西日本皮膚科
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58 巻 , 6 号
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図説
症例
  • —6歳時に発症し7年後に消退した1例—
    後藤 由美子, 成澤 寛, 幸田 弘
    1996 年 58 巻 6 号 p. 953-956
    発行日: 1996/12/01
    公開日: 2011/07/12
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    症例は6歳の女児。全身に多発する黄色の小結節を主訴に来院した。病理組織学的所見では真皮に多数の組織球の増殖が認められ, 免疫組織化学的検査の結果とあわせ若年性黄色肉芽腫(JXG)と診断した。皮疹は新生を認める一方で, 徐々に退縮傾向を示し約7年後には殆ど消退した。自験例は発症年齢や臨床経過から成人型XGに近いものと考えた。
  • —血中抗体の検索と基底膜構成蛋白の免疫組織学的検討—
    高橋 さなみ, 山川 有子, 毛利 忍, 佐々木 哲雄, 中嶋 弘
    1996 年 58 巻 6 号 p. 957-960
    発行日: 1996/12/01
    公開日: 2011/07/12
    ジャーナル 認証あり
    87歳の男性。約1ヵ月の経過で躯幹·四肢にそう痒の強い皮疹が拡大し当科受診。皮疹はおもに躯幹後面に認められ, 浮腫性紅斑·丘疹が弧状に配列し全体として不整形の局面を呈しておりその局面上に小水疱·膿疱·糜爛·痂皮が存在した。また肩·前腕伸側·下腿前面にほぼ左右対称性に浮腫性紅斑とその局面上に小水疱·痂皮が認められた。病理組織学的には好中球性微小膿瘍と表皮下水疱が認められ, 螢光抗体直接法では真皮乳頭層部に細線維状, 一部顆粒状のIgAの沈着が認められDuhring疱疹状皮膚炎と診断された。治療はdiphenylsulfone(DDS)が著効した。HLAはB8, DR3, DQw2は陰性で, 血中の抗gliadin IgG抗体, 抗gliadin IgA抗体, 抗reticulin IgA抗体, 抗endomysium IgA抗体はすべて検出されなかった。免疫組織化学的に抗IV型コラーゲン·抗VIIコラーゲン抗体では水疱底のみ染色されたのに対して抗カリニン抗体では水疱蓋と底の両者が染色された。
  • 力久 航, 吉永 健太郎, 今山 修平, 堀 嘉昭
    1996 年 58 巻 6 号 p. 961-963
    発行日: 1996/12/01
    公開日: 2011/07/12
    ジャーナル 認証あり
    症例は48歳の男性と17歳の女性の父娘。父親は10歳頃から, 娘は1歳4ヵ月頃から下腿を中心に痒疹様の小結節が多発。父親の母にも同様の皮疹があったとの家族歴がある。父娘ともに皮膚に瘢痕が認められるものの歯牙形成不全, 指趾癒着は認められない。娘は思春期より項部から背部にかけて常色ないし紅色の丘疹が多発している。病理組織学的に父娘の皮疹はともに表皮下水疱であり, 父親の皮疹は電顕的に真皮内の水疱であることが確認された。以上より本症例は優性栄養障害型表皮水疱症と考えられ, 従来の分類に従えば父親は前脛骨型に, 娘はPasini型に一致すると考えられた。発症機序は父娘同一と考えられるので従来の分類にそって異なる病名をつけるよりも, 痒疹様の特異な臨床像からepidermolysis bullosa pruriginosaの名称を用いるほうが適切であると考えた。
  • 三原 祥嗣, 高田 知子, 高路 修, 山本 昇壯, 土肥 大右
    1996 年 58 巻 6 号 p. 964-967
    発行日: 1996/12/01
    公開日: 2011/07/12
    ジャーナル 認証あり
