西日本皮膚科
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54 巻 , 1 号
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図説
綜説
症例
  • 新見 直正, 能宗 紀雄, 森田 栄伸, 山田 悟, 山本 昇壯
    1992 年 54 巻 1 号 p. 7-11
    発行日: 1992/02/01
    公開日: 2011/09/29
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    29歳男子の軽症汎発性萎縮型表皮水疱症の1例を報告した。生下時より, 軽微な外力によって全身に水疱形成を繰り返し, 水疱は瘢痕形成を伴わず皮膚萎縮を残し治癒する。水疱の形成は加齢にしたがって漸減してきている。頭部, 腋窩部, 外陰部の脱毛, 足趾の爪の変化, 歯牙の形成異常, 口腔内の水疱形成を認めた。身体, 精神的発育に異常は認められなかった。組織学的には表皮下水疱で, 電顕的にはjunctionolysis, hemidesmosomeの発育不全を認めた。
  • 豊島 弘行, 青柳 孝彦, 前田 謙而
    1992 年 54 巻 1 号 p. 12-15
    発行日: 1992/02/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    53歳男子に生じた慢性関節リウマチ(RA), Sjögren症候群(SjS)および多発性筋炎(PM)の合併したoverlap症候群の1例を報告した。両下腿, 両掌蹠の紫斑, びらん, 痂皮を主徴とし, 関節痛, 筋肉痛, 筋力低下があるが, 眼, 口腔内の乾燥症状はない。RAテスト, RAHA陽性, 抗核抗体(homogenous pattern), 抗SSA抗体, 抗SSB抗体いずれも陽性, ローズベンガル試験, シルマー試験も陽性を示した。小唾液腺生検においても, 導管周囲に細胞浸潤が見られた。また, GOT, LDH, アルドラーゼの上昇, 尿中クレアチニン, ミオグロビンの排出, 筋生検における筋線維の萎縮, 炎症細胞浸潤なども認められた。以上の所見から, overlap症候群(RA, SjS, PM)と診断した。SjSは皮疹を主訴として, 皮膚科を受診することも多いと考えられる。とくにRA患者に環状紅斑, 紫斑などの皮疹を伴った場合, SjSに関する精査はきわめて重要と考えられる。
  • 西嶋 攝子, 宗 弘, 東田 敏明, 朝田 康夫, 速水 誠
    1992 年 54 巻 1 号 p. 16-21
    発行日: 1992/02/01
    公開日: 2011/09/29
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    Methicillin resistant Staphylococcus aureus (MRSA)の分離は本邦においては1980年代より増加が認められ1)∼4), とくに病棟から分離される率が高いと報告されている5)6)。われわれの病院では病棟から分離される黄色ブドウ球菌(以下黄ブ菌)中にMRSAの占める割合はすでに70%をこえており, compromised hostの多い病棟では院内での感染防止が重要な課題となっている。Compromised hostにMRSAの感染症を併発すると致命的な経過をとることも多い7)8)。今回われわれはステロイドで治療中, 敗血症を併発して急死した類天疱瘡患者(87歳, 女性)の皮膚と血液からMRSAを分離した。同時期この患者と同室の患者からも黄ブ菌(MRSA, methicillin sensitive S. aureus, MSSA)が分離されていた。そのため院内感染の可能性も考えて, 同室より分離されたすべての黄ブ菌の薬剤感受性(minimum inhibitory concentration, MIC), ファージ型, コアグラーゼ型の検討を行った。今回の結果からは同室内感染は否定的であったが, 院内感染の可能性は残った。自験例を中心にMRSA感染症と院内感染の問題点を検討したので報告する。
  • 龍野 佐知子, 鈴木 裕介, 浅井 俊弥
    1992 年 54 巻 1 号 p. 22-26
