西日本皮膚科
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55 巻 , 1 号
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図説
症例
  • 斉藤 隆三, 松岡 芳隆, 甘利 雅雄, 長谷川 正次
    1993 年 55 巻 1 号 p. 3-6
    発行日: 1993/02/01
    公開日: 2011/07/21
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    Uncombable hair syndromeと診断した1歳女児例を報告した。頭髪の形態的異常をみるのみで他の身体的異常は認められなかった。その毛は生来立った状態で, 梳ることができない。光顕的には異常は認めにくいが走査電顕による観察では毛軸に沿って縦に走る溝がみられ, 断面では三角形を示し, 一部の毛では軽いねじれがみられた。家族内に同様症状をみるものはなかった。本疾患について若干の文献的考察を加えた。
  • 高梨 真教, 垣淵 正男, 原元 潮, 関口 順輔, 大森 喜太郎
    1993 年 55 巻 1 号 p. 7-12
    発行日: 1993/02/01
    公開日: 2011/07/21
    ジャーナル 認証あり
    症例は血族結婚(-), 妊娠経過中の異常(-), 43週で3664g, 誘導分娩, 経膣分娩にて出生した女児である。出生時より左手掌, 左腋窩部, 左大腿, 左足背, 左第3·4·5趾に糜爛および皮膚潰瘍が存在していた。約1年でほぼ乾燥上皮化したが瘢痕部に集簇性, 列序性の色素性母斑様の粟粒大黒褐色小丘疹が出現した。左前腕から手掌にかけては萎縮性の陥凹性局面を形成し, 左第3趾間は生下時より軽度の皮膚性合趾症があったが, その後癒着して高度の合趾症となった。1984年に当科初診, ’85年に合趾症の趾間形成術と足背の黒褐色皮疹の生検を施行し, その病理組織診断にてbasal cell nevusという結果を得て, 本症例をlinear unilateral basal cell nevus(以下LUBCN)と診断した。その後経過観察していたがbasal cell nevusの集簇した局面は糜爛と潰瘍形成を繰り返し, 3歳頃より多発する上皮嚢腫と面皰がめだつようになった。また両眼隔離症(眼窩隔離症と外斜視)と側頭骨の張り出しが目立つようになり, さらには幅広く低い鼻根部といった皮膚以外の症状も伴ってきた。LUBCNの皮膚以外の合併症についての報告はほとんどなく, 報告によってはLUBCNの特徴の一つとして他系統の合併症を伴わないことをあげているが, 本症例を含めた複数の症例において他系統の異常が存在する以上, それが本疾患の特徴, あるいは診断根拠とはなり得ないと判断した。
  • 自験11例の検討
    亀山 孝一郎, 近藤 滋夫, 米元 康蔵
    1993 年 55 巻 1 号 p. 13-18
    発行日: 1993/02/01
    公開日: 2011/07/21
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    1991年の1年間に北里大学皮膚科を受診し, 遅発性両側性太田母斑様色素斑と診断された11例について検討した。男女比は1:10で圧倒的に女子に多く, 平均発症年齢は36歳であった。家族歴を有する例はなく, 眼球や口腔内の色素沈着を認めた症例は皆無であった。他の真皮メラノサイトーシスを合併した症例は, 後に両側性伊藤母斑を併発した1例, 先行する太田母斑を合併した2例の計3例であった。真皮のメラノサイトは免疫組織化学的にチロジナーゼ, チロジナーゼ関連蛋白-1陽性を呈した。チロジナーゼの抑制因子であるアゼライン酸の外用は一部の症例で有効であり, 色調の減弱が認められた。
  • 藤田 佳子, 中田 土起丈, 宋 寅傑, 飯島 正文, 藤澤 龍一
    1993 年 55 巻 1 号 p. 19-23
    発行日: 1993/02/01
    公開日: 2011/07/21
    ジャーナル 認証あり
