西日本皮膚科
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51 巻 , 4 号
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図説
綜説
症例
  • 三砂 範幸, 幸田 弘, 木村 由香子
    1989 年 51 巻 4 号 p. 669-672
    発行日: 1989/08/01
    公開日: 2012/03/03
    ジャーナル 認証あり
    60才女子。蝶形紅斑様皮疹を呈したサルコイドーシスの1例を報告した。胸部X線所見は正常であつたが, 特徴的な眼病変があり, 組織学的に診断された皮膚病変, さらに心電図異常の認められることからサルコイドーシスと診断した。両頬部の蝶形紅斑様皮疹は, 臨床および病理学的所見から, 本邦では比較的報告の少ないとされる瀰漫浸潤型皮膚サルコイド(lupus pernio)と考えた。自験例は, 皮膚病変も含め中高年女子のサルコイドーシスに特徴的な臨床像を呈した症例と思われた。
  • 橋本 健治, 金森 正志, 市川 澄子, 清水 正之
    1989 年 51 巻 4 号 p. 673-676
    発行日: 1989/08/01
    公開日: 2012/03/03
    ジャーナル 認証あり
    胃潰瘍の穿孔による大量出血後に皮疹の一時的な改善をみた60才女子の水疱性類天疱瘡の1例を報告した。皮疹の改善機序として, 消化管出血後の大量輸血により, 結果的に血漿交換療法と同様の効果があつたと考えられた。あわせて, 自己免疫疾患における血漿交換療法について若干の考察を加えた。
  • 阿部 能子, 神崎 寛子, 長尾 洋, 荒川 謙三, 元井 信
    1989 年 51 巻 4 号 p. 677-681
    発行日: 1989/08/01
    公開日: 2012/03/03
    ジャーナル 認証あり
    34才男子に認められたDDSによる反応性リンパ節腫脹の1例を報告した。約1年半前より40度の発熱, 咽頭痛, 関節痛, 四肢·躯幹に爪甲大までの境界比較的鮮明な淡紅色斑が出現し, 種々の抗生剤に反応せず, ステロイドの内服にて軽快するというエピソードを数回繰り返した。皮疹は少数の膿疱を混じており, 生検の結果膿疱性乾癬の亜型と考え, DDS 150mg/dayを投与した。投与4日目より, LDH, GOTの上昇が出現し, 5日目に悪心, 目まい, 6日目には右腋窩部に有痛性の小指頭大の腫瘤, さらに7日目には左腋窩, 両鼠径部, 左頸部にも, 拇指頭大の有痛性リンパ節腫脹をきたした。リンパ節生検の結果, immunoblastic lymphadenopathyを疑わせる所見であつた。ただちにDDSを中止したところ, 速やかに下熱し, リンパ節腫脹も徐々に消失した。このときのDDSによるリンパ球幼若化試験はSI376と強陽性であつた。以上からいわゆるDDS症候群と考え, また発熱の原因として基礎疾患に, immunoblastic lymphadenopathyがあるのではないかと推測した。
  • 山崎 雙次, 古谷 達孝, 岩堀 泰隆
    1989 年 51 巻 4 号 p. 682-685
    発行日: 1989/08/01
    公開日: 2012/03/03
    ジャーナル 認証あり
    セファランチンによる薬疹の1例を報告した。66才男子。再発性アフタのためセファランチン内服中ほぼ全身に丘疹ないし小紅斑性皮疹が多発した。組織学的に軽度のspongiosis, 真皮上層の血管周囲に中等度のリンパ球性細胞浸潤。プレドニゾロンを投与し皮疹軽快後, セファランチン1mgにて内服テスト施行したところ陽性。なおパッチテストは陰性, 皮内反応はコントロールと差がなかつた。自験例では薬疹出現時および内服テスト陽性時に一過性に好中球増多を伴う白血球増多が認められ, さらに当科でセファランチン投与中の患者12例のいずれにも上記異常検査所見が見出せなかつたことより, この異常検査所見はセファランチンによる薬疹の指標となり得るかもしれないと考えた。