    発行日: 1992/02/01
    公開日: 2011/09/29
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    52歳女子。以前より右下腿の静脈瘤症候群が持続していたが, 1年6ヵ月前よりこの病変の上方, 即ち右大腿部に潰瘍を伴う皮下の索状硬結が出現した。その組織像は, 真皮全層から皮下脂肪織にかけての多数の類上皮細胞性肉芽腫と小動脈の肉芽腫を伴う血管炎の像であった。同皮膚組織片の結核菌培養, Ziehl-Neelsen染色ともに陰性。ツ反強陽性。他臓器に明らかな結核病巣を認めなかった。以上よりバザン硬結性紅斑の診断のもとにINH 300mg, RFP 450mg/日内服を開始, 3ヵ月後には病巣部は完治した。自験例は下腿の静脈瘤症候群の上方, 即ち大腿に発生したこと, 組織学的に皮下から真皮全層にまでおよぶ類上皮細胞性肉芽腫がみられたことがバザン硬結性紅斑としては非典型と思われたので, 当科で過去16年間に経験したバザン硬結性紅斑11例について検討を加えた。その結果女子10例, 他臓器に明らかな結核病巣を認めたもの3例, 血栓性·増殖性の血管変化を認めたもの9例, 大腿のみに病変を認めたもの1例, 静脈瘤症候群を合併したもの3例であった。潰瘍化を伴うものは4例あり, このうち3例までに組織学的に真皮全層から皮下に及ぶ肉芽腫病巣を認めた。以上より, 本疾患における潰瘍形成は多発する類上皮細胞性肉芽腫の位置と循環障害性変化の強さに関係するものと考えた。
  • 藤木 崇弘, 中村 猛彦, 木村 達, 小野 友道
    1992 年 54 巻 1 号 p. 27-32
    発行日: 1992/02/01
    公開日: 2011/09/29
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    工事作業中, 6万6千ボルトの電線に接触し受傷した21歳男子の電撃傷の1例を報告した。患者は入院直後より激しい右鼠径部痛を訴え, さらに下血, 間歇的下腹部痛を認めた。入院時検査にて筋原性酵素の異常高値を認めた。しかし, 創部の所見からは明らかな骨格筋の損傷は確認できなかった。その後下肢筋力の低下, 回復の遅延を認め, 神経学的精査の結果, 脊髄損傷の存在が確認された。電撃傷における脊髄損傷の合併は, 欧米での報告はあるが, これまで本邦においては報告されていない。電撃傷において, 筋力回復の遅延, 知覚異常, 排尿障害などの異常所見を認めた場合には, 脊髄損傷も念頭におく必要があると思われた。
  • 亀山 孝一郎, 森田 美佳子, 三井 良樹
    1992 年 54 巻 1 号 p. 33-36
    発行日: 1992/02/01
    公開日: 2011/09/29
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    39歳, 男子。1989年3月に亀頭部に疼痛が出現した。2ヵ月後に全身倦怠感, 肘膝などの関節痛が出現した。某大学病院など数ヵ所を受診し, 膠原病, ベーチェット病などを疑われ, 入院精査されたが原因不明であった。その後陰茎に紅斑が出現し, 徐々に潰瘍化したという。1990年, 7月に陰茎の潰瘍を主訴とし当科受診した。初診時, 亀頭部に不整形の潰瘍を認めた。生検を含め精査するも, 原因不明であった。亀頭部の異常なしびれ感などを訴え続けたため, 精神的背景の問題も考慮し, その後も皮膚科外来にて精神科医と共に定期的に診察していたところ, 瞬間液体冷却スプレーを持参し, これを亀頭部に長時間使用したことを白状した。以上より異常体感を伴う心気神経症と診断した。
  • 加藤 直子
    1992 年 54 巻 1 号 p. 37-41
