西日本皮膚科
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55 巻 , 5 号
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図説
綜説
症例
  • 尹 浩信, 下妻 道郎
    1993 年 55 巻 5 号 p. 856-860
    発行日: 1993/10/01
    公開日: 2011/07/21
    ジャーナル 認証あり
    高度な骨変形を伴った62歳女子の関節症性乾癬の1例を報告した。全身の落屑を伴う紅斑を患者自ら梅毒の皮疹と考え, 25年間無治療にて放置していた。初診時, ほぼ全身に銀白色雲母状鱗屑を付着する, 境界明瞭な紅斑が多発, 融合し, 背部では巨大な局面を形成していた。指趾では尺側変位を伴う屈曲変形が認められた。赤沈は著明に亢進し, RA因子は陰性であった。指趾の骨X線像では, 尺側変位を伴う指趾関節の高度の変形, 骨の吸収像がみられ, 骨シンチグラムでは, 四肢関節において多発性対称性に高度な取り込み像が認められ, 胸部では, 左胸肋鎖関節, 肋骨角, 胸椎, 肋骨関節にも多発性に取り込み像が認められた。腹部の紅斑の組織像では, 角質増生, 不全角化がみられ, 表皮は不規則に肥厚し, 表皮突起は棍棒状に延長し, また角質内に好中球の小集合が存在していた。エトレチナート0.5mg/kg内服にて皮疹は軽快した。自験例を含め, 1981年から1992年までに本邦において報告された関節症性乾癬36例の臨床像を解析し, 従来の報告と比較して考察を加えた。
  • 矢野 貴彦, 篠田 勧, 大黒 久和, 大越 裕章, 林 雄三, 高田 昇
    1993 年 55 巻 5 号 p. 861-865
    発行日: 1993/10/01
    公開日: 2011/07/21
    ジャーナル 認証あり
    38歳, 白人男子。平成3年2月頃より下痢が続くため当院内科を受診。血沈亢進, CRP陽性, 便潜血が持続するためクローン病が疑われたが, 内視鏡検査にもかかわらず病変の断定はできなかった。平成3年8月頃から, 右上腕伸側に小豆大の紫紅色の辺縁やや不整な斑が出現し, 徐々に増大して指頭大となったため精査希望で当科を受診した。病変部の生検が行われ, 真皮に大小の血管腔の形成と, その周囲のやや紡錘形の細胞の増生からなる不規則な血管増殖巣が散在する所見を得て, Kaposi’s sarcomaが強く考えられた。本人の承諾を得てHIV抗体価をPA法で測定したところ, 4096倍陽性であった。ウェスタンブロット法を行い陽性を確認した。以上の所見よりAIDS-associated Kaposi’s sarcomaと診断した。AZT, IFN-αなどを用いて治療中である。
  • 高柳 かおり, 中村 佳代子, 中野 賢三, 中村 昭典, 樋口 和巳, 辛嶋 健
    1993 年 55 巻 5 号 p. 866-869
    発行日: 1993/10/01
    公開日: 2011/07/21
    ジャーナル 認証あり
    症例は約25%熱傷の83歳男性である。創面の回復は順調であったが, Na補給により補正し得ない低Na血症が出現した。血漿浸透圧低値, 尿浸透圧および尿中Naの増加を認め, 血中抗利尿ホルモン(ADH)値は血漿が低浸透圧を示すにもかかわらず抑制されていなかった。また, 副腎, 甲状腺および腎機能は正常で, ADH分泌不適合症候群(SIADH)と診断した。水制限により低Na血症は改善した。熱傷を契機に発症したSIADHの報告はきわめて少なく, その発症機序を考える上で興味深い。
  • 岩田 久夫, 太田 くみ子, 四宮 茂, 木根淵 承一, 熊切 正信
    1993 年 55 巻 5 号 p. 870-873
    発行日: 1993/10/01
    公開日: 2011/07/21
    ジャーナル 認証あり
