西日本皮膚科
Online ISSN : 1880-4047
Print ISSN : 0386-9784
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60 巻 , 4 号
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図説
症例
  • 星山 弓恵, 上里 博, 新城 佳代, 青木 武雄, 野中 薫雄
    60 巻 (1998) 4 号 p. 433-437
    公開日: 2010/10/15
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    47歳の女性に発症した寒冷蕁麻疹の1例を報告した。寒冷誘発試験としてice cube testでスクリーニングを施行した。3分間氷を前腕部に接触させた8分後から接触部位に一致して膨疹の出現がみられた。次に誘発温度測定では10°C以下で膨疹の出現がみられた。また, 正常コントロールと自験例において寒冷接触刺激試験と同時にサーモグラフィーによる皮膚温変化を観察した。コントロールでは寒冷刺激後, 皮膚温の上昇はみられなかったが, 自験例では皮膚温の上昇は著明であった。沖縄県は北緯26度, 東経127度に位置し, 亜熱帯に属する。沖縄の日常診療ではなかなか寒冷蕁麻疹に遭遇する機会はなく, 琉球大学医学部附属病院皮膚科外来1988年から1997年における蕁麻疹患者361人中, 寒冷蕁麻疹は8人であった。しかし最近の生活習慣の変化, つまり冷凍食品などが頻用されるようになっていることは, 自験例のような症例があることを留意する必要があると思われる。
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  • 下平 峰子, 後藤 由美子, 成澤 寛, 牧野 一郎, 中村 哲也, 住吉 金次郎
    60 巻 (1998) 4 号 p. 438-441
    公開日: 2010/10/15
    ジャーナル 認証あり
    81歳の男性。初診の数ヵ月前からそう痒性皮疹の出現が認められ, 食欲低下, 全身倦怠感も伴うようになった。初診時, ほぼ全身に潮紅と粃糠様落屑を呈し紅皮症の状態であった。ステロイド内服, 外用をおこなったが, ステロイド減量により皮疹の再燃がみられた。悪性腫瘍の検索で早期胃癌が発見され, 切除後にステロイドを使用することなく皮疹の改善がみられ, 腫瘍性紅皮症と診断した。
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  • 片桐 美之, 安齋 眞一
    60 巻 (1998) 4 号 p. 442-444
    公開日: 2010/10/15
    ジャーナル 認証あり
    症例1: 53歳の男性。門脈血栓症に伴う播種性血管内凝固症候群(DIC)に対し左前腕と左下腿の末梢静脈からメシル酸ガベキサート2000mg/日を9日間持続静注し, 開始3週間後から左大伏在静脈に沿って発赤, 圧痛が出現した。左前腕では数珠状硬結を, 左足関節部·左大腿部では皮膚潰瘍を形成していた。症例2: 64歳の男性。交通事故による外傷性ショック, DICに対し右前腕からFOY®2000mg/日を2日間点滴静注した。3ヵ月後から右前腕内側遠位部に小豆大の潰瘍と皮下トンネルを形成した。自潰排膿し圧痛があった。病理組織所見では皮下の末梢静脈を中心に真皮深層から皮下組織にかけて周囲に広範囲の壊死が認められた。症例3: 72歳の男性。慢性膵炎の急性増悪に対し左下腿からFOY®500mg/日を13日間持続静注した。1週間後左下腿部大伏在静脈周囲に径10×3cmにわたり広範囲の壊死がみられた。病理組織所見では表皮から皮下組織の全層の壊死が認められた。3例とも手術を要した。薬剤性皮膚障害のほとんどは抗癌剤の血管外漏出や直接障害によるものである。しかし, 蛋白分解酵素であるFOY®でも使用法によっては皮膚潰瘍などの重篤な副作用を呈することがある。
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  • 進 洋子, 前川 嘉洋, 村上 詠子, 野上 玲子, 中村 徳志
    60 巻 (1998) 4 号 p. 445-449
    公開日: 2010/10/15
