西日本皮膚科
Online ISSN : 1880-4047
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62 巻 , 3 号
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図説
綜説
症例
  • 河合 幹雄, 秀 道広, 岡部 勉, 高路 修, 山本 昇壯, 高橋 博之
    62 巻 (2000) 3 号 p. 298-301
    公開日: 2010/09/02
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    25歳,女性。初診の3年前より,10分くらい日光に当たると,頚部,上胸部,上腕に紅斑,膨疹が出現し,約1時間で消退する。皮疹は日光照射中でも出現し,色ガラスフィルターを用いた光線テストでは,作用波長は320~390 nmおよび390~480 nmの範囲に存在すると判定されたが,モノクロメーターでは,340~400 nmの範囲で紅斑が誘導され,360~370 nmにかけて最も強い反応が認められた。照射部位を還流した静脈血血漿ヒスタミン濃度が一過性に上昇したこと,エバスチンの内服が皮疹の抑制に効果的であったことから,自験例における膨疹出現にはマスト細胞の脱顆粒を伴うことが示唆された。しかし,被働転嫁試験,逆被働転嫁試験は成立せず,UVA照射した血清による自己血清皮内テストは陰性であり,特異的IgEの関与は否定的であった。また,エバスチン内服と併行して,連日のUVA照射を行い,トレランスの誘導が可能であった。
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  • 雄山 瑞栄, 和泉 智子, 清島 真理子
    62 巻 (2000) 3 号 p. 302-305
    公開日: 2010/09/02
    ジャーナル 認証あり
    34歳の男性に見られたlivedo reticularis with summer ulcerationsの1例を報告した。臨床的に下肢にlivedo病変と疼痛を伴う小潰瘍が見られた。組織学的には真皮下層の血管に血管壁へのフィブリン析出,内腔の狭小化および閉塞が認められた。Diaminodiphenylsulfone(以下DDS)の投与(150 mg/日)により潰瘍は短期間で消退し,また再発後の再投与により潰瘍が消失したことより,本症においてDDS投与は有効な治療法の一つと考えた。
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  • 上尾 大輔, 安西 三郎, 藤原 作平, 高安 進
    62 巻 (2000) 3 号 p. 306-308
    公開日: 2010/09/02
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    43歳,男性。約10年前より鼠径部に紅斑·水疱が出現し近医にてHailey-Hailey病と診断されていた。皮疹は徐々に他の間擦部位にも生じる様になり,特に夏期に増悪傾向を示した。初診の約5日前39℃台の熱発とともに咽頭痛が出現し,更に間擦部の皮疹が急速に増悪した。病理組織像では表皮細胞の棘融解による表皮内裂隙形成に加え,核内封入体を有する巨細胞を多数認めた。水疱内容からの直接蛍光抗体法ではHSV-1型が陽性であった。Herpes simplex virusの感染に伴い原疾患が急性増悪したものと考えた。抗ウイルス剤の全身及び局所投与,ステロイド剤の外用等により皮疹は比較的速やかに改善傾向を示した。
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  • 西岡 和恵, 高旗 博昭, 江間 昭
    62 巻 (2000) 3 号 p. 309-313
    公開日: 2010/09/02
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    症例は71歳,男性,元建設業。十数年前より体幹,両上肢に自覚症状を伴わない環状の暗赤色皮疹が多発。数施設にて診療を受けるも軽快せず当科紹介。初診時,体幹,両上肢に径6cm程度まで,幅約3mmの堤防状に隆起した環状の浸潤性紅斑を約30個認めた。糖代謝異常は認めなかった。皮膚生検では真皮上層に多核巨細胞,類上皮細胞,組織球の出現を伴う肉芽腫の形成を認め,膠原線維の変性像はなく,弾性線維が消失ないし減少し巨細胞内への貪食像を認めた。ミノサイクリンとニコチン酸アミドの併用,dapsoneは無効,プレドニゾロン全身投与により軽快。軽快時の生検では,真皮上層に軽度の血管周囲性リンパ球浸潤および弾性線維の減少を認めた。併せて1970年から1998年の間の本邦報告61例について検討したところ,男女比は2:1で男性に,年齢は40歳代以上の高齢者に多く,39例で非露出部に皮疹を認めていた。また糖尿病ないし耐糖能異常,悪性腫瘍,自己免疫性疾患の合併が報告されており,本症はこれらの疾患のデルマドロームとなる可能性があると考えた。
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  • 松井 珠乃, 小野 友道, 木藤 正人
    62 巻 (2000) 3 号 p. 314-316
