西日本皮膚科
Online ISSN : 1880-4047
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60 巻 , 3 号
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図説
症例
  • 田中 達朗, 下平 峰子, 三砂 範幸, 成澤 寛
    60 巻 (1998) 3 号 p. 291-294
    公開日: 2010/10/15
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    17歳の女性。母親はneurofibromatosis(NF: Riccardiの分類VI型)に罹患しており, 本人にも顔面, 頚部に雀卵斑様色素斑の集簇がみられたが神経線維腫は認められなかった。前頭部の拍動性の皮下腫瘤を主訴として佐賀医科大学附属病院皮膚科を受診した。初診の2ヵ月前, 転倒し頭部を軽く打撲した既往があった。臨床および血管造影所見から浅側頭動脈瘤の診断のもとに局麻下で動脈瘤摘出術を施行した。病理組織学的には動脈瘤起始部で内弾性板が断裂し, 管腔構造を構成する肥厚した壁は本来の血管壁構造とは異なっており, 仮性動脈瘤であった。肥厚部分は紡錘型の細胞と少数の星芒様の細胞で構成され, 同部はalcian blue染色陽性, 免疫染色でS-100蛋白陰性, α-smooth muscle actinおよびvimentin陽性であった。臨床症状, 経過から外傷性仮性動脈瘤が考えられたが, これまでの諸家の報告を考慮するとその発症の背景としてneurofibromatosisとの関連が示唆された。
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  • 横山 眞爲子, 萱場 光治, 田中 達朗, 三砂 範幸, 成澤 寛
    60 巻 (1998) 3 号 p. 295-298
    公開日: 2010/10/15
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    4歳の男児。初診の約1年前, 強い日光曝露を機に発症した。初診時, 顔面および耳介に不規則な軽度の萎縮を伴う紫紅色の紅斑, 両膝蓋に暗紫紅色局面, 両手指背にGottron’s signが認められた。筋力低下, 筋痛, 皮下の石灰沈着は認められなかった。検査所見では筋原性酵素の上昇は認められず, UVBのMEDは正常であった。筋電図, 筋生検はおこなわれなかった。皮膚の病理組織所見では, 表皮の不規則な肥厚, 表皮真皮境界部の液状変性, 真皮上層の浮腫, 血管周囲の単核球浸潤がみられた。皮膚の直接蛍光抗体法では表皮真皮境界部から真皮乳頭層にかけて, IgA, IgM, C3の顆粒状沈着が認められた。皮膚の臨床および病理組織所見から小児皮膚筋炎と診断し経過観察中であるが, 皮疹は未治療にもかかわらず改善し, 発症より2年間筋炎症状の出現は認められない。
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  • 中村 猛彦, 荒木 嘉浩, 小篠 揚一, 牛島 淳, 上田 恵一, 二ノ村 信正
    60 巻 (1998) 3 号 p. 299-302
    公開日: 2010/10/15
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    急速に進行する間質性肺炎を合併した皮膚筋炎の1例を経験した。患者は52歳女性。初診の約3週間前から両手, 肘, 膝, 足背に紅斑が出現した。関節痛, 咽頭痛, 発熱を伴っていたが, 筋肉痛, 脱力など筋炎症状は認められず, CPKも正常範囲であった。発症約2ヵ月後には両側肺野に間質性肺炎が認められた。急速に呼吸不全に陥ったため機械的人工呼吸, ステロイドパルス療法などを施行したが反応せず死亡した。剖検の結果, 両側の間質性肺炎に加え子宮体部の癌が認められた。皮膚筋炎における肺病変は生命予後を左右する重要な合併症であるが, とくに自験例のような急速進行間質性肺炎を合併する場合, 筋炎症状の明らかでない特異な臨床像を呈し, 有効な治療法も確定せず急速に悪化することから本疾患の早期診断のため新たな診断基準の必要性を感じた。
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  • 平 嘉世, 松崎 令子, 萱場 光治, 田中 達朗, 成澤 寛
    60 巻 (1998) 3 号 p. 303-305
    公開日: 2010/10/15
