西日本皮膚科
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51 巻 , 1 号
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図説
綜説
  • 田中 敬子, 島雄 周平
    1989 年 51 巻 1 号 p. 3-6
    発行日: 1989/02/01
    公開日: 2012/03/03
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    Dermatologists are not so familiar with transplantation immunity, especially graft-versus-host disease (GVHD). In order to understand GVHD, GVHD and other related diseases are discussed. The clinical course of bone marrow transplantation and GVHD are explained. GVHD is classified into congenital, iatrogenic or unknown GVHD with its origin. GVHD is also classified into hyperacute, acute or chronic GVHD with the time of onset. Pseudo GVHD (GVHD-like disease) appears following autologous transplant or syngeneic bone marrow transplantation. Postoperative erythema and post-transfusion GVHD are GVHD-related diseases and are also described.
症例
  • 佐々木 哲雄, 小野 秀貴, 菅 千束, 飯吉 英理子, 長谷 哲男, 中嶋 弘
    1989 年 51 巻 1 号 p. 7-11
    発行日: 1989/02/01
    公開日: 2012/03/03
    ジャーナル 認証あり
    55才女子。右下肢, 両前腕, 左足の線状強皮症皮疹, 両側腹部の斑状強皮症皮疹, 両手背の蝋様光沢を伴う硬化局面, 下腹部の小斑点状色素脱失集族局面など, 多彩な皮疹を呈した抗セントロメア抗体陽性の限局性強皮症の1例を報告した。CREST症候群の所見はみられなかつた。本抗体陽性の限局性強皮症の報告としては5例目と思われたが, その意義, 臨床所見との関連は今後の検討がなお必要と思われた。血清プロリルヒドロキシラーゼ値がしばしば高値を呈し, 皮膚線維化の指標となる可能性が考えられた。
  • 石川 博康, 秋田 尚見, 花田 勝美, 橋本 功
    1989 年 51 巻 1 号 p. 12-16
    発行日: 1989/02/01
    公開日: 2012/03/03
    ジャーナル 認証あり
    β-Blocker投与中に乾癬および扁平苔癬様皮疹を発生した3例を報告した。症例は66才, 51才, 70才の男子で, いずれも高血圧症のためβ-blockerの投与を長期にわたり受けていた。発疹は臨床的·組織学的に乾癬ないし扁平苔癬に類似するものであり, 症例1, 2では両者が合併していた。高令者に乾癬様および扁平苔癬様皮疹をみた場合, β-blocker服用の既往を確かめることが肝要と思われた。
  • 前田 啓介, 西本 勝太郎, 久保 容二郎
    1989 年 51 巻 1 号 p. 17-20
    発行日: 1989/02/01
    公開日: 2012/03/03
    ジャーナル 認証あり
    指輪による接触皮膚炎のため絞扼をきたした16才女子の1例を報告した。金属性の指輪を装着し始めて2週間後, 装着部に紅斑, 浮腫, そう痒を生じ, 4週間後にその部の絞扼による皮膚の断裂と四肢に大小の散布疹と思われるそう痒性紅斑を生じるようになつた。指輪を切断して除去した後, ステロイド剤の内服, 外用にて指輪部, 散布疹ともに急速に軽快した。金属による接触皮膚炎が考えられたため, 皮膚貼布試験を行なつたところ, 硝酸銀, 硫酸銅, 塩化コバルト, 硫酸ニッケルなどに対して陽性, とくに硫酸ニッケルには強陽性であつた。指輪の金属成分をX線マイクロアナライザーで分析しニッケルをかなり含むことを確認した。以上の結果から, 自験例ではニッケルによる接触皮膚炎が先行し, 急速な指輪部の絞扼をきたしたものと考えた。
  • 中村 猛彦, 小野 友彦, 丸尾 圭志, 荒尾 龍喜
