西日本皮膚科
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53 巻 , 3 号
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図説
綜説
  • 宮里 稔, 津田 眞五
    1991 年 53 巻 3 号 p. 463-473
    発行日: 1991/06/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    Eosinophiliaを伴うアレルギー性疾患や寄生虫感染症患者の末梢血好酸球には比重のheterogeneityが存在し, この比重の相異は機能, 代謝および形態のheterogeneityと相関すること, 低比重域に分画されるhypodense eosinophilは生物活性の高い細胞で, 一部のアレルギー性疾患の病態発現に重要な役割を果たすことが知られている。アトピー性皮膚炎(AD)の末梢血好酸球にも比重のheterogeneityが存在し, Nycodenz比重遠心勾配法によりnormodense eosinophil(NEo>1.080g/ml), heavy side-hypodense eosinophil(HHEo≤1.080g/ml, >1.072g/ml)およびlight side-hypodense eosinophil (LHEo≤1,072g/ml)のphenotypesに分類される。これらphenotypesのうち, HHEoの絶対数がADの臨床症状(重症度)によく相関する。活性型好酸球を識別するEG2 monoclonal antibodyを用いた酵素抗体法の結果は, HHEoの85%とLHEoの35%が活性型細胞であることを示し, 実際, 電顕的にNEoが正常形態の好酸球顆粒を有するのに対し, HHEoではgranulolysisを呈する活性型顆粒が増加し, LHEoでは多くの脱顆粒後の空胞化顆粒が認められている。ADにおける好酸球の免疫細胞化学的および形態学的動態や, AD血清中eosinophil cationic protein(ECP)濃度の動態(eosinophiliaの程度に比例してECP濃度は増加)から推察すると, 好酸球は循環血液中または皮疹部で一連の細胞分化過程, すなわちNEoからHHEoへの分化(activation process)とHHEoからLHEoへの分化(degranulation process)を経て脱顆粒し, 放出された顆粒蛋白が直接もしくは間接的に皮疹の形成や増悪に関与していることが推察される。
症例
  • 本田 由美, 中村 尚, 江川 清文, 小野 友道, 荒尾 龍喜
    1991 年 53 巻 3 号 p. 474-477
    発行日: 1991/06/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    月経周期に一致して結節性紅斑を反復する21歳女子例を報告する。女性ホルモンの不均衡, 黄体機能不全が疑われ, さらに子宮内膜症の合併が認められた。
  • 戸井 洋一郎, 藤本 亘, 多田 讓治, 荒田 次郎
    1991 年 53 巻 3 号 p. 478-482
    発行日: 1991/06/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    症例1, 69歳男子。ゼスラン®内服中に手背に紅色丘疹が出現した。UVAのMEDが短縮し, 1%メキタジンのパッチテストと0.1%メキタジンのフォトパッチテストが陽性を示した。内服中止で軽快し, 内服誘発試験も陽性であった。症例2, 42歳女子。ニポラジン®内服中に露光部の紅斑が出現した。MEDは正常であったが, 1%ニポラジン®のフォトパッチテストで陽性であった。内服中止で皮疹は消失した。症例1は接触アレルギー+光毒性反応, 症例2は弱い光毒性反応と考えたが, なお試験薬剤濃度, 光線量, 併用内服薬の検索などの問題が残されていると思われる。
  • 塚原 哲哉, 音山 和宣, 堀内 保宏, 中島 裕史, 杉山 隆夫, 岩瀬 裕郷
    1991 年 53 巻 3 号 p. 483-486
    発行日: 1991/06/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    全身の浮腫, 持続する蛋白尿に低蛋白血症を呈するネフローゼ症候群を合併していた水疱性類天疱瘡の81歳と78歳男子の2例を報告した。81歳の症例1はステロイド全身投与により皮膚症状, 腎症状もコントロールされた。しかし, 78歳の症例2はステロイド剤の投与にもかかわらず肺炎から敗血症, DICを併発し死亡, 解剖腎臓組織は膜性増殖性糸球体腎炎の像を呈しIgAとC3の沈着が認められた。