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    28歳の女性。1989年10月に第1子出産後, 体重が減少し, 発熱とともに両下腿に浮腫が出現し, 紅色丘疹が多発した。皮膚生検では類上皮細胞肉芽腫の所見を示し, ツ反陰性, 両側肺門部リンパ節腫脹(BHL)陽性, 不完全右脚ブロックが認められることからサルコイドーシスと診断した。ACEの上昇は認められなかった。無治療のまま経過を観察していたが, 1994年6月第2子出産後, 皮疹はほぼ消失したが, 3ヵ月後には再燃した。自験例は出産と関連してサルコイドーシスの皮膚病変に変化が生じた症例と思われた。
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  • 山中 直樹, 中島 ほなみ, 神田 受利
    60 巻 (1998) 3 号 p. 306-308
    公開日: 2010/10/15
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    母親に妊娠中毒症があり, 胎児仮死のため緊急帝王切開により出生した男児の全身各所に皮下硬結が多発し, 典型的な組織像を示した新生児皮下脂肪壊死症の1例を経験したので, 若干の文献的考察を加えて報告した。
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  • 久保田 由美子, 古賀 哲也, 利谷 昭治, 清水 信之
    60 巻 (1998) 3 号 p. 309-313
    公開日: 2010/10/15
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    7生日の女児。出生時より全身に潮紅および膜状の鱗屑があり, 機械的外力が加わる部位では水疱と糜爛を形成していた。皮膚の細菌培養でStaphylococcusが検出されたため, ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群が疑われたが, 1ヵ月後も糜爛の新生が続いた。さらに1歳4ヵ月時, 全身の潮紅と厚い洗濯板状の鱗屑が認められ, 病理組織学的には表皮細胞の顆粒変性および空胞変性が認められたため水疱型先天性魚鱗癬様紅皮症と診断した。ステロイド外用剤と尿素軟膏の外用で角化局面はやや軽快傾向にある。
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  • 小辻 智恵, 飯島 茂子, 大塚 藤男
    60 巻 (1998) 3 号 p. 314-317
    公開日: 2010/10/15
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    原発性胆汁性肝硬変(PBC)のためにウルソデオキシコール酸内服中の57歳女性。口腔粘膜に白色線状局面·水疱·糜欄が認められ, 病理組織学的に扁平苔癬(LP)と診断した。LP患者にC型慢性肝炎などの肝障害の合併頻度が高いことはよく知られているが, PBCとの合併例の報告は自験例を含め14例といまだ少数である。これらの報告例を検討したところ, 年齢は32歳から80歳(平均50.4歳)と中高年に多く, 全例女性であった。口腔粘膜疹が13例(92.9%)と高頻度にみられた。PBC罹患後にLPが発症している例が11例と多かった。D-penicillamine投与中にLPが発症した例は7例であった。PBCとLPはともにchronic GVHDのearly lichenoid stageと病理学的に類似しており, 両者が病因論的に共通している可能性が考えられた。
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  • 一宮 誠, 井上 佳代, 濱本 嘉昭, 武藤 正彦
    60 巻 (1998) 3 号 p. 318-320
    公開日: 2010/10/15
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    47歳の女性。初診の1年3ヵ月前に両足底の結節を自覚したが放置していた。その後, 結節は徐々に増大し, 結節中心部には潰瘍を形成, 辺縁は疣贅状の周堤となった。初診時, 空腹時血糖286mg/dlから糖尿病に合併した尋常性疣贅と診断した。病理組織像は, 表皮は著明に肥厚し表皮突起の延長が認められ表皮上層には空胞変性したケラチノサイトがみられた。しかし, パピローマウイルス抗体による免疫組織化学染色は陰性であった。以上によりverrucous skin lesions on the feet in diabetic neuropathyと診断しなおした。