    1989 年 51 巻 1 号 p. 21-23
    発行日: 1989/02/01
    公開日: 2012/03/03
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    掌蹠膿疱症の姉弟例を経験した。姉: 56才, 約3ヵ月前より発症し, 慢性扁桃炎と仙腸関節部の疼痛が認められた。弟: 44才, 約3年前に発症し, 慢性扁桃炎と左鎖骨部の疼痛が認められた。弟に対しては骨シンチを施行し疼痛部への異常な取り込み像を認めた。また扁摘術も施行し, 経過を観察中である。掌蹠膿疱症において骨関節症状(pustulotic arthro-osteitis)の合併頻度は高く, その病態は慢性扁桃炎などの病巣感染の関与と考えあわせると, 強直性脊椎炎のようなHLA関連疾患としての可能性が考えられるが, 姉弟間にHLA抗原検索の結果共通性はなく, 疾患との関連性も認めなかつた。いずれにせよ本症において家族内発症の報告はきわめて少く, 今後の検討が待たれる。
  • 土田 幸枝, 久本 和夫, 山田 健一, 麻上 千鳥, 師井 庸夫
    1989 年 51 巻 1 号 p. 24-26
    発行日: 1989/02/01
    公開日: 2012/03/03
    ジャーナル 認証あり
    35才女子の右頬部, 62才女子の左頬部に生じた好中球性紅斑の2例を報告し若干の文献的考察を行つた。臨床的に顔面に生じた比較的境界明瞭な環状あるいは弧状隆起性紅斑の鑑別診断として好中球性紅斑をあげる必要が示唆された。
  • 原 喜久子, 岩瀬 教子, 瀬在 由美子, 永島 敬士
    1989 年 51 巻 1 号 p. 27-31
    発行日: 1989/02/01
    公開日: 2012/03/03
    ジャーナル 認証あり
    55才女子。心原性ショックで内科治療中。血管確保のために左下腿, 大伏在静脈に行つていたソリタT3 500mlと1%KCl 10mlの混合液が漏出し, 再穿刺を行つた直後から, 穿刺部以下に10cm×20cmの出血性水疱を形成し急速に筋膜外層にまで達する乾性壊死に陥つた。該部を走行する大伏在静脈は広範囲に血栓形成と器質化を呈し, 植皮を必要とした。発症機序として静脈血栓による急性浮腫による循環障害と原疾患治療のために使用していたドパミンによる血管収縮傾向や大動脈内バルーンパンピングの際に生じた遊離血栓による動脈塞栓, 下腿前面の動·静脈分布の乏しさなどの全身的あるいは局所的要因が重なつて広範囲な皮膚潰瘍を形成したと推測した。
  • 石田 久哉, 中島 智子, 上田 恵一, 中永 昌夫, 郡 大裕
    1989 年 51 巻 1 号 p. 32-37
    発行日: 1989/02/01
    公開日: 2012/03/03
    ジャーナル 認証あり
    67才男子。50才頃から糖尿病に罹患している。昭和59年7月, 右手背に潰瘍を生じたが抗生剤にて治癒した。昭和63年1月, 左上腕に筋注を受けた後, 潰瘍を形成して急速に拡大した。プレドニソロン20mg, 抗生剤, γ-グロブリンの投与によつて治癒した。潰瘍部での細菌の好気性, 嫌気性培養では陰性であり, 合併症は糖尿病以外にはみられなかつた。壊疽性膿皮症の最近5年間における本邦報告例を集計し, 自験例を加えて臨床的事項について観察してみた。年令は20才∼50才代に多く平均は39.4才であつた。女子にやや多く, これは20才∼40才代に女子が多いためであつた。発生部位は全身におよび, とくに下肢では70.0%に認められ, また顔面, 頭頸部にも26.7%にみられた。合併症は62.7%にあり, 潰瘍性大腸炎が19例で最も多く, 次に大動脈炎症候群が10例であつた。糖尿病も2例(3.0%)に認められた。外的刺激が誘因になつている例は22.1%であつたが, 潰瘍性大腸炎または大動脈炎症候群の合併例では誘因がないことが多かつた。
  • 西嶋 攝子, 赤井 容子, 増田 理恵
    1989 年 51 巻 1 号 p. 38-43
    発行日: 1989/02/01
    公開日: 2012/03/03
    ジャーナル 認証あり
    当科を受診したざ瘡患者164名のうち集簇性ざ瘡と診断した9例の症例について臨床的検討を行つた。9例はすべて男子であり, 16才から22才までであつた。主としてテトラサイクリンの全身投与による治療を行い, dexamethasoneを加えた症例もあつた。9例中7例は比較的良好な経過をとつたが, 2例は治療に抵抗し, ケロイドの形成を認めた。6例においてはDHEA, DHEA-S, テストステロン, 5α-DHT, 17α-OHPの測定も行つた。DHEAは2例で上昇がみられ, DHEA-Sは全例で上昇していた。他は正常範囲内であつた。集簇性ざ瘡の初期における診断と予後の確定は困難な場合が多いが, 一般的なざ瘡治療に抵抗し, ことにケロイドを形成するような例には, 早期に特別な治療法をとる必要があると考えられた。