    32歳の男性の激しい骨関節症状を伴う掌蹠膿疱症の1例を報告した。関節痛はステロイド内服, エトレチナート内服にて難治であったがシクロスポリン3mg/kg/日投与開始数日後より速やかに減少した。一方膿疱や爪の変形はシクロスポリン投与により軽快したが完全には消退しなかった。症例はパッチテストにて種々の金属に陽性反応を呈し口腔内に歯科金属および齲歯, 歯根膜炎が認められ, さらに上気道炎の罹患時に皮疹の増悪がみられるという病歴を有していたため歯科金属除去を含む歯科治療と扁桃摘出術を行った。歯科治療, 扁桃摘出術後に皮疹は略治しシクロスポリンの離脱が行い得た。激しい骨関節症状を伴う掌蹠膿疱症に対してシクロスポリンはきわめて有用であると思われた。またシクロスポリンの投与開始後も金属アレルギーや感染病巣の検索, それらに対する治療を積極的に併用しながら経過観察をしていくことも重要であると思われた。
  • —転移巣の経表皮排泄とランゲルハンス細胞の関与—
    萱場 光治, 後藤 由美子, 石井 寛, 成澤 寛, 幸田 弘, 西島 君実
    1996 年 58 巻 6 号 p. 968-973
    発行日: 1996/12/01
    公開日: 2011/07/12
    ジャーナル 認証あり
    82歳の女性の左足底部に生じたeccrine porocarcinomaの1例を報告した。土踏まずの部位に小丘疹ないし小水疱が多発し, 一部に指頭大の潰瘍がみられた。潰瘍部の病理組織学的所見は表皮と連続し異型性を有する基底細胞様細胞からなる腫瘍で, 電顕所見では微絨毛を有する管腔様構造があり免疫組織化学染色所見とあわせてeccrine porocarcinomaと診断した。周囲の小丘疹の病理組織学的所見は真皮内リンパ管内転移巣で, これが上向性に移動して表皮あるいは汗管と連続(epidermotropism), さらに経表皮性に排泄される(transepithelial elimination)所見であった。またこのリンパ管内腫瘍巣には多数のランゲルハンス細胞が認められ, これが転移巣の経表皮排泄と何らかの関係があるものと思われた。
  • 山田 七子, 安岐 敏行, 中山 英俊, 三原 基之, 柴田 美千代, 谷口 充
    1996 年 58 巻 6 号 p. 974-977
    発行日: 1996/12/01
    公開日: 2011/07/12
    ジャーナル 認証あり
    Pilonidal sinusの1例を報告した。症例は24歳の男性。中学生の頃, 長時間の坐位を契機に尾骨部に有痛性の硬結を生じ時折排膿した。近医にて主に抗生剤で加療されるも難治であり病変は上方の仙骨部まで拡大した。初診時には仙骨部に有痛性の結節と尾骨部に毛髪を内包する瘻孔が認められ, 皮下にはこれらを結ぶように硬結, 浸潤を触れた。Pilonidal sinusの診断にて広範囲な病変の切除を施行し, 術中尾骨部瘻孔と仙骨部の結節が連続していることを確認した。病理組織学的検討では瘻孔は重層扁平上皮よりなる壁をもち, 尾骨部から皮下を上行し仙骨部結節に達していたが, 上皮性瘻孔壁はこの結節部分で消失していた。瘻孔内には毛髪が内包され一部は瘻孔先端で皮下組織へ排出され, また一部は上皮成分を貫通し多数の炎症性細胞浸潤がみられた。これらの所見は本症の後天説を裏付けるものであった。
  • 山下 直子, 小野 友道
    1996 年 58 巻 6 号 p. 978-980
    発行日: 1996/12/01
    公開日: 2011/07/12
    ジャーナル 認証あり