    ステロイド剤とシクロスポリン(CS)の併用療法が著効を呈した尋常性天疱瘡の1例を報告した。症例: 38歳女子。臨床症状·病理組織学的所見·螢光抗体直接法所見ともに典型的な尋常性天疱瘡。治療および経過: 当初プレドニゾロン(PSL)90mg/日投与により水疱の新生は停止し, 糜爛面の乾燥化が認められた。しかしステロイド精神病のためPSLの減量を余儀なくされ, 病勢は著しく悪化した。このためPSL40mg/日に加えてCS4mg/kg/日を併用したところ, 併用療法開始12日目頃から臨床症状の著しい改善が認められた。CS投与中止後も水疱の新生はなく, PSL10mg/日まで減量し, 退院後10ヵ月を経た現在まで良好な経過をたどっている。
  • 水足 久美子, 伊藤 寿樹, 前川 嘉洋, 野上 玲子
    1993 年 55 巻 1 号 p. 24-29
    発行日: 1993/02/01
    公開日: 2011/07/21
    ジャーナル 認証あり
    62歳男子。関節症性乾癬で皮疹および小関節症状を認め, エトレチナート25∼50mg/日投与が著効を示したが, 次第に大関節症状が出現しエトレチナートで効果を認めないため漸減, 中止し経口金製剤オーラノフィン6mg/日を投与したところ症状の改善がみられた。オーラノフィンは副作用が少なく, 今後関節症性乾癬に効果が期待できる薬剤と思われる。
  • 平松 正浩, 沈 国雄, 加藤 一郎, 向井 秀樹
    1993 年 55 巻 1 号 p. 30-34
    発行日: 1993/02/01
    公開日: 2011/07/21
    ジャーナル 認証あり
    47歳男子に生じたclear cell syringomaの1例を報告した。本症は, 腫瘍巣がclear cellよりなる汗管腫の亜型とされており, 糖尿病との合併が高率にみられる。本邦では, 自験例を含め20例報告されているが, そのうち17例に糖尿病を合併している。本症の発症起源は, 通常型の汗管腫と同様, 表皮内汗管であり, それが糖尿病の糖代謝異常によりclear cellへと変化したと考えられているが, われわれは, CEA, S100染色を含めた組織学的検索により, 真皮下層の真皮内汗管においても同様にclear cellへの変化が起きていることを認めた。
  • 増田 禎一, 永江 祥之介, 吉田 純, 村上 義之, 野田 淳子, 清水 信之, 堀 嘉昭, 中原 昌作, 萱島 孝二, 和田 秀敏
    1993 年 55 巻 1 号 p. 35-38
    発行日: 1993/02/01
    公開日: 2011/07/21
    ジャーナル 認証あり
    79歳男子と85歳男子の肛門周囲Paget病の2例を報告した。両症例とも直腸内への明らかな腫瘍の浸潤を認めず, 皮膚病変部側では肉眼的境界より4cm離した広範囲切除術および肛門括約筋を温存した直腸切除術を施行したことにより術後の肛門機能は良好であった。
  • 尹 浩信, 佐藤 伸一, 原田 栄, 下妻 道郎, 中川 秀己
    1993 年 55 巻 1 号 p. 39-42
    発行日: 1993/02/01
    公開日: 2011/07/21
    ジャーナル 認証あり
    26歳女子の足背に生じた径3mm大のsuperficial spreading melanoma in situの1例を報告した。足背に径3mm大の, 境界不明瞭, 濃淡不整で, 軽度隆起する黒褐色斑が認められた。組織学的には表皮下層に, 類円形, 大型の, S100蛋白陽性細胞が大小様々の胞巣を形成し, また同様の細胞が表皮中層から上層にも認められた。自験例は, 本邦報告例中最小のものであった。自験例を含め本邦報告例16例を文献的に検討し, 考案を加えた。
  • 吉田 純, 中山 樹一郎, 清水 信之, 永江 祥之介, 堀 嘉昭
    1993 年 55 巻 1 号 p. 43-46
    発行日: 1993/02/01
    公開日: 2011/07/21
    ジャーナル 認証あり
    46歳女性の上顎歯肉部原発で左上顎洞から口蓋にかけて浸潤増殖した悪性黒色腫に対し, 化学療法に加えinterferon-β(IFNβ)局注およびinterleukin-2(IL-2)動注を併用し, 腫瘍の著明な縮小を認めた。手術不能の進行期悪性黒色腫に対する治療として, 化学療法剤とbiological response modifiers(BRMs)製剤の併用療法が有効である可能性およびIL-2持続動注療法の有効性について述べた。