  • 戸井 洋一郎, 神崎 寛子, 荒川 謙三, 洲脇 正雄
    1989 年 51 巻 4 号 p. 686-690
    発行日: 1989/08/01
    公開日: 2012/03/03
    ジャーナル 認証あり
    57才男子の両下腿に, 臨床的にはnecrobiosis lipoidicaを思わせる皮疹を呈しながら組織学的には異なる所見を呈した糖尿病性皮膚病変を報告した。昭和58年より糖尿病を指摘され, 昭和62年より両下腿前面にnecrobiosis lipoidicaを思わせる紅斑が出現し, 拡大してきた。組織学的には毛細血管壁の肥厚, 膠原線維の変性とリンパ球浸潤がみられたが, 肉芽腫形成は見られなかつた。以上より本症を糖尿病性microangiopathyを基盤としながら, 患者の特殊な条件によつてpigmented pretibial patchesがnecrobiosis lipoidica寄りの病像を示したものと考えた。
  • 鈴木 公子, 村山 史男, 野中 薫雄
    1989 年 51 巻 4 号 p. 691-694
    発行日: 1989/08/01
    公開日: 2012/03/03
    ジャーナル 認証あり
    下大静脈の血栓症を伴う下腿潰瘍の1例を報告した。症例は24才男子, 3年前左下肢の腫脹が出現し内科へ検査のため入院, 左下肢の静脈造影によつて左腸骨静脈の閉塞を指摘された。受診2週間前, 転倒した際に左下腿に外傷をうけ, 下肢の腫脹および潰瘍が出現したため国立長崎中央病院に入院した。入院時左下腿に爪甲大よりクルミ大までの境界鮮明な潰瘍が6個みられ, その部の腫脹と腹部, 大腿屈側部の静脈怒張を伴つていた。静脈造影によつて両総腸骨静脈, 下大静脈に閉塞の所見を得た。腹部CTでは左腎の著明な萎縮, 右腎の腫大もみられた。以上の所見より本症の下大潰瘍は下大静脈の血栓症によつて誘発あるいは増悪したものと推測された。
  • 須永 知子, 木下 誠司, 柴山 律子, 碇 優子, 徳橋 至, 千葉 紀子, 関 建次郎
    1989 年 51 巻 4 号 p. 695-700
    発行日: 1989/08/01
    公開日: 2012/03/03
    ジャーナル 認証あり
    白血病の小児に併発した原発性皮膚アスペルギルス症の3例を報告する。症例は入院加療中の8才女児(ALL), 10才女児(AML)および3才男児(AML)で, 点滴静注針の固定包帯部位下の手背や手掌に有痛性の漿液性丘疹が出現, 数日以内に潰瘍化し中心部に黒色壊死巣を有するようになつた。直接鏡検にて二分岐性の太い菌糸を認め培養によりA. flavusを分離同定した。治療は3例ともに抗真菌剤の全身投与と局所の湿布を行つた。症例1は, 約1ヵ月後に瘢痕治癒した。症例2においては皮疹は拡大し, X線にて骨浸潤像を認めたため, 全身状態の回復をまち, 指の切断術を施行した。症例3においてはdébridementを施行するも治癒にいたらぬうちに死亡した。白血病などの基礎疾患をもつ患者に生じたアスペルギルス症は, 発症要因として局所的要因と全身要因が関与し経過予後は患者の状態により大きく左右されると思われた。
  • 尾形 彰子, 原 喜久子, 岩瀬 教子, 瀬在 由美子, 永島 敬士
    1989 年 51 巻 4 号 p. 701-705
    発行日: 1989/08/01
    公開日: 2012/03/03
    ジャーナル 認証あり
    高令者の水痘2例(75才男子と64才男子)を報告した。前者は基礎疾患に間質性肺炎を有した。両例とも治癒が遷延した。自験の16才以上の水痘症例は57例で, 昭和50年以降次第に増加し, 最近4年で42.1%を占める。年令は30才までが84.2%を占め, 41才以上は7%に過ぎなかつた。異常臨床検査成績は血小板減少(36.0%), LDH(72.5%)およびGPT(30.0%)の上昇, CRP陽性(80.0%)などが多かつた。本症の予後は良好だが, 高令者では基礎疾患保有率が高く, 治癒も遷延する。
  • 麻生 和雄, 下浦 孝子, 穂積 豊, 吉川 賢一