    発行日: 1992/02/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    メキタジンを服用中に生じた光線過敏型薬疹の1例を報告するとともに, 本邦報告9例をまとめた。自験例は46歳の女性で, 感冒に際しメキタジン9mg/日を内服し3日目から, 顔面, 前頸部, 上胸部および手背にそう痒を伴う皮疹が出現した。メキタジン5%の貼布試験において紅斑, 光貼布試験においてその部の紅斑と浮腫を認めたが, 1%, 0.1%では陰性であった。薬剤リンパ球刺激試験は陰性であった。接触皮膚炎あるいは他剤による薬疹患者21例を対象として施行したメキタジン5%の貼布試験では, 62%(13/21)が陽性反応を示し, 単独で接触過敏症抗原であることが推測された。また, 吸光波長と作用波長の相違から, 主要代謝物であるメキタジンスルフォキサイドの光線接触過敏症への関与が疑われた。さらに本邦報告例の検討から, 発症機序として他のフェノチアジン誘導体と同様, 光毒性および光アレルギー性の両者の関与が推測された。
  • 倉田 三保子
    1992 年 54 巻 1 号 p. 42-46
    発行日: 1992/02/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    クラゲ刺傷による皮疹は刺傷5日後に消退したが, 刺傷1週間後より再び刺傷部の発赤腫脹と微熱が出現し, さらに刺傷23日後より刺傷部以外の広範な部位に皮疹が出現した35歳女子例を報告した。ただ一回のクラゲ刺傷後にrecurrent reactionsを示す症例につき文献的に考察し, recurrent reactionsの発生機序としてクラゲ毒成分を抗原とするアレルギー反応の可能性が考えられた。
  • 赤坂 俊英, 今村 優子, 冨地 信和, 森 康記, 昆 宰市
    1992 年 54 巻 1 号 p. 47-51
    発行日: 1992/02/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    4歳女児の頭頂部に発症した脂腺母斑を伴ったpigmented cystic pilomatricomaの1例を報告した。脂腺母斑下の真皮深層に嚢腫様構造を認め, 嚢腫壁は3∼10層のbasophilic cellあるいはbasaloid cellから成り, 一部ではbasaloid cellが重積し不規則に内腔に向って突出し, shadow cellに移行していた。Basophilic cellに混在してpigment blockade melanocyteが散在し, basophilic cell内にはメラニン顆粒が認められ, 嚢腫周囲の間質にはmelanophageを認めた。これらのmelanocyteはbasophilic cellと共生状態にあり, pilomatoricomaの発生初期より迷入し, さらに, pilomatricomaが元来melanocyteの豊富な毛母由来であることを示唆する所見の1つであると考えられた。また, 嚢腫様構造は, 嚢腫壁の一部にacantholysisを認めたことから, 二次的な変化であると推察した。
  • 陶山 愉以子, 三原 基之, 田中 敬子, 島雄 周平, 中久喜 茂也
    1992 年 54 巻 1 号 p. 52-54
    発行日: 1992/02/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    70歳前に初発した81歳男子のsegmental neurofibromatosisの1例を報告した。皮疹は正常皮膚色ないし淡紅色のえんどう大までの小結節で, 右上腕から前腕にかけて多発, 一部集簇し, また上胸部, 上背部, 腰部, 大腿後面(いずれも右側)にそれぞれ単発性, 米粒大の同様な皮疹が認められた。多発性皮膚神経線維腫以外レックリングハウゼン病の皮膚病変およびその他の全身諸臓器の病変は認められなかった。家族に同症のものはいなかった。組織学的に小結節は典型的な神経線維腫であった。
  • 白井 まさ子
    1992 年 54 巻 1 号 p. 55-59
    発行日: 1992/02/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    71歳男子。特徴的な環状皮疹を, 躯幹上肢の裸露部のみならず非裸露部にも多数認めた。臨床的に, 環状のみの皮疹と環内部にもさらに角化性皮疹を有するものの2ヵ所より生検を施行して病理組織学的に検討したところ, 後者では環内部にも多くの錯角化部分があり, これらの多くは皮膚付属器に関連していた。一方前者では環内にほとんど付属器開口部を認めず, 上皮は一様に扁平萎縮性であった。また全般に表皮細胞の変性が著明で, 一部では扁平苔癬様, あるいはactinic keratosisを思わせる所見が認められた。