    腱鞘巨細胞腫の2例を報告した。症例1は57歳女子。数年前に右示指末節掌側に被覆表皮, 下床と軽度癒着する皮下結節が出現した。病理組織学的に, 組織球様の細胞が集塊をなし泡沫細胞, 破骨巨細胞, 多核巨細胞を混じていた。症例2は52歳女子。約2週間前に左足背中央に, 被覆表皮とは可動性で, 下床とやや癒着する皮下結節が出現した。病理組織学的に結合織性被膜に包まれた胞巣で, 主たる腫瘍細胞は大型な核をもつ組織球様細胞であった。膠原線維は流れをつくり, 巨細胞は異物型ないし破骨細胞型多核巨細胞の特徴をもっていた。自験例はいずれも中年女子で, 従来の本邦報告例における発症年齢と異なった。
  • 塚崎 直子, 大神 太郎, 吉田 彦太郎, 野中 薫雄, 赤星 吉徳
    1993 年 55 巻 5 号 p. 874-879
    発行日: 1993/10/01
    公開日: 2011/07/21
    ジャーナル 認証あり
    56歳男性。20歳頃より毎日清酒約2合の飲酒を続けていた。4年前より左耳後部, 前胸部, 背部の皮膚に硬化局面を生じ, 次第に拡大してきた。初診時左耳前部から耳後部, 胸骨前面, 背部正中線上の色素沈着と脱失を伴う硬化局面および顔面, 手背の瀰漫性色素沈着, 小瘢痕, 多毛などが認められた。検査所見ではGOT, GPT, γ-GTP, 血清鉄, 腫瘍マーカー(α-fetoprotein, CEA)などの上昇を認めたが, 血清補体価, 抗核抗体, 抗セントロメア抗体, 抗Scl-70抗体などは正常もしくは陰性であった。尿中uroporphyrinは4975.22nmol/l, heptacarboxyl porphyrinは3019.73nmol/l, coproporphyrin IIIは1315.40nmol/lといずれも著明に上昇していた。硬化局面の病理組織像では過角化, 表皮萎縮, 真皮肥厚, 真皮上層と毛嚢周囲の膠原線維の迂曲断裂, 表皮真皮境界部, 血管周囲のPAS陽性物質の沈着, solar elastosisなどの所見がみられた。以上より強皮症様変化を伴った晩発生皮膚ポルフィリン症と診断し, 本邦報告例とその皮膚病変の発生機序について考察した。
  • 三砂 範幸, 幸田 弘
    1993 年 55 巻 5 号 p. 880-884
    発行日: 1993/10/01
    公開日: 2011/07/21
    ジャーナル 認証あり
    71歳男子。左大腿後面に鳩卵大ほどの境界明瞭な紅色局面を認めた。病理組織学的所見はBowen病の像に一致したが, 腫瘍細胞内にPaget細胞様の大型明調細胞を多く認め, Ackermanらのいうpagetoid Bowen病と考えられた。また, 病変辺縁部では明調細胞からなるいわゆるintraepidermal epitheliomaの像もみられた。このような興味ある組織像を呈した自験例を文献的考察とともに報告した。
  • 安岐 敏行, 三原 基之, 島雄 周平
    1993 年 55 巻 5 号 p. 885-889
    発行日: 1993/10/01
    公開日: 2011/07/21
    ジャーナル 認証あり
    68歳女性。2年前より前額部の両外側に紫褐色の色素斑が対称性に出現し, 徐々に拡大した。眼球結膜, 口腔粘膜に同様の色素斑はなし。病理組織学的に表皮基底細胞の軽度メラニン顆粒の増加, 真皮中∼下層にかけてメラニン顆粒を多量に含む類円形ないし紡錘形の色素細胞が多数みられた。免疫組織化学的にこの色素細胞はS100蛋白陽性, α1-antichymotrypsin, lysozyme陰性でメラノサイトと同定した。電顕的には真皮メラノサイトのメラノソームはよく成熟した第IV期のもので, 表皮メラノサイトのそれと比して大型でtranslucent bodyが多数みられ, 形態学的にかなり異なるものであった。このことは, 病因として表皮の変性などによる表皮メラノサイトの真皮への滴落説は否定的で, いわゆる真皮メラノサイトの活性化説を支持する結果であった。
  • 尹 浩信, 下妻 道郎