    1989 年 51 巻 4 号 p. 706-711
    発行日: 1989/08/01
    公開日: 2012/03/03
    ジャーナル 認証あり
    病理組織学的に悪性移行のみられたproliferating trichilemmal cystの1例を報告し, これまで転移の認められたmalignant trichilemmal cyst 13例を文献から収集, 自験例を考察した。定型的proliferating trichilemmal cystのmalignant移行部に接してherring-bone pattern状に増殖する紡錘型細胞も認められた。腫瘍からケラチンを抽出, 二次元ゲル電気泳動で56Kd(PI 7.8), 48Kd(PI 5.1), 46Kd(PI 5.1)ケラチンを検出した。いずれも外毛根鞘に特異に認められるケラチンである。表皮ケラチンは検出されなかつた。
  • 立山 直, 江良 幸三, 成田 博実, 緒方 克己, 武内 晴明
    1989 年 51 巻 4 号 p. 712-717
    発行日: 1989/08/01
    公開日: 2012/03/03
    ジャーナル 認証あり
    6回の局所再発をみたが, 患肢温存根治的広範囲切除術後は3年間再燃をみない悪性線維性組織球腫の一例を経験したので報告する。また, 本症例の治療経験と文献的検討から本症は病巣の広がりを正確に把握し解剖学的barrierを考慮した根治的広範囲切除術を行えば, 治癒が望める疾患であると確信するにいたつたので, その術式を皮膚科医も熟知すべきであると考えた。
研究
  • 藤山 純一, 内平 孝雄, 亀井 敏昭, 麻上 千鳥
    1989 年 51 巻 4 号 p. 718-725
    発行日: 1989/08/01
    公開日: 2012/03/03
    ジャーナル 認証あり
    脂腺母斑より生じたsyringocystadenoma papilliferumの1例を経験し, 電顕的に観察する機会を得たので報告した。40才女子。左耳前部に生来存在していた脂腺母斑上に, 赤褐色腫瘤が生じてきた。赤褐色腫瘤の光顕所見では, 二層の腫瘍細胞と間質より成る乳頭様突起が多数認められ, これに連続して大小の腺腔を形成する腫瘍細胞の増殖が認められた。乳頭様突起間には, 不規則に入り組んだ管腔が形成され, 管腔の一部は表皮に直接開口していた。腫瘍細胞は, 管腔に面し楕円形核を有する円柱状細胞と, 間質に面し類円形核を有する立方形細胞の二種類が存在していた。電顕所見では, 二層の腫瘍細胞により形成された広い管腔と, 少数の細胞内管腔が認められた。管腔に面した細胞は管腔側に多数の微絨毛を有し, 細胞質内には小型で低電子密度の分泌顆粒が密に存在し開口分泌を思わせる所見も認められた。また, よく発達した粗面小胞体とゴルジ装置が認められ, 豊富なグリコーゲン顆粒が存在していた。間質側の細胞は, 明瞭な基底膜を有し, 暗調な細胞質内には分泌顆粒やミオフィラメントはみられなかつた。観察した限りでは, 明らかな筋上皮細胞は認められなかつた。光顕でみられた表皮に直接開口する管腔の存在と, 電顕で観察された分泌顆粒の性状や分泌様式は自験例がエックリン汗腺由来であることを強く示唆していた。
  • 山崎 雙次, 馬場 安紀子, 古谷 達孝
    1989 年 51 巻 4 号 p. 726-730
    発行日: 1989/08/01
    公開日: 2012/03/03
    ジャーナル 認証あり
    PSS患者32例に対しmicrodensitometory法(MD法)を用い, 骨粗鬆症の有無, 程度につき検索した。本法は従来の単純X-P法に比しより鋭敏で, X-P法では見逃されていた症例にも骨粗鬆症を見出し得た。PSSの骨粗鬆症は副腎皮質ホルモン剤非投与例にも認められたが, プレドニソロン総計10g以上投与群では非投与群に比し, 有意にMD高値, すなわち高度の骨粗鬆症所見が認められた。得られたMD値とPSSの臨床所見, 免疫学的所見などとの関連を比較検討したところ, 病型別ではdiffuse typeに, 免疫学的には抗SSA抗体陽性例に有意に高MD値が認められた。
