高令者12名(78.3±8.5才, 男子3名, 女子9名), 褥瘡部20ヵ所を対象とし, 高カロリー輸液療法を21日間施行した。褥瘡面積は開始前に比して開始後21日目に有意に減少した(16.0±12.8→13.6±13.7cm2, P<0.05)。面積10cm2以下の褥瘡10ヵ所のうち5ヵ所が完治し, とくに, 狭い表面積ながら深い瘻孔を有する2症例は, 高カロリー輸液開始後10日目と短期間で治癒した。高カロリー輸液開始前, 窒素平衡は負であつたが開始後正となり(P<0.01), また, トランスフェリン, レチノール結合蛋白の有意な増加を認め(P<0.01), 蛋白同化傾向が推定された。副作用は認められなかつた。高令者低栄養状態における難治性褥瘡の有効な治療の1つとして, 高カロリー輸液は試みられるべきと考えられた。
  • 三上 幸子, 三橋 善比古
    1988 年 50 巻 6 号 p. 1124-1128
    発行日: 1988/12/01
    公開日: 2012/03/07
    ジャーナル 認証あり
    体部白癬4例, 股部白癬1例, 足白癬35例の計40例に1%ビフォナゾール含有クリームおよび液の1日1回単純塗布による外用療法を行つた。その結果, 有効率(著効+有効)は, クリームでは体部白癬100.0%, 足白癬94.1%, 全体で95.0%, 液では, 体部白癬100.0%, 股部白癬100.0%, 足白癬83.3%, 全体で85.0%であり, その有用率は, 体部·股部白癬100%, 足白癬88.6%(クリーム94.1%, 液83.3%)と良好な治療成績を得, 1日1回外用の有用性を裏付けるものであつた。また, 全例において副作用を認めず, 安全性の高い優れた外用抗白癬剤であると考えられた。
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