西日本皮膚科
Online ISSN : 1880-4047
Print ISSN : 0386-9784
61 巻 , 6 号
選択された号の論文の24件中1~24を表示しています
図説
綜説
症例
  • 角田 寿之, 籏持 淳, 新海 浤
    1999 年 61 巻 6 号 p. 719-721
    発行日: 1999/12/01
    公開日: 2010/10/14
    ジャーナル 認証あり
    25歳の男性。幼少時に喘息とアトピー性皮膚炎の既往があり, 両下肢の浸潤性紅斑と著明な両側の鼠径リンパ節腫脹が出現。末梢血好酸球数は3060/mm3と高値で, 病理組織学的に真皮膠原線維間, リンパ節内に著明な好酸球の浸潤を認めた。自験例は好酸球性肉芽腫性血管炎やリンパ腫を鑑別後, hypereosinophilic syndromeと診断した。ステロイド全身投与により, 末梢血好酸球数は減少し, 皮疹およびリンパ節腫脹も消退した。
  • 三浦 由宏, 田中 達朗, 凌 太郎, 萱場 光治, 成澤 寛
    1999 年 61 巻 6 号 p. 722-725
    発行日: 1999/12/01
    公開日: 2010/10/14
    ジャーナル 認証あり
    症例は75歳の男性。両側膝関節から下腿伸側の浸潤性紅斑のほか, 両足底に多発性の出血性丘疹·血疱と両前腕伸側に直径約5cm, 弾性硬の皮下腫瘤を呈していた。病理組織所見にていずれの皮疹もleukocytoclastic vasculitisを示し, 持久性隆起性紅斑と診断した。前腕伸側の皮下腫瘤はリウマチ因子陽性のため, リウマチ結節との鑑別を要したが, 生検組織及び骨X線像より本症の皮疹と考えた。また, 胸部X-Pにて両側肺野に間質性肺炎を認めた。DDSによる治療を開始したところ, 前腕部皮下結節を含むすべての皮疹の著明な改善とともに咳嗽, 喀痰などの呼吸器症状も改善した。持久性隆起性紅斑は多彩な臨床像を呈するが, 本邦における皮下腫瘤の報告例は無いため報告した。
  • 山口 隆広, 渡邊 亜紀, 久保田 由美子, 古賀 哲也, 中山 樹一郎
    1999 年 61 巻 6 号 p. 726-730
    発行日: 1999/12/01
    公開日: 2010/10/14
    ジャーナル 認証あり
    53歳の女性。1997年12月, 両膝に腫脹·疼痛, 右前腕に板状の皮下硬結が出現。1998年1月, 左前腕, 両下腿にも板状の皮下硬結が出現。2月, 37℃台の微熱が出現。4月8日当科紹介受診。血清ACE·リゾチーム高値, CRP陽性, ツベリクリン反応陰性。胸部X線検査: 両側肺門リンパ節腫脹なし。胸部CT: 傍大動脈リンパ節腫脹。Gaシンチで両眼窩, 両側耳下腺, 両側肺門, 縦隔, 両前腕, 両膝, 左鼠径などに異常集積を認めた。前腕皮下硬結部の生検で類上皮細胞肉芽種を認めサルコイドーシスと診断。以後, 他臓器病変が認められないため積極的な治療は行わず経過観察を行い7月中旬より両前腕, 両下腿とも皮下硬結は縮小傾向を示し, 12月には四肢の皮下硬結はほぼ消失した。
  • 石川 牧子, 宋 寅傑, 末木 博彦, 飯島 正文, 林 健, 湧川 基史
    1999 年 61 巻 6 号 p. 731-736
    発行日: 1999/12/01
    公開日: 2010/10/14
    ジャーナル 認証あり