  • 伊藤 寿樹, 中村 猛彦, 小野 友道, 石橋 純子
    1993 年 55 巻 1 号 p. 47-51
    発行日: 1993/02/01
    公開日: 2011/07/21
    ジャーナル 認証あり
    フタトゲチマダニ(Haemaphysalis longicornis, Neumann, 1901)による人体咬着例を報告した。患者は85歳男子。頚部の疣贅様腫瘤の増大を指摘され受診した。左頚部の紅斑内に虫体を認めた。発熱などの全身症状, 表在性リンパ節腫脹は認められなかった。紅斑を含め虫体ごと病変部切除を行った際, 虫体は自発的に皮膚片より離脱した。術後経過は良好であり, 野兎病·ライム病などを思わせる臨床症状は認めていない。
  • 木村 達, 深水 大民, 中村 猛彦, 小野 友道, 園田 頼和
    1993 年 55 巻 1 号 p. 52-54
    発行日: 1993/02/01
    公開日: 2011/07/21
    ジャーナル 認証あり
    酪農家の牛舎の屎尿処理槽と連結した簡易トイレで発生したメタンガス引火による熱傷の1例を報告した。後日同様条件下で, この処理槽より燃焼濃度に達するメタンガスを検出し得た。家畜の屎尿から発生するメタンガスに対し, 充分な安全対策はとられておらず, 適切な指導が必要と思われた。
研究
  • 赤坂 俊英, 今村 優子, 森 康記, 間山 諭, 昆 宰市
    1993 年 55 巻 1 号 p. 55-60
    発行日: 1993/02/01
    公開日: 2011/07/21
    ジャーナル 認証あり
    14例のerythema ab igne(EAI)を材料とし, EAI真皮線維成分の病理組織学的変化を病期別に観察した。弾力線維は病期が進行する程に著明に増生し, 中期病変で真皮上層から深層に, 晩期病変で真皮中層から深層に増生して認め, 中期病変と晩期病変では明らかなgrenz zoneの形成を認めた。これらのEAIの弾力線維の増生の深さと程度の違いは, EAIの病期と病変の解剖学的部位および修復機序の違いによるものと考えられた。増生した弾力線維の形態は, 初期と中期では正常弾力線維に類似し, 晩期に至るほどカール状のものが多くみられ, 無構造の変性弾力線維をわずかに認めることが確認された。したがって, EAIの弾力線維は, 日光弾力線維症と形態と増生の深さにおいて異なると考えられた。膠原線維の軽度増生も認め, とくにgrenz zoneにおいて増生し, 慢性放射線障害あるいは日光弾力線維症の修復期に類似し, EAIにおいても真皮の障害に修復機序が存在すると考えられた。以上より, これらの組織学的変化は紫外線照射や放射線照射によるものと異なるものであり, photo agingに対応するthermal agingなる温熱線刺激による皮膚の老化の機序が存在するものと考えた。
  • 今山 修平, 桐生 美麿, 堀 嘉昭
    1993 年 55 巻 1 号 p. 61-66
    発行日: 1993/02/01
    公開日: 2011/07/21
    ジャーナル 認証あり
    乳幼児期発症型と遅発型のxanthogranulomaの組織像の特徴を検討する目的で, 診断の確定した2歳未満と6歳以上の組織標本をそれぞれ10例ずつ, 年齢を含む一切の臨床情報をマスクして鏡検し, 12項目について評価した後に両群に分けて比較した。その結果, 両者にはそれぞれ一定の傾向のあることが判明した。即ち, 遅発型では表皮が非薄化せず, 表皮基底層の色素沈着増強傾向があり, 好酸球浸潤は伴うが他の炎症細胞浸潤は少なく, 個在性の組織球は少ないが巨細胞, とくにTouton型巨細胞は必見であり, 硬化を伴う線維化を認めるものが多かった。遅発型における以上の傾向は肉芽腫自体より, 病変の場となった真皮結合組織と表皮変化の程度の違いによると思われた。
  • 古谷 喜義, 高路 修, 杉田 康志, 高橋 敦子, 山田 悟, 山本 昇壯
    1993 年 55 巻 1 号 p. 67-70
    発行日: 1993/02/01
    公開日: 2011/07/21
    ジャーナル 認証あり
    広島大学医学部附属病院皮膚科を受診した慢性蕁麻疹患者の治療成績を検討した。1ヵ月以上治療し臨床症状を判定しえた慢性蕁麻疹患者457例の治療成績は以下のごとくであった。