  • 末木 博彦, 野崎 重之, 藤澤 龍一, 青木 公子, 黒岩 幸雄
    1989 年 51 巻 4 号 p. 731-734
    発行日: 1989/08/01
    公開日: 2012/03/03
    ジャーナル 認証あり
    In vitroにおける皮膚角層の非酵素的糖化度(furosine値)におよぼすaspirinとsalicylic acidの影響を検討した。(1)リン酸緩衝液, (2)50mM glucose添加リン酸緩衝液, (3)50mM glucose, 10mM aspirin添加リン酸緩衝液, (4)50mM glucose, 20mM aspirin添加リン酸緩衝液, (5)50mM glucose, 10mM salicylic acid添加リン酸緩衝液, (6)50mM glucose, 20mM salicylic acid添加リン酸緩衝液にそれぞれ健康人足底より採取した細切角層を30mg/1.5mlの割合で加え, 37℃5日間非酵素的糖化を行つた。洗浄, 風乾後(1)∼(6)群の非酵素的糖化度(furosine値)をHPLCにより測定した。その結果(4)群の20mM aspirin添加群のみで有意の非酵素的糖化抑制作用を認めた(P<0.05)。Salicylic acidでは非酵素的糖化抑制作用は認められなかつた。これらの結果はaspirinのacetyl基により蛋白質のε-amino基がacetyl化され, glucoseの結合が阻害されるとの仮説を支持すると考えられた。
  • 李 世蔭, 郭 英時, 朱 文輝
    1989 年 51 巻 4 号 p. 735-738
    発行日: 1989/08/01
    公開日: 2012/03/03
    ジャーナル 認証あり
    67名のアトピー性疾患患者(アトピー性皮膚炎22名, アレルギー性鼻炎3名, 気管支喘息42名)と非アトピー性疾患患者68名について, 即時型ペニシリン過敏症の既往, ペニシリンGの皮内テスト, ELISA法による抗ペニシリンIgE抗体を検索した。結果は上記3項目のいずれにおいても両群の間に有意差はみられなかつた。皮内テスト陽性と抗ペニシリンIgE抗体高値の一致率もアトピー群68%, 非アトピー群75%と差がなかつた。
  • 宿輪 哲生, 広瀬 寮二, 山本 憲嗣, 堀 真
    1989 年 51 巻 4 号 p. 739-744
    発行日: 1989/08/01
    公開日: 2012/03/03
    ジャーナル 認証あり
    ウイルスに対する固定作用や消毒作用があるといわれる20%グルタールアルデヒド溶液を尋常性疣贅の治療に使用し, その有用性について従来の液体窒素凍結療法と比較検討した。その結果, グルタールアルデヒド療法を行つた尋常性疣贅15例のうち8例(53.3%)は瘢痕, 色素沈着を残さず治癒した。また, 角質増殖の著明な尋常性疣贅6例にはサリチル酸絆創膏を貼布し, 角層を切除後20%グルタールアルデヒド溶液を滴下したところ, 5例(83.3%)に疣贅の消失を認めた。本法による重篤な副作用はみられなかつた。一方, 液体窒素凍結療法では35例のうち疣贅の消失を認めたものは9例(26.7%)であつた。尋常性疣贅に対してグルタールアルデヒド療法は試みる価値のある治療法であると思われた。
  • 長谷 哲男, 一山 伸一
    1989 年 51 巻 4 号 p. 745-748
    発行日: 1989/08/01
    公開日: 2012/03/03
    ジャーナル 認証あり