  • 平岩 厚郎, 高井 和子, 田中 隆義, 川本 文彦
    1989 年 51 巻 1 号 p. 44-47
    発行日: 1989/02/01
    公開日: 2012/03/03
    ジャーナル 認証あり
    右鼠径部に生じた無症候性の皮下腫瘤を主訴に来院し, 臨床的には粉瘤あるいはリンパ節腫脹を疑わせたが, 手術時にマンソン幼裂頭条虫が摘出された46才男性の一例を経験したので報告した。また, その虫体をイヌに投与し糞便より虫卵を, 剖検により腸管内より成虫を得たので併せて報告した。
  • 藤田 優, 小林 まさ子
    1989 年 51 巻 1 号 p. 48-51
    発行日: 1989/02/01
    公開日: 2012/03/03
    ジャーナル 認証あり
    20才女子, 下腿および59才女子, 腰部に発生したsyringocystadenoma papilliferumの2例を報告した。両例とも臨床的には表面疣状を呈する有茎性腫瘤で, 組織学的には角質増殖, 有棘層の肥厚を主として, 一部に嚢腫状の陥凹をみとめ, その中央部では管腔様上皮の著明な増殖を特徴とした。頭部および顔面以外に発生したsyringocystadenoma papilliferumの本邦報告例を蒐集し, 自験例の臨床像, 組織像と比較検討した。
  • 梯 洋子, 成沢 寛, 幸田 弘
    1989 年 51 巻 1 号 p. 52-55
    発行日: 1989/02/01
    公開日: 2012/03/03
    ジャーナル 認証あり
    55才女子の右手背にみられたapocrine cystadenomaの1例を報告した。病理組織学的には, 真皮内に嚢腫の形成がみられ, 内腔側の円柱細胞はところどころ増殖して, 樹枝状, 架橋状に内腔へ突出し, 断頭分泌の所見がみられた。外層の細胞は, 紡錘形の核を持つ扁平な細胞で筋上皮細胞と考えられた。本症の本邦における報告例を63例集計し得たが, 部位的には顔面, とくに眼囲に集中しており, 自験例のような手背例の報告は本邦で初めてである。
研究
  • 森田 秀樹, 木原 貴子, 倉本 賢, 南 祥一郎, 湯 正明, 山縣 正治, 相模 成一郎
    1989 年 51 巻 1 号 p. 56-58
    発行日: 1989/02/01
    公開日: 2012/03/03
    ジャーナル 認証あり
    小児皮膚筋炎の3症例について筋生検を施行し蛍光抗体法により, 免疫グロブリン, および補体の筋組織への沈着の有無について検討した。その結果, 3症例とも筋間質血管に, 免疫グロブリン, および補体の顆粒状沈着を認めた。同時に6症例の成人皮膚筋炎についても筋生検を行い, 同様の検索を行つたが, いずれの症例も, 筋間質血管への免疫グロブリン, および, 補体の沈着は認められなかつた。以上の結果は, 小児皮膚筋炎と成人皮膚筋炎とでは発症機序が若干異なる可能性を示唆すると思われる。
  • 定本 靖司, 荒瀬 誠治, 桑名 隆一郎, 中西 秀樹, 武田 克之
    1989 年 51 巻 1 号 p. 59-65
    発行日: 1989/02/01
    公開日: 2012/03/03
    ジャーナル 認証あり
    ビタミンD依存性クル病II型は, ビタミンD3に対する細胞内特異レセプター異常の結果発症するといわれ, 臨床症状として高頻度に禿頭を合併する。一方, 外毛根鞘細胞にビタミンD3特異レセプターが存在することも報告されている。以上の事実は, 正常の毛髪の成長にビタミンD3の関与を示唆している。われわれは今回, ビタミンD3の毛髪に対する効果を知るため, 活性型ビタミンD3: 1,25(OH)2D3の培養ヒト毛包細胞の増殖, 分化(colony formation, colony growth, cornified envelope形成, cell morphology)に与える影響を検討した。その結果, 1,25(OH)2D3は0.1∼10nMの濃度において, 濃度依存性に培養ヒト毛包細胞の増殖を抑制する一方, 分化を促進した。1,25(OH)2D3はin vitroにおいて, ヒト毛包細胞の増殖, 分化を調節していることが判明した。
  • 桑名 隆一郎, 荒瀬 誠治, 定本 靖司, 神野 公孝, 中西 秀樹, 武田 克之
    1989 年 51 巻 1 号 p. 66-70
    発行日: 1989/02/01
    公開日: 2012/03/03
    ジャーナル 認証あり
