西日本皮膚科
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56 巻 , 6 号
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図説
綜説
症例
  • 清川 千枝, 津田 眞吾, 名嘉真 武国, 北村 尚久, 西尾 達巳, 笹井 陽一郎
    1994 年 56 巻 6 号 p. 1142-1145
    発行日: 1994/12/01
    公開日: 2011/07/21
    ジャーナル 認証あり
    Lipodermatosclerosisと思われる症例を報告した。症例は63歳の女性。初診6ヵ月前に右下腿伸側に, また初診数週間前より左下腿にも圧痛を伴う板状硬結を生じた。潰瘍および静脈瘤の形成はなかった。病理組織学的に, 真皮深層から皮下脂肪織にかけて膠原線維の増生と脂肪織炎を認めた。臨床ならびに病理組織学的所見から, 本症例をlipodermatosclerosisと診断した。消炎鎮痛剤, diode laser照射などにより治療を行ったが, 硬結局面の増悪をみたため, 初診5ヵ月後より超音波療法を行った。施行4回目で右下腿にみられた皮疹は軽快した。自験例の概要を記すとともに, 類似病態を示す疾患について文献的考察を行った。
  • 山口 潤, 小口 尚, 徳留 康子, 勝俣 道夫
    1994 年 56 巻 6 号 p. 1146-1149
    発行日: 1994/12/01
    公開日: 2011/07/21
    ジャーナル 認証あり
    69歳の男性に生じたスパルフロキサシンによる光線過敏型薬疹の1例を報告した。内服1ヵ月後より露光部に一致して浮腫性紅斑が出現し, 内服中止1週後に略治した。病理組織学的には湿疹型反応であった。光線検査では初診時UVA, UVBに対しともに光線過敏反応を示したが, 内服中止3週後にはUVA, UVBに対しともに正常反応であった。内服誘発試験ではUVAのみMEDが短縮していた。今後も同様の症例が増加する可能性があり注意を要すると思われた。
  • 藤木 崇弘, 木村 達, 城野 昌義
    1994 年 56 巻 6 号 p. 1150-1153
    発行日: 1994/12/01
    公開日: 2011/07/21
    ジャーナル 認証あり
    17歳の女性の右下腿伸側に生じたcutaneous ciliated cystを報告した。病理組織像で真皮内から皮下組織にかけて単胞性の嚢腫がみられた。嚢腫壁は主に一層の円柱上皮から構成され, この細胞が内腔に向かって線毛を有しており卵管上皮に類似していた。文献的集計結果では本症例は27例目の報告である。
  • 湧川 基史, 大島 洋子, 日野 治子
    1994 年 56 巻 6 号 p. 1154-1157
    発行日: 1994/12/01
    公開日: 2011/07/21
    ジャーナル 認証あり
    76歳の男性の右頬部に生じたadenoid basal cell epithelioma(adenoid BCE)の1例を報告した。本症例は一見付属器腫瘍も考えさせる臨床像を呈したことや, 間質に多量の好酸性物質の沈着を認めたことが特徴的であった。組織学的には分葉状に増殖した腫瘍巣中心部に多数の腺様構造を形成し, 腫瘍辺縁部には充実性の胞巣もみられた。間質の沈着物質はダイロン染色陽性であることからアミロイドと考えられた。BCEにおける腺様構造とアミロイドの沈着について, 若干の文献的考察を加えた。
  • 荒木 嘉浩, 萱島 研一, 小野 友道, 本島 寛之, 宮田 高雄, 七里 元亮
    1994 年 56 巻 6 号 p. 1158-1162
    発行日: 1994/12/01
    公開日: 2011/07/21
    ジャーナル 認証あり