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  • 高原 正和, 占部 和敬, 利谷 昭人, 永江 祥之介, 今山 修平, 堀 嘉昭, 吉永 健太郎
    60 巻 (1998) 3 号 p. 321-324
    公開日: 2010/10/15
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    患者は60歳(1987年初診時)の女性。初診の1年前, 左眉毛部の淡紅色斑に気付いた。近医皮膚科における生検により汗管腫の診断を受けたが, 徐々に増大してきたため九州大学医学部皮膚科を受診した。病理組織学的にmorphea-like basal cell epitheliomaと考えて病変部を切除し, 全層植皮術を施行した。10年後(1996年)に植皮部辺縁に常色隆起性局面が出現したため, 再び病変部を切除し全層植皮術を施行した。切除部の病理組織標本に, 線維化した間質内に腫瘍細胞が索状または小型の集塊を形成して増殖しているのが認められた。腫瘍巣には管腔構造が認められ, 一部に汗管腫様の小腺管構造と角質嚢腫も認められた。核の異型性や核分裂像は認められないものの腫瘍細胞は真皮深層まで浸潤しており, perineural invasionも認められた。免疫組織化学的に, すべての腫瘍細胞がAE-1/AE-3に陽性, 一部の腫瘍細胞がS-100陽性, CEA, EMAはすべて陰性であった。これらの所見からmicrocystic adnexal carcinomaと診断した。
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  • 木田 絹代, 小林 順一, 辻田 淳, 安元 慎一郎, 永江 祥之介, 中山 樹一郎
    60 巻 (1998) 3 号 p. 325-327
    公開日: 2010/10/15
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    子宮頚癌に対する放射線治療後7年を経過して, 腹壁に発症したangiosarcomaの1例を経験した。手術療法, rIL-2投与にもかかわらず初診後3年で2回の再発を認めたため, 今回集学的に手術療法, rIL-2投与, 放射線療法, 凍結手術療法を併用して寛解を得た。自験例を凍結手術療法を含む集学的治療が奏効した1例として報告するとともに, 腹壁に発生するangiosarcomaと放射線照射との関連について若干の文献的考察を行った。
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  • 奥田 知規, 小宅 慎一, 大井 綱郎, 古賀 道之
    60 巻 (1998) 3 号 p. 328-331
    公開日: 2010/10/15
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    症例は47歳の男性。平成8年2月頃から後頭部に自覚症状のない胡桃大の皮下硬結が出現, その中に3個の小結節を触知した。病理組織学的には好塩基性細胞と陰影細胞からなる腫瘍細胞巣で, 一部に石灰化が認められ, 多発性石灰化上皮腫と診断した。また, 患者は30歳頃から筋緊張性ジストロフィーに罹患している。筋緊張性ジストロフィーと石灰化上皮腫との関係が近年注目されている。合併する石灰化上皮腫は, 男性で多発性が多く, 頭部に多く認められるといわれており, 本症例もそれに合致していた。また, 東京医科大学皮膚科教室において過去10年間に経験した石灰化上皮腫70例についても統計的検討をおこなったところ, 全初診患者における本腫瘍の頻度は0.10%, 全生検標本での頻度は1.07%であった。女性に多く, 頭頚部, 上肢に好発し, ほとんどが単発例であり, 多発例は2例, 2.85%に認められるに過ぎなかった。
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  • 東 裕子, 島田 祥子, 片平 充彦, 瀬戸山 充, 神崎 保
    60 巻 (1998) 3 号 p. 332-334
    公開日: 2010/10/15
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    48歳の女性。左背部に痛みを伴うクルミ大の皮下腫瘤が認められ, 摘出術を施行した。病理組織像で, 血管, 脂肪, 平滑筋の増殖とムチン沈着が認められた。良性のmesenchymomaと診断した。良性のmesenchymomaは国内で23例報告されており, そのうち皮膚科からは3例である。