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    ステロイド治療抵抗性のSLE3症例に, フェニルアラニンをリガンドとする免疫吸着法(immunoadsorption plasmapheresis, IAP)を行った。症例1は29歳の女性。ステロイドパルス, パラメタゾン, メソトレキセートなどで治療中に再燃した。手指のlivedo, 潰瘍があり, 抗ss-DNA抗体39.7, 抗ds-DNA抗体15.5, Clq 4.7。プレドニゾロン(PSL)40mg, シクロフォスファミド100mg/日内服でも白血球減少, 発熱が続くため, IAP 2回施行したところ, 抗DNA抗体は陰性化, 白血球は1100から4400, CH50は29.3から45.3へ改善した。症例2は29歳の女性。抗ss-DNA抗体22.8, 抗ds-DNA抗体14.4, 抗カルジオリピンIgG抗体3.2。PSL 40mg/日内服でも低補体価のためIAP 4回施行した。抗ss-DNA抗体が146.8から12.7, 抗ds-DNA抗体が47.2から陰性化, 白血球は4200から7800, CH50は11.6から26.8へ改善した。症例3は23歳の女性。SLEでPSLを漸減し15mg/日で治療中であったが, 手指潰瘍, 関節痛, 発熱, 全身倦怠感出現し抗ds-DNA抗体も陽性となり, PSL 30mg/日に増量後, IAP 2回施行した。抗ss-DNA抗体, 抗ds-DNA抗体とも陰性化, C3は33から44, C4は7から19, CH50は14.1から24.0と改善した。3例ともPSL漸減によるリバウンド現象はみられなかった。副作用として倦怠感, 発熱, 紫斑, 蕁麻疹, 心房細動がみられたが, いずれも一過性であった。以上からIAPは抗DNA抗体·免疫複合体陽性のSLEに有効で安全な治療法と考えられた。
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  • 梅澤 慶紀, 小宅 慎一, 大井 綱郎, 古賀 道之, 橋本 隆
    60 巻 (1998) 4 号 p. 450-453
    公開日: 2010/10/15
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    72歳の男性。水疱性類天疱瘡(BP)の診断でステロイド投与中, メチシリン耐性黄色ブドウ球菌による二次感染, 敗血症を併発した。抗生剤投与により血液培養は陰性化したが, その後も原因不明の発熱, CRP高値が持続した。BPの経過は順調であったが, ステロイド投与を中止したところ, 突然呼吸困難, 咳漱が出現した。血液ガスで低酸素血症を呈しており, 胸部X-Pで両肺野に瀰漫性間質性陰影が認められたことから, 間質性肺炎(IP)と診断した。治療はステロイドパルス療法が奏効した。自験例は, 発熱はみられていたが呼吸器症状に乏しく, 当初はIPの診断を下すのが困難であった。BP経過中にIPを合併することは比較的稀と思われ報告した。
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  • 村上 義之, 永江 祥之介, 今福 信一, 古江 増隆, 入江 康司
    60 巻 (1998) 4 号 p. 454-458
    公開日: 2010/10/15
    ジャーナル 認証あり
    症例は40歳の男性。両下眼瞼の黒色小結節を主訴に佐賀県立病院好生館皮膚科を受診した。四肢·躯幹には扁平疣贅様皮疹, 癜風様皮疹が混在していた。臨床的, 病理組織学的所見から疣贅状表皮発育異常症(epidermodysplasia verruciformis)と診断した。下眼瞼の結節は脂漏性角化症と考え, 液体窒素凍結療法を施行した。他部位に悪性を思わせる皮疹は認められず, 臨床検査成績においても免疫異常を示唆する所見は得られなかった。
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  • 前田 尚子, 利谷 昭人
    60 巻 (1998) 4 号 p. 459-461
    公開日: 2010/10/15
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    60歳の男性。18年前に糖尿病に罹患し, 網膜症, 神経障害の合併も指摘されていたが, 最近数年間は無治療で経過していた。2ヵ月前からとくに誘因なく, 項部から上背部に皮膚硬化と違和感が出現した。初診時, 同部に指圧痕を生じない境界明瞭な板状硬の皮膚硬化性局面が認められた。検査で重症の糖尿病の所見がみられたが, ASO値, 免疫グロブリン, 自己抗体には異常は認められなかった。病理組織学的に真皮は肥厚し, 全層にわたり膠原線維の増生, 走行の乱れ, 離開, 間隙形成が認められた。真皮の中層から下層の膠原線維間, および下床の皮下脂肪組織の隔壁の一部にアルシャンブルー, コロイド鉄で陽性, ヒアルロニダーゼ消化性の沈着物が認められた。本症を糖尿病性浮腫性硬化症と診断し, 早急な糖尿病のコントロールとビタミンE剤の内服療法を施行した。半年を経過したところ, 違和感が軽度改善した。本症での皮膚および皮下脂肪組織の肥厚は, 組織の酸素分圧の低下や高血糖が線維芽細胞の膠原線維, ムコ多糖の産生を促進し, 組織間のムチン沈着をひきおこす結果と考えられている。末梢循環改善作用のあるビタミンE剤が自覚症状の軽減に有効であったことは, 本症の発症に糖尿病による微小血管障害が関与するという推測を支持するものと考えられた。