    公開日: 2010/09/02
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    1歳8ヵ月の女児。生来,頭髪の伸びが悪かったが,脱毛を合併してきたため初診となった。痛みを伴わずに頭髪が容易に抜去できること,および抜去毛がanagen hairを示したことより,loose anagen hairと診断した。
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  • 木本 由紀, 山元 修, 旭 正一, 平松 正浩
    62 巻 (2000) 3 号 p. 317-320
    公開日: 2010/09/02
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    83歳の男性。扁平浸潤期の菌状息肉症と診断し,シクロホスファミド,メルカプトプリン,プレドニゾロンの内服療法とPUVA療法を施行した後に甲状腺癌と前立腺癌の合併が発見された。菌状息肉症に悪性腫瘍の合併を認めた本邦報告例15例(自験例を含む)のうち,血液系腫瘍3例,臓器固形癌8例,皮膚癌4例であった。菌状息肉症患者の悪性腫瘍合併については,細胞性免疫能低下状態に化学療法,放射線療法が何らかの影響を与えた可能性が考えられる。本症例のように菌状息肉症に重複癌を生じた例は極めて稀であると思われた。
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  • 藤田 伸弘, 遠藤 秀治, 吉田 典代, 籏持 淳, 新海 浤, 瀬崎 徳久, 原 正道
    62 巻 (2000) 3 号 p. 321-324
    公開日: 2010/09/02
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    喉頭癌,胃癌,食道癌に加え,基底細胞上皮腫に罹患した稀な異時性四重複癌の1例を報告した。65歳の男性。15年前より右鼻翼部に黒色の小結節を認め基底細胞上皮腫の組織像であった。既往歴として,46歳時に喉頭癌(扁平上皮癌)に対して放射線療法および摘出術,64歳時胃癌(腺癌)および65歳時食道癌(扁平上皮癌)に対してそれぞれ内視鏡的粘膜切除術を施行されている。
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  • 清家 正博, 広瀬 康昭, 池田 光徳, 山本 康生, 小玉 肇
    62 巻 (2000) 3 号 p. 325-328
    公開日: 2010/09/02
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    従来頻度が低いとされる皮膚転移をきたした前立腺癌の3例を報告した。いずれも弾性硬の小結節が多発していた。免疫組織化学では,いずれの皮膚腫瘍細胞もprostate specific antigen(PSA)が陽性だった。血中のPSA, prostatic acid phosphataseおよびγ-seminoproteinが上昇していた。3例とも既に骨転移が認められており,血行性転移であることが示唆された。いずれも既に前立腺癌の治療歴があったことから原発巣の推定は容易であったが,その確認には,抗PSA抗体を用いた免疫組織化学が有効だった。血中前立腺癌特異的腫瘍マーカーは,皮膚転移を含めた腫瘍進展の良い指標になると考えた。
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  • 半田 芳浩, 榊原 章浩, 山中 直樹
    62 巻 (2000) 3 号 p. 329-332
    公開日: 2010/09/02
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    91歳,女性。左耳輪部に出血を伴う直径15mmのドーム状に隆起した表面顆粒状の腫瘤を認めた。また左耳垂後面基部に光沢があり,滲出液と一部に痂皮を伴う小結節が5~6個融合したような20×15mmの黒色腫瘤を認めた。全摘標本の病理組織学的所見より,前者はstage Iの有棘細胞癌,後者は結節型の基底細胞癌と診断した。有棘細胞癌と基底細胞癌は日常診療でしばしば遭遇する皮膚悪性腫瘍である。これらの皮膚悪性腫瘍の合併はときに報告されることがあるが,今回我々の経験したように左耳に近接して合併した症例は稀と思われるので,文献的考察を加えて報告した。
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  • 半田 芳浩, 榊原 章浩, 長坂 徹郎
    62 巻 (2000) 3 号 p. 333-337
    公開日: 2010/09/02
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    6ヵ月,男児の右膝直下内側部に生じた血管芽細胞腫(中川)の1例を報告した。皮疹は48×35 mmの硬い浸潤を触れる扁平隆起性の灰紫紅色局面で,圧痛があり,周囲は白色調で軟毛を伴っていた。環状の軟毛増生部にほぼ一致して,発汗テストにより多汗を認めた。組織学的には,真皮中層から深層さらに皮下組織にかけて,血管内皮様細胞が大小の血管腔様構造を形成し,これら管腔構造は一部では吻合して,胞巣状に増生していた。胞巣状の増生を示す部位ではスリット状の管腔の周囲に紡錘状の血管周皮細胞様細胞の増生を認めた。免疫およびレクチン組織化学染色の結果より,充実性腫瘍胞巣部は主に血管周皮細胞より構成されていた。また小管腔を構成している内皮細胞は,拡張管腔を構成している細胞より分化度の低い血管内皮系細胞で構成されていた。有毛性の症例について文献的検索を行い,考察を加えた。