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  • 松倉 節子, 水野 尚, 岡澤 ひろみ, 早川 広樹, 佐々木 哲雄, 長谷 哲男, 中嶋 弘, 上條 聖子, 塩谷 千賀子
    60 巻 (1998) 3 号 p. 335-339
    公開日: 2010/10/15
    ジャーナル 認証あり
    症例は91歳の女性。40歳台からレイノー症状や, 手指の皮膚硬化が出現した。また, 以前より口腔内乾燥感を自覚することが時々あった。初診10ヵ月前から頭頂部右側に紫紅色の腫瘤が出現し, 徐々に腫大してきた。初診2ヵ月前には右耳介後部にまで腫大していた。生検により悪性血管内皮細胞腫と診断した。胸部CTで胸水, 心嚢水の貯留が認められ, 胸膜への転移も疑われた。病理組織学的には真皮全層に紡錘形の異型細胞が増殖しており, 管腔形成も認められた。管腔内には赤血球が認められ, 腫瘍細胞の第VIII因子関連抗原は弱陽性, CD34は陽性であった。レイノー症状と手指の皮膚硬化, 末梢血液検査で抗セントロメア抗体陽性, 抗SS-A抗体陽性であることから全身性強皮症, シェーグレン症候群を合併していることが考えられた。入院後, IL-2の静注療法をおこなったが無効であり, 初診130日目に永眠した。
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  • 村上 義之, 寺尾 浩, 占部 和敬, 古江 増隆
    60 巻 (1998) 3 号 p. 340-342
    公開日: 2010/10/15
    ジャーナル 認証あり
    16歳の男性。平成8年8月ハワイの海岸でウニに右手掌, 左第3指を刺された。帰国1週間後, 同部の腫脹, 疼痛, 手指の屈曲制限, 右肘リンパ節腫脹, 疼痛のため佐賀県立病院好生館皮膚科を受診した。直視下に多数の棘を抜去し, 抗生物質, 消炎鎮痛剤で約1週間経過を観察した。その後同部に紅色結節が出現したため副腎皮質ホルモン剤内服を短期間併用し, 症状の著明な改善が認められた。受診2ヵ月後右小指球部に1個結節が認められ, sea urchin granulomaの診断で切除をおこなった。病理組織学的には異物肉芽腫の像を呈し, 中から棘が出現した。X線による棘の残存を確認し忘れた反省をこめて同症例を報告する。
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  • 古木 春美, 前川 嘉洋, 進 洋子, 榮 仁子, 高木 一孝, 野上 玲子
    60 巻 (1998) 3 号 p. 343-345
    公開日: 2010/10/15
    ジャーナル 認証あり
    症例は16歳の女性。14歳時からクローン病で治療中であったが, 腹部症状の増悪とともに両前腕·右下腿に浸潤を伴う紅斑が出現した。病理組織学的に, 皮下組織に非乾酪性肉芽腫が認められた。紅斑は腹部症状に対する治療のみで1ヵ月後に消褪した。クローン病は最近増加している疾患で, それに伴いこれまで報告の少なかった皮膚クローン病も増加すると推測される。
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研究
  • 平松 正浩, 清野 みき, 長瀬 彰夫, 新井 達, 向井 秀樹
    60 巻 (1998) 3 号 p. 346-349
    公開日: 2010/10/15
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    難治性または重症のアトピー性皮膚炎患者の治療法として我々は塩水療法をおこなってきたが, これらの使用経験から本療法に止痒効果が期待できた。そこで, この止痒効果の有無を確認する目的で, 同程度の皮疹を有する前腕部を用いて, 塩水と真水で左右比較試験をおこなった。痒みの評価にはvisual analogue scale method(VAS法)を用いた。10段階評価でおこなった治療前の痒みのスコアは5.05±1.53に対し, 治療4週後のスコアは塩水側が2.79±2.35, 真水側が3.90±2.20であった。両者とも治療前に比べ統計学的に有意にスコアは低下したが, 両者間には2週, 4週目ともに明らかな有意差が認められた。さらに本療法は臨床像から急性期の発疹に効果が高く, 慢性化した病巣ほど有効率が低下する傾向がみられた。以上の結果から本療法は洗浄効果に加え止痒効果が期待でき, 痒みのコントロールしにくい急性期の発疹に対して補助療法として試みる価値があると考えた。
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