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  • 石原 秀治, 林原 利朗
    60 巻 (1998) 4 号 p. 462-463
    公開日: 2010/10/15
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    74歳, 男性, 慢性C型肝炎で治療中。臨床症状および尿ポルフィリン体陽性などから晩発性皮膚ポルフィリン症と診断された。遮光の指導, コルチコステロイド外用を行ったが無効であった。ニンジンなど緑黄色野菜を大量に摂取したところ, 著明に改善した。
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  • 伴野 朋裕, 里見 久恵, 立石 毅, 藤澤 裕志, 大塚 藤男
    60 巻 (1998) 4 号 p. 464-466
    公開日: 2010/10/15
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    14歳男子に認められた比較的発症頻度が稀な頚部軟骨母斑の1例を報告した。初診時, 頚部左側の胸鎖関節やや上方に乳頭状に隆起する結節がみられた。結節を切除したところ, 皮下の軟骨様硬結が胸鎖関節方向に伸びていた。病理組織像で弾性軟骨と多数の毛包および脂腺が認められ, 本症を軟骨母斑と診断した。軟骨の近傍にはPacini小体や神経線維が観察された。これらの病理組織学的所見は正常の耳介に類似しており, 頚部軟骨母斑の発生由来を考えるうえで重要であると思われる。
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  • 安齋 眞一, 前田 邦彦, 松田 幹夫
    60 巻 (1998) 4 号 p. 467-470
    公開日: 2010/10/15
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    症例は64歳男性。初診2年前から右前胸部に腫瘍が認められたが, 数ヵ月前から急速に増大した。初診時胸部右側に9×8×4cmのドーム状隆起性, 表面皮膚色·平滑で毛細管拡張を伴う腫瘍がみられた。病理組織学的には紡錘形細胞が多くの部分で花むしろ状に増殖し, 間質に粘液性変化を伴った隆起性皮膚線維肉腫の像と思われた。免疫組織化学的にも腫瘍細胞はCD34陽性·第XIII因子陰性からその診断は支持された。臨床的にも, 病理組織学的にも明らかな被膜を形成した巨大ドーム状の隆起性皮膚線維肉腫は稀と考え報告した。
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  • 村上 義之, 占部 和敬, 古江 増隆, 入江 康司
    60 巻 (1998) 4 号 p. 471-475
    公開日: 2010/10/15
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    躯幹, 左上腕に多発性皮膚腫瘤を呈した原発性皮膚B細胞性リンパ腫の75歳女性例を報告した。表在リンパ節は触知できず, 画像検査でもリンパ節腫脹, 他臓器病変は認められなかった。皮膚病理組織像では真皮内に大型の異型リンパ球様細胞の瀰漫性浸潤が認められた。免疫組織化学染色ではT細胞系マーカーは陰性で, CD19(+), CD20(+), sIg; κであり, Southern blottingでimmunoglobulin JH geneの再構成が確認された。皮膚B細胞性リンパ腫, diffuse large cell typeと診断し, THP-COPを4クールと局所電子線30Gyを照射した。初治療後1年2ヵ月, 臨床的にも検査上も再発は認められていない。
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  • 小林 順一, 安元 慎一郎, 桐生 美麿, 古江 増隆
    60 巻 (1998) 4 号 p. 476-478
    公開日: 2010/10/15
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    73歳の男性。左上腕, 腹部左側, 胸部右側および腹部右側の多発性Bowen病, 四肢の脂漏性角化症様病変(砒素角化症), 全身の色素沈着と点状白斑が認められた1例を報告した。血液および毛髪中に砒素は検出されなかった。問診上職業性の砒素曝露により生じたと考えられた。
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  • 山本 克志, 山崎 研志, 田川 一夫, 籏持 淳, 新海 浤, 嶋田 久
