西日本皮膚科
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53 巻 , 1 号
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図説
綜説
症例
  • 盛岡 奈緒子, 大塚 藤男, 菊池 かな子, 石橋 康正, 大原 国章, 藤原 美定
    1991 年 53 巻 1 号 p. 7-10
    発行日: 1991/02/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    29歳男子。10歳頃より日光裸露部に小色素斑が多発。11歳時, 右鼻翼に基底細胞上皮腫, 25歳時, 左角膜に扁平上皮癌を生じた。基底細胞上皮腫は局所再発傾向が強く, 難治であつた。神経症状は認めなかつた。患者由来培養皮膚線維芽細胞は10J/m2の紫外線誘発不定期DNA合成(unscheduled DNA synthesis, 以下UDS)が正常人の45%と低下しており, 相補性テストでC群色素性乾皮症(xeroderma pigmentosum, 以下XP)と診断した。同培養細胞は紫外線の致死効果に対し, 高い感受性を示したが, 他のC群患者由来の細胞と比較すると, やや感受性が低かつた。
  • 小野 秀貴, 佐々木 哲雄, 中嶋 弘, 小松 平, 加藤 安彦
    1991 年 53 巻 1 号 p. 11-14
    発行日: 1991/02/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    全身性鞏皮症に円板状エリテマトーデスを合併した1例を報告した。症例は48歳女子。28歳時よりRaynaud症状あり。約7年前より顔面に紅斑出現。初診時, 全身の瀰漫性色素沈着, 手指の浮腫性硬化と軽度屈曲拘縮, 顔面の色素沈着を伴う限局性の紅斑を認めた。抗核抗体80倍(speckled), 抗RNP抗体1倍陽性, 抗Scl-70, 抗DNA, 抗Sm抗体陰性で, 食道病変を伴つていた。組織学的に右前腕皮膚では真皮膠原線維の軽度増生と血管周囲の軽度細胞浸潤を認め, 顔面紅斑では, 表皮の軽度萎縮, 液状変性, 不全角化, 真皮の巣状細胞浸潤を認めた。全身性の結合織疾患である全身性鞏皮症と皮膚限局型結合織疾患である円板状エリテマトーデスの重複例と考え, 若干ながら文献的考察を加えた。
  • 片山 真里子, 中山 樹一郎, 堀 嘉昭, 堂阪 直子
    1991 年 53 巻 1 号 p. 15-20
    発行日: 1991/02/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    78歳男子。昭和59年より略全身にそう痒を生じ, 約1年半後にリンパ節生検にて悪性リンパ腫が疑われたが, その際血清中にM蛋白はみられなかつた。昭和63年5月北九州市某病院皮膚科にて左頚部リンパ節生検が再施行され, malignant lymphoma, small cell typeと診断され, 腫瘍細胞は免疫組織化学的にはCD20, Ia, κ, CD22, CD25に陽性所見が得られた。同時に血清中にM蛋白が, また尿中にはBence-Jones蛋白が陽性であつた。さらに, リンパ節のDNAでは免疫グロブリンIgGのheavy chainおよびlight chain κ, およびT細胞受容体βの遺伝子再構成が同時にみられた。
  • 西 隆久, 幸田 弘, 渕 曠二
    1991 年 53 巻 1 号 p. 21-23
    発行日: 1991/02/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    49歳男子の額にみられたsclerotic fibroma of the skinの1例を報告した。腫瘍は大豆大, 紅褐色調, 弾性軟で, 組織所見では膠原線維束はstoriform patternを呈し, 線維芽細胞は少なく, 多核のものがかなりみられた。
  •  
    加藤 晴久, 國行 秀一
    1991 年 53 巻 1 号 p. 24-26