  • 勝俣 道夫, 徳留 康子, 谷田 健郎
    1992 年 54 巻 1 号 p. 60-65
    発行日: 1992/02/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    本邦においては続発性骨形成を認めた母斑細胞母斑の報告例は, 自験例3例を含めて11例と少ない。今回著者らは本症の3例を経験したので報告した。症例1: 46歳, 男子。右頬部に8mm径の半球状に隆起した黒褐色調, 弾性軟の小結節を認める。症例2: 32歳, 女子。左鼻翼部に6mm径の半球状に隆起した茶褐色調, 頂点が黒色調で弾性軟の小結節を認める。症例3: 33歳, 女子。右下顎部に9mm径の半球状に隆起した茶褐色調, 頂点が黒色調で弾性軟の小結節を認める。この小結節は小児期より存在し, 時に膿汁の排出や疼痛を認めたという。病理組織学的にはいずれも真皮上層から下層にかけて球状·索状および浸潤性構造よりなる母斑細胞の集塊が認められ, いずれもその深部に微小な1ないし数個の層板構造を示す成熟した骨組織が存在し, これらの骨組織には骨細胞を容れた骨小腔が存在する。症例1と症例3では骨髄脂肪織に相当する構造も認められた。症例1では真皮母斑細胞集塊の深部に表皮嚢腫様構造が, 症例3では骨組織周囲に異物肉芽腫と毛包構造を伴わない毛幹の断面が認められた。続発性骨形成を認めた母斑細胞母斑は欧米例を含めすべて顔面発生例であり, その理由としては顔面は毛包が発達した外傷を受けやすい部位であり, 炎症による微小環境の変化のため, 真皮内に存在する一部の間葉系細胞が刺激を受けて骨形成能を有する前骨芽細胞に誘導され, 徐々に骨が形成されると考えられた。
研究
  • 蜂須賀 裕志, 中野 俊二, 楠原 正洋, 笹井 陽一郎
    1992 年 54 巻 1 号 p. 66-68
    発行日: 1992/02/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    トウガラシの成分であるカプサイシンは, 末梢および中枢神経系における神経伝達物質の一つであるsubstance Pを放出する作用を持つ。われわれはカプサイシンパップ剤を作製し, 帯状疱疹後神経痛の鎮痛効果について検討した。10例の帯状疱疹後神経痛患者において貼付後の疼痛が消失2例, 貼付中疼痛が消失2例, 貼付中疼痛が減弱4例, 無効2例であった。カプサイシンの作用機序として, 末梢知覚神経のneuropeptideであるsubstance Pの枯渇が想定される。本療法は帯状疱疹後神経痛に対して, 簡便かつ有効な治療法として考えられる。
  • 勝俣 道夫, 江副 和彦
    1992 年 54 巻 1 号 p. 69-72
    発行日: 1992/02/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    陰茎縫線部嚢腫の中で, 立方ないし円柱上皮よりなる病変とアポクリン腺嚢腫は, その発生部位を考慮にいれない場合でも, 病理組織学的に両者の鑑別は可能であるとした論文もあるが, 実際には互いの所見が類似し, 鑑別に苦慮する腫瘍と考えられる。今回著者らは立方ないし円柱上皮よりなる陰茎縫線部嚢腫6例とアポクリン腺嚢腫3例を病理組織学的, 免疫組織化学的に比較し, 以下の結果を得た。PAS, 消化PAS, アルシアンブルー各染色とABC法により, CEA, S100蛋白の検索を行った標本ではこの両者間に相違はなく, この両腫瘍の組織像でやや異なる点として, HE染色でアポクリン腺嚢腫では立方形から高円柱状の細胞の内腔側の細胞質が好酸性に強く染色されたのに対し, 陰茎縫線部嚢腫の同様の細胞は細胞質が均一に染色された点があげられた。この両腫瘍間の最大の相違点はリゾチームの検索結果で, 陰茎縫線部嚢腫では嚢腫壁に陽性所見が認められないのに対し, アポクリン腺嚢腫では立方形から高円柱状の細胞の内腔側および一部の細胞の細胞質内に陽性所見が認められ, 抗体の入手が容易で, どの施設においても検索が可能なリゾチームの検索を試みることは, この両腫瘍の鑑別に有用と考えられた。
  • 大野 まさき