    60 巻 (1998) 4 号 p. 479-482
    公開日: 2010/10/15
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    70歳の女性。初診の約2年前から右第5指の茶褐色斑と消長を繰り返す青黒色皮下腫瘤に気づいていた。千葉大学医学部皮膚科入院後も皮下腫瘤の色調は増強し, その後消退傾向を示した。Acral lentiginous melanoma (ALM) stage IIIと診断し, 拡大腫瘍切除術とリンパ節郭清術を施行した。消長を繰り返した皮下腫瘤は衛星病巣であった。
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  • 川内 麻美子, 清水 昭彦, 古賀 哲也, 利谷 昭治
    60 巻 (1998) 4 号 p. 483-486
    公開日: 2010/10/15
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    59歳の男性。1996年12月初旬から全身の痒みがあり, その後全身に紅色皮疹が認められた。翌年1月初旬から全身倦怠感を自覚し, 38度台の発熱がみられ, 頚部, 鼠径, 両腋窩リンパ節が腫脹し, 顔面, 頚部, 躯幹, 四肢に紅斑が認められた。皮膚の病理組織像では, 真皮に血管周囲性炎症性細胞浸潤がみられ, 一部異型リンパ球が表皮内に浸潤していた。リンパ節生検では基本構造が消失しており, 小血管の増生, 大型や中型で不規則, 核の濃染したリンパ球様細胞の増生, 核分裂像がみられ, またTCRβ鎖遺伝子の再構成が認められたためangioimmunoblastic T-cell lymphoma(AILD)と診断した。骨髄浸潤も認められた。化学療法(ADM, CPM, VP-16, PSL)を8クール施行し, 1997年12月現在経過良好である。皮疹はステロイド外用剤が著効を呈し非特異疹と考えた。
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  • 小寺 華子, 後藤 由美子, 三砂 範幸, 成澤 寛
    60 巻 (1998) 4 号 p. 487-490
    公開日: 2010/10/15
    ジャーナル 認証あり
    69歳の男性にみられたエビプロスタットによる薬疹の1例を報告した。臨床的には躯幹·四肢に小紅斑が散在し, 前胸部·腹部·鼠径部·肘窩部などの間擦部には左右対称性に紅斑·縻爛·丘疹からなる湿疹の局面が認められた。病理組織学的にはeczematous tissue reactionを呈していた。内服試験では, エビプロスタット内服半日後には躯幹·四肢にそう痒を伴う明らかな小丘疹の出現が認められ, 陽性と診断した。エビプロスタットによる薬疹例の報告は少なく, また湿疹型としては第1例と思われた。
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  • 平島 徳幸, 萱場 光治, 井上 卓也, 成澤 寛, 阪本 雄一郎
    60 巻 (1998) 4 号 p. 491-493
    公開日: 2010/10/15
    ジャーナル 認証あり
    患者は63歳の女性。平成9年2月に乳癌の治療のために術前療法として塩酸ドキソルビシンの患部支配動脈領域への動脈内注入療法を3回にわたり施行した。初回投与直後から動注部位に一致した紅斑と疼痛が認められ, 2回目以降も同様の症状が観察された。病変部位の皮膚生検組織では, 基底細胞の空胞変性が特徴的であったが, 真皮内の炎症性細胞浸潤はほとんど認められなかった。塩酸ドキソルビシンによる皮膚障害と診断したが, 潰瘍化することなく著明な色素沈着を残して軽快した。
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  • 清水 千博, 花川 博義, 大槻 典男
    60 巻 (1998) 4 号 p. 494-497
    公開日: 2010/10/15
    ジャーナル 認証あり
    64歳の男性に生じた扁平苔癬型薬疹の1例を報告した。躯幹·四肢に生じた痒疹に対し, 塩酸ホモクロルシクリジン(ホモクロミン®), 塩酸エピナスチン(アレジオン®)を内服し, その約1ヵ月後から扁平隆起性紅斑が躯幹·四肢に多発した。その後も内服を続け, 内服2ヵ月後に舞鶴共済病院皮膚科を受診した。主に躯幹·四肢伸側に扁平隆起性紅斑が多発し, 発熱·全身倦怠·食欲不振のほか末梢血好酸球増多, 中等度肝障害も認められた。上記2剤の中止·ステロイド外用により1ヵ月で皮疹は消退し肝機能も正常化した。両薬剤ともパッチテストは陰性, スクラッチパッチテストは陽性であった。リンパ球幼若化試験は, 塩酸エピナスチンが陽性, 塩酸ホモクロルシクリジンは陰性であった。内服誘発テストでは両薬剤とも, 1/10錠で紅色丘疹が新生し, 塩酸ホモクロルシクリジン1錠内服2日後には肝酵素上昇も認められた。以上から扁平苔癬型薬疹および薬剤性肝障害の原因として上記2剤が考えられた。