    1)457例全例にまずH1ブロッカー内服を試み, 348例(76.1%)に改善がみられた。
    2)H1ブロッカーのみでは改善がみられずH1ブロッカーとH2ブロッカーの併用を試みた74例のうち37例に改善がみられた。
    3)H1ブロッカーとH2ブロッカーの併用にても改善がみられず副腎皮質ホルモン剤の内服投与を試みた20例のうち19例に改善がみられた。
    これらの結果は, 慢性蕁麻疹には異なる病態が存在し, それに応じた治療が必要であることを示唆している。
  • —ケトチフェンによる治療前後の変動について—
    安元 慎一郎, 中山 樹一郎, 占部 篤道, 堀 嘉昭
    1993 年 55 巻 1 号 p. 71-77
    発行日: 1993/02/01
    公開日: 2011/07/21
    ジャーナル 認証あり
    95例の成人型アトピー性皮膚炎患者について血清中IL-2, IL-4, GM-CSFの値をELISA法で測定し, ケトチフェン治療によるその変動および血中好酸球数をはじめとする他の検査値との関連性について検討した。血清IL-4, GM-CSF値はほとんどの症例において低値であったが, 血清IL-2値は19例(20%)において比較的高値を示し, ケトチフェン治療による臨床症状の軽快とともに低下する傾向が認められた。同時に測定した他の検査値(IgE, 血中ヒスタミン値, 血中好酸球数など)との相関はみられなかった。末梢血好酸球数が治療前に6%以上を示した症例ではケトチフェンの投与により, 末梢血好酸球数の有意の低下がみられた。アトピー性皮膚炎として典型的な皮疹を呈した1例の生検標本では組織中のEG2陽性細胞の染色性が治療によって低下していた。これらの結果はアトピー性皮膚炎の発症機序あるいはケトチフェンの臨床効果の背景に, 好酸球とともにT細胞の関与の重要性を示唆するものと考えた。
講座
統計
  • 大坪 東彦, 幸田 弘
    1993 年 55 巻 1 号 p. 86-91
    発行日: 1993/02/01
    公開日: 2011/07/21
    ジャーナル 認証あり
    1981年から1991年までの10年間に佐賀医科大学附属病院皮膚科を受診した乾癬患者の統計的観察を行い, アンケート調査により予後を検討した。
    1)乾癬患者総数は211例で, 年別乾癬新患数および年別新患総数に対する比率はほぼ一定していた。
    2)男女比は2:1, 発症年齢のピークに男女差がみられ, 男子では50歳代, 女子は20歳代であった。
    3)尋常性乾癬が85%を占め, 次いで急性滴状型が7%, そのほか異型乾癬が少数みられた。
    4)家系内発症は父子例の1組のみであった。
    5)全症例211例中89例(42%)に合併症がみられ, 成人病が上位を占めていた。しかし乾癬の発症あるいは予後と何らかの関連が認められた例は25例(11.8%)にすぎなかった。なお急性滴状型では, 病巣感染の合併が多かった。
    6)入院治療の主体はゲッカーマン療法で, 外来ではステロイド外用が大半を占め, 光線療法が継続できた症例はわずかであった。
    7)デュオアクティブ貼付療法は, ゲッカーマン療法の補助療法(とくに慢性局面型において)として有効であった。
    8)1年以上の長期寛解例が16例(うち5年以上7例)認められた。
  • 佐藤 典子, 真家 興隆, 高橋 伸也
    1993 年 55 巻 1 号 p. 92-97
    発行日: 1993/02/01
    公開日: 2011/07/21
    ジャーナル 認証あり
    生後2ヵ月男児および3歳女児のMicrosporum canisによるケルスス禿瘡の2例を報告し, あわせて1972年1月1日∼1991年3月31日の当科頭部白癬例の統計的観察を行った。その結果, 1)この期間の症例数は29例で, 頭部浅在性白癬9例, ケルスス禿瘡20例であった。2)初診時年齢は10歳未満が18例(62%)で, 5歳未満の幼小児13例が含まれる。男女比は10:19であった。50歳以上の高齢患者6例はすべて女性であった。3)原因菌種は, M. canis 10例, T. violaceum 7例, T. rubrum 4例, T. mentagrophytes 4例, T. verrucosum 3例, ならびにT. tonsuransが1例であった。