    1993 年 55 巻 5 号 p. 890-893
    発行日: 1993/10/01
    公開日: 2011/07/21
    ジャーナル 認証あり
    86歳女子に生じた, フロセミドが誘因と考えられる水疱性類天疱瘡の1例を報告した。皮疹出現の1年5ヵ月前より慢性腎不全のためフロセミドを内服していた。躯幹および四肢に強いそう痒を伴う大豆大の丘疹として発症し, その後小豆大から鶏卵大までの水疱を伴う赤褐色苔癬化局面が出現した。著明な好酸球増加を伴う白血球増多, 赤血球および血小板の減少が認められたが, 尿中ポルフィリンは陰性であった。組織学的には水疱は表皮下水疱であり, 水疱内, 真皮上層に好酸球主体の炎症性細胞浸潤が存在した。蛍光抗体直接法にて, 基底膜部にIgG, IgA, IgM, C3の線状沈着が認められ, 間接法では320倍まで陽性, split skinを用いた蛍光抗体間接法にて表皮側に陽性所見を得た。フロセミドが原因と考えられたため同剤を中止し, プレドニゾロン30mgを併用したところ皮疹は軽快した。フロセミドについてのリンパ球刺激試験は, S. I. 183%で疑陽性であった。現在までに報告されている, フロセミドが誘因と考えられた水疱性類天疱瘡について文献的考察を加えた。
  • 村田 久仁男, 大槻 典男
    1993 年 55 巻 5 号 p. 894-899
    発行日: 1993/10/01
    公開日: 2011/07/21
    ジャーナル 認証あり
    妊婦の水痘2例を報告し, 1987年1月から1992年7月までの間に舞鶴共済病院皮膚科を受診した本症7例の臨床的事項について検討した。1)患者は18∼26歳, 発症時の妊娠週数は10∼36週であった。2)前駆症状は43%, 口腔内水痘疹は83%, 発熱は83%に認められた。3)水痘·帯状疱疹ウイルス抗体価については, ペア血清におけるCF抗体価の有意の上昇が75%に認められた。4)一般臨床検査成績では, 白血球増多3例, 白血球減少1例, 血小板減少1例がみられた。5)治療として, 人免疫グロブリン点滴静注を3例, アシクロビル点滴静注を3例に施行した。6例とも重症化や合併症を伴うことなく治癒し, 薬剤の副作用も認められなかった。6)妊娠を継続した例が5例, 人工妊娠中絶を受けた例が2例であった。妊娠継続例は全例妊娠経過は良好で, 妊娠39∼41週に正常分娩し, 児も正常であった。
  • 中村 猛彦, 伊藤 寿樹, 阿部 啓次郎, 前川 嘉洋, 稲野 久子
    1993 年 55 巻 5 号 p. 900-905
    発行日: 1993/10/01
    公開日: 2011/07/21
    ジャーナル 認証あり
    アトピー性皮膚炎の患者および家族における精神的問題は, 疾患の発症, 慢性化において直接的あるいは間接的に関わりが深く, 一般診療上心身医学的配慮を要することが少なくない。今回性格特性が皮膚症状の経過に大きく影響したと思われる小児アトピー性皮膚炎の1例を経験した。患者は9歳女子, 乳児期より湿疹性病変が出没し, 小学校入学後より場面緘黙が出現した。皮膚症状を家族からも隠蔽し, 治療を拒否するうち左下腿湿疹病変部に感染性潰瘍を併発したため当科受診し, 抗生剤の全身投与, 外用療法により潰瘍は瘢痕治癒した。湿疹性病変については, 病勢と精神状態とで相互に影響しあうため, 家族も含めたbrief psychotherapyを併用しつつ経過観察中である。アトピー性皮膚炎の治療において, 発症早期より心身医学的アプローチを心がけることは, 病像の慢性化·複雑化を防ぐうえでも重要であると思われた。
  • 村山 直子, 高橋 毅法, 日野 治子
    1993 年 55 巻 5 号 p. 906-909
    発行日: 1993/10/01
    公開日: 2011/07/21
    ジャーナル 認証あり