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  • 一宮 誠, 廣田 徹, 山本 浩一朗, 武藤 正彦
    60 巻 (1998) 4 号 p. 498-500
    公開日: 2010/10/15
    ジャーナル 認証あり
    19歳の女性。平成7年5月26日朝に水銀体温計を破損し, 机の上に水銀粒が散布したが放置していた。同日夕方頃には全身倦怠感, 微熱, 吐き気があり, 次いで手背, 肘窩, 膝窩にそう痒性紅色皮疹が出現した。翌日, 皮疹は頚部, 躯幹など全身に拡大してきた。2日後, 治療目的で山口大学医学部附属病院皮膚科に入院となった。プレドニゾロン20mg/dayおよびベタメサゾン軟膏外用で治療を開始した。治療開始2日目から解熱し, 全身倦怠感は軽快した。紅斑は12日後には色素沈着となった。パッチテストにおいて, 0.05%塩化第二水銀では陽性, チメロサールは陰性であった。以上の所見から水銀による全身性接触皮膚炎と診断した。
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  • 伊藤 嘉恭, 渡辺 泰弘, 大倉 隆昭, 知識 稔, 井上 裕悦, 榎本 韻代, 吉永 英司, 石橋 明
    60 巻 (1998) 4 号 p. 501-505
    公開日: 2010/10/15
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    脂肪腫8例, 頬部粉瘤3例, 前額部骨腫1例, 頚部リンパ節摘出1例, 女性化乳房1例, tissue expander挿入1例, 顔面片側萎縮症における頬部皮下剥離1例, 計16例に対し内視鏡下皮下剥離を利用した手術をおこなった。切開線を目的剥離部上に, あるいはこれより離れた部位に置いて鏡視下に皮下剥離をおこなった。全ての症例で合併症もなく良好な結果を得た。手術の侵襲を低める, あるいは露出部に瘢痕を残さないことが可能で, これが望まれる症例に対しては極めて有効な術式であると思われた。
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研究
  • 王 黎曼, 王 建中, 蘇 素玉, 王 卓浩, 李 佩華, 佐藤 真夏, 木村 彰方, 峰下 哲
    60 巻 (1998) 4 号 p. 506-509
    公開日: 2010/10/15
    ジャーナル 認証あり
    中国南方地区におけるハンセン病についてWHO-MDT分類にしたがって本病の病型とHLAとの関連を検討した。中国広東省潮汕地区における72名のハンセン病患者(多菌型51名, 少菌型21名)と, 対照としての健康人267人について血清学的にHLA-A, -B, -CおよびHLA-DR, -DQ(患者のみ)のタイピングをおこなった。HLA-DR対立遺伝子はPCR-SSCP法を用いて検索した。その結果, HLA-B54, -B57の頻度は患者群では17.6%, 31.9%であり, 対照群の4.9%, 21.1%と比べて有意に増加していた(P<0.05)。HLA-B46, -Cw1の頻度は患者群ではおのおの4.1%, 22.5%で, 対照群の25.8%, 39.7%と比べて有意に減少していた(P<0.05)。またHLA-DR2の頻度は中国南方人群における頻度と比較して高い傾向がみられたが, 統計学的には有意差は認められなかった。HLA-DR2の対立遺伝子のDRB1の表現頻度には対照群との有意差は認められなかった。本研究によって, 中国南方地区のハンセン病とHLA-B54, -B46などのHLAクラスIとの関連性が示唆された。
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  • 渡邊 泰弘, 秋山 酉, 森本 浩吉, 木村 瑞穂, 比留間 政太郎, 石橋 明, 川田 暁
    60 巻 (1998) 4 号 p. 510-513
    公開日: 2010/10/15
    ジャーナル 認証あり
    光線テストにより多形日光疹と診断した4例について, 原発疹と誘発疹を病理組織学的および免疫組織化学的に検討した。全例ともUVBの最少紅斑量(minimal erythema dose: MED)は正常で, UVAに対する異常反応は認められなかった。UVBの2MED量の反復照射により皮疹が誘発された。真皮血管周囲のリンパ球の稠密な浸潤は全例の原発疹と誘発疹に, 表皮基底層の液状変性は原発疹の全例と誘発疹の4例中3例にみられた。また一部の症例では海綿状態もみられた。原発疹, 誘発疹とも真皮の浸潤細胞はほとんどがT細胞で, いずれにおいてもCD4+細胞がCD8+細胞に対して優位であった。HLA-DR+細胞は真皮内に多数認められたが, Langerhans cellは真皮内に少数みられた。ICAM-1は原発疹, 誘発疹とも約半数で血管内皮細胞に陽性であった。一部の症例では, 表皮細胞の一部にもICAM-1が陽性であった。以上の病理·免疫組織化学所見から, 本症の本態が遅延型過敏反応であることが示唆された。