M. canisによるものは全例10歳未満であった。4)初診までにステロイド剤外用を受けていたものが19例(65.5%)あった。5)black dot ringwormはT. violaceumの2例(姉妹例), T. rubrumおよびT. tonsuransの各1例にみられた。6)感染経路として動物が推定される例はM. canisの5例(猫または犬), T. verrucosumによる3例(牛)であった。7)ケルスス禿瘡の7例に白癬疹を認めた。8)治療は1例を除き抗真菌剤内服を行ったが, M. canisによるケルスス禿瘡は他の菌種によるものに比し長い治療日数を要する傾向にあった。
治療
  • 第1報: 顔面の扁平母斑に対する皮膚剥削術および色素レーザー照射法の長期観察結果
    手塚 正, 佐伯 光義, 楠田 茂, 梅本 和義
    1993 年 55 巻 1 号 p. 98-105
    発行日: 1993/02/01
    公開日: 2011/07/21
    ジャーナル 認証あり
    顔面の扁平母斑35例を5つの治療法で治療し6ヵ月∼8年の長期観察した結果を報告した。
    (1)皮膚剥削術+5%ハイドロキノンモノベンジルエーテル吸水軟膏(HQクリーム)の夜間外用と紫外線遮断クリームの昼間外用を行った群(17例)。
    (2)皮膚剥削術+紫外線遮断クリームの昼間外用の群(7例)。
    (3)色素レーザー照射法+HQクリームの夜間外用+紫外線遮断クリームの昼間外用を行った群(6例)。
    (4)初回に(1)を行い, 再生色素斑を(3)で治療した群(3例)。
    (5)HQクリーム+紫外線遮断クリームの外用のみの群(2例)。
    有効以上の百分率はそれぞれ82.4%, 28.6%, 66.7%, 66.7%と100%であった。治療経過からみて大きい色素斑には(1), (4), 小さい色素斑には(3)がすぐれていた。
  • 山田 義貴, 今岡 千治, 出来尾 哲, 地土井 襄璽
    1993 年 55 巻 1 号 p. 106-111
    発行日: 1993/02/01
    公開日: 2011/07/21
    ジャーナル 認証あり
    青年性扁平疣贅(Vp)および尋常性疣贅(Vv)に対するヨクイニンの有効性, 安全性, 有用性について検討し, 以下の成績を得た。
    1)対象症例はVp 8例, Vv 15例の合計23例である。そのうちVp 8例, Vv 14例の合計22例について全般改善度, 有効度を, Vp 8例, Vv 15例の合計23例について概括安全度, 有用度を検討した。
    2)全般改善度は「改善」以上はVp 37.5%, Vv 35.7%であり, 「やや改善」以上はそれぞれ62.5%, 42.9%であった。
    3)有効度は「有効」以上はVp 37.5%, Vv 35.7%であり, 「やや有効」以上はそれぞれ62.5%, 42.9%であった。
    4)概括安全度については「安全性に問題なし」は22例(95.7%)で, 軽度の下痢がみられたVvの1例(4.3%)のみが「安全性にやや問題あり」となった。
    5)有用度は「有用」以上はVp 37.5%, Vv 33.3%であり, 「やや有用」以上はVp 62.5%, Vv 40.0%であった。
  • 荒井 亮, 勝岡 憲生
    1993 年 55 巻 1 号 p. 112-117
    発行日: 1993/02/01
    公開日: 2011/07/21
    ジャーナル 認証あり
    頭皮にマッサージ効果を与えるように設計された電動式休止期毛包刺激装置により, 難治性の円形脱毛症患者20例の理学療法を試みた。他の治療を一切中止し, 3ヵ月間この電動器具のみで治療を行った。その結果, 16例(80%)に発毛があり脱毛斑の縮小が認められ, うち3例(15%)に著明な改善がみられた。またこの装置による副作用はまったくみられなかった。この装置は円形脱毛症に対する有効な理学療法と思われる。
  • 野口 俊彦, 羽金 重喜, 藤岡 彰, 向井 秀樹, 西山 茂夫, 岩田 京子
    1993 年 55 巻 1 号 p. 118-122
    発行日: 1993/02/01
    公開日: 2011/07/21
    ジャーナル 認証あり