    1村落で消石灰を稲のいもち病予防薬として散布後, 両大腿に発赤, 腫脹, 潰瘍を生じた4例を報告する。1) 71歳の男性, 平成6年7月中旬, 両大腿, 膝, 2) 65歳の男性, 平成6年7月末, 両大腿, 3) 68歳の女性, 平成7年7月末, 両大腿, 膝, 4) 53歳の男性, 平成7年7月末, 両大腿, 膝。いずれも作業ズボンに長靴の服装で稲に消石灰を散布中に消石灰中に混在する生石灰が付着して特異な熱傷を生じたと考えられた。なおいずれの症例も7月中旬から末にかけての発生であった。患者には稲に石灰がよくつくように朝露のでる時間帯を選んで散布し, 朝露で濡れた衣服に生石灰が付着したという共通の背景があった。
  • 中村 猛彦, 天野 冨紀子, 小野 友道
    1996 年 58 巻 6 号 p. 981-983
    発行日: 1996/12/01
    公開日: 2011/07/12
    ジャーナル 認証あり
    刺毒魚類のひとつであるオニオコゼによる刺傷例を経験した。症例1: 28歳の男性。スキューバダイビング中捕獲したオニダルマオコゼにより受傷した。症例2: 31歳の女性。グアム島で遊泳中右足をオニオコゼと思われる魚に刺されて受傷した。その症状は一般の生物による刺傷の中でもきわめて重症で治療には外科的処置も含め長期間を要した。
  • 宮城 嗣名, 外間 実裕, 稲福 和宏, 野中 薫雄
    1996 年 58 巻 6 号 p. 984-986
    発行日: 1996/12/01
    公開日: 2011/07/12
    ジャーナル 認証あり
    26歳の男性。約3週間前に外尿道口部の乳頭状腫瘤に気づく。近医を受診し尿道腫瘍疑いで沖縄赤十字病院泌尿器科を紹介され受診し尖圭コンジローマの疑いで沖縄赤十字病院皮膚科を紹介され, 外科的切除術を施行した。病理組織学的所見では表皮の乳頭状増殖と表皮細胞の空胞化が認められ分裂像も散見されたが悪性所見は認められず外尿道口に発生した尖圭コンジローマと診断した。検査所見ではツベルクリン反応は陰性であったがDNCB感作は成立した。その他一般検査で異常は認められなかった。術後約2ヵ月目に同部位に再発したため外来にて凍結療法と電気凝固術を施行した。副作用は認められず完治した。外尿道口に限局した本症は1985年以降の検索では皮膚科領域からの報告はなく発生部位としては大変まれな症例と考えられた。外尿道口に限局した本症をみた場合凍結療法は部位的にやや手間と時間がかかるが他の治療法に比較して簡単で侵襲も少なくまず試みてよい治療法と考えた。外尿道口部尖圭コンジローマ治癒後に膀胱鏡施行したが尿道, 膀胱に異常は認められなかった。6ヵ月後の現在まで再発はみられない。
研究
  • 篠田 勧, 矢野 貴彦, 信藤 肇, 林 雄三, 森田 栄伸, 山本 昇壯
    1996 年 58 巻 6 号 p. 987-990
    発行日: 1996/12/01
    公開日: 2011/07/12
    ジャーナル 認証あり
    母斑細胞母斑(以下, 母斑)の組織内に出現する脂肪細胞様細胞について臨床的および病理組織学的に解析した。検索した母斑178例中, 脂肪細胞様細胞が認められた母斑は44例(24.7%)であり, その出現頻度, 出現程度は加齢とともに上昇する傾向がみられた。それら44例のうち39例が顔面, 頭頸部に発生した母斑であり, その組織分類(Traub & Keil分類)ではintradermal nevusにおいて, また組織構築分類(Miescher & Albertini分類)ではc型構造を優位とする母斑において, その出現は有意に高頻度であった。さらにこれら44例中, 脂肪細胞様細胞の母斑組織内における出現部位は33例においてc型構造部であった。以上のことから脂肪細胞様細胞の出現はc型構造, 即ち間葉組織を多量に含む組織構築との関連が示唆された。また脂肪細胞様細胞の多くは典型的な脂肪細胞の像を呈し母斑細胞と脂肪細胞様細胞との移行像はほとんどみられなかった。以上の病理組織学的検索から多くの脂肪細胞様細胞は間葉組織に由来する脂肪細胞である可能性が示唆された。
  • 森田 栄伸, 篠田 勧, 行徳 英一, 檜原 理子, 山本 昇壯