    発行日: 1991/02/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    Subepidermal calcified noduleの1例を報告した。患者は11歳女子で, 初診の約3ヵ月前に, 右上眼瞼内側部に自覚症状を欠く丘疹があるのに気付いた。肉眼的に, 皮疹は直径4mm, 表面灰白色で頂上部が疣状の小結節であつた。病理組織学的に, 表皮直下に好塩基性を呈する不規則な塊状物および顆粒状の物質が認められ, これらはコッサ染色にて陽性を示した。さらに, 石灰沈着部では, 弾性線維は認められず, 弾性線維の変性, 崩壊がカルシウムの沈着に関与しているものと思われた。
  • 藤山 純一, 内平 孝雄, 亀井 敏昭, 山本 慶一郎, 麻上 千鳥
    1991 年 53 巻 1 号 p. 27-34
    発行日: 1991/02/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    いわゆる皮膚混合腫瘍の2例を経験し, 電顕的に観察する機会を得たので報告した。症例1: 49歳男子(上口唇), 症例2: 63歳女子(鼻唇溝)。臨床的には, 軽度発赤を有した半球状腫瘤であつた。光顕所見: 類円形核と好酸性の胞体を有する腫瘍細胞が巣状もしくは索状に増生し, 数層の細胞により多数の管腔が形成されていた。また, 角質嚢腫も散見された。間質には楕円形核や紡錘形核を有する細胞が孤立性に散在していた。電顕所見: 腫瘍細胞は, 腫瘍巣中央に位置し腺腔や管腔に面して多数の微絨毛を有する細胞と, 腫瘍巣辺縁で間質に面し, 発達した張原線維を含む基底側細胞に大別された。腺腔側細胞や管腔側細胞の細胞質には, 単一で同大, 低電子密度の分泌顆粒が豊富に認められた。また, 充実性腫瘍巣を形成する細胞は, 基底側細胞に似た張原線維を有する細胞であつたが, 一部に種々の大きさの細胞内管腔の形成が認められた。明らかな筋上皮細胞やミオフィラメントに類似した線維構造を有する細胞は認められなかつた。基底側細胞における基底膜の消失や細胞質の間質への離脱像は粘液産生における上皮性細胞の関与を推察させたが, 間質側への明らかな分泌像は認められなかつた。間質には, 線維芽細胞が混在していたが, 軟骨細胞は認められなかつた。電顕所見から, 自験例はエックリン真皮内導管部に由来し, 一部が分泌部や表皮内汗管への分化を示すようになつた腫瘍と考えられた。
  • 青野 誠一郎, 大森 正樹, 土井 聖, 末永 義則
    1991 年 53 巻 1 号 p. 35-40
    発行日: 1991/02/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    昭和54年7月から昭和63年6月までの産業医科大学皮膚科学教室における熱傷瘢痕癌について統計的観察を行い, 以下の結果を得た。(1)症例数は男子5例, 女子2例の計7例で, 外来患者総数の0.02%であつた。(2)年齢は36歳から65歳で, 平均56歳。(3)熱傷受傷年齢は, 1歳から18歳までで, 平均7歳。(4)癌診断確定までの期間は, 20年から62年で, 平均41年。(5)癌発生部位は, 頭部2例, 上肢2例, 下肢3例と, 四肢に多く見られた。(6)受傷原因は, 囲炉裏, ガソリン引火, 掘炬燵各2例, 石炭での火災によるもの1例であつた。(7)組織学的には, 全例が有棘細胞癌。(8)転移は, リンパ節転移が1例であつた。また, 熱傷瘢痕癌の2例を報告した。症例1は, 57歳女子。1歳時, 掘炬燵内に転落, 両下腿, 両足に火傷を受け, 55歳時, 瘢痕部に潰瘍出現。PMP療法, 腫瘍切除などを行つたが, 1年後死亡。症例2は, 58歳男子。2歳時, 掘炬燵内に転落, 頭頂部から前頭部に火傷を受け, 55歳時, 瘢痕部に潰瘍出現。PM療法, 腫瘍切除など行つたが, 2年5ヵ月後死亡。2例とも有棘細胞癌であつた。
  • 高梨 真教, 占部 篤道, 古村 南夫, 今山 修平, 堀 嘉昭
    1991 年 53 巻 1 号 p. 41-45