    rIFN-γ(SUN4800)の培養細胞に対する増殖抑制効果の検討を行つた。培養細胞は, 造血器細胞型培養株であるK562, Daudi, HUT78, HUT102株とCD3, CD4陽性皮膚リンパ腫患者の皮膚腫瘤より得られた細胞および, CD3, CD4, CD8陽性皮膚リンパ腫患者の皮膚浸潤局面より得られた細胞の6種類について検討した。Daudi株に対しては増殖抑制効果は認められなかつた。K562株, HUT78株, HUT102株に対しては軽度の増殖抑制効果が認められた。CD3, CD4陽性皮膚リンパ腫由来細胞に対しては500JRU/mlの濃度のSUN4800にて抑制効果が認められたが, CD3, CD4, CD8陽性リンパ腫由来細胞に対しては1万JRU/mlにても増殖抑制効果は認められなかつた。皮膚リンパ腫由来の2種の培養細胞にあつては, 炎症細胞の混入があるために増殖抑制効果が, SUN4800の直接効果か, 炎症細胞の活性化を通しての効果であるか, あるいはそのいずれでもあるのかは不明であつた。
講座
統計
  • 和田 恭子, 和田 秀敏
    1989 年 51 巻 4 号 p. 758-765
    発行日: 1989/08/01
    公開日: 2012/03/03
    ジャーナル 認証あり
    昭和51年∼同60年までの10年間に九州大学医学部皮膚科外来を受診した有棘細胞癌の症例94例を統計的に検討した。1)有棘細胞癌の外来受診者総数に対する頻度は0.41%であつた。性別では男子55例, 女子39例で男女比は1.41:1と男子に多かつた。2)年令層別では50才代にピークを形成していた。3)初発から来院までの期間は2年以内が77.7%であり比較的早期に受診する傾向がみられた。4)前駆病変が明らかにされた症例は65例で熱傷や外傷を起因とした瘢痕癌が多かつた。5)部位別頻度では顔面および下肢が多かつた。6)再発例は24例であつた。再発までの期間は1年未満が最も多く, 平均2年2ヵ月であつた。再発率の高い前駆疾患として放射線皮膚炎, 色素性乾皮症, 慢性円板状エリテマトーデスがあげられた。腫瘍の大きさと再発率には相関がなかつた。病理組織型と再発との関係では, 分化型に比べ未分化型の再発率が高かつた。7)腫瘍死例は9例であつた。T1N0M0の治癒率は100%であつた。TNM分類で病期が進行するほど, また組織型で分化度が低いほど, 予後が悪かつた。前駆病変と予後との関係では従来の報告にみられるほど熱傷瘢痕癌例がとくに予後不良というわけではなかつた。
治療
  • 石原 和之, 池田 重雄, 森 俊二, 占部 治邦, 荒尾 龍喜
    1989 年 51 巻 4 号 p. 766-775
    発行日: 1989/08/01
    公開日: 2012/03/03
    ジャーナル 認証あり
    各種皮膚悪性腫瘍に対する遺伝子組換えヒトインターフェロンγ(SUN4800)の後期臨床第II相試験を全国47施設の共同研究として, 82例を対象に行つた。症例の評価選択に関しては「皮膚悪性腫瘍における固形がん薬物療法効果判定基準」1)に従つた。全身投与は, 点滴静注で49例, 筋肉内投与で5例, 皮下投与で1例実施し, 点滴静注で投与した菌状息肉症では, 26例の評価可能例のうち, CR 2例, PR 13例が認められ, その奏効率は57.7%であつた。局所投与は27例実施し, 菌状息肉症4例中CR 2例, PR 1例(奏効率75.0%), 有棘細胞癌4例中CR 3例(奏効率75.0%), Bowen病6例中CR 1例, PR 3例(奏効率66.7%), 乳房外Paget病4例中CR 3例(奏効率75.0%)が認められた。点滴静注による主な副作用は, 自他覚症状として, 発熱, 全身倦怠感, 悪寒, 戦慄, および悪心·嘔吐であり, 臨床検査値異常として白血球·好中球減少, GOT上昇, およびGPT上昇であつたが, 大部分は軽度でありいずれも投与終了後, 元のレベルまで回復した。全般に局所投与による副作用は, 全身投与に比べ軽微であつた。以上の成績より, SUN4800は点滴静注または局所投与で菌状息肉症に対し有用性の高い治療薬であると考えられた。
  • 島田 辰彦, 野元 茂, 田代 正昭
    1989 年 51 巻 4 号 p. 776-779
    発行日: 1989/08/01
    公開日: 2012/03/03
    ジャーナル 認証あり