    Minoxidilの発毛促進作用を検討するため, postconfluent hair follicle cellsに対するminoxidilの影響について検討した。継代回数, 継代可能な細胞数ともminoxidil 10μg/ml群, コントロール群において差がみられなかつた。また, hair follicle cellsの分化にも変化がなく, 継代培養するにつれて核の消失, 細胞の大型化, cornified envelope formationなどの過程がコントロール群とほぼ同様に観察された。すなわち, minoxidilによるhair follicle cellsの老化抑制作用は認められなかつた。
講座
統計
  • 大熊 守也
    1989 年 51 巻 1 号 p. 79-83
    発行日: 1989/02/01
    公開日: 2012/03/03
    ジャーナル 認証あり
    100例の続発性(二次性)リンパ浮腫について臨床的に検討した。男女比は1:5, 年令は40∼80才に多かつた。また, 発生部位は下肢に多く, 約半数が片側性であつた。原因疾患として子宮癌39例, 乳癌10例などが多く, 治療別原因をみると, 根治的手術, 放射線療法をうけたもの39例, 手術のみ24例, 放射線のみ6例であつた。Latent phase(原因疾患, あるいは原因となる治療より浮腫発症までの期間)は, 直後から13年までみられた。22年から30年の症例もあつたものの, これらは因果関係が不確実であると思われた。組織学的には全例で毛細リンパ管拡張が必ずみられ, 象皮病になるとaminopeptidaseが真皮全層に陽性に認められた。問診, MRI, 組織クリアランス, 真皮中過酸化脂質定量が診断に有用であつた。合併症として細菌性蜂窩織炎や真菌症が多く, 治療はマイクロウエーブが効果を示した。
  • 堀内 保宏
    1989 年 51 巻 1 号 p. 84-85
    発行日: 1989/02/01
    公開日: 2012/03/03
    ジャーナル 認証あり
    鹿島労災病院皮膚科における主婦手湿疹の患者65症例につきアトピー素因の有無と出産との関係を検討した。全症例の内54例(83%)がアトピー素因を持ち, さらにその内の37例(68%)が出産を機に発症していた。この結果からも主婦手湿疹がアトピー素因と高い相関性を持ち, また出産が手湿疹の発症になんらかの関与をしているものと考えられた。
治療
  • TL-60研究班
    1989 年 51 巻 1 号 p. 86-94
    発行日: 1989/02/01
    公開日: 2012/03/03
    ジャーナル 認証あり
    基剤処方を異にする3種の2%トルナフテート配合ローション製剤(I薬, II薬, III薬)の有用性を比較検討する目的で, 体部白癬, 股部白癬を対象としwell controlled group-comparative studyによつて検討した。なお, I薬はマイクロエマルジョン基剤, II薬, III薬は透明基剤である。最終全般改善度, 菌陰性化, 最終総合効果, 有用性については3剤間に差は認められなかつたが, 副作用の発生率はI薬5.4%, II薬33.3%, III薬35.1%で, I薬が他の薬剤に比べて刺激性が少なく安全性の面から優れた製剤であることが示唆された。
  • TL-61研究班
    1989 年 51 巻 1 号 p. 95-103
    発行日: 1989/02/01
    公開日: 2012/03/03
    ジャーナル 認証あり
    2%トルナフテート含有マイクロエマルジョン(TL-61)の効果および安全性を検討する目的で, 足白癬2病型(小水疱型, 趾間型)計72例を対象とし, 臨床評価を行つた。有効率は2病型あわせて67.8%, 小水疱型62.1%, 趾間型73.3%であつた。副作用は趾間型に2例みられたが, いずれも軽度で使用中止により消退した。有用率は2病型あわせて84.8%, 小水疱型82.8%, 趾間型86.7%であつた。液剤の刺激性を軽減するためマイクロエマルジョン基剤としたTL-61は, 足白癬に対する高い有効性に加えて安全性の面においても優れた製剤であることが示唆された。
  • TC-63研究班
    1989 年 51 巻 1 号 p. 104-112
    発行日: 1989/02/01
    公開日: 2012/03/03
    ジャーナル 認証あり
    2%トルナフテート含有マイクロエマルジョンのクリーム製剤(TC-63)の効果および安全性を検討する目的で, 足白癬2病型(小水疱症, 趾間型)の計67症例を対象とし, 臨床評価を行つた。有効率は2病型あわせて77.1%, 小水疱型で70.0%, 趾間型で83.9%であつた。副作用は3例に認められたが, いずれも軽度であり使用中止により消退した。有用率は2病型あわせて80.4%, 小水疱型で76.7%, 趾間型で83.9%であつた。以上の結果より, TC-63は足白癬に対し有用性が高く, 安全性の面においても優れた製剤であることが示唆された。