    発行日: 1991/02/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    小指頭大の褐色, 表面粗ぞうなやや隆起した局面より生じた広基性の紅色腫瘤を光顕的, 電顕的, 免疫·酵素組織化学的に検討し, eccrine porocarcinomaと診断した。光学顕微鏡下では低分化型の扁平上皮癌との鑑別は困難であつたが, 電顕的観察でtight junction, microvilliを持つintercellular canaliculiの存在が認められ, また免疫·酵素組織化学的所見において, CEA一部陽性, EMA陽性, KL-1一部陽性, succinic dehydrogenase陽性, β-glucuronidase陰性, ジアスターゼ消化性PAS陽性であつた。EMAはeccrine poromaで陽性所見を示すことが報告されているが, eccrine porocarcinomaにおいても陽性所見が認められ, 本症診断上の有用な指標となると考えた。
  • —2症例の報告と文献的考察—
    梅林 芳弘, 行木 弘真佐, 斎藤 義雄, 色川 正貴, 森川 聡
    1991 年 53 巻 1 号 p. 46-50
    発行日: 1991/02/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    肺癌の皮膚転移の2例を報告した。症例1は59歳男子で胸部の腫瘤。組織は扁平上皮癌。症例2は71歳女子で背部の皮下硬結。組織は大細胞癌。いずれも単発性であつた。本邦の転移性皮膚癌の集計報告をまとめると, 頻度の高い原発臓器は乳房, 胃, 肺の順であるが, 最近は肺癌が増えている。また, 本邦の肺癌皮膚転移の報告例について考察を加えた。
  • 塚崎 直子, 大神 太郎, 野中 薫雄, 吉田 彦太郎
    1991 年 53 巻 1 号 p. 51-55
    発行日: 1991/02/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    四肢の有痛性皮下硬結をきたしたMunchausen症候群の1例を報告した。症例は22歳女子。初診の10ヵ月前より出没する左前腕の腫脹, 皮下硬結を主訴として入院した。ヒステリー性四肢麻痺, 腹痛などのために計15回の入院と1回の開腹術の既往があつた。入院中, 有痛性皮下硬結, 口腔内アフタ, 関節痛, 消化器症状, 頭痛, 発熱, 痙攣発作などを繰り返しベーチェット病, Weber-Christian病, 壊死性筋膜炎などが疑われた。検査所見では, 便, 尿の潜血反応陽性, 血沈促進, CRP陽性などがみられた。硬結部の病理組織所見は真皮から皮下組織にかけての異物性肉芽腫の像であつた。臨床症状, 非定型的な組織像などより自傷性皮膚障害を疑い所持品検査を行つたところ, 血液の付着した注射器を数本所持していることが判明した。皮膚症状はなんらかの物質を自ら皮下に注入した結果生じたものと考え, 本症例をMunchausen症候群の中の混合多症状型と診断した。
  • 塚原 哲哉, 堀内 保宏
    1991 年 53 巻 1 号 p. 56-59
    発行日: 1991/02/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    Banti症候群による脾摘後10年して顔面に皮膚病変を発症したサルコイドーシスの48歳女子の1例を報告した。皮膚病変は浸潤を触れる小紅斑局面で, 組織学的には類上皮細胞肉芽腫であつた。臨床的にはBHL(bilateral hilar lymphadenopathy)に全身リンパ節腫脹を認めた。ACE(angiotensin-converting enzyme)の軽度高値がみられた。本例の結果からもサルコイドーシスに伴うBanti症候群を呈した症例において脾摘を行つても最終的にはサルコイドーシスの病態の改善にならないものと考えられた。
  • 武下 泰三, 古賀 哲也
    1991 年 53 巻 1 号 p. 60-64
    発行日: 1991/02/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    最近経験した恙虫病の1例を報告するとともに, 昭和58年より平成元年までに佐賀県内で発生した恙虫病27例について統計的観察を行つた。症例は男子20例, 女子7例で, そのうち13例が山林にて, 7例がみかん畑にて感染したと推定された。発症時期は, 5月1例, 10月6例, 11月17例, 12月3例であつた。発熱, 発疹は全例にみられた。刺し口は26例に発見された。所属リンパ節腫脹は18例にみられた。