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講座
統計
  • 西岡 和恵, 瀬口 得二, 村田 雅子, 石川 武人
    60 巻 (1998) 4 号 p. 520-523
    公開日: 2010/10/15
    ジャーナル 認証あり
    平成3年7月から平成8年12月までの5年6ヵ月間に山口赤十字病院皮膚科で薬疹と診断した症例のうち, 原因薬剤が再投与試験, 皮膚反応, DLSTのうちの1種類以上の方法で確認できた確実例について検討した。薬疹と診断した全症例は121例あり, うち65例が確実例であった。このうち多剤に反応を示した例が2例あり, 皮疹型, 原因薬剤および皮膚反応陽性例の検討に際してののべ症例数は68例となった。皮疹型では播種状紅斑型が37例と最も多く, ついで蕁麻疹型が8例, 紅皮症型および固定疹型が各7例, 光線過敏症型4例, その他5例であり, また原因薬剤としては, カルバマゼピン6例(播種状紅斑型および紅皮症型), アモキシシリン(播種状紅斑型および紅皮症型)およびアリルイソプロピルアセチル尿素(固定疹型)各5例が多かった。確実例のうち, 再投与試験施行例は68例中42例(61.8%)であり, 皮膚反応の陽性例は63例中34例(54.0%)であった。
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治療
  • 中山 樹一郎, 古江 増隆
    60 巻 (1998) 4 号 p. 524-528
    公開日: 2010/10/15
    ジャーナル 認証あり
    1歳から15歳までの小児アトピー性皮膚炎患者14例を対象として酪酸プロピオン酸ベタメサゾン(アンテベート®軟膏)外用の臨床効果と副腎皮質機能への影響について検討した。塗布面積の平均は約4250cm2, 塗布面積の割合は35.6%であった。アンテベート®軟膏の使用状況は, 総使用量が約32.0g, 平均外用期間は26.1日, 1日当たりの平均使用量は1.2gであった。臨床効果は14例中12例が著しく軽快以上と極めて有効であった。各観察日における血漿ACTH, 血清コルチゾール, 尿中17-OHCS値は個々の症例では治療開始2週後に一過性の低下がみられるものが散見されたが, 全体として統計学的に有意の変動はみられなかった。従ってアンテベート®軟膏4週間外用では小児アトピー性皮膚炎患者の副腎皮質機能への影響はほぼないと結論された。
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  • 三木 吉治, 新盛 英世, 荒瀬 誠治, 加藤 昭二, 高岩 堯, 沼原 利彦, 小玉 肇, 安田 佳世
    60 巻 (1998) 4 号 p. 529-536
    公開日: 2010/10/15
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    乾癬に対する経口治療薬であるエトレチナートからシクロスポリンへの切替え療法の有効性と安全性を検討した。試験期間は最長20週とし, 乾癬患者にシクロスポリン2.5∼5mg/kg/日の投与をおこなった。総症例17例中エトレチナートからの切替え理由として, 無効または効果不十分が12例(70.6%)であった。シクロスポリン投与量は, 切替え時で平均2.6mg/kg/日, 最大投与量は平均3.2mg/kg/日で, 試験開始時に平均20.7であったPASIスコアが, シクロスポリン投与により4週後には平均10.0と有意な改善がみられた。寛解が得られた12週以降の平均投与量は2.7mg/kg/日で, シクロスポリン療法における寛解維持用量の目安になるものと考えられた。全般改善度は「著明改善」が得られた症例は9例(52.9%), また, 有用度では「極めて有用」の症例が8例(47.1%)であった。一方, 副作用発現症例率が41.2%(7/17例, 12件)と高い傾向を示したが, 内容は高血圧, 総ビリルビン上昇などいずれも軽度のもので, 投与量の漸減および中止により軽快した。以上からシクロスポリンはエトレチナートに抵抗性の症例に対しても高い有効性を示し, 有用な治療法であると考えられた。
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  • リノール酸配合外用剤臨床研究班