  • 渡辺 直昭
    1989 年 51 巻 1 号 p. 113-130
    発行日: 1989/02/01
    公開日: 2012/03/03
    ジャーナル 認証あり
    抗原除去治療は皮膚科においては比較的新しい治療法で, これにより多数の症例を3年以上follow upした報告はきわめて少ない。化粧品シリーズ·パッチテスト·アレルゲンでclosed patch testをおこない, acylglutamate石けん(Minon)および抗原除去型化粧品(Clinica, Acsene)以外用いないように指導し, 美容院の協力と教室方式の患者指導を併用することで, 原因アレルゲンを患者皮膚に接触させない治療を長年おこなつて, その効果を観察した。色素沈着型化粧品皮膚炎53例, 再発性化粧品皮膚炎26例, ステロイド皮膚症11例について3∼11年follow upした結果, 全治+略治70例(78%), 著明改善+改善20例(22%)で, 無効は1例もなく, また3∼11年の連続使用による副作用は1例もなかつた。この治療法の鍵は, 生活指導によるアレルゲンを含みうる一般香粧品の併用の防止であり, またステロイド皮膚症における禁断症状対策の併用である。
  • 斎藤 すみ, 中嶋 弘, 青木 文彦
    1989 年 51 巻 1 号 p. 131-137
    発行日: 1989/02/01
    公開日: 2012/03/03
    ジャーナル 認証あり
    われわれは7例の難治性下腿潰瘍に対し, 硝酸イソソルビドテープ剤(フランドルテープ, 以下ISDN)の外用による治療を試み, 良好な結果を得た。副作用は1例も認められなかつた。7症例はいずれも下腿の血行障害, 循環不全をきたす基礎疾患があつた。方法はISDNの1/5∼2/3枚を潰瘍周囲に貼付するという簡単なものである。治療前ならびにISDN貼付時, 非貼付時の皮膚温をサーモグラフィーで測定し, ISDNによる皮膚温の上昇が確認された。同様の素材によるプラシーボテープ貼付時との間にも皮膚温の上昇に差が見られ, ISDNによる皮膚温の上昇は, ODT効果によるもののみではなく, ISDNそのものによる血管拡張作用によるものと思われた。また, 3例でISDNの血中濃度を測定したが, テープの1回使用量が少ない症例では, 検出しえなかつた。このため1回使用量が少なければ, ISDNによる種々の副作用は防げるものと推察された。
  • 長野 拓三
    1989 年 51 巻 1 号 p. 138-145
    発行日: 1989/02/01
    公開日: 2012/03/03
    ジャーナル 認証あり
    この度, 新しく臨床に登場した抗アレルギー剤(ケミカル·メディエーター遊離阻止剤)であるセルテクト錠(Oxatomide)を成人アトピー性皮膚炎に用いて, その有用性と安全性について検討を行つた。対象患者は豊中市皮膚科医会会員の16施設に来院した中等症以上のアトピー性皮膚炎で, 治験期間は昭和62年12月から翌年4月までの5ヵ月間であり, 用法はセルテクト錠1日2錠を投与し, 6週間継続投与して, 2週ごとにその臨床経過を追求して評価判定を行つた。結果は, 対象患者総数76人についての有効性は64%であり, とくに痒みに対する効果発現は早く, 併用のステロイド外用剤の使用量も確実に減量でき, 最終の6週目の皮疹改善率も70%以上を示し, 有効性が高い薬剤であることが判つた。また, 前投薬の抗アレルギー剤との比較検討においても本剤の方が30%有効性が高いことも注目される結果である。副作用の点においても4例のみに出現し, それも軽微で一過性であつたので, 非常に有用度の高い薬剤と考えられた。
  • 山本 正樹, 小島 正嗣, 荒井 正雄
    1989 年 51 巻 1 号 p. 146-149
    発行日: 1989/02/01
    公開日: 2012/03/03
    ジャーナル 認証あり
    熱傷ならびに外傷性潰瘍治癒後の患者に対してトラニラストを投与した結果, 27例中10例にやや有効以上の臨床的評価を得ることができ, その有効率は37%であつた。とくに, 本剤は肥厚性瘢痕形成以前の症例に対して有効であつたことから, 予防的投与の方が効果的であるという結果を得た。肥厚性瘢痕に対するトラニラストの臨床効果を説明するために, その種々の薬理作用のうち肥満細胞脱顆粒抑制作用が最も注目されているが, 他の作用も肥厚性瘢痕形成に抑制的であることが予想でき, この点についても論じた。
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