    1996 年 58 巻 6 号 p. 991-993
    発行日: 1996/12/01
    公開日: 2011/07/12
    ジャーナル 認証あり
    尋常性乾癬の発症とHLAとの関連を明らかにする目的で, 尋常性乾癬患者58名についてHLA-Cw6, Cw7にほぼ特異的で抗原結合部位に位置すると考えられるα1ドメイン上の9番目アスパラギン酸保有の有無をPCR法により塩基配列レベルで検出した。また9番目アスパラギン酸の保有患者群, 非保有患者群で臨床症状を比較した。9番目アスパラギン酸は尋常性乾癬で58例中23例, 健常人で49例中15例にみられた。9番目アスパラギン酸の保有患者群と非保有患者群で皮疹の程度, 発症年齢, 関節症状の有無, 爪の変形, 家系内発症の有無について評価したが両者間で有意な差はみられなかった。これらの結果は尋常性乾癬の疾患感受性遺伝子はHLAそのものとするよりもHLA-Cw6の近傍に位置する未知の遺伝子である可能性を示唆するものと思われた。
講座
統計
  • 川上 泰二, 山元 修, 丸山 剛, 末永 義則, 旭 正一
    1996 年 58 巻 6 号 p. 1000-1002
    発行日: 1996/12/01
    公開日: 2011/07/12
    ジャーナル 認証あり
    昭和56年7月の開設以来, 平成7年6月までの16年間に当科で病理組織学的に石灰化上皮腫と診断された症例は156例で, うち多発例が3例であった。年齢分布では20歳未満が58%を占めた。性別では男女比約1:2で女性に多かった。発生部位は顔面, 上肢, 頚部, 下肢, 躯幹, 頭部の順に多く, 顔面のみで全体の35%, 露出部では56%を占めていた。年齢層と部位の関係では20歳未満の患者の顔面と上肢に多い傾向がみられた。臨床診断と病理組織学的診断の不一致例では, 粉瘤, 皮膚線維腫の診断が上位を占めていた。あわせて興味ある症例として頭部に腫瘤を形成し血管肉腫が疑われた例と水疱様外観を呈した例を報告した。
治療
  • 菊池 かな子, 久保 正英, 藤本 学, 玉木 毅, 玉置 邦彦
    1996 年 58 巻 6 号 p. 1003-1005
    発行日: 1996/12/01
    公開日: 2011/07/12
    ジャーナル 認証あり
    汎発性強皮症におけるレイノー現象に対する塩酸ベニジピンの臨床的有用性を検討する目的でオープン試験を実施した。塩酸ベニジピン2から4mg/日を計22例の汎発性強皮症患者に対して投与したところ, 著効1例, 有効7例, やや有効6例であった。副作用は頭痛, ほてり感など軽度のものが22例中2例に認められた。投与前後の一般臨床検査では異常な変動はみられなかった。以上より本剤は汎発性強皮症患者のレイノー現象に有用と思われた。
  • 渡辺 晋一, 高橋 久
    1996 年 58 巻 6 号 p. 1006-1015
    発行日: 1996/12/01
    公開日: 2011/07/12
    ジャーナル 認証あり
    浅在性化膿性疾患を対象にシプロフロキサシン細粒剤をシプロフロキサシンとして1回200mg, 1日3回食後に原則として7日間経口投与し本剤の有効性, 安全性および有用性をオープン試験にて検討した。総投与症例は56例, 疾患別ではせつ23例, せつ腫症3例, 癰3例, 以上第II群小計29例, 蜂巣炎16例, リンパ管(節)炎3例, ひょう疽6例, 以上第IV群小計25例, その他疾患2例であった。全疾患合計で臨床効果における有効率は95.7%(45/47例), 細菌学的効果での菌消失率は92.1%(35/38例)であった。副作用は3例(軽度∼中等度)に, 臨床検査値異常は5例に認められ概括安全度での安全率は88.5%(46/52例)と判定された。有用性での有用率は89.8%(44/49例)であった。以上の成績から本細粒剤は浅在性化膿性疾患に対して良好な有効性および安全性を有することが確認された。