    症例1: 24歳の女性。初診の6日前より外陰左側部に毛嚢炎様の丘疹が出現。徐々に下腹部へ発赤, 腫脹が拡大し, 壊死に陥った。症例2: 32歳の男性。初診の1週間前に右足底に軽い外傷を負った。次第に外傷部が壊死に陥り, 壊死は足背, 下肢まで進行していった。2例とも基礎疾患として糖尿病があった。臨床経過, X線で皮下のガス像の存在および圧迫にて捻発音を認めたことから非クロストリジウム性ガス壊疽を考えた。第1例は広範囲のデブリードマン, 第2例は下腿の切断にて救命し得た。
  • —症例報告と本邦報告例の検討—
    村田 雅子, 西岡 和恵
    1994 年 56 巻 6 号 p. 1163-1166
    発行日: 1994/12/01
    公開日: 2011/07/21
    ジャーナル 認証あり
    89歳の男性に生じた限局性皮膚クリプトコックス症の1例を報告した。臨床像は頭頂部の痂皮を付着する3×3cm大の潰瘍で, 表在リンパ節腫脹はなかった。病理組織像は巨細胞を混じる類上皮細胞性肉芽腫で, PAS陽性の胞子を認めた。膿汁の墨汁染色で莢膜を有する菌要素を認め, またサブロー培地でクリーム状集落を得, 分離菌はCryptococcus neoformansと同定し胸部X線写真には異常はなかった。治療は潰瘍辺縁から1cm離して病巣部を全切除した。切除標本の断端には菌要素は認めず, 術後14ヵ月経過した現在まで再発は認められない。限局性皮膚クリプトコックス症の本邦報告例をまとめ若干の考察を加えた。
研究
  • 石本 由香, 今山 修平, 利谷 昭人, 古賀 哲也, 久保田 由美子, 宮原 裕子, 橋爪 民子, 棚橋 朋子, 中尾 知子, 堀 嘉昭, ...
    1994 年 56 巻 6 号 p. 1167-1171
    発行日: 1994/12/01
    公開日: 2011/07/21
    ジャーナル 認証あり
    アトピー性皮膚炎(AD)患者は皮膚病変以外に様々な症状を伴う。今回われわれは眼合併症に注目して眼科的精査を行い, 白内障, アレルギー性結膜炎, 角膜糜爛などの合併を検討した。同時にこれらのAD患者の血中総IgE(RIST)量, ダニ(Dp)抗原に対する血中特異的IgE(RAST)値の測定, およびこれら患者にDp抗原を用いたパッチテスト(PT)を施行した。その結果眼合併症の中でも白内障を併発する患者に, ダニ抗原に対するPTは陰性でかつ血中特異的IgE値は高値を示す傾向が認められた。
  • 中山 秀夫, 桜井 美佐, 久米井 晃子, 花田 正吾, 岩永 篤文
    1994 年 56 巻 6 号 p. 1172-1181
    発行日: 1994/12/01
    公開日: 2011/07/21
    ジャーナル 認証あり
    コウジ酸配合のクリームは美白剤として, 三省製薬株式会社によって初めて開発された。従来のコウジ酸配合製剤は1%のコウジ酸配合クリームのみであったが, 新たに0.5%コウジ酸配合ミルクローション, 0.5%コウジ酸配合ローション, 0.5%コウジ酸配合エッセンスが開発され, さらに, liquiritin含有1%コウジ酸配合クリーム(コウジ酸クリームL)が開発された。コウジ酸とliquiritinは併用により濃度依存的にB16細胞の白色化が顕著になり, またコウジ酸クリームLにはliquiritinを含まないコウジ酸クリームより優れた色素沈着抑制作用が認められ, コウジ酸クリームにliquiritinを添加することにより, コウジ酸の美白作用は相加的に増強することが示唆された。Liquiritin含有のコウジ酸クリームLについては, 比較的重症の患者に効果の発現時期も早く, 優れた有効性を示すと考えられた。また安全性についてはとくに問題はなかった。さらに新たに開発された剤型のコウジ酸ミルクローション, コウジ酸ローション, コウジ酸エッセンスについては十分な効果が認められ, コウジ酸配合製剤の使用性は高まるものと考えられる。