研究
  • 滝脇 弘嗣, 大浦 一, 宇都宮 正裕, 神野 義行, 荒瀬 誠治, 重見 文雄
    1991 年 53 巻 1 号 p. 65-69
    発行日: 1991/02/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    前腕と手掌における経皮酸素分圧(tcPo2, 44℃加温)および阻血時のtcPo2下降速度を検討し, 前腕内側でそれぞれ平均72.3mmHg, 42.2mmHg/min, 小指球で25.6mmHg, 5.6mmHg/minと部位的差異が顕著であつた。前腕に代用角層を貼付し測定すると両値ともに減じ, 手掌では角層を除去すると前腕内側とほぼ同じ値を示した。一方, 44℃での血流は手掌がより高値であつた。上記の成績から, tcPo2測定部位に厚い角層が介在するとtcPo2とその下降速度に見かけ上の低下がみられると判断し, その原因は, 角層の酸素拡散に対する抵抗の大きさと, 電極での酸素消費にあると考えた。tcPo2モニタを皮膚科あるいは整形外科領域で応用する際には, 測定部位の角層の厚さと性状に留意する必要がある。
  • 福田 英三, 今山 修平
    1991 年 53 巻 1 号 p. 70-76
    発行日: 1991/02/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    1984年から1989年までの6年間に本邦において報告された薬疹の症例872例を集録し, 原因薬剤別に系統分類して, 「薬疹情報」VOL21)として編集した。こうして得られたデータをもとに, 性別·年齢, 薬剤別頻度, 病型分類別頻度, 多剤感作薬疹, 薬剤投与開始から発症までの期間, 検査·試験およびその陽性率, 若年者と高齢者における薬疹, 重症型, プロドラッグと薬疹について検討し, 下記の結果を得た。
    1. 広範囲の薬剤から重症型を含む薬疹が発症している。薬効大分類別に原因薬剤リストを作成したところ, 上位の薬剤に関して言えば, その占める割合の差が縮小しつつあつた。
    2. 加齢とともに薬疹の増加傾向が認められた。年令別にはとくに30歳以上に顕著で, その占める割合は83.8%であつた。
    3. 比較的新しい薬剤にて光線過敏症型薬疹が増加している。
    4. プロドラッグによる薬疹の報告が散見される。
    という近年の傾向が明らかとなつた。
  • 園木 文野
    1991 年 53 巻 1 号 p. 77-81
    発行日: 1991/02/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    単純型表皮水疱症は, 弱い機械的刺激により水疱を生じ, 瘢痕なしに治癒する先天性疾患である。発症機序に関し多くの研究がなされてきたが, いまだ詳細は不明である。一つの可能性として, ケラチノサイト細胞膜の構造異常があげられる。そこで, ケラチノサイト細胞膜のレクチン結合性について, ABC法を用いて検索した。その結果, 単純型表皮水疱症にあつては, 水疱縁および一見健常な部に機械的刺激を加えた後に得た皮膚片において, 基底層および有棘層のケラチノサイト細胞膜のsoybean agglutinin結合性が欠如するのが観察された。他のレクチンに関しては, 健常人皮膚との間に差はなかつた。また表皮水疱症の他の病型にあつては, 健常人皮膚との間に差はなかつた。このことは, 遊離ケラチノサイトを用いての顕微螢光測定光によつても確かめられた。これらより, 単純型表皮水疱症にあつて, ケラチノサイト細胞膜に何らかの異常が存在することが示唆される。
  • —偏光顕微鏡による観察—
    山本 暢宏, 笠田 守, 笹井 陽一郎
    1991 年 53 巻 1 号 p. 82-85