    1歳11ヵ月男児。出生時, すでに左足底に単発の黒褐色斑が存在しており, その後しだいに拡大した。初診時, 8×6mmの扁平隆起性の黒褐色斑を認めた。臨床的に色素性母斑, 尋常性疣贅を疑って切除し, 組織学的に単発性被角血管腫と診断した。第VIII因子関連抗原は拡張した管腔の内皮細胞で陰性であった。自験例は本邦の報告例中最年少であり, 出生時より皮疹を認めたこと, さらに足底に発生した点でまれな例と考え, 本邦過去10年間の報告例とともに若干の文献的考察を加えて報告した。
  • 矢野 貴彦, 篠田 勧, 大黒 久和, 林 雄三
    1993 年 55 巻 5 号 p. 910-914
    発行日: 1993/10/01
    公開日: 2011/07/21
    ジャーナル 認証あり
    72歳女性の前胸部に生じた皮膚腺病の1例を報告した。右乳房下部に5∼6年前から存在した皮下結節を摘出したところ, 病理組織学的に乾酪壊死をともなう肉芽腫性病変であった。この時点ではZiehi-Neelsen染色, 分離培養のいずれの方法でも抗酸菌, 真菌などは検出できなかった。その3ヵ月後, 摘出創の近傍に指頭大の皮下結節が生じ, さらに3ヵ月後その皮下結節の直上部皮膚に黄色の膿排出を伴う瘻孔が出現した。膿の培養により小川培地上にコロニーを認めたため抗酸菌同定検査を行い, ヒト型結核菌と同定した。以上の結果より皮膚腺病と診断し, isoniazidおよびrifampicinの併用療法により軽快した。
研究
  • 河村 容子, 吉田 英世, 藤田 節也, 井奈波 良一, 岩田 弘敏
    1993 年 55 巻 5 号 p. 915-919
    発行日: 1993/10/01
    公開日: 2011/07/21
    ジャーナル 認証あり
    女性の住民検診受診者のうち30∼60代の健常者177名と一次性レイノー現象有症者6名について, HEp-2細胞による間接蛍光抗体法を用い血清中の抗核抗体の分布を検討したところ, 1)抗核抗体の陽性(40倍以上)率は健常者で16.4%(29/177), レイノー現象有症者で50%(3/6)であった。2)抗核抗体陽性者の染色パターンおよび抗体価については, 健常者では均質型が69.0%と最も多く, 17.2%が抗体価160倍以上であった。一方, レイノー現象有症者では斑紋型, 散在斑紋型, 斑紋+散在斑紋型を呈した者が1名ずつあり, いずれも抗体価160倍以上であった。3)レイノー現象有症者では発作頻度の高い者に抗核抗体が陽性となる傾向が認められた。以上から, レイノー現象有症者においては高抗体価の斑紋型あるいは散在斑紋型を呈することが特徴的であると推測された。また, 抗核抗体陽性者の場合膠原病が潜在している可能性もあり, 今後経過観察の必要性があると思われた。
  • 徳橋 至
    1993 年 55 巻 5 号 p. 920-927
    発行日: 1993/10/01
    公開日: 2011/07/21
    ジャーナル 認証あり
    皮膚混合腫瘍の10例についてその組織発生と分化を検討するためにkeratin, α-smooth muscle actin, vimentin, 第XIII因子に対する6種類の抗体を用いてavidin-biotin-peroxidase complex(ABC)法によって染色した。本症は多彩な組織像を呈するために, HE染色標本より7つの基本的組織型に分類して各抗原の局在を比較した。抗keratin抗体は3種類のものを使用した。個々の抗体で基本的組織型間の染色性に相違が認められた。抗α-smooth muscle actin抗体は正常では平滑筋組織や筋上皮細胞で陽性を示すが, 腺管部の扁平となった基底細胞に一致して陽性であった。Vimentinは腺管部や充実部の間質と接する辺縁の細胞や粘液腫様, 軟骨様部に散在した細胞にその存在が認められた。これらの結果より本腫瘍は汗腺分泌部および導管部両者へ分化する腫瘍で筋上皮細胞も一部に存在していると考えられた。また間葉系細胞の指標となるvimentinとkeratinが同時に腫瘍細胞に発現されるという点で非常に興味ある腫瘍と考えられた。抗第XIII因子抗体による染色で線維性間質部のみに第XIII因子陽性のdermal dendritic cellが認められた。粘液腫様部および軟骨様部では陰性であり, これらの間質の変化と第XIII因子の間に関連性は認められなかった。