講座
統計
  • 木村 有子, 三橋 善比古, 村井 孝弥, 石川 博康, 橋本 功, 三田 禮造
    1994 年 56 巻 6 号 p. 1187-1191
    発行日: 1994/12/01
    公開日: 2011/07/21
    ジャーナル 認証あり
    弘前市内の某幼稚園, 小学校, 中学校の定期健康診断時にアトピー性皮膚炎(AD)の調査を行った。ADの診断は日本皮膚科学会学術委員会の診断基準を参考にして, そう痒, 慢性反復性の経過, 湿疹病変および独特の皮疹の分布の4つを満たすものとした。ADの有無の他, 本人および家族のアレルギー性疾患の有無, 乾燥皮膚, 白色丘疹, 白色描記症, 同胞数とその順位および身長, 体重を調査した。その結果, ADの有症率は, 3∼5歳 12.1%, 6∼7歳 9.0%, 8∼9歳 13.7%, 10∼11歳 15.1%, 12∼13歳 9.2%, 14∼15歳 6.8%で, 3歳から15歳までの平均は10.5%であった。ADでは, 本人または家族に喘息の合併が有意に多く, 乾燥皮膚, 白色丘疹, 白色描記症の保有率が有意の高率であることを確認した。
  • 鹿野 由紀子, 前田 学, 市来 善郎, 森 俊二
    1994 年 56 巻 6 号 p. 1192-1199
    発行日: 1994/12/01
    公開日: 2011/07/21
    ジャーナル 認証あり
    今回われわれは一般住民における全身性強皮症(PSS)患者の罹患率を検討するために岐阜県川島町において1990年に実施された住民健康診断に参加し, 30歳以上の1063名(男性332名, 女性731名)を対象として, レイノー現象の有無およびPSSに高率にみられる臨床項目の有無を調べた結果, レイノー現象の陽性者(Ray(+)群)は男性10名(3.0%), 女性31名(4.2%), 合計41名(3.9%)であった。女性のRay(+)群には強指症, 指尖陥凹性瘢痕, 全身の瀰漫性色素沈着, 舌小帯の短縮の4項目の他, 爪上皮の延長/点状出血, 爪囲紅斑, 関節痛および朝のこわばりの各項目の存在がRay(-)群より有意に高かった。採血可能であった85名の内, 抗核抗体陽性者は24名(28.3%)で, Ray(+)群34名中23.5%, Ray(-)群51名中31.4%を占め, 女性のRay(+)群ではdiscrete speckled typeが7名中5名と多かった。爪郭毛細血管検査を施行した19名についてはRay(+)群12名中4名, Ray(-)群7名中3名の計7名において爪郭毛細血管ループの先端の拡張ないし蛇行像を認め, その内の3名には前腕伸側部の組織像でPSSと考えられる所見を得た。
治療
  • 安田 浩, 益雪 浩一, 末永 義則, 旭 正一
    1994 年 56 巻 6 号 p. 1200-1206
    発行日: 1994/12/01
    公開日: 2011/07/21
    ジャーナル 認証あり
    陥入爪の外科的治療法は従来からさまざまな方法が報告されている。しかし術後の整容的な結果まで追求した報告は少ない。そこで当科では従来の楔状切除法に多少の変更を加えてより確実に爪母を切除し, また爪床の切除量をより少なくし, さらに爪床形成を加えて, 術前の爪幅を可能な限り温存する方法を行うことで整容的にも満足できる結果を得ている。これらの手術を行った症例を長期にわたり経過観察し, 満足できる方法であると考えたので, 若干の文献的考察を加え報告する。
  • —血中PAF値, ECP値, IgE値, 好酸球数の変動—
    多田 讓治, 千星 泰子, 荒田 次郎, 益田 俊樹, 西原 修美, 三好 薫, 片山 治子, 浅越 健治, 長尾 洋, 山田 琢, 平野 ...