    発行日: 1991/02/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    全身性鞏皮症における真皮膠原線維の変化を知るために, Picrosirius red染色標本を偏光顕微鏡にて観察した。皮膚片は15例の全身性鞏皮症患者(浮腫∼硬化期2例, 硬化期11例, 萎縮期2例)の前腕伸側から得られた。また, 健康人27例より得た材料を対照とした。その結果, 健康人では年齢, 性, 部位にかかわりなく同じ橙色偏光を示した。これに対し鞏皮症にあつては, 病期と関係なしにすべて緑色偏光を示すのが観察された。一部についておこなわれた電顕的観察では, 鞏皮症における膠原線維の直径は, 健康人のそれに比較して小さいのが認められた。これらより偏光の違いには膠原線維の直径が関与し, そしてこの方法が鞏皮症の病理組織学的診断に有用であることが示唆される。
  • —腫瘍細胞の悪性度による形態的差違についての電顕的定量的観察—
    藤澤 明詔
    1991 年 53 巻 1 号 p. 86-95
    発行日: 1991/02/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    皮膚有棘細胞癌28例を, Brodersの病理組織学的悪性度分類に基いて, 1度(12例), 2度(8例), 3度(6例), 4度(2例)に分類し, それぞれの腫瘍細胞の電顕所見の差違を以下のパラメーターについて検討し, あわせて, 腫瘍細胞の微細構造を電顕的に検索した。
    1. 腫瘍細胞の大きさ(Sc): 悪性度1度 156.9±24.1μ2, 2度 123.3±12.3, 3度 101.9±8.9, 4度 71.2±3.1となり, 分化した1度が最大, 以下2, 3, 4度の順であつた。
    2. 核の大きさ(Sn): 悪性度1度 35.3±5.2μ2, 2度 48.1±2.9, 3度 57.3±5.5, 4度 36.2±5.0と, 1度から3度に進むにつれて大となり, 4度では逆に縮小した。
    3. 核·細胞比(Sn/Sc): 悪性度1度 0.23±0.04, 2度 0.39±0.04, 3度 0.57±0.06, 4度 0.51±0.10と, ほぼ未分化になるに従い増大した。
    4. デスモゾームの密度(Ds/Lc): 悪性度1度 0.41±0.06個/μ, 2度 0.27±0.04, 3度 0.21±0.05, 4度 0.03±0.00と未分化になるにつれて著明に減少した。
    5. 悪性度1, 2度の腫瘍では, しばしば変性あるいは異常角化した細胞をマクロファージがとり囲み, 腫瘍細胞が貪食処理される過程が認められた。
    6. 悪性度2, 3度の腫瘍細胞内には, 種々な形態を示すデスモゾームがみられた。
    7. 悪性度3度の腫瘍細胞では, 辺縁の微絨毛が著明に形成され, 基底板欠損部より突出した腫瘍細胞の一部はほとんど小器官や張原線維を欠き, アクチン線維様細線維を認め, このような脱分化所見や間質内への活発な侵入像が高頻度に認められた。
    8. 悪性度4度では張原線維はきわめて少なく, デスモゾームは痕跡的で正常な基底板はほとんど形成されず, 腫瘍細胞間結合は不規則でその間隙は離開し, 不整な紡錘形を呈するものが多かつた。
    9. 間質内に浸潤している腫瘍細胞周囲には膠原線維がほとんどみられず, 弾力線維のみが残存していた。
講座
治療
  • —とくにアトピー性皮膚炎に対して—
    檜垣 祐子, 肥田野 信
    1991 年 53 巻 1 号 p. 103-106
    発行日: 1991/02/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    1) アトピー性皮膚炎26例, 湿疹3例, 酒さ様皮膚炎1例の計30例に柴朴湯を投与し, その治療効果, 副作用を検討した。
    2) 有用性はアトピー性皮膚炎の26例中18例69.2%, 湿疹の3例中2例66.7%に認められ, 酒さ様皮膚炎の1例に対しても有用であつた。
    3) アトピー性皮膚炎の重症度による柴朴湯の有用性の違いはなかつた。
    4) 有効例の効果発現時期は比較的早く, アトピー性皮膚炎では2週以内が24例中18例75.0%と最も多かつた。
    5) 副作用は全例で認めなかつた。
    これらの結果から柴朴湯はアトピー性皮膚炎など湿疹群に対し有用性があると思われた。
