徳島大学医学部皮膚科と関連5施設で湿疹·皮膚炎群の患者30名にアンテベート
®軟膏(一般名: 酪酸プロピオン酸べタメサゾン)の外用を最長4週間行い, 臨床効果と再燃抑制効果について検討した。まずアンテベート
®軟膏を1∼4週間単純塗布し臨床効果を評価し(評価症例30例), この間に寛解に至った症例では, 寛解と判定した日より白色ワセリン塗布による維持療法に移行し, 皮疹の再燃がみられた時点で治験を終了した(有効評価症例数25例)。30例の全般改善度は著明改善70.0%, 改善23.3%, やや改善6.7%であった。維持療法移行症例中, 10例に再燃がみられたが, 15例では再燃なしで経過した。疾患別では, 慢性湿疹が最も再燃が少なく, 約33.3%の再燃率であった。寛解導入に要したアンテベート
®軟膏の投与期間は, 再燃あり群では平均18.8日, 再燃なし群では平均21.1日であった。再燃なし群では, 白色ワセリンに切り替えた後, 平均26.1日で再燃したが, 再燃あり群は平均14.2日で再燃し, そう痒が再燃の良い指標となった。慢性の湿疹·皮膚炎群では約3週間外用すれば, 以後は白色ワセリンのみでも約2週間は再燃がなく, 半数以上の例では約4週間再燃がなかった。中等症までの湿疹·皮膚炎群ではアンテベート
®軟膏で皮疹の寛解が縛られた後, 白色ワセリンのみでもかなりの期間再燃が抑制されうる事が判明した。
抄録全体を表示