  •  
    堀内 保宏, 音山 和宣, 有田 誠司, 徳元 伸行, 菊池 俊之
    1991 年 53 巻 3 号 p. 487-489
    発行日: 1991/06/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    足背のBowen病の切除から約10ヵ月後に結腸·直腸重複癌が見いだされた67歳男子の1例を報告した。結腸, 直腸の両腫瘍とも組織はtubular adenocarcinomaであった。
  • —毛包·脂腺·アポクリン腺ユニットとしての脂腺母斑について—
    麻生 和雄, 近藤 慈夫, 佐藤 紀嗣, 穂積 豊
    1991 年 53 巻 3 号 p. 490-497
    発行日: 1991/06/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    脂腺母斑病巣中に陰影細胞巣からなる毛母腫の併発した14歳男児症例を報告すると共に, 教室で過去14年間に切除手術された脂腺母斑43病理組織標本を再検索し, 脂腺母斑が毛包, 脂腺, アポクリン腺unitの奇型性母斑性病態であることを確認した。脂腺母斑の表皮増殖像の中には, 下部母斑毛包由来の, 毛包漏斗, 毛包上部からの外毛根鞘細胞増殖, またそれらと関連性のtumor of follicular infundibulum様, nevus comedonicus様, dilated pore of Winer様, seboacanthoma様, sebaceous trichofolliculoma様増殖像が種々の程度に認められ, 脂腺母斑の表皮増殖像は多分に脂腺母斑上部毛包の外毛根鞘細胞増殖によると推定された。毛母腫の併発は脂腺母斑の毛包中心性病態に深く関連している。
  • 松永 剛, 滝野 長平
    1991 年 53 巻 3 号 p. 498-501
    発行日: 1991/06/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    48歳男子に生じた限局性レックリングハウゼン病の1例を報告した。右側の腹および腰背部のTh11からL1の領域にほぼ一致して半米粒大程度の類円形の淡褐色斑が散在性に多発する局面がみられ, 腹部正中部ではこの局面と正常皮膚との境界は鮮明であった。さらにこの局面内に爪甲大程度の類楕円形の淡褐色斑と, 大豆大までの半球状に隆起した赤褐色の軟らかい丘疹をそれぞれ数個認めた。丘疹の組織像では典型的な神経線維腫の所見がえられ, 色素斑と合わせレックリングハウゼン病が身体の一部に限局して生じたいわゆるモザイク型と考えられた。レックリングハウゼン病の分類については欧米ではRiccardiの8型の分類, 本邦では新村の分類が一般的であるが, モザイク型については後者が色素性病変と神経線維腫の組み合わせを考慮している点でより細かく, 統計的観察を加える上では新村による分類が適当と考えた。また色素性病変および神経線維腫いずれもみられる本邦報告8例について集計し, 家族内類症や内臓病変の合併は見られず, 部位としては躯幹に多く発生するほか, 現段階では右半身に多く見られることが分かった。なお限局性多発性神経線維腫の本邦例との比較では分布域に左右差がみられる以外臨床事項に明らかな違いは見られなかった。
  •  
    三砂 範幸, 幸田 弘, 内田 雄基, 久保田 英郎, 香月 武
    1991 年 53 巻 3 号 p. 502-508
    発行日: 1991/06/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    58歳女子。頬粘膜に白色隆起局面, およびレース状白斑を認めた。また, 下口唇には亀裂, 痂皮局面, 大陰唇には疣状隆起局面, そして両下腿には疣状結節が認められた。組織学的に頬粘膜の皮疹は, 扁平苔癬およびそれより生じた有棘細胞癌と診断した。その他の皮疹も, すべて扁平苔癬の組織像を呈していた。これらの扁平苔癬は, 歯科金属パッチテスト所見などから歯科金属(アンチモン)アレルギーによるものと考えられた。自験例は, 歯科金属アレルギーによると考えられる扁平苔癬が, 頬粘膜, 下口唇, 陰部および下腿にみられ, 頬粘膜の病変からは有棘細胞癌が生じた症例である。