    1994 年 56 巻 6 号 p. 1207-1212
    発行日: 1994/12/01
    公開日: 2011/07/21
    ジャーナル 認証あり
    重症および中等症のアトピー性皮膚炎(AD)患者32例に対しオキサトミド(セルテクト®)を投与し, その前後における臨床症状, 血中のplatelet activating factor(PAF)値, eosimophil cationic protein(ECP)値, IgE値, 好酸球数を検討した。PAF値は中等症·重症いずれの例でも正常値より高くADへの関与が示唆されたが, 重症4例では投与後に増加傾向がみられ, 皮膚病変部でのPAFの測定など今後の検討が必要と考えられた。投与前のECP値も中等症·重症いずれも高値で, 重症例では投与後に低下傾向が認められたが有意差はなかった。IgE値は, 中等症·重症いずれにおいても高値で, とくに重症例に顕著であったが投与後も変動はみられなかった。好酸球数は, 投与前の重症例において増加しており, 投与後減少したが有意差は認められなかった。臨床症状などからの有用度判定では, 有用以上45.7%(やや有用以上85.7%)と高くはなかったものの, 今回は症例数が少なく中等症以上を対象としたこと, また, 血中PAF値, ECP値などの測定を目的として4週間のみの投与としたこと, などがその原因と考えられた。副作用は, 35例中6例に眠気がみられたが多くは軽度で, 1例だけで中止し速やかに軽快した。
  • —抗ヒスタミン薬(フマル酸クレマスチン)との比較検討—
    幡本 明利, 利谷 昭治
    1994 年 56 巻 6 号 p. 1213-1220
    発行日: 1994/12/01
    公開日: 2011/07/21
    ジャーナル 認証あり
    福岡大学病院皮膚科を受診したアトピー性皮膚炎患者50名に対し, 塩酸アゼラスチン(アゼプチン®)群25例, フマル酸クレマスチン群25例の2群について有効性, 安全性, 有用性を比較検討した。1. 全般改善度は著明改善がクレマスチン群20.0%, アゼラスチン群32.0%であった。2. 重症度別改善率は中等症でクレマスチン群26.3%, アゼラスチン群40.0%であった。3. 罹病期間別全般改善度は5年以上の長期罹病患者ではアゼラスチン群により高い改善傾向がみられた。4. 罹病期間1年以上の症例について週別全般改善度をみるとクレマスチン群は投与6週後から改善度に頭うちがみられたが, アゼラスチン群は8週後より著明改善例の増加がみられた。5. 全般改善度を成人型アトピー性皮膚炎について比較すると, アゼラスチン群はクレマスチン群に比べ, 改善度で有意の差が認められた。6. 週別症状推移をそう痒についてみると, クレマスチン群に比べ効果発現はやや遅いが8週後からはアゼラスチン群により高い改善が認められ, さらに週を経るにしたがい軽症化した。7. 副作用はアゼラスチン群においては認められなかった。以上より塩酸アゼラスチンは中等症以上の症例, 罹病期間の長期のもの, 成人型アトピー性皮膚炎に対して有用性の高い抗アレルギー剤であると考えられた。
  • 前田 学, 長谷川 核三, 清島 真理子, 野田 徳朗, 森 俊二, 大谷 道広, 米田 和史, 山本 明史, 坂 昌範, 桑原 まゆみ, ...