講座
統計
  • 前川 嘉洋, 中村 猛彦, 野上 玲子
    1993 年 55 巻 5 号 p. 936-940
    発行日: 1993/10/01
    公開日: 2011/07/21
    ジャーナル 認証あり
    熊本県における全身性強皮症(PSS)の実態を調査する目的で前回(1988∼1989)に続き, 1989年7月より1991年6月までの2年間の第2回調査を施行した。調査は医療施設および特定疾患受給者証交付申請書の両者より行い, 第1回調査102例であった患者に新たに44名の新規患者が調査され計146例(男性16例, 女性130例)であった。男女比は1:7.4で前回とほぼ同様であったが, 有病率は8.23(人口10万人対)で第1回調査時の5.7に比し著しい増加がみられた。しかし罹患率は1.24(人口10万人対)で第1回調査時の1.23とほぼ同様であった。受診施設は大学病院28.8%, 国·公立病院27.4%, その他の病院32.0%, 診療所11.8%で, 受診料は皮膚科49.4%, 内科45.5%, 外科3.9%, その他1.3%であった。特異抗体の陽性例は抗トポイソメラーゼI抗体は37.5%, 抗セントロメア抗体24.2%, 抗RNP抗体23.3%であった。
治療
  • 九州地区ベスキチン®W研究会
    1993 年 55 巻 5 号 p. 941-946
    発行日: 1993/10/01
    公開日: 2011/07/21
    ジャーナル 認証あり
    キチン創傷被覆保護材(ベスキチン®W)を採皮創, 熱傷, 外傷などの創傷120例に使用し, その臨床効果, 安全性について検討した。その結果, 止血効果, 鎮痛効果, 表皮形成, 乾燥, 密着性, 融解耐性すべてにおいて90%以上の有効性を認め, 総合的には, 120例中41例が「極めて有効」, 66例が「有効」で, 「有効」以上の有効率は89.2%と良好な結果が得られた。副作用は認められなかったが, 一部, 密着性が悪く融解脱落した例もみられた。本材は創傷に密着させることにより, 止血, 鎮痛, 感染防止, 上皮化促進などの効果に優れ, その生体親和性の特徴と共に創傷被覆保護材として極めて有用なものであると考えられる。
  • 難波 雄哉, 大浦 武彦, 塚田 貞夫, 添田 周吾, 森口 隆彦, 菅原 光雄, 平山 峻, 石田 寛友, 井澤 洋平, 一色 信彦, 鵜 ...
    1993 年 55 巻 5 号 p. 947-954
    発行日: 1993/10/01
    公開日: 2011/07/21
    ジャーナル 認証あり
    深達性II度∼III度熱傷の壊死組織融解除去に対するACR-59軟膏の至適濃度を, 軟膏基剤単独, 1μkat/g軟膏および2μkat/g軟膏を用いて二重盲検比較試験法により検討した。改善以上の全般改善率は, 軟膏基剤が35.3%, 1μkat/g軟膏が43.8%, 2μkat/g軟膏が68.4%であり有意傾向が認められた。有用以上の有用率について, 軟膏基剤が41.2%, 1μkat/g軟膏が43.8%, 2μkat/g軟膏が68.4%であり用量依存性が認められた。また背景因子で偏りが認められた「外来·入院の区分」について補正を行った結果, 全般改善度では2μkat/g軟膏が基剤に比べて有意に優れており, 有用度では有意傾向が認められた。概括安全度については, すべて安全と評価された。また本剤に起因すると考えられる臨床検査値の異常および副作用は認められなかった。以上のことより, ACR-59軟膏の臨床至適用量は2μkat/gと考えられた。
  • 難波 雄哉, 塚田 貞夫, 添田 周吾, 森口 隆彦, 大浦 武彦, 平山 峻, 石田 寛友, 井澤 洋平, 一色 信彦, 鵜飼 卓, 菅原 ...