    アトピー性皮膚炎患者30名, アトピー素因を有さない患者30名のIgE, AlaSTAT, CAP-RASTの比較検討を行った。IgEはアトピー性皮膚炎患者では平均5889IU/ml, 非アトピー性皮膚炎患者では平均172IU/mlであった。AlaSTATでは, アトピー性皮膚炎患者はヤケヒョウヒダニで最も陽性率が高く, ついでハウスダスト2, スギであった。AlaSTATとCAP-RASTとの比較では特異性·感度·一致率のいずれにも有意な正の相関係数を認めた。
  • —アトピー性皮膚炎·蕁麻疹における1日1回投与法について—
    大屋 尚之, 宮内 惠, 宮野 径彰, 大久保 雄一, 丸山 茂樹
    1993 年 55 巻 1 号 p. 123-132
    発行日: 1993/02/01
    公開日: 2011/07/21
    ジャーナル 認証あり
    抗アレルギー剤オキサトミド1日60mg 1回投与(以下60mg分1)の可能性と安全性について, 健常成人男子による単回投与およびその14日間連続投与による血中濃度, アレルギー性皮膚疾患の患者に対する分1·分2投与クロスオーバー試験による臨床効果の検討を行った。
    1. オキサトミド60mg分1連続投与では, 投与後6日目付近より未変化体の血中濃度は定常状態となった。また, 定常時の血中濃度は, 単回投与時パラメーターからのシミュレーションよりもやや高い値を示し, また消失相の半減期も延長した。
    2. 活性代謝物M-11の血中濃度も未変化体と同様の変化を示し, ヒトにおいてM-11がオキサトミドの臨床効果発現に関与しているものと考えられた。
    3. オキサトミドの60mg分1と分2投与(以下60mg分2)でのアレルギー性皮膚疾患に対する臨床効果はほぼ同等であり, 安全性の面で60mg分1に問題はなかった。
    以上の結果から, オキサトミドの60mg分1は, 60mg分2と同等の効果と安全性が期待され, 患者の状況によって試みても良い投与法と考えられた。
  • —血清中のサイトカイン値および皮膚での好酸球脱顆粒タンパクの沈着パターンの変化を含めて—
    中山 樹一郎, 安元 慎一郎, 占部 篤道, 松田 哲男, 永江 祥之介, 堀 嘉昭, 武石 正昭, 日高 桂子, 矢幡 敬, 陣内 恭子, ...
    1993 年 55 巻 1 号 p. 133-140
    発行日: 1993/02/01
    公開日: 2011/07/21
    ジャーナル 認証あり
    九州大学医学部附属病院皮膚科ほか12施設皮膚科の外来を受診したアトピー性皮膚炎患者113例にケトチフェンを平均8.3±4.3週間投与し血清中サイトカイン値の変動, 皮疹部の好酸球脱顆粒タンパクの沈着パターンの変化と臨床効果との関連性について検討した。
    1. 最終全般改善度の推移では「中等度改善」以上で76.1%, 「軽度改善」以上で93.8%と高い改善率を示した。また週別全般改善度の推移では「中等度改善」以上が4週後58.2%, 「軽度改善」以上において, 2週後で87.6%の高い改善率を示した。
    2. 安全度においては, 113例中19例(16.8%)に軽度(17例)∼中等度(2例)の副作用(眠気18例, 頭重感1例)が出現した。
    3. 白血球分画中の末梢血好酸球数の推移はケトチフェン投与により有意な減少を示した(6%以上の群においてp<0.0001)。しかし, 血中ヒスタミン値, IgE, IgG4値については有意な変動はみられなかった。
    4. 今回検討した症例の約20%に血清IL-2の高値がみられ, ケトチフェン投与後に正常化する傾向がみられた。
    5. ケトチフェン投与前後での皮膚生検標本の比較において, 投与後では好酸球浸潤の明らかな減少がみられたが, 好酸球脱顆粒タンパク(ECP)の沈着は依然真皮に散見された。
  • —とくに血清コーチゾール値の推移について—
    西本 正賢
    1993 年 55 巻 1 号 p. 141-145
    発行日: 1993/02/01
    公開日: 2011/07/21
    ジャーナル 認証あり