  • 西村 正幸, 堀 嘉昭
    1991 年 53 巻 3 号 p. 509-511
    発行日: 1991/06/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    64歳女子の上口唇に義歯による受傷の後生じた, 一見血管拡張性肉芽腫を思わせる易出血性の病変を切除した。組織学的観察の結果, adamantinoid basal cell carcinoma, エナメル上皮腫に良く似た基底細胞癌の稀な組織学的亜型, と診断した。
  •  
    加藤 晴久, 國行 秀一
    1991 年 53 巻 3 号 p. 512-514
    発行日: 1991/06/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    68歳女子の右第5指尺側にみられた単発型皮膚グロムス腫瘍の1例を報告した。組織学的には真皮中下層に1層の内皮細胞で囲まれた大小の血管腔と, その周囲にやや大型で円形の核と好酸性の細胞質を有するグロムス細胞が増殖しており, これらの細胞集塊は線維性の被膜に取り囲まれていた。血管内皮細胞は免疫組織化学的に第VIII因子関連抗原陽性を示し, 管腔周囲と個々のグロムス細胞を取り囲むように網状に嗜銀線維を認めた。また, ボディアン染色により, 腫瘍細胞巣には豊富な神経線維の分布が認められた。
  • 堀内 保宏, 増澤 幹男
    1991 年 53 巻 3 号 p. 515-519
    発行日: 1991/06/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    20歳女子の大腿部に生じた隆起性皮膚線維肉腫と, 26歳男子の顔面に生じた悪性線維性組織球腫を報告した。隆起性皮膚線維肉腫は光顕では腫瘍細胞間の線維成分, 膠原線維の増生が著しく, 電顕では細胞·核は細長く粗面小胞体(ER)の発達が著しい。これに対して悪性線維性組織球腫は光顕では細胞間の線維成分の増生は隆起性皮膚線維肉腫ほど顕著ではなく, 電顕では細胞はおおむね立方形でやや大型であった。
  • 馬場 堯, 加藤 晴久, 濱田 稔夫, 関 淳一, 小林 庸次
    1991 年 53 巻 3 号 p. 520-524
    発行日: 1991/06/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    糖尿病患者にみられたカポシ肉腫を報告した。患者は69歳男子。1982年頃に右足踵から足底にかけて, 紅色∼暗赤色の丘疹, 小結節が出現し, 徐々に増数増大, 疼痛を伴うようになってきた。組織学的にカポシ肉腫と診断され, 5年後には左足, 両手にも皮疹が出現した。糖尿病に対して, インスリン, 経口血糖降下剤投与を行い, さらにアクチノマイシンD, ビンクリスチンによる化学療法を行ったが, 発病約5年後に消化管出血のために死亡した。剖検では, 消化管, 副腎, 横隔膜, リンパ節など多臓器にカポシ肉腫が認められた。
  • 森 健一, 幸田 衞, 森 康二, 植木 宏明, 熊谷 正彦
    1991 年 53 巻 3 号 p. 525-529
    発行日: 1991/06/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    症例: 37歳女子。強いそう痒を伴った環状·地図状の紅斑が短時間で遠心性に拡大·融合し, ほぼ全身に拡がった。臨床検査では, 末梢血好酸球増多(最高値: 白血球数22,000/μl, 好酸球数9,200/μl), 抗核抗体陽性, 骨髄像での成熟好酸球増多以外には多臓器障害や悪性腫瘍の合併は認めず, 全身状態は良好であった。皮膚生検組織では, 表皮内に好酸球性小膿瘍と真皮上·中層の著明な好酸球浸潤がみられた。プレドニゾロン40mg投与開始後, 緩解までに8週間を要したが, 以後はアザチオプリン50mg併用し, ステロイドを漸減, 2年後には内服を中止した。中止8ヵ月後の現在も再燃の徴候はない。
  • 宮城 嗣名, 宮里 肇, 比嘉 禎, 高宮城 敦, 真栄平 房裕, 名嘉真 武男
    1991 年 53 巻 3 号 p. 530-534