    1992 年 54 巻 1 号 p. 73-79
    発行日: 1992/02/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    ELISAによりアトピー性皮膚炎患者と健康成人のダニ(Dermatophagoides farinae)特異IgG, IgG4抗体価を測定した。両抗体価ともアトピー性皮膚炎患者は健康成人群より有意に高値であった。IgG抗体価ではアトピー性皮膚炎単独群より喘息を合併した皮膚炎群が有意に高値であった。IgG4抗体価はアトピー性皮膚炎単独群より喘息と鼻炎を合併した皮膚炎患者群が有意に高値であった。両抗体価ともIgE RIST値, ダニ特異IgE RAST scoreと平行して上昇した。RAST陰性群の中にDFに対するIgG4抗体陽性例が認められ, その皮膚炎の重症度は中等症以上が多かった。両抗体価とも皮膚炎の重症度に伴い高値を示した。IgG4抗体価においては軽症群に比べ中等症群, 重症群に有意差がみられた, IgG抗体価では有意差は認められなかった。以上より, IgG抗体とIgG4抗体は皮膚病変の増悪因子として働いている可能性が示唆された。
  • 今山 修平, 宮原 裕子, 橋爪 民子, 棚橋 朋子, 久保田 由美子, 古賀 哲也, 堀 嘉昭, 武石 正昭, 福田 英三
    1992 年 54 巻 1 号 p. 80-86
    発行日: 1992/02/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    アトピー性皮膚炎患者100例に対し, ダニ抗原に対する血中特異IgE値を測定すると共に, 同じ抗原を用いたパッチテストを実施した。その結果, ダニ特異IgE(RAST)値が中間的な値を示すことは少なく, 大部分が高値か低値の群に属したため, 結局, 検討した患者はまず, ダニのパッチテスト陽性群と陰性群に, さらに特異IgEの高値群と低値群の4群に分けられた。さらに各群に属する患者の臨床所見を検討した結果, それぞれの群にある程度特徴的な皮膚病変が存在した。即ち, パッチテストのみ陽性で血中IgE低値の群では, 肘膝関節屈側に皮疹が限局し, 個疹は苔癬化を伴う丘疹様病変であることが多く, 逆にパッチテスト陰性で血中IgE高値の群では, 浮腫性あるいは紅斑性の皮疹を呈することが多く, 顔面の皮疹を伴うことが多かった。パッチテスト陽性かつIgEも高値の患者では顔面, 頚部, 肘膝屈側を含めて広範囲に皮膚病変を呈することが多く, その皮疹は前2群の性格を兼備したような病変, 即ち苔癬化を伴う浸潤性瀰漫性紅斑を典型とすることが多かった。一方で, 両者ともに陰性のアトピー性皮膚炎患者には特徴的な臨床傾向を見い出せなかった。
講座
統計
治療
  • MT-861研究班
    1992 年 54 巻 1 号 p. 101-113
    発行日: 1992/02/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    MT-861(amorolfine hydrochloride) 0.5%クリーム剤1日1回塗布法による足白癬, 体部白癬, 股部白癬, 間擦疹型皮膚カンジダ症および癜風に対する有効性, 安全性および有用性を検討する目的で, 全国31施設からなる共同研究班を組織し, bifonazole 1%クリーム剤を対照薬としたwell-controlled comparative studyを実施した。その結果, いずれの疾患においても, 真菌に対する効果, 皮膚所見の最終総合判定, 総合効果および有用性の各項目で, 両剤間に有意差は認められなかった。副作用の発現率はMT-861クリームで1.4%, bifonazoleクリームで1.2%といずれも低率で, 両剤間に有意差は認められなかった。また, 治療前後に実施した臨床検査で, 治験薬によると考えられる異常は両剤のいずれにも認められなかった。以上より, MT-861 0.5%クリーム剤はbifonazole 1%クリーム剤と差のない効果と安全性を有し, 有用な薬剤と判定された。
  • 沼田 恒実, 山本 匡, 中村 浩二, 矢野 貴彦, 高路 修, 山田 悟, 山本 昇壯, 片岡 和洋, 隅田 さちえ, 佐藤 茂樹, 岩崎 ...