    60 巻 (1998) 4 号 p. 537-542
    公開日: 2010/10/15
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    リノール酸配合ジェル製剤を肝斑の被験者54例に1日2回適用した。被験者は全て女性を対象とし, 年齢は23∼79歳で, 平均年齢は47.7歳であった。使用期間は, 6ヵ月間が51例, 4ヵ月間3例であった。試験成績は, 「極めて有用」7例, 「有用」21例, 「やや有用」20例, 「どちらともいえない」6例, 「好ましくない」0例となり, 有用率は「やや有用」以上で88.9%, 「有用」以上で51.9%となった。全般改善度において「やや改善」以上の改善率は1ヵ月後24.0%, 2ヵ月後52.8%, 4ヵ月後83.0%, 6ヵ月後88.2%であった。副作用は全例において認められなかった。リノール酸配合外用剤は, 肝斑に対し有効かつ安全性の高い製剤であると考えられた。
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  • 飯田 利博, 森 弥生, 西山 千秋
    60 巻 (1998) 4 号 p. 543-548
    公開日: 2010/10/15
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    爪白癬患者に対して従来から行われているイトラコナゾール内服療法を連続投与群と間欠(パルス)投与群とに分け, それぞれ3ヵ月間治療をおこない比較検討した。同時に爪と血漿中のイトラコナゾール濃度を経時的に測定した。その結果, 爪白癬治療終了後3ヵ月の総合判定では, 爪中イトラコナゾール値の上昇に伴い改善が認められ, 連続と間欠両群ともに有用以上となり, 差はなかった。一方, 本剤3ヵ月間内服のみで, 6ヵ月後でも爪中濃度が高く保たれるとの報告からこれらの治療を試みたが, 治療中止後3ヵ月で両群ともに再発する症例が少数認められた。これらの再発例に対する治療効果や本剤使用の安全性などを考え合わせると間欠投与法の方がより有用と考えた。
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  • 津田 英隆, 滝脇 弘嗣, 荒瀬 誠治, 池澤 善郎, 大沼 すみ
    60 巻 (1998) 4 号 p. 549-551
    公開日: 2010/10/15
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    ハンディタイプのクライオスプレー器具CRY-AC®-3を用いて皮膚疾患60例(ウイルス性疣贅40例, 脂漏性角化症12例, 血管拡張性肉芽腫4例, 日光角化症2例, 表皮母斑1例, 粘液嚢腫1例)の治療をおこない, その有用性を検討した。最終改善度は著明改善80%, 軽度改善18%, 変化なし2%, 概括安全度は安全75%, ほぼ安全25%, 安全でない0%, 有用度はきわめて有用80%, やや有用18%, 有用でない2%であった。隆起した大きな病変は従来の綿球法による冷凍療法では効果を得るのに難渋したが, 本法ではより有効と思えた。これまで本邦で利用しえたcryosurgery用の機械は比較的大型, 高価で手軽に利用しにくかったがCRY-AC®-3は小型軽量で持ち運びにも便利であり施術も簡単である。本器具は液体窒素綿球法の手軽さとスプレー法の確実性の高い効能を兼ね備えた優れた機器であると考えられた。
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  • 穂積 秀樹, 溝口 志真子, 三好 逸男, 神崎 保
    60 巻 (1998) 4 号 p. 552-556
    公開日: 2010/10/15
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    アトピー性皮膚炎および乾燥肌の計34症例を対象に優れた洗浄力と低刺激性および保湿性を目標に開発されたピアベルピアクリームソープ®を用い, 原則として1日2回, 4週間洗浄させ, 被験者による主観的評価医師による客観的評価をおこない, 有用性を検討した。その結果, 治療補助効果, 主観的評価, 安全度を総合した有用性では有用以上が乾燥肌で21例中10例(47.6%), アトピー性皮膚炎で13例中4例(30.8%), やや有用以上が乾燥肌で21例中17例(81.0%), アトピー性皮膚炎では13例中10例(76.9%)であった。概括安全度ではほぼ安全以上が91.2%であった。副作用は2例で尋常性ざ瘡と思われる充実性の丘疹が認められたのみであった。以上から本クリームソープは乾燥肌およびアトピー性皮膚炎のスキンケアに適し, 非常に有用と考えられた。
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