    発行日: 1991/06/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    68歳男子。約15年前, 左側腹部にそう痒を伴う紅色丘疹および紅斑が出現, 紅斑は浸潤を伴うようになり, 徐々にその数を増し, ほぼ全身に散在するようになった。昭和63年両頬部に赤褐色の腫瘍が出現した。HTLV-I抗体陽性であったが, 末血ではフラワー細胞など異常細胞はみられなかった。菌状息肉症の腫瘍期と診断し, rIFN-α全身投与, PUVA療法, ステロイド軟膏外用および軟X線照射を行った。治療により皮疹は次第に消退したが, 初診時採取した左頬部腫瘤の凍結組織切片よりHTLV-I proviral DNAが検出されたため診断をATLと改めた。
  • 市川 栄子, 池田 美智子, 浅野 さとえ, 岡部 省吾, 兼田 瑞穂, 柿沼 カツ子
    1991 年 53 巻 3 号 p. 535-540
    発行日: 1991/06/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    経過中にmyelodysplastic syndrome(MDS)を合併したSweet病の1例を報告した。患者は54歳男子で発熱と胸部, 背部, 顔面の有痛性隆起性紅斑を主訴に来院し, 皮疹の組織学的検査で真皮に密な好中球浸潤を認めた。皮疹発生の約4ヵ月後に血液学的検査でMDS, refractory anemia with excess of blastと診断した。皮疹に浸潤する好中球の一部に核過分葉を認め, その後末梢血を精査したところ, その好中球にも同様の所見が認められた。好中球機能検査では殺菌能の一つであるスーパーオキサイド(O2-)産生能に異常亢進が認められた。また皮疹の出現と並行して肺に異常陰影を認め, 肺生検像でneutrophilic alveolitisと診断され, Sweet病と同様の病態が肺にも起こっていたことが推定された。
研究
  • 白地 孝光, 松本 亮二, 脇谷 之清, 愛下 秀毅, 川崎 晃義
    1991 年 53 巻 3 号 p. 541-547
    発行日: 1991/06/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    強力な末梢血管拡張作用および血小板凝集抑制作用を有するプロスタグランディンE1·α-シクロデキストリン包接化合物(PGE1·CD)の軟膏剤としての創傷治療効果を検討するため, ウサギの耳介皮膚欠損創モデルを用い, 創傷治癒経過ならびに創傷部皮膚血流量に及ぼすPGE1·CD軟膏の影響を検討した。PGE1·CD軟膏は, 10μg/g以上の用量で顕著な創傷部面積の縮小効果を示し, 創傷の完治日数を有意に短縮させた。また, 組織学的にも再生上皮の伸展, 肉芽組織の増殖および毛細血管の新生が基剤群に比べ明らかに亢進していた。さらに創傷部位の皮膚血流量を強力かつ持続的に増加させたが, 全身血圧および心拍数には何ら影響を及ぼさなかった。以上の結果より, PGE1·CD軟膏は創傷に対して治癒促進効果を示し, その効果の一部に皮膚血流量増加作用が関与していることが示唆され, 臨床的にも褥瘡などの虚血性皮膚潰瘍に対する有用性が期待される。
  • 前田 学, 鹿野 由紀子, 森 俊二
    1991 年 53 巻 3 号 p. 548-552
    発行日: 1991/06/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    54例の全身性鞏皮症(PSS) 患者の凍結保存血清を用い, ENA-3(MBL社)で抗Scl-70抗体の検出を試み, 同時に抗RNP抗体(ENA-1), 抗SSA/SSB抗体(ENA-2), 抗セントロメア抗体(ACA)(フルオロCENTROスライド)および抗核抗体(フルオロHEPANAテスト)も測定した。対照として, non-PSS群(SLE, DMなど19例), 非膠原病群(皮膚病患者31例), 健常人群(47例) についても同様に測定した結果, 抗Scl-70抗体はPSSの9例(16.7%)にみられたが, 他群には認められず, 特異性の高いことが証明された。また2回以上, 年月の異なる血清を測定しても7例全例陽性であった。抗Scl-70抗体陽性PSS群を, 他の自己抗体陽性ないし陰性群と比較すると, pitting scar, 拘縮, 色素沈着および肺線維症の頻度が有意に高く, VC(%) や%DLco値も有意に低いことより, 重症型であると分った。このことより, 抗Scl-70抗体の測定はPSSの重症度の判定に有用で, 経過観察にも有益であるといえる。
  • —信号強度と病理組織像との比較—
    高橋 雅弘, 幸田 弘
    1991 年 53 巻 3 号 p. 553-557
