4歳の男児。初診の約1年前, 強い日光曝露を機に発症した。初診時, 顔面および耳介に不規則な軽度の萎縮を伴う紫紅色の紅斑, 両膝蓋に暗紫紅色局面, 両手指背にGottron’s signが認められた。筋力低下, 筋痛, 皮下の石灰沈着は認められなかった。検査所見では筋原性酵素の上昇は認められず, UVBのMEDは正常であった。筋電図, 筋生検はおこなわれなかった。皮膚の病理組織所見では, 表皮の不規則な肥厚, 表皮真皮境界部の液状変性, 真皮上層の浮腫, 血管周囲の単核球浸潤がみられた。皮膚の直接蛍光抗体法では表皮真皮境界部から真皮乳頭層にかけて, IgA, IgM, C
3の顆粒状沈着が認められた。皮膚の臨床および病理組織所見から小児皮膚筋炎と診断し経過観察中であるが, 皮疹は未治療にもかかわらず改善し, 発症より2年間筋炎症状の出現は認められない。
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