    小児アトピー性皮膚炎患者27例に, リドメックスコーワ® ローションを広範囲に外用し, 治療効果を判定するとともに, 血清コーチゾール値を測定して全身的影響を調べた。最終全般改善度は, 27例中, 著しく軽快以上18例(66.7%), かなり軽快以上22例(81.5%)であった。副作用は, 全例で認められなかった。有用性は, 27例中, 極めて有用以上が10例(37.0%), 有用以上が21例(77.8%), やや有用以上が26例(96.3%)であった。薬剤使用感は, 非常に好ましい10例(38.5%), 好ましい10例, 普通6例で, ものたりない, 不快はなかった。治療前と4週後に血清コーチゾールの測定が施行できたのは20例で, 治療前が8.63±4.15μg/dl, 4週後は7.48±2.92μg/dlとなり, 治療により有意に低下することはなかった。
  • 中山 秀夫, 桜井 美佐, 久米井 晃子
    1993 年 55 巻 1 号 p. 146-151
    発行日: 1993/02/01
    公開日: 2011/07/21
    ジャーナル 認証あり
    中等症から激症のアトピー性皮膚炎13例(平均年齢21.5歳), 難治の掌蹠膿疱症7例(平均年齢44.9歳), 合計20例に極力原因アレルゲンの検索とその除去を行った後, weak級ステロイド外用剤であるAlmeta®軟膏を顔面以外の皮疹に連続外用して, これらの難治性皮膚疾患のcontrolを試みた。アトピー性皮膚炎においては, ヒョウヒダニ(DpおよびDf)のアレルギーが最も多くみられたため, 一部の症例ではダニ相も参考にして, 住環境のダニを減少させる環境改善を行った。食品は1例のみ, 牛乳の制限を行った。掌蹠膿疱症においては, 7例中2例は既往の扁摘手術が無効であったので, それぞれ過敏なHgとCr合金を口内より全除去した。残る5例には扁摘術を施行した。以上抗原除去+weak級ステロイド外用剤のAlmeta®軟膏使用による成果は概して良好で, アトピー性皮膚炎の著明改善∼改善は13例中8例(61.5%)であったが, 3例は増悪の波を抑えることができなかった。これはダニ除去の不十分, または多価アレルギーが原因と推測される。掌蹠膿疱症は1例を除いてすべて改善∼治癒し, その改善率は7例中6例(85.7%)であった。以上から, これらの疾患はたとえ難治例でも症例に応じて原因アレルゲンを極力検討·除去し, 弱い外用剤によるcontrolを心がけるべきであると思われる。
  • NB研究班
    1993 年 55 巻 1 号 p. 152-154
    発行日: 1993/02/01
    公開日: 2011/07/21
    ジャーナル 認証あり
    保湿効果を持たせた入浴剤の提供を受け, アトピー性皮膚炎患者110例を対象に, 6施設により, 乾燥度と痒みへの影響を評価検討した。評価のできた102例のうち皮膚の乾燥症状に明らかな改善をみた症例が51/102例(50.0%), 何等かの改善を含めると79/102例(77.5%)に達した。多くの症例で保湿効果があり, その結果掻破による皮膚病変の増悪が避けられた。主観的には入浴後しっとりした皮膚として自覚された。また乾皮症症状と苔癬化局面に対して薬剤との相乗効果が認められた。
  • 田村 俊哉, 浅野 一弘, 橋本 喜夫, 松尾 忍, 飯塚 一
    1993 年 55 巻 1 号 p. 155-160
    発行日: 1993/02/01
    公開日: 2011/07/21
    ジャーナル 認証あり
    湿疹·皮膚炎群45例, 蕁麻疹15例に対してterfenadine(トリルダン®錠)を使用し, 特にそう痒に対する効果について検討した。対象症例は湿疹·皮膚炎群45例(慢性湿疹23例, アトピー性皮膚炎10例, その他の湿疹·皮膚炎12例)と蕁麻疹群15例(急性蕁麻疹5例, 慢性蕁麻疹10例)計60例である。全般改善度が中等度以上の改善率は湿疹·皮膚炎群60.0%, 蕁麻疹群で80.0%であった。そう痒に限ってみた中等度以上の改善率は湿疹·皮膚炎群が51.1%, 蕁麻疹群は66.7%であった。副作用は1例(1.7%)にごく軽度の眠気が認められた。有用以上の有用度は湿疹·皮膚炎群が60.0%, 蕁麻疹群が80.0%であった。以上の結果よりterfenadineは湿疹·皮膚炎, 蕁麻疹といったそう痒性皮膚疾患に対して優れた止痒効果を有し, かつ従来の抗ヒスタミン剤, 抗アレルギー剤に比し眠気, 倦怠感の副作用が少なく, 有用性の高い薬剤であると考えられた。
世界の皮膚科学者
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