    1992 年 54 巻 1 号 p. 114-118
    発行日: 1992/02/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    全身あるいは躯幹の大部分に病変を有する慢性炎症性皮膚疾患患者58例に対してステロイド含有乳剤性ローション(リドメックスコーワローション®)を広範囲に外用し, その有効性, 安全性とともに使用感について検討を加えた。全般改善度は, やや軽快以上が91.2%, かなり軽快以上が60.3%であり, 副作用は1例に認められたのみであった。使用感は, ぬりやすい, べとつかない, のびがよいなどの好ましい印象を得た患者が多く, 非常に好ましい, あるいは好ましいという評価が67.2%を占めた。以上の結果を総合的に判断した有用性は, やや有用以上が92.6%, かなり有用以上が63.2%であった。これらの結果から, ステロイド含有乳剤性ローションはぬりにくい, べとつくなど使用感に不満を生じやすい広範囲の慢性炎症性皮膚疾患の治療薬として有用な外用剤であると考えられた。
  • 津田 攝子
    1992 年 54 巻 1 号 p. 119-124
    発行日: 1992/02/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    デキストラノマー(デブリザン®)を, 難治性の褥瘡患者10例の治療に用いた。有用性はきわめて有用5例, 有用2例, やや有用2例, 有用性なし1例であった。小範囲褥瘡は言うまでもなく, 広範囲褥瘡においても, 良好な肉芽形成および表皮形成がみられた。緑膿菌感染を合併した1例のみ無効であった。今後, 難治性褥瘡の治療薬として効果が期待でき, 報告する。
  • 西嶋 攝子, 為政 大機, 朝田 康夫, 杉山 徹, 尾高 達男, 白井 教文, 松村 比呂江, 伊庭 仁樹, 中川 裕美, 赤井 容子, ...