    61才男子, 全身に広がる浸潤性紅斑, 腫瘤, 表在リンパ節の腫大を主訴に来院した。入院後の皮膚リンパ節生検では瀰漫性混合細胞型と診断され, その他の諸検査でATL(成人T細胞白血病)と診断した。治療としてIFN-γ(SUN4800)200万JRU/日点滴静注6週間連日投与で肉眼的に浸潤性紅斑の色素沈着化, 腫大表在リンパ節の縮小化を認め, 組織学的にも真皮内の異型浸潤細胞の著明な減少を認め, 寛解に至つた。
  • 山口 茂光
    1989 年 51 巻 4 号 p. 780-783
    発行日: 1989/08/01
    公開日: 2012/03/03
    ジャーナル 認証あり
    6例の菌状息肉症患者(stage I a: 3例, I b: 1例, II a: 1例, IV a: 1例)に対しSUN 4800(rIFN-γ)を使用した。投与方法は4例が点滴静注, 2例が局所注射であつた。その結果:
    (1) 点滴静注した4例ではPRが3例, NCが1例(stage IV aの症例), 局所注射した2例ではCRが1例, PRが1例であつた。
    (2) 検査成績では2例にGOT, GPTなどの軽度の上昇, 2例に白血球の軽度減少, 1例に尿蛋白陽性などの異常所見がみられたが, とくに治療なしに, SUN 4800の投与終了によりすみやかに改善した。
    (3) 4例で発熱, 全身倦怠感などの副作用がみられたが, インドメタシン坐薬(25mg)にてコントロールができた。
    以上の成績よりSUN 4800は副作用が軽度で, 菌状息肉症に対しかなり効果の期待できる薬剤であると考えられる。
  • 小野寺 英夫, 堀越 貴志, 三浦 俊祐, 江口 弘晃, 川村 邦子, 板東 真弓, 福沢 久美子, 高橋 誠
    1989 年 51 巻 4 号 p. 784-788
    発行日: 1989/08/01
    公開日: 2012/03/03
    ジャーナル 認証あり
    55才女子の扁平浸潤期菌状息肉症にγ-インターフェロン全身投与を試み, 良好な成績を得たので報告した。本症例はステロイド外用·内服, PUVA療法, ACNU外用, 全身電子線照射では十分な治療効果を得ることができず, さらに副腎抑制·ステロイド離脱症状を併発した症例であつた。遺伝子組換えヒトインターフェロン-γ(SUN 4800: サントリー株式会社)の200万JUR/day点滴静注を試みたところ, 投与開始30日目(200万JUR×27回)で部分寛解となり, 156日目(200万JRU×93回)に臨床的に完全寛解となつた。以後, 400万JRU週3回隔日投与, さらに週2回投与により約100日間の臨床的完全寛解を維持し得た。その後, 投与量の減量により一部皮疹の再燃はみられたが, 良好にコントロールされている。とくに問題となる副作用はみられず, 外来通院治療にて長期間継続可能であつた。従来の治療でコントロールが困難であつた扁平浸潤期菌状息肉症に対し, SUN 4800単独投与でも, 満足すべき状態を維持することができた。他の治療との併用なども含め, 菌状息肉症の治療法に対し今後新しい展望を開くものと思われる。
  • 倉員 正俊, 日高 桂子
    1989 年 51 巻 4 号 p. 789-795
    発行日: 1989/08/01
    公開日: 2012/03/03
    ジャーナル 認証あり
    インターフェロン-γ(組換え型: SUN 4800)の全身投与で奏効した皮膚T細胞性リンパ腫(菌状息肉症型)の1例を報告した。症例は71才女子で胸部, 背部に浸潤を伴つた紅斑を認め, 血液検査, 組織学的および免疫組織学的な検索により皮膚T細胞性リンパ腫(菌状息肉症型)と診断した。治療はインターフェロン-γ(組換え型: SUN 4800)400万JRU/日の全身投与を行つた。投与後1週間目頃より皮疹の改善が見られ, 投与後18日目頃ではさらに浸潤や紅斑の改善が見られた。投与後48日目頃では効果判定基準から見て胸部は有効(PR), 背部は著効(CR)の治療効果が得られた。一方, 副作用として発熱が投与ごとに発現したが, 解熱鎮痛剤で抑制できた。肝機能, 腎機能の障害, また白血球や血小板の減少はなく, ただヘモグロビンのみ入院時に比して10%の減少が見られ副作用と判断した。以上の結果から, 安全性の点からもインターフェロン-γ(組換え型: SUN 4800)は有用性の高い薬剤と思われた。