    心臓カテーテル(以下心カテ)操作に伴うX線照射により生じた慢性放射線皮膚炎の2例を経験し, retrospectiveに総X線照射量を算出し得たので報告する。症例1: 60歳の女性。1997年2月から3月, 心筋梗塞にて昭和大学病院(以下当院)内科に入院。Coronary angiography (CAG), percutaneous transluminal coronary angioplasty (PTCA) のため胸背部右側にX線照射を受けた。4月右乳房下と中背部右側に紅斑が出現したため当科を受診。固定薬疹を疑い, 薬剤貼布試験を施行したが陰性。1998年1月右乳房下に硬結が出現。乳癌を疑い生検したが, 病理組織学的には真皮と皮下組織の著明な線維化のみであった。当科の初診から約1年後, CAG 3回, PTCA 2回計58.5GyのX線照射歴が確認され本症と診断。症例2: 68歳の女性。不安定狭心症にて1995年2月当院内科に入院。3月右乳房下に紅斑が出現。近医皮膚科にて固定薬疹を疑われた。1997年2月右乳房下に硬結が出現し潰瘍化。本人が乳癌を疑い他院を受診。1995年から1996年にCAG 4回, PTCA 3回計45.5GyのX線照射歴が判明し本症と診断された。1998年7月治療を希望し当科を受診。心カテに伴う放射線皮膚炎にはこれまで関心が払われておらず, 大量のX線照射が行われていたが, 現在では各施設で線量の自主的な規制が行われている。
  • 藤井 俊樹, 木根渕 智子, 竹田 公英, 柳原 誠, 石崎 宏, 高田 充彦
    1999 年 61 巻 6 号 p. 737-740
    発行日: 1999/12/01
    公開日: 2010/10/14
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    12歳の男児。足底に生じた若年性黄色肉芽腫の1例を報告した。病理組織学的には組織球が主体で, その他, 泡沫細胞, 多核巨細胞およびリンパ球を認めた。免疫組織化学染色では, 組織球, 泡沫細胞, 多核巨細胞はビメンチン陽性, 抗CD68抗体が陽性, S-100蛋白は陰性の所見を示した。自験例を含む本邦の本症の単発例127例について検討した。その結果, 1)発症時期は乳児期と青年期の二峰性をとる, 2)腫瘍出現後, 約2ヵ月間は急速に増大し, それ以後の増大する速度は弱まることが推察される, 3)発症部位では顔面, 頭部例が半数を占めた。足の例は7例で, そのうち足蹠の例は自験例を含めて3例のみである, などの臨床的特徴が明らかとなった。
  • 中村 えり子, 新澤 みどり, 戸村 敦子, 富田 靖
    1999 年 61 巻 6 号 p. 741-743
    発行日: 1999/12/01
    公開日: 2010/10/14
    ジャーナル 認証あり
    先天性アンチトロンビンIII(AT III)欠損症により下肢深部静脈閉塞, 肝外門脈閉塞, 脳血管閉塞を生じた1例を報告した。症例は26歳の男性。12歳で虫垂切除術をした直後, 両下肢血栓性静脈炎を生じた。20歳で両下腿に潰瘍が出現し, 両下肢深部静脈閉塞と門脈本幹の閉塞を認めた。6年後, 食道静脈瘤と脾臓の腫大が生じた。家族性にAT IIIの抗原濃度, 活性のいずれも低下しており, 先天性AT III欠損症と診断。局所の治療と抗凝固療法, 抗血小板療法で下腿潰瘍は改善した。しかし食道静脈瘤の硬化療法後, 抗凝固療法を中止せざるを得ず, その間に出血性脳梗塞を発症した。改善後は再び抗凝固療法を再開し, そのコントロールにAT III活性, TATの検査値が有用であった。
  • 吉井 典子, 谷 暁子, 武田 浩一郎, 下舞 浩二, 島田 英彦, 瀬戸山 充, 神崎 保, 川原 元司, 井畔 能文, 森山 由紀則, ...