    発行日: 1991/06/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    色素細胞系皮膚腫瘍に対するMRIを用いた画像診断法について, 悪性黒色腫と青色母斑の各1例を用いて比較検討を行った。その結果, 腫瘍の形状や位置について正確な情報が得られ, 手術前診断法として有用性の高い診断法と思われた。加えて, 画像上の腫瘍の信号強度を測定し, 隣接する皮下脂肪織の信号強度と比較することにより, 腫瘍の良性·悪性の鑑別を試み, その可能性についても検討を行った。
  • —病理組織所見との比較検討—
    高橋 雅弘, 岸川 高
    1991 年 53 巻 3 号 p. 558-561
    発行日: 1991/06/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    40歳男子の左肩甲部に生じた悪性黒色腫に対し, MRIを術前検査として施行し, 摘出標本と比較した。MRIで推測された形状, 大きさと, 摘出標本の所見はほぼ一致した。悪性黒色腫に対するMRIは有用性の高い術前画像診断法であると思われたので若干の考察を加えて報告した。
講座
治療
  • 高島 巌
    1991 年 53 巻 3 号 p. 566-570
    発行日: 1991/06/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    育毛作用を有する数種の植物抽出液, プラセンタエキス, 酢酸トコフェロール, センブリエキス, サリチル酸およびエチニルエストラジオールを配合した女性用育毛剤コラージュリッチを女性型脱毛症患者12例に使用し, 抜け毛(自然脱毛数)に対する効果, 再生毛の有無, 抜毛試験について検討した。自然脱毛では7例(58.3%)が減少し, 抜毛試験でも7例(58.3%)が抜けにくくなった。再生毛については, 3例(25.0%)に終毛が, 4例(33.3%)に軟毛が認められた。副作用としてそう痒感とフケの増加を認めた症例がみられたが, 使用中止にいたる例はなく, 長期に使用しても安全な育毛剤であると考えられた。
  • 高橋 久, 高浜 英人, 荒田 次郎, 秋山 尚範, 石橋 明, 比留間 政太郎, 石橋 康正, 中川 秀己, 下妻 道郎, 今門 純久, ...
    1991 年 53 巻 3 号 p. 571-582
    発行日: 1991/06/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    新しく開発されたニューキノロン系経口抗菌剤フレロキサシン(Fleroxacin: FLRX)について皮膚組織内への移行濃度の測定および皮膚科領域感染症に対する治療を実施し, 本剤の基礎, 臨床両面における有用性を検討した。FLRXの200mgを12例に1回経口投与した2∼24時間後の皮膚組織内濃度は, 1.27∼7.29μg/gで対血清比は, 0.84∼3.46と良好な皮膚組織への移行が示された。細菌性皮膚感染症148例に対して1日1回100∼300mgを3∼19日間投与した。治療成績は, 著効60例, 有効70例, やや有効10例, 無効8例で, 有効率は87.8%であった。各疾患群の有効率は, I群85.3%, II群93.1%, III群100%, IV群90.0%, V群90.3%, VI群76.9%であった。細菌学的効果は, 投与前に皮膚病巣より分離された134株に対し90.0%の菌消失率であった。本剤投与に起因すると考えられる副作用としては, 調査対象症例154例中, 嘔気, 食欲減退および腹部不快が各1例, 計3例(1.95%)に認められた。また臨床検査値の異常変動は, 調査対象症例127例中1例(0.79%)にBUNの上昇がみられたのみであり, 本剤の安全性の高さが示唆された。以上の結果より, FLRXは皮膚科領域感染症に対し, 1日1回の投与で有用な薬剤であることが推察された。
  • 中川 秀己, 鳥居 秀嗣, 朝比奈 昭彦, 石橋 康正
    1991 年 53 巻 3 号 p. 583-586