  • 中山 秀夫, 篠 力
    1991 年 53 巻 1 号 p. 107-112
    発行日: 1991/02/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    海藻成分を入れ, paraben, 1.3BG以外は事実上allergenの入つていないMarine Series化粧品2種をasisで, またNOV社製抗原除去型石鹸2種を1%水溶液の条件で, 安全評価の一環として, 72名に2日間閉鎖貼付試験を行つた。これらをminiplasterに各1滴つけて貼付し, 2, 3, 7日目にICDRG基準で判定した。4検体とも, 健常人volunteer21名全員ですべて反応は陰性であつた。これに対し, 湿疹, 皮膚炎を主とする患者51名では, Marine Seriesは1種で全員陰性, もう1種で弱陽性2名の他全員陰性で, 明瞭な刺激, 感作の誘発を認めなかつた。NOV石鹸2種は, 51名の患者において陰性率51%, 弱刺激の率17%であつた。これら2種とも?(+)が多くみられたが, これは界面活性剤を閉鎖貼付したためで, 実際に患者に用いて抗原除去効果で良い成果が得られるようならば, 全く問題のない反応である。
  • 勝岡 憲生, 荒井 亮
    1991 年 53 巻 1 号 p. 113-117
    発行日: 1991/02/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    蕁麻疹や湿疹·皮膚炎など各種そう痒性皮膚疾患103例を対象としてアゼプチン®(塩酸アゼラスチン)の臨床効果, 安全性および有用性について検討した。試験の結果, 全症例の総合的な全般改善度では, 中等度改善以上が44.7%, 軽度改善以上は89.4%であつた。副作用は3例(2.9%)に認められたが, すべて軽い眠気であつた。安全性を加味した有用度は, 全症例の合計では有用以上が47.6%, やや有用以上は89.3%であつた。また皮膚所見別改善度で, そう痒についてはいずれの疾患においても高い改善率を示した。以上より, 本剤は様々なそう痒性皮膚疾患に対し広く応用できる有用性の高い薬剤であると考えられた。
  • —多施設用量比較検討試験—
    シクロスポリン皮膚科研究会
    1991 年 53 巻 1 号 p. 118-129
    発行日: 1991/02/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    中等症以上の乾癬に対するシクロスポリンの至適投与量の検討を目的とし, シクロスポリン3mg/kg/日投与群と5mg/kg/日投与群の有効性, 安全性および有用性を投与期間8週間で比較検討した。皮診の改善の程度は5mg/kg/日が優れており, 全般改善度は5mg/kg/日投与群が3mg/kg/日群に比べ有意に優れていた。さらに効果の発現についても5mg/kg/日投与群のほうが3mg/kg/日投与群に比べ早かつた。また概括安全度については両群間で有意な差はなく, 発現した副作用の内容についても大きな差はなく, 重篤なものはなかつた。さらに, 全般改善度と概括安全度を総合的に判定した有用度では, 5mg/kg/日投与群は3mg/kg/日投与群に比べ有意に優れていた。以上の結果より, シクロスポリンの乾癬に対する至適投与量として5mg/kg/日が適当であると考えられた。
  • 山本 伸二, 城野 昌義, 荒尾 龍喜
    1991 年 53 巻 1 号 p. 130-133
    発行日: 1991/02/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    1. シクロスポリン(CYA)の使用で緩解導入し得, 以後CYAを中止したが, CYA投与前無効であつたコルチコイド外用済で緩解維持できるようになつた局面型乾癬の1症例を報告した。
    2. CYA 5mg/kg/dayの少量投与により, 特記すべき副作用を招来せず, 乾癬の皮疹を緩解させることができた。
  • 木藤 正人, 城野 昌義, 小野 友道
    1991 年 53 巻 1 号 p. 134-138