    1999 年 61 巻 6 号 p. 744-747
    発行日: 1999/12/01
    公開日: 2010/10/14
    ジャーナル 認証あり
    症例は67歳の男性。約8年前に気づいた黒色の左鼠径部の皮疹が徐々に拡大, 潰瘍化してきたため, 1998年鹿児島大学病院皮膚科外来を受診した。潰瘍は24cm×9.5cmと下腹部ほぼ全体を占め, 潰瘍底には鼠径動脈が露出していた。また陰茎皮膚は象皮症を呈し, 排尿困難があった。潰瘍辺縁より行った皮膚生検で基底細胞癌の診断を得た。入院後に行った全身検索では他臓器への転移は見られなかった。露出動脈からの出血や陰茎の象皮症に対し, 血管置換術, 陰茎切断術及び尿路変更術を行った。潰瘍部には放射線療法及び植皮術を行い癌は完治した。
  • 具志 明代, 武内 出穂, 大竹 直樹, 瀬戸山 充, 神崎 保, 宇宿 一成
    1999 年 61 巻 6 号 p. 748-750
    発行日: 1999/12/01
    公開日: 2010/10/14
    ジャーナル 認証あり
    68歳の男性。2歳時に後頭部に熱傷受傷し, 64年後小結節が出現, 潰瘍化した。病理組織学的には好塩基性で異型性のある腫瘍細胞が2層性の管腔様構造を呈し, carcinoembryonic antigen(CEA)染色で陽性であった。以上の病理組織学的所見より本症は熱傷瘢痕から発生したeccrine adenocarcinomaであると診断した。熱傷瘢痕から発生した扁平上皮癌として報告されている症例の中には付属器への分化を示すものも含まれているのではないかと考えられた。そこで, 鹿児島大学医学部附属病院皮膚科にて経験した過去15年(1982年∼1997年)の熱傷瘢痕癌を病理組織学的に再検討したところ, 11例中3例が皮膚付属器への分化を示す癌であった。
  • 石田 敏子, 大村 明子, 武藤 正彦, 中野 純二, 加藤 祥一
    1999 年 61 巻 6 号 p. 751-754
    発行日: 1999/12/01
    公開日: 2010/10/14
    ジャーナル 認証あり
    血管内塞栓術を施行したcirsoid angiomaの47歳の男性例を報告した。初診の約5年前に左下顎部に紅色丘疹が生じ, 6ヵ月前にはその下方に皮下腫瘤が生じた。いずれも拍動, 血管雑音を伴っていた。生検にて真皮全層に小動脈様血管と小静脈様血管の増生がみられた。血管造影で皮疹の分布に一致する腫瘍血管網と, それに流入する顔面動脈を確認。Cirsoid angiomaと診断し, polyvinyl alcoholを用いて血管内塞栓術を施行した後に腫瘍を摘出した。摘出組織では, 真皮深層の中動脈様血管には塞栓および血栓が形成されていたが, 血管壁の変性像は認められなかった。
  • 濱田 学, 桐生 美麿, 古江 増隆, 徳永 三千子, 堀 嘉昭, 恒吉 正澄
    1999 年 61 巻 6 号 p. 755-759
    発行日: 1999/12/01
    公開日: 2010/10/14
    ジャーナル 認証あり
    21歳の男性。左臀部に生じたneurothekeomaの1例を経験した。5年前から左臀部に腫瘤を生じ, 次第に増大し, 4×3cmの不整形の硬い腫瘤となった。病理組織学的には真皮から皮下組織にかけて境界明瞭な多結節状の病変が認められ, 豊富な粘液腫様基質の中に紡錘形から星芒状の腫瘍細胞の疎な分布がみられる部分と, 紡錘形細胞の密な増殖のみられる部分との2種類から成っていた。免疫組織学的には, 粘液腫様の部分及び細胞密度の高い部分のいずれにおいても構成する腫瘍細胞はS-100蛋白陽性, NSE陽性を示した。Neurothekeomaが頭頚部や上肢以外に認められることは少なく, 躯幹に生じた例は海外を含めても数例にすぎない。
  • 廣川 久忠, 力久 航, 山元 修, 末永 義則, 旭 正一
    1999 年 61 巻 6 号 p. 760-762
    発行日: 1999/12/01
    公開日: 2010/10/14
    ジャーナル 認証あり
    61歳の男性。左乳輪下部に境界明瞭でわずかに浸潤を触れる鮮紅色局面が存在。生検にて表皮内に淡明な胞体を有するPaget細胞が散在性あるいは集簇性に認められ, 手術標本にて乳管内および真皮内にも同様の異型細胞が認められた。病理組織学的に浸潤性乳管癌が確認できた乳房Paget病の男性例を報告した。