    1993 年 55 巻 5 号 p. 955-960
    発行日: 1993/10/01
    公開日: 2011/07/21
    ジャーナル 認証あり
    創傷面に壊死組織を有する深達性II度∼III度熱傷を対象として, ACR-59を2μkat/g含有する疎水性軟膏と50mg(力価)/gの塩化リゾチームを含有する乳剤性軟膏を用い, 有効性, 安全性および有用性を, 電話法を用いるwell-controlled comparative studyで比較検討した。対象症例の背景因子を検討したところ, 有意な偏りはなく, 比較試験として適切であることが確認された。その結果, 壊死組織の改善度については, Wilcoxonの順位和検定および累積χ2検定において有意な差が認められた。概括安全度(原則日)については, ほぼ安全以上がACR-59軟膏群では100.0%であった。壊死組織に対する有用度についてもWilcoxonの順位和検定および累積χ2検定において有意な差が認められた。副作用については, ACR-59軟膏群と塩化リゾチーム軟膏群に1例ずつみられたが, 薬剤との関連性は不明であった。なお終了日において, ほぼ安全以上がACR-59軟膏群では98.3%であった。また本剤に起因すると考えられる臨床検査値の異常は認められなかった。以上のことより, ACR-59軟膏は塩化リゾチーム軟膏に比べて, 熱傷における壊死組織除去剤としての効果がすぐれていると考えられる。
  • 高橋 久, 斉藤 明, 西山 茂夫, 田沼 弘之, 滝内 石夫, 工藤 澄子, 西岡 清, 加藤 卓朗, 富澤 尊儀, 山田 耕次, 渡部 ...
    1993 年 55 巻 5 号 p. 961-971
    発行日: 1993/10/01
    公開日: 2011/07/21
    ジャーナル 認証あり
    ラノコナゾールクリームの角質増殖型足白癬および角質増殖が主症状である足白癬に対する有用性を検討することを目的として, 5施設よりなる研究班を組織し, 皮膚症状の改善, 真菌学的効果および安全性を指標に, オープントライアルによる臨床試験を実施した。対象は, 初診時直接鏡検により菌陽性と判定された角質増殖型足白癬あるいは角質増殖が主症状である足白癬と診断された患者を対象として, 1日1回, 12週間の単独塗布による治療効果を検討した。診断にあたっては, 角質増殖型足白癬を真性型, 角質増殖が主症状である足白癬を部分型および準角質増殖型に分類した。治験薬は, 57例に投与され, 不採用例とされた8例を除く49例について安全性を, 36例について最終判定(皮膚症状, 菌所見, 有効性および有用性)を評価した。評価症例の内訳は, 真性型1例, 部分型15例および準角質増殖型20例であった。最終判定における皮膚症状の改善率は61.1%, 菌陰性化率は80.6%, 有効率は69.4%, そして有用率は66.7%であった。爪白癬を合併していない症例または小水疱型白癬を合併した症例において有用率が高かった。副作用としては1例(2.0%)において接触性皮膚炎を認めた。以上の成績から, ラノコナゾールクリームは, 従来外用抗真菌薬による治療に抵抗を示す角質増殖の顕著な足白癬の治療に対しても有用な外用薬であると考えられた。
  • 高木 順之, 野村 和夫, 橋本 功
    1993 年 55 巻 5 号 p. 972-981
    発行日: 1993/10/01
    公開日: 2011/07/21
    ジャーナル 認証あり
    弘前大学皮膚科および関連8施設を受診したそう痒性皮膚疾患(蕁麻疹, 湿疹·皮膚炎, 皮膚そう痒症, 痒疹)の患者168例を対象として塩酸アゼラスチン(アゼプチン®)の有効性, 安全性および有用性について検討した。蕁麻疹45例, 湿疹·皮膚炎60例, 皮膚そう痒症45例, 痒疹18例, 合計168例の成績は, 有用度において, 有用以上が82%, やや有用以上が93%と極めて高い有用性を示した。疾患別症状別の重症度推移においては, 蕁麻疹, 湿疹·皮膚炎, 皮膚そう痒症において, 皮疹の改善と共に, 極めて早期からそう痒の減少が認められ, 本剤の強力な止痒効果が実証された。副作用または臨床検査値異常の発現は, 20例12%と比較的高頻度に認められたが, 眠気が最多で軽微なものが多く, 重篤なものは少なかった。以上の結果から, 本剤はそう痒性皮膚疾患の治療において, first choiceで用いることができる薬剤と考えられた。