    発行日: 1991/02/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    32歳女子の背部, 12歳男児の背部と左鎖骨部に発生した限局性鞏皮症に対し, tranilastを投与し, 両側とも開始約2週後から症状の改善をみた。とくに後者はtranilast投与中止により再燃し, 再投与によつて軽快する傾向が認められた。今日, 鞏皮症の病態に肥満細胞の関与が明らかになりつつあり, tranilastのような肥満細胞安定化剤が限局性鞏皮症に有効であつたことは興味深い。
  • 小松 平, 加藤 安彦, 杉本 純一
    1991 年 53 巻 1 号 p. 139-143
    発行日: 1991/02/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    63歳, 女子の四肢に生じた多発性の悪性血管内皮細胞腫に対してリコンビナント·インターロイキン—2を1日1回40万JRU点滴静注により全身投与を行つた。総量1,200万JRUにて投与を終了したが, その後皮疹は淡い色素沈着のみとなる著明な軽快を示し, 組織学的にも腫瘍細胞は消失し, 総合的にCR(complete response)の結果を得た。投与終了後約9ヵ月経つが再発は認められない。RIL-2の全身投与は悪性血管内皮細胞腫に対し有効な治療法と考えられる。
  • 横尾 守, 有可 正, 宗 義朗
    1991 年 53 巻 1 号 p. 144-151
    発行日: 1991/02/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    外用抗真菌剤butenafine(KP-363), naftifine, tolnaftate, clotrimazoleおよびbifonazoleのMalassezia属に対するin vitro活性を寒天平板希釈法で検討し, 以下の結果を得た。
    1)Malassezia属, Candida parapsilosis, Cryptococcus neoformansに対する抗真菌剤の抗真菌活性はオリーブ油またはTween 80の添加により低下した。その低下作用はTween 80よりオリーブ油のほうが強かつた。
    2)Tween 80添加培地でTween80含量を0.2%から0.04%まで減じたとき, 抗真菌活性は上昇した。
    3)Malassezia属に対する抗真菌剤の活性をTween 80添加培地で検討した結果, 活性の強さはbifonazole>clotrimazole=butenafine>naftifine>tolnaftateの順であつた。
  • 横浜市立大学皮膚科学教室関連施設研究会
    1991 年 53 巻 1 号 p. 152-160
    発行日: 1991/02/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    Acyclovir錠内服の単純ヘルペス感染症に対する治療効果を, 17施設に於てopen studyにて検討した。対象は口唇ヘルペス50例, 顔面のヘルペス22例, 性器ヘルペス18例, カポジ水痘様発疹症17例, ヘルペス性ひょう疽9例, 臀部のヘルペス16例, 上肢·体幹のヘルペス5例, ヘルペス性口内炎, 全身のヘルペス各1例の合計139例であつた。いずれの症例もacyclovir 200mg錠を1日5回, 5日間経口投与し, 投与後速やかに全身症状ならびに皮膚症状の改善を認めた。全体の有効率は93.4%, 病型別には口唇ヘルペス94.0%, 顔面のヘルペス95.5%, 性器ヘルペス94.1%, カポジ水痘様発疹症100%, ヘルペス性ひょう疽77.8%, 背部のヘルペス87.5%, 上肢·体幹のヘルペス, ヘルペス性口内炎, 全身のヘルペスいずれも100%であつた。副作用としては月経不順, 下痢·腹痛, 白血球数減少, 顕微鏡的血尿, 白血球数増加·好酸球数増加の5例·7項目であつたが, いずれも軽度の異常であつた。有用以上の有用率は93.4%で, 本剤は単純ヘルペス感染症に対して高い有用性を持つことが確認された。
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