  • 鳥山 史, 一ノ瀬 弥久, 山之内 寛嗣, 吉田 彦太郎
    1996 年 58 巻 6 号 p. 1016-1021
    発行日: 1996/12/01
    公開日: 2011/07/12
    ジャーナル 認証あり
    爪白癬に対する経口抗真菌剤イトラコナゾール50mgカプセル剤の1日1回1∼2カプセル(50∼100mg)の内服による臨床成績を検討した。総対象例数は14症例であり総合臨床効果9例, 概括安全度13例, 有用性9例を解析対象として評価した。有効性は病爪の混濁比推移を指標に評価し9例中5例(55.6%)が著効であり全症例有効であった。安全性に関しては副作用として胃もたれおよび膨疹が認められたが, いずれの症状も軽度であり比較的長期の治療が必要な爪白癬に対しても安全に使用できる薬剤と考えられた。
  • 飯泉 陽子, 北村 啓次郎
    1996 年 58 巻 6 号 p. 1022-1028
    発行日: 1996/12/01
    公開日: 2011/07/12
    ジャーナル 認証あり
    爪白癬に対するitraconazoleの1日1回50∼100mg, 24週間以上投与での有効性および安全性について10症例を対象に検討した。有効性は混濁比の推移を指標に評価し著効率および有効率はそれぞれ75.0%(8例中6例)および87.5%(8例中7例)であった。安全性に関しては副作用および臨床検査値の異常変動はみられず安全性に問題は認められなかった。本剤は比較的長期の治療が必要な爪白癬に対して有用な薬剤であると考えられた。
  • 本庄 三知夫, 涌井 史典, 森嶋 隆文, 馬場 俊一, 鈴木 啓之, 飯田 利博, 西山 千秋, 加藤 直樹, 渡辺 邦友
    1996 年 58 巻 6 号 p. 1029-1032
    発行日: 1996/12/01
    公開日: 2011/07/12
    ジャーナル 認証あり
    尋常性ざ瘡(多発性炎症性皮疹を有するもの)患者85例に対しナジフロキサシン(アクアチム®クリーム)を投与し有用性を検討するとともに, 試験前後に分離された菌に対する各種抗菌剤のMICを測定し菌に対する感受性について検討した。その結果, 皮膚所見において1段階以上改善した改善率は丘疹69.3%, 膿疱83.3%, 炎症の程度90.7%であり有効率(有効以上)は81.3%(75例中61例)であった。副作用は85例中3例(3.5%)に認められ有用率(有用以上)は80.0%(75例中60例)であった。一方85例中65例より試験前に何らかの細菌が病巣より検出された。また試験前後に検出されたPropionibacterium acnesについて各種抗菌剤に対する感受性を測定したところ感受性の変動は認められなかった。
  • 太田 幸則, 土井 希文, 田沼 弘之, 西山 茂夫, 勝岡 憲生
    1996 年 58 巻 6 号 p. 1033-1037
    発行日: 1996/12/01
    公開日: 2011/07/12
    ジャーナル 認証あり
    角質増殖型足白癬に対する塩酸ブテナフィン(メンタックス®)クリーム単独投与および尿素軟膏との併用投与による臨床効果を比較検討した。51例に実施されたが解析対象は概括安全度については初診以降来院しなかった4例を除いた47例(単独群25例, 併用群22例), 有用性については2回以降来院しなかった5例, 鏡検不実施1例を除く45例(単独群23例, 併用群22例)でそれぞれ実施した。菌陰性化率は単独群および併用群それぞれ91.3%および86.4%であった。皮膚症状の改善率は単独群91.7%, 併用群100%であったが, 単独群に比べ併用群において効果の発現がより早期から認められた。また有効率は単独群91.3%および併用群86.4%であった。副作用は全例に認められず, 有用率は単独群91.3%および併用群86.4%であった。以上の結果より角質増殖型足白癬に対し塩酸ブテナフィン(メンタックス®)クリームは単独投与で優れた有用性を発揮し, また尿素軟膏の併用でより早期に症状の改善がみられることが明らかとなった。これらのことより従来難治性とされている角質増殖型足白癬に対して塩酸ブテナフィン(メンタックス®)クリーム単独投与あるいは尿素軟膏との併用投与は試みられてよい治療法であると考えられた。