  • 中房 淳司, 小寺 華子, 萱場 光治, 田中 達朗, 成澤 寛
    1999 年 61 巻 6 号 p. 763-766
    発行日: 1999/12/01
    公開日: 2010/10/14
    ジャーナル 認証あり
    Vibrio vulnificus感染症にて死亡した66歳男性例を報告した。15年前に肝硬変と診断。当科初診前日に生クラゲを食べ, 左足の激痛と腫脹にて発症。初診後早期から抗生剤投与, デブリードマンにもかかわらず, 入院4日目に急激な血圧低下を来たし死亡した。初診時に発熱および局所熱感はなくWBC 8300/μl, CRP 4.33mg/dlと重症感染症を疑わせる所見に乏しいものの, CPK 1328IU/lと上昇が認められ, 皮膚および血液からVibrio vulnificusが検出され, 本症と診断した。皮膚感染症においてCPK値測定は鑑別診断の観点より非常に有用であり, 最近12年間の文献報告19例と当科経験6例をあわせて考察を加え, 一般外来診療におけるCPK値の意義を強調した。
  • 笹岡 健哉, 岡田 茂, 片山 一朗
    1999 年 61 巻 6 号 p. 767-769
    発行日: 1999/12/01
    公開日: 2010/10/14
    ジャーナル 認証あり
    60歳の女性。扁桃炎の治療のため塩酸チアラミドを含む数種の薬を服用したところ約15分後より全身の膨疹, 呼吸困難, 意識低下が出現し, 特に治療せずに軽快した。10ヵ月後, 再度扁桃炎の治療のため塩酸チアラミドを含む数種の薬を服用したところ直後より全身の膨疹, 呼吸困難が出現しステロイド点滴投与にて軽快した。入院後原因薬, 安全薬の確認のためオープンパッチテスト, スクラッチテスト, 内服テストを行った。結果は塩酸チアラミドのオープンパッチテストにて膨疹が出現し, 他の薬剤では反応がみられなかった事より原因薬剤は塩酸チアラミドと考えた。負荷から発症までの時間が短縮していった点, オープンパッチテストで陽性であった点よりI型アレルギーによる機序を考えた。また, 過去の症例を検討したところ塩基性消炎鎮痛剤の塩酸チアラミドによる薬疹は酸性消炎鎮痛剤に比べ非常に稀であった。
研究
  • 皆川 洋子
    1999 年 61 巻 6 号 p. 770-774
    発行日: 1999/12/01
    公開日: 2010/10/14
    ジャーナル 認証あり
    Acyclovir(ACV)耐性単純ヘルペスウイルス2型(HSV-2)を経皮的に感染させたマウスを用いて, vidarabineクリームの効果をvidarabine軟膏およびクリーム基剤(placebo)と比較検討した。HSV-2側腹部皮内接種マウスにおいて, vidarabineクリームを塗布した群は, 対照群(薬剤非投与群およびクリーム基剤を塗布した群)と比較して, 死亡率に有意な低下がみられた。また, vidarabineクリーム群およびvidarabine軟膏群は, 対照群と比較して生存期問の有意な延長が認められた。一方, vidarabineクリーム群とvidarabine軟膏群の間には, 死亡率, 生存期間および帯状皮疹形成率のいずれにおいても有意な差は認められなかった。なお, 薬剤非投与群とクリーム基剤群の間には, 死亡率, 生存期間および帯状皮疹形成率のいずれにおいても有意な差は認められなかった。以上の結果から, ACV耐性HSV-2の経皮的感染マウス実験系において, vidarabineクリームには, vidarabine軟膏と同等の効果があると結論された。
講座
治療
  • 竹内 誠, 杉浦 啓二, 上田 宏, 伊藤 篤, 大谷 道広
    1999 年 61 巻 6 号 p. 781-785
    発行日: 1999/12/01
    公開日: 2010/10/14
    ジャーナル 認証あり