  • 田部 陽子, 中山 樹一郎, 堀 嘉昭, 堂阪 直子
    1989 年 51 巻 4 号 p. 796-800
    発行日: 1989/08/01
    公開日: 2012/03/03
    ジャーナル 認証あり
    皮膚T細胞リンパ腫の充実性紅色丘疹に対しrIFN-γ 200万∼400万JRU/日を隔日または連日点滴静注をおこない, 約8週間の経過で臨床的にも病理組織学的にも完全寛解(CR)の結果を得た。
  • 原田 正, 山田 秀和, 手塚 正
    1989 年 51 巻 4 号 p. 801-804
    発行日: 1989/08/01
    公開日: 2012/03/03
    ジャーナル 認証あり
    アトピー性皮膚炎患者105例についてリザベンを投与し, その有用性を検討したところ有用率70.4%の成績が得られた。また, 105例のうち15例についてリザベン投与前後のステロイド外用剤使用量を比較したところ, リザベン投与前にくらべて投与後, 60%以下にステロイド外用剤が減少したものが7例(45.5%)にみられた。
  • 音山 和宣, 堀内 保宏, 斎藤 康栄, 横田 知夫, 増澤 幹男
    1989 年 51 巻 4 号 p. 805-809
    発行日: 1989/08/01
    公開日: 2012/03/03
    ジャーナル 認証あり
    湿疹様病変に続発した老人性紅皮症の78才女子と77才男子の2例を報告した。共に血清IgE低値に好酸球増多と腫瘍マーカーSCC関連抗原高値を示した。このSCC値は紅皮症の改善と共に正常化した。全身内蔵悪性腫瘍検索に異常は認められなかつた。グリテール含有軟膏(グリメサゾン軟膏)により皮疹は約一週間で速やかに改善した。
  • 菅野 聖逸, 大城戸 宗男, 実川 久美子, 安西 喬
    1989 年 51 巻 4 号 p. 810-813
    発行日: 1989/08/01
    公開日: 2012/03/03
    ジャーナル 認証あり
    帯状疱疹患者の10%に皮疹治癒後も持続性神経痛(帯状疱疹後神経痛: post herpetic neuralgia, 以下PHNと略す)が残るといわれている。今回われわれはPHN患者64例に対し近赤外線療法を行つた。その結果, 照射直後では64例中39例(60.9%)に有効(疼痛改善率20%以上), 無効のもの(疼痛改善率10%以下)は19例(29.7%), 不明のもの4例(6%), 増悪したもの2例(3%)であつた。照射24時間後では, 64例中12例(18.8%)のみに改善率が持続した。なお, 副作用は認められなかつたので, PHN治療の一助となるかとも思い, ここに報告する。
  • 手塚 正, 吉田 正己, 佐伯 光義, 山下 寿子, 瀬川 和子, 高橋 昌江
    1989 年 51 巻 4 号 p. 814-823
    発行日: 1989/08/01
    公開日: 2012/03/03
    ジャーナル 認証あり
    コラージュM, A, D石鹸をそれぞれ湿疹皮膚炎, 尋常性ざ瘡および老人性乾皮症を含めたアトピー性皮膚炎症例に使用し, それぞれの有用性について検討した。コラージュM石鹸では乾燥, 落屑, そう痒感でそれぞれ82.4%, 93.8%, 83.3%の高い改善率が得られ皮疹の状態についても18例中17例に消失ないし軽減がみられた。コラージュA石鹸では脂漏, 脂性の程度で66.7%, 面皰で60%の症例に改善がみられた。コラージェD石鹸では乾燥, つつぱり感, 落屑でそれぞれ90.5%, 100%, 94.7%と高い改善率がみられ, 皮膚が滑らかとなることが観察された。同時に施行したclosed patch testの成績は安全性の高いA社低刺激性石鹸と同等ないしそれ以下の皮膚刺激性を示した。
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