    1992 年 54 巻 1 号 p. 125-128
    発行日: 1992/02/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    ニュータイプの経口セフェム剤であるバナン®(cefpodoxime proxetil, CPDX-PR)を各種皮膚感染症108例に使用して, 有効性と有用性の検討を行った。またバナン®錠単回投与120分後, 180分後に血清中および皮膚組織内濃度の測定を行った。有効以上の有効率は全疾患平均で92.6%であり, 副作用は1例にも認めなかった。とくに, よう, 丹毒, リンパ管(節)炎, 皮下膿瘍における有効率は100%であった。血中濃度と皮膚組織内濃度比は, 平均で18.4%と良好であり, 本剤の皮膚組織内移行も良好と考えられた。したがってバナン®錠は皮膚感染症に対して, きわめて有用性の高い抗生物質の一つであると考えた。
  • レピリナスト皮膚科研究会
    1992 年 54 巻 1 号 p. 129-142
    発行日: 1992/02/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    レピリナストのアトピー性皮膚炎に対する至適用量を求めるため, 気管支喘息ですでに用いられている用量(小児: 8mg/kg/日(分2), 成人: 300mg/日(分2))を高用量群(H群)とし, その1/3量を低用量群(L群)として, 全国24施設において封筒法により2群間の比較検討試験を実施し, 以下の成績を得た。
    1) 総症例182例(L群: 89例, H群: 93例)のうち, 開始日以降来院せずの11例(L群: 7例, H群: 4例)は完全除外し, 残りの171例(L群: 82例, H群: 89例)を概括安全度の解析対象とした。さらに試験規約違反などを除いた146例(L群: 69例, H群: 77例)を有用度の解析対象とした。
    2) 経時的全般改善度については, 改善以上で2週後では, L群12.2%, H群16.0%, 4週後では, L群22.1%, H群34.2%, 6週後では, L群25.4%, H群46.4%で4週以降でH群がL群より有意に優れていた。
    3) 概括安全度については, L群では「安全性に問題なし」が79例(96.3%), 「安全性にやや問題ある」が3例(3.7%)で, H群では「安全性に問題なし」が85例(95.5%), 「安全性にやや問題ある」が4例(4.5%)で両群間に有意差はなかった。「安全性にかなり問題ある」, 「安全性に非常に問題ある」と判定された症例はなかった。
    4) 有用度については, 有用以上でL群24.6%, H群44.2%でH群がL群より有意に優れていた。
  • 宮内 俊次, 佐山 浩二, 三木 吉治
    1992 年 54 巻 1 号 p. 143-152
    発行日: 1992/02/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    湿疹·皮膚炎群, 痒疹群, 皮膚そう痒症, 蕁麻疹群およびそう痒を伴う尋常性乾癬に対するWAL801CL(epinastine)錠の有効性, 安全性, 有用性について検討した。対象となった症例は湿疹·皮膚炎群16例, 痒疹群4例, 皮膚そう痒症12例, 蕁麻疹群7例, 尋常性乾癬6例の合計45例で, すべての症例の最終全般改善度, 安全度および有用度を採用した。最終全般改善度の中等度改善以上の改善率は, 湿疹·皮膚炎群56.3%, 痒疹群50.0%, 皮膚そう痒症58.3%, 蕁麻疹群71.4%, 尋常性乾癬50.0%であった。安全度については「安全性に問題なし」と判定された症例は湿疹·皮膚炎群, 痒疹群, 尋常性乾癬100.0%, 皮膚そう痒症91.7%, 蕁麻疹群85.7%, 全体で95.6%であった。副作用は, 頭が「ぼーっ」とした感じ1例, 気分が悪い1例の合計2例(4.4%)がみられた。有用度の有用以上の有用率は湿疹·皮膚炎群56.3%, 痒疹群50.0%, 皮膚そう痒症58.3%, 蕁麻疹群71.4%, 尋常性乾癬50.0%であった。以上の結果より, WAL801CLは湿疹·皮膚炎群, 痒疹群, 皮膚そう痒症, 蕁麻疹群およびそう痒を伴う尋常性乾癬に対し優れた止痒効果を持つ有用性の高い薬剤であると考えられた。
  • 中山 秀夫, 生冨 公明
    1992 年 54 巻 1 号 p. 153-157
    発行日: 1992/02/01
    公開日: 2011/09/29
    ジャーナル 認証あり
    事実上接触アレルゲンを含まないNOV-liquid soap D®と, 現在よく市販されているAボディーシャンプー, Bボディーシャンプーをいずれも各1%aqの条件で2日間閉鎖貼付試験を行った。ICDRG基準で(++)反応はNOV-liquid soap D®にはなく, (+)は69例の湿疹, 皮膚炎患者中2例(2.9%)にみられた。陰性率は94.2%で, これはA, B両ボディーシャンプーの共に84.1%よりもすぐれていた。これは抗原零とした結果で, 誘発率が低く抑えられている可能性がある。
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