  • 新潟DFBA外用剤臨床研究班
    1993 年 55 巻 5 号 p. 982-990
    発行日: 1993/10/01
    公開日: 2011/07/21
    ジャーナル 認証あり
    Difluprednate(DFBA)の, 接触皮膚炎·虫さされ(ストロフルスを除く)に対する治療効果を10施設の外来患者88例(各々47例および41例)について検討した。最終全般改善度は接触皮膚炎で89.4%, 虫さされで97.5%であった。治療期別全般改善度では, 3日後にすでに接触皮膚炎で88.0%, 虫さされで92.6%と早期治療効果が認められた。有用性においても接触皮膚炎で89.4%, 虫さされで90.0%と高かった。重症度別に併用薬の有無で比較しても差は認められず, 中等度以下の病変に対してはDFBAの単独投与で十分な効果が期待できた。全症例で副作用は認められなかった。急性炎症である接触皮膚炎·虫さされに対して, マイザー®は早期治療効果を示す非常に有用かつ安全な薬剤と考えられた。
  • 安元 慎一郎, 堀 嘉昭
    1993 年 55 巻 5 号 p. 991-994
    発行日: 1993/10/01
    公開日: 2011/07/21
    ジャーナル 認証あり
    20例の帯状疱疹に対して点滴静注用アラセナ-A®を使用し, その臨床効果とともに蛍光抗体法によるウイルス抗原の消長と水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)に対する抗体価の推移を検討した。アラセナ-A®の点滴静注によって20例中極めて有用14例, 有用3例, やや有用3例の結果を得, 有用以上の有用率は85%であった。副作用として1例に嘔気がみられた。ウイルス抗原の検討ではアラセナ-Aの点滴静注開始後6日目以降に陰性化する傾向がみられた。VZVに対する抗体価を測定し得た6例中5例において治療前後における有意の抗体価の変動がみられた。
  • 内海 康生, 三原 基之, 島雄 周平
    1993 年 55 巻 5 号 p. 995-997
    発行日: 1993/10/01
    公開日: 2011/07/21
    ジャーナル 認証あり
    疼痛持続1ヵ月以上の帯状疱疹後神経痛の患者10名(男性4名, 女性6名, 年齢32歳∼82歳)に, 0.025%カプサイシン軟膏を1日2回疼痛部に外用し, 6例に有効性を認めた。なお4例に塗布後の灼熱感を認めた。カプサイシンの作用機序として, 神経細胞や神経末端における痛みの神経伝達物質であるサブスタンスPの放出を促し, 蓄積を抑制すると考えられている。カプサイシン軟膏は難治である帯状疱疹後神経痛に対する新しい治療剤のひとつと思われた。
  • 占部 篤道, 野田 淳子, 平野 哲哉
    1993 年 55 巻 5 号 p. 998-1000
    発行日: 1993/10/01
    公開日: 2011/07/21
    ジャーナル 認証あり
    帯状疱疹後神経痛患者15例を対象として, 四環系抗うつ薬であるマイレン酸セチプチリン(テシプール®)の疼痛に対する効果について検討した。その結果, ペインスコアは2週後で5.50±0.65, 1ヵ月後で3.08±0.53と低下し, 最終効果では「著効」が6例(40.0%), 「有効」が5例(33.3%)で「有効」以上では11例(73.3%)であった。副作用は軽度の眠気が1例(6.7%)に認められたのみであった。三環系抗うつ薬と比較して本剤は副作用の頻度が少なく, また心血管系への影響が少ないことより高齢者の症例にも適しており, 帯状疱疹後神経痛の治療に有用であると考えられた。
世界の皮膚科学者
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