    アトピー性皮膚炎患者にフマル酸エメダスチン(ダレン®)を8週間以上投薬し, 有効性, 安全性, 有用性を臨床的に評価し, 以下の成績を得た。1)そう痒, 掻破痕, 皮疹の程度及び皮疹の面積は投与2週目から有意に改善し, そう痒, 掻破痕の改善は皮疹の改善よりやや先行した。2)患者が直感的に評価するかゆみ及び睡眠状況のVAS(visual analog scale)は投与後有意に減少した。3)ステロイドの使用量の減量又はランクの下がったのは51.7%(15/29)であった。4)最終全般改善度は「中等度改善」以上で72.2%(21/29), 概括安全度は「安全性に問題なし」で96.6%(28/29), 有用度は「有用」以上で72.2%(21/29)であった。以上, アトピー性皮膚炎の治療において本剤の併用によりそう痒, 掻破痕, 皮疹, 睡眠状況の改善及びステロイドの減量を示した。
  • 原田 昭太郎, 川島 眞, 古江 増隆, 飯島 正文, 新村 眞人
    1999 年 61 巻 6 号 p. 786-792
    発行日: 1999/12/01
    公開日: 2010/10/14
    ジャーナル 認証あり
    アトピー性皮膚炎(AD)患者に対するアステミゾール(ヒスマナール®)錠の臨床効果ならびに好酸球数, 血清eosinophil cationic protein(ECP)値, 血清IgE値, 血清LDH値の推移を検討した。登録された症例は102症例であったが, 初診以降の臨床経過が追跡できなかった13例を除いた89例を臨床効果の評価対象症例とした。副作用等の安全性評価は, 電話による追跡調査もできずに服薬の確認がとれなかった1例を除いた101例を対象とした。評価対象症例の臨床症状で中等度改善以上の改善が得られた症例は, 投与4週後で46.5%, 8週後で62.4%であった。投与前及び投与8週後の好酸球数は, 416±456/μlから313±302/μlへと, 血清ECP値は32.0±35.0μg/lから22.6±23.2μg/lへと(有意差あり, p<0.05), 血清LDH値は433±233U/lから393±152U/lへと減少傾向を示した。しかし, 血清IgE値は2183±3227IU/mlから2458±3497IU/mlと有意に上昇していた。安全性評価症例101例のうち, 試験期間中に生じた副作用は6症例, 6件(5.9%)であり, その内容は眠気4例(4.0%), 強いむかつき1例(1%), 肝障害1例(1%)であった。
  • 狩野 葉子, 水川 良子, 早川 順, 塩原 哲夫
    1999 年 61 巻 6 号 p. 793-800
    発行日: 1999/12/01
    公開日: 2010/10/14
    ジャーナル 認証あり
    最近, 皮膚科領域においても, 中等症から重症の乾癬患者に免疫抑制剤であるシクロスポリン(以下「CYA」とする)による治療が試みられてきている。今回, 24例の乾癬患者を対象に, CYAの初期投与量2.5mg/kg/dayを, 1日2回(朝食後および夕食後)4週間投与し, その後皮疹の程度に応じて, 0.5mg/kg/day∼1mg/kg/dayを適宜増減し, 最大投与量を5mg/kg/day, 最小投与量を1mg/kg/dayとし, さらに20週間投与し, CYAの乾癬に対する有効性及び安全性を検討した。その結果, 全般改善度で「改善」以上の評価を得られた割合は, 75.0%で, 開始時のPASIスコア32.5は治療終了時7.7と有意に低下し, 投与初期の75%以上PASIスコアが改善したことを「寛解」とすると, 試験期間中に寛解した例は18例(75.0%)と良好であった。副作用は, いずれも軽微であったが9例(37.5%)にみられ, その内訳は高血圧3件, 肝障害2件などであった。本試験の開始前に実施した患者アンケート調査では, 約半数の患者が“外観”を苦痛に感じており, また, アンケートの回答があった患者の45%が, 乾癬という疾患そのものに“イライラする”ことをあげていた。我々の行ったCYA低用量療法は, 従来のCYA療法に比べて金銭的な負担も少なく, 患者コンセンサスを得て用いれば, 患者QOLの向上につながる治療手段として非常に有用であることが示された。更に, CYA間歇内服投与法や外用剤との併用療法など工夫して用いることで, より効果的に安全に使用できる可能性を含んでいる。
  • 谷口 彰治, 幸野 健, 格谷 敦子, 武林 亮子, 中西 健史, 深井 和吉, 小林 裕美, 石井 正光, 大磯 直毅, 永尾 淳, 安永 ...