    1994 年 56 巻 6 号 p. 1221-1229
    発行日: 1994/12/01
    公開日: 2011/07/21
    ジャーナル 認証あり
    湿潤型および苔癬化型湿疹·皮膚炎群の患者108例(湿潤型: 56例, 苔癬化型: 52例)に対し0.05%difluprednate lotion(DFP-L)を外用し, その有効性, 安全性および有用性を検討した。その結果最終全般改善度は「改善」以上の改善率が湿潤型では92.1%, 苔癬化型では88.2%であり, 副作用は5例(毛包炎: 2件, 皮膚の乾燥症状·乾皮症: 4件)にみられたが, いずれも試験薬剤の中止または他剤投与でその症状は消失した。最終全般改善度と副作用を総合的に考慮して判定した「有用」以上の有用率は湿潤型で92.1%, 苔癬化型で84.8%であった。以上の結果よりDFP-Lは有効かつ有用な薬剤であると結論された。
  • 窪田 泰夫, 加藤 聖, 神部 隆之, 佐々木 由美子, 溝口 昌子
    1994 年 56 巻 6 号 p. 1230-1233
    発行日: 1994/12/01
    公開日: 2011/07/21
    ジャーナル 認証あり
    経口ニューキノロン系抗菌剤であるトスキサシン®(tosufloxacin tosilate; トシル酸トスフロキサシン)を各種の皮膚科領域感染症患者22例に投与し, 有効性, 安全性ならびに有用性について検討を行った。その結果全症例において86.4%の有効率を示し, とくに毛嚢炎, 膿疱性ざ瘡, 膿痂疹性湿疹では100%の有効率であった。細菌学的にはS. aureusが起炎菌と考えられた6症例で全例に菌の消失が得られた。また副作用は1例も認められず, 有用以上の有用度は86.4%であった。以上の点よりトスキサシン®錠は各種の皮膚科領域感染症に対して, 有用性の高い抗菌剤のひとつであると言える。
  • 石川 博康, 今泉 孝, 橋本 功
    1994 年 56 巻 6 号 p. 1234-1240
    発行日: 1994/12/01
    公開日: 2011/07/21
    ジャーナル 認証あり
    ニュータイプの経口セフェム系抗生剤であるバナン®(cefpodoxime proxetil, CPDX-PR)錠を各種皮膚科領域感染症117例に使用して臨床的有効性, 安全性および有用性を検討した。有効率は全疾患患者平均で94.9%であり, とくに, せつ, 感染性粉瘤では95.6%, 毛嚢炎では100%の有効率を認めた。副作用は1例にも認められず, 全疾患症例における有用性はやや有用以上が96.6%であった。したがって, バナン®錠は各種皮膚科領域感染症に対し, きわめて高い有用性を持つ抗生物質のひとつと考えられた。
  • 四本 信一, 瀬戸山 充, 神崎 保, 田代 正昭
    1994 年 56 巻 6 号 p. 1241-1245
    発行日: 1994/12/01
    公開日: 2011/07/21
    ジャーナル 認証あり
    ロキシスロマイシンの化膿性皮膚疾患に対する使用意義を, 鹿児島地区の皮膚科を受診した153例について検討した。投与方法は1日量300mg(力価)を2回に分割し, 主治医の判断により治療に必要な期間経口投与した。疾患の内訳は, 毛嚢炎41例, せつ40例, せつ腫症8例, 癰1例, 蜂巣炎4例, リンパ管炎1例, 化膿性爪囲炎6例, 皮下膿瘍10例, 汗腺炎5例, 集簇性ざ瘡4例, 感染性粉瘤23例, その他13例であった。患者年齢は11∼88歳(平均44.7歳), 性別は男性67例, 女性84例であった。重症度は軽症, 中等症が大多数を占め, 投与期間は平均10日であった。臨床効果は全般改善度の改善以上で88.5%の改善率であった。副作用は2例(1.3%)に認められた。S. aureusに対する感受性は, MIC 1.56μg/mlを境に2相性を示したが, S. aureusの検出された31例における感受性菌と耐性菌別の臨床効果は, 改善率に差が認められなかった。以上よりロキシスロマイシンは軽症, 中等症の化膿性皮膚疾患に対し, 第一選択薬として使用意義の高い薬剤であることが示された。