    発行日: 1991/06/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    シクロスポリンの乾癬に対する効果については, 欧米および本邦において多数の臨床試験がなされ, すでにその有効性は3∼5mg/kg/dayの低用量で明らかにされている。一方, その投与方法については様々な見解が報告されており, 現在精力的に検討されている。以前にわれわれは様々な治療に抵抗性の重症局面型乾癬患者14例に対し, 5mg/kg/dayの初期投与量より開始, 漸減する方法で満足すべき結果を得た。今回われわれは重症の尋常性乾癬患者5例に対して, シクロスポリン·ソフトゼラチンカプセルを4mg/kg/dayから開始し, 臨床効果にしたがって漸減する方法を用いて治療を試みたところ, 十分な効果が認められた。また投与中止に至るような重篤な副作用は認められなかった。以上により, 重症の乾癬に対してシクロスポリン·ソフトゼラチンカプセル初期投与量4mg/kg/dayにより良好な成績が得られたが, その使用にあたっては安全性に十分に留意した上で, 可能な症例では初期投与量を5mg/kg/dayとした方が皮疹の改善がより速やかであると考えられた。
  • 安部 誠, 竹内 誠, 飯田 芳樹, 寺村 正子, 深谷 嘉英, 上田 宏
    1991 年 53 巻 3 号 p. 587-590
    発行日: 1991/06/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    従来の治療法に対して抵抗性を示した5例の重症尋常性乾癬患者に, シクロスポリンを初期投与量5mg/kg/日で12週間投与し, 全例で皮疹の著明な改善を認めた。またシクロスポリン投与期間中, 副作用は認められず, 安全性についてはまったく問題なかった。5例全例に著明な効果が認められたものの免疫抑制剤という本薬剤の性質を考慮すると, 適用となる症例は限定されると考えられる。以上より従来の治療に抵抗性を示す重症の乾癬に対し, シクロスポリンは極めて有用な薬剤であると考えられる。
  • 中山 樹一郎, 占部 和敬, 野田 啓史, 帆足 真理子, 堀 嘉昭
    1991 年 53 巻 3 号 p. 591-596
    発行日: 1991/06/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    シクロスポリンの軟カプセル剤であるシクロスポリン·ソフトゼラチンカプセルを投与し, 重症の乾癬に対する臨床効果を検討した。シクロスポリンは, 3∼5mg/kg/日相当量の投与量で, 原則として12週間投与した。全般改善度は, 著明改善4例, 改善2例, やや改善1例, 悪化が1例であり, その効果は用量に依存する傾向がみられた。安全性については, 副作用が3例にみられ, それらは血圧上昇, 食欲不振, 蕁麻疹であったがとくに重篤なものではなかった。以上の結果よりシクロスポリン·ソフトゼラチンカプセルは重症の乾癬に対しきわめて有用な薬剤と考えられた。
  • 玉木 毅, 皆見 春生, 尹 淑香, 中西 浩, 原田 昭太郎
    1991 年 53 巻 3 号 p. 597-601
    発行日: 1991/06/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    シクロスポリンのカプセル製剤であるシクロスポリン·ソフトゼラチンカプセルの重症尋常性乾癬に対する臨床効果を8例について検討した。シクロスポリンを5mg/kg/dayにて原則として12週間投与した。評価可能であった7症例では, 全例で著明改善を認めた。副作用として1例に軽度の四肢の多毛と胃部不快感が認められた。合併症の悪化により投与を中止した1例があったが, あくまで合併症の悪化であり本剤の安全性には問題ないと考えられた。以上の結果よりシクロスポリン·ソフトゼラチンカプセルは重症尋常性乾癬に対しきわめて有用な薬剤と考えられた。
  • —シクロスポリン·ソフトゼラチンカプセルの使用経験—
    小林 仁, 大河原 章
    1991 年 53 巻 3 号 p. 602-606
    発行日: 1991/06/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    尋常性乾癬2例, 膿疱性乾癬3例に対してシクロスポリンの投与を行った。シクロスポリン投与には従来の内用液剤ではなくソフトゼラチンカプセルを用いた。シクロスポリンの投与量は3∼5mg/kg/day相当量, 12週間の経過観察を行った結果, 尋常性乾癬患者2例中1例に, 膿疱性患者は全例に病変の著明な改善をみた。副作用では1例に多毛, 1例に高血圧の悪化をみた。検査所見においては1例に血清Mg値の低下, Al-P値の上昇が認められた。シクロスポリンの血液中濃度は患者間でかなりの差がみられたが, 臨床効果と血液中濃度に相関は認められなかった。
世界の皮膚科学者
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