  • —Eosinophil Cationic Protein(ECP)値との関連性を中心にして—
    沼田 時男, 奥田 佳子, 植松 茂生, 高木 茂, 小路 雅人, 横田 径子, 酒井 良憲
    1996 年 58 巻 6 号 p. 1038-1044
    発行日: 1996/12/01
    公開日: 2011/07/12
    ジャーナル 認証あり
    アトピー性皮膚炎30例および慢性蕁麻疹23例に対するテルフェナジン(トリルダン®)の有効性および安全性を末梢血好酸球中の脱顆粒蛋白ECP(eosinophil cationic protein)への影響とともに5施設で検討した。自·他覚症状の観察結果に基づいた臨床症状評価は両疾患とも5段階に分けて行ったが, 紅斑および膨疹は2週後に1段階以上改善し4週後まで維持された。そう痒は2週後で1.5段階以上改善し4週後にはさらに改善度を増した。ECP値に対する影響はアトピー性皮膚炎では2週後に減少傾向(p=0.066)が認められたが4週後には減少傾向も認められなかった。慢性蕁麻疹ではどの週においても有意な影響は認められなかった。副作用は安全性評価症例51例中, 頭痛, 頭重感および眠気が各1例ずつ認められたがすべて軽度で, 眠気は服用1日目にみられたが継続服用しているうちに軽快した。臨床検査値の異常変動は3例にみられたが, いずれも軽度で薬剤に起因するものはないと判断された。以上からテルフェナジンはアレルギー性皮膚疾患に対して止痒効果が強く有用な抗アレルギー剤であることが示唆された。
  • 前田 学, 高木 肇, 清島 真理子, 中谷 明美, 長田 和子, 北島 康雄, 藤広 満智子, 桑原 まゆみ, 鷲見 烈, 長谷川 核三, ...
    1996 年 58 巻 6 号 p. 1045-1051
    発行日: 1996/12/01
    公開日: 2011/07/12
    ジャーナル 認証あり
    オーツ麦エキスを角層細胞間脂質類似の油性保湿剤を主成分とする入浴剤に配合した際の効果を検討するためにオーツ麦エキスを除いた入浴剤を対照として臨床試験を行い以下の結果を得た。1. 皮脂欠乏性皮膚炎の患者46例にオーツ麦エキス配合と未配合の入浴剤を使用させたところ(被験入浴剤26例, 対照入浴剤20例), 『そう痒』, 『紅斑』, 『乾皮症』および『鱗屑』において両者とも有意な改善が認められた(Wilcoxon符号順位検定, P<0.01, 対照入浴剤の『紅斑』のみP<0.05)。しかし両入浴剤間での各皮疹の改善度, 全般改善度および有用性には有意な差は認められなかった。2. 小児アトピー性皮膚炎の患者46例に両入浴剤を使用させたところ(被験入浴剤23例, 対照入浴剤23例), 『そう痒』, 『紅斑』, 『丘疹·小水疱』, 『乾皮症』および『鱗屑』において両者とも有意な改善が認められた(符号順位検定, P<0.01, 対照入浴剤の『紅斑』, 『丘疹·小水疱』のみP<0.05)。また両入浴剤での成績を比較したところ, 『そう痒』の改善度において被験入浴剤使用群の方が対照入浴剤使用群に比し有意に優れていた(χ2検定, 2段階以上改善の割合, P<0.05)。他の皮疹の改善度, 全般改善度および有用性においては両入浴剤間に有意な差は認められなかった。
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