  • 坪内 由里, 立石 毅, 大塚 藤男
    1994 年 56 巻 6 号 p. 1246-1252
    発行日: 1994/12/01
    公開日: 2011/07/21
    ジャーナル 認証あり
    塩酸ブテナフィンの浅在性白癬に対する臨床上の有用性を検討する目的で, 筑波大学および関連病院計7施設において一般臨床試験を実施した。63例が収集されたが, 安全性は全例を対象に検討し, 有効性は判定週の鏡検不実施例などを除外した残りの47例を対象に検討した。47例の疾患の内訳は足白癬35例, 股部白癬3例, 体部白癬9例であった。皮膚症状の改善率は, 足白癬が85.7%, 股部白癬が100%, 体部白癬が88.9%, 全体では87.2%であった。菌陰性化率は足白癬が88.6%, 股部白癬が100%, 体部白癬が88.9%, 全体では89.4%であった。総合効果は足白癬が88.6%, 股部白癬が100%, 体部白癬が88.9%, 全体では89.4%であった。63例中に副作用が出現した例はなかった。有用度は足白癬が85.7%, 股部白癬が100%, 体部白癬が88.9%, 全体では87.2%であった。塩酸ブテナフィンは浅在性白癬に対して1日1回の塗布で優れた有用性を発揮する薬剤と考えられた。
  • —とくにタンポン法による検討—
    大久保 慶二
    1994 年 56 巻 6 号 p. 1253-1259
    発行日: 1994/12/01
    公開日: 2011/07/21
    ジャーナル 認証あり
    切開排膿後の感染性粉瘤, せつなどの感染症を伴う皮膚小潰瘍患者12例に対して, 小ガーゼを用い白糖·ポビドンヨード配合軟膏(ユーパスタ®)を潰瘍内に挿入するタンポン法にて使用し, その臨床的有用性を検討した。潰瘍の大きさ, 深さについては, ともに有意な縮小効果がみられた。症状別改善度では, 肉芽形成, 表皮形成などすべての項目で100%(中等度改善以上)であった。細菌感染は投与前3例にみられたが, ユーパスタ®投与後消失した。副作用はまったく認められなかった。よって有用度判定では有用以上が100%の成績であった。したがって切開排膿後の感染を伴う皮膚小潰瘍に対し, ユーパスタ®をタンポン法にて使用することは, 潰瘍面の早期閉鎖が期待できるきわめて有効な方法であると考えられた。
  • 青 雅一, 前 興治, 難波 祐三郎, 永瀬 洋
    1994 年 56 巻 6 号 p. 1260-1265
    発行日: 1994/12/01
    公開日: 2011/07/21
    ジャーナル 認証あり
    岡山済生会総合病院および岡山労災病院で実施され, 手術時に生じた分層採皮創に対してキチン膜(商品名: ベスキチン®W, ユニチカ製)の重ね貼りと, 対照にLDPS, CASなどを用いたハーフサイドテストを行い, 使用効果について検討した。総合評価としてLDPS 1枚に対して70.6%がきわめて有効, 23.5%が有効との成績を得た。またCAS重ね貼りと比較した場合, 28.6%がきわめて有効, 57.1%が有効, 14.3%がやや有効とやや有効以上が全例であった。項目別評価において, 鎮痛効果, 表皮形成, 融解耐性, 治癒後の表皮の状態では優れる以上が70%以上と非常に高い値を示した。止血効果, 乾燥度, 簡便性ではベスキチン®Wの方が劣る症例は1例も認められなかった。このなかでもとくに疼痛の軽減および表皮形成で対照よりも優れている印象を受けた。滲出液に関しては対照と比べて治療の初期に多い傾向がみられたが, それ以降では対照よりも急速に乾燥した。表皮化に要する日数は対照に対して有意に速い傾向を示し, ベスキチン®Wの重ね貼りの効果がみられた。
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