    1999 年 61 巻 6 号 p. 801-812
    発行日: 1999/12/01
    公開日: 2010/10/14
    ジャーナル 認証あり
    重症乾癬患者48例を対象に, シクロスポリン3∼5mg/kg/day投与による最長12週間の寛解導入後, シクロスポリン2.5mg/kg/day或いはステロイド外用剤による24週間の維持療法を行い, シクロスポリンの有効性, 安全性及び患者の quality of life(QOL)の比較検討を行った。その結果, 寛解導入療法でのPASI(psoriasis area and severity index)スコアは, 開始時26.7から終了時3.6と有意な低下を示した。また, PASIスコア85%以上の改善(寛解)は平均9.5週目に認められた。寛解導入療法終了時(割付時)の患者QOLは, psoriasis disability index でみると, アンケート調査の15項目を5群に分けて検討した結果, 全ての項目で有意な改善を認めた。寛解維持療法においては, シクロスポリンの寛解導入療法から, そのままシクロスポリンの低用量2.5mg/kg/dayに移行した例におけるPASIスコアは, 割付時2.1より終了時6.2に, また, ステロイド外用剤が投与された例のそれは, 2.2から14.5となった。寛解導入後に, シクロスポリンの低用量継続投与の方が, ステロイド外用剤で維持していくよりは再燃が少なく改善率の維持が容易であった。更に, 患者のQOLについては, 寛解導入により有意に改善を示し, 維持療法においては, シクロスポリン投与においても, ステロイド外用剤投与においても極端に悪化した項目はなく, とりわけ「薬の効果」に関しては, 低用量シクロスポリン投与の方が満足する結果が得られた。以上のことから, シクロスポリンの低用量による寛解導入及び寛解維持療法のいずれにおいても良好な有効性とQOLの改善を示しており, 中等症から重症乾癬患者に対し有用な薬剤であると思われた。
  • ルシノール®研究会
    1999 年 61 巻 6 号 p. 813-819
    発行日: 1999/12/01
    公開日: 2010/10/14
    ジャーナル 認証あり
    ルシノール®(4-n-butylresorcinol)を0.3%(w/v)配合した美容液を, 肝斑を有する女性患者62名を対象に1日2回, 原則として24週間継続使用した。使用開始24週後での医師の判定による改善度は, 「やや改善」以上が85.1%(40/47), 「かなり改善」以上が55.3%(26/47)であった。被験者の自己評価でも, 24週後に「やや改善」以上が85.1%(40/47), 「かなり改善」以上が48.9%(23/47)と, 医師の判定による結果と同様の結果が得られた。1例(1.6%)に紅斑とそう痒が認められたが, パッチテストの結果, 本美容液との関連性は明確ではなかった。有用率は「かなり有用」以上が41.9%(26/62), 「やや有用」以上が83.9%(52/62)であった。以上より, ルシノール®配合美容液は肝斑に対して有用な化粧料であると結論した。
  • 浅野 一弘, 高橋 一朗, 飯塚 一, 深見 洋一, 田村 俊哉
    1999 年 61 巻 6 号 p. 820-822
    発行日: 1999/12/01
    公開日: 2010/10/14
    ジャーナル 認証あり
    爪白癬患者9例(男性7例, 女性2例)に対しイトラコナゾール50∼100mg/日を平均152日(111∼199日)連続投与し, 治療中止後も含めて爪混濁比の経過観察を行った。投与前の爪混濁比は9.0±1.7であったが, 3∼6ヵ月後の投与終了時は, 3.1±2.8, さらに内服中止後1.5∼12ヵ月後の観察終了時は1.6±3.4と推移した。フォローアップ不能の2例を除く7例中6例において投与終了後も爪混濁比の低下がみられ5例は治癒に至った。われわれの経験例は少数ではあるが, 治療中止後の爪混濁比の改善を明らかに示すものであり内服したイトラコナゾールの爪, 皮膚組織への持続的貯留を裏付ける結果と考えた。
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