慢性蕁麻疹患者82例にフマル酸エメダスチン(レミカット
®カプセル)2∼4mg/日を投与し, その有効性, とくに効果発現日と再発予防効果, および安全性について「じんましん日記」により調査し, 検討を行った。1. 登録症例82例の内訳は男性27例, 女性55例であり, 年齢は9∼79歳(平均45.2歳)であった。症例の約8割は, 中等症の患者であった。2. 解析対象76例のそう痒, 発斑の改善度はそれぞれ, 著明改善48.0%, 44.7%, 改善以上70.7%, 69.7%, やや改善以上90.7%, 90.8%であり, 最終全般改善度は, 著明改善44.7%, 改善以上73.7%, やや改善以上93.4%であった。安全性を考慮し総合的に判断した有用度は, 極めて有用43.4%, 有用以上73.7%, やや有用以上96.1%であった。3. 症状消失までの日数については「じんましん日記」から, そう痒, 発斑の消失率がそれぞれ, 1日後が14.7%, 13.2%, 3日後までが25.3%, 25.0%, 7日後までが40.0%, 36.8%, 14日後までが52.0%, 44.7%であった。4. 投与終了後7日までの再発の有無を調査し得た31例中, 再発なしが22例であり, 再発抑制率は71.0%であった。5. 副作用は6例(7.6%)に認められ, その内訳は眠気5例と顔面浮腫が1例であったが, 重篤なものはなかった。以上によりフマル酸エメダスチン(レミカット
®カプセル)の慢性蕁麻疹に対する有用性, とくに止痒効果の速効性と高い再発抑制効果が示唆された。
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