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  • 萱場 光治, 田中 達朗, 三砂 範幸, 成澤 寛
    62 巻 (2000) 3 号 p. 338-342
    公開日: 2010/09/02
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    症例1: 56歳,女性。心室性期外収縮に対し塩酸メキシレチンを服用20日後,全身にそう痒を伴う紅斑と丘疹の出現を認めた。症例2: 50歳,男性。急性心筋梗塞,心室性期外収縮に対し塩酸メキシレチンを服用30日後,全身にそう痒を伴う紅斑と丘疹の出現を認めた。症例3: 66歳,女性。不整脈に対し塩酸メキシレチンを服用24日後,全身にそう痒を伴う紅斑と丘疹の出現を認めた。3例とも共通して発熱,肝機能障害,異型リンパ球の増加を認め,2例ではリンパ節の腫脹を認めた。副腎皮質ステロイドの全身投与を行ったが,全例減量に伴い皮疹の再燃を認め中止まで長期間を要した。Patch testにて全例陽性であり,内服試験は行わなかったが塩酸メキシレチンによるhypersensitivity syndrome(HS)と診断した。塩酸メキシレチンによる薬疹の臨床事項の特徴について報告した。
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  • 村田 薫, 籏持 淳, 新海 浤
    62 巻 (2000) 3 号 p. 343-345
    公開日: 2010/09/02
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    69歳の男性。右臀部,左大腿屈側,両下腿屈側,右足関節内顆からアキレス腱部にかけて一部に水疱を伴うメガネレンズ大までの紅斑が認められた。皮疹出現約12時間前に第4腰椎変性すべり症の手術治療のためイソビスト240® による脊髄造影検査およびその前投薬としてフェノバルビタールと硫酸アトロピンの筋注を受けた。イソビスト240®,フェノバルビタール,硫酸アトロピンを用い皮疹部と無疹部でそれぞれパッチテストを施行した。皮疹部のフェノバルビタール貼付部のみas isおよび10%溶液にて陽性となり原因薬と考えられた。バルビツール酸系薬剤は薬疹を生じやすい薬剤である。特にフェノバルビタールは現在,主に抗痙攣薬として使用されているが,手術,各種検査の前投薬として使用され注意が必要である。
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  • 小林 桂子, 森田 明理, 辻 卓夫
    62 巻 (2000) 3 号 p. 346-348
    公開日: 2010/09/02
    ジャーナル 認証あり
    64歳の男性。平成10年5月そう痒を伴う紅色丘疹出現し,近医受診。ステロイド外用,抗アレルギー剤内服で軽快していた。12月エンテロノン-R®を処方された後皮疹は徐々に悪化し,ほぼ紅皮症状態となったため,平成11年2月名古屋市立大学病院皮膚科入院。近医で処方されていたエンテロノン-R®中止後,皮疹消失。その後,内服テストを行ったところ,同様の皮疹が出現した。さらに,DLSTテスト陽性,スクラッチパッチテスト陽性からエンテロノン-R®による多型紅斑型薬疹を考えた。
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研究
  • 菅野 重, 森田 明理, 辻 卓夫
    62 巻 (2000) 3 号 p. 349-352
    公開日: 2010/09/02
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    皮膚肥満細胞症は皮膚限局の肥満細胞の増殖をきたす疾患であり,軽度の擦過によって皮疹部に一致して紅斑,膨疹を生じるDarier徴候を認めるのが特徴的である。今回,我々は皮膚肥満細胞症の生後11ヵ月の男児に対して,そう痒,膨疹形成抑制のための内服薬を選択するために,薬剤を投与した後のDarier微候の抑制の比較を試みた。薬剤は抗アレルギー剤(フマル酸ケトチフェン),抗ヒスタミン剤(酒石酸アリメマジン,塩酸シプロヘプタジン),ジアミノジフェニルスルフォン,副腎皮質ホルモン剤(ベタメタゾン)を使用した。各薬剤を投与後,最高血中濃度に達する時間にDarier徴候を誘発し,紅斑,膨疹の抑制を比較したところ,フマル酸ケトチフェンで最もDarier徴候が抑制された。また,治療としてフマル酸ケトチフェン内服を行い,7ヵ月後には血漿ヒスタミン値の減少を認めたため,Darier徴候の抑制を比較することの有用性が示唆された。
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  • 宮下 祐子, 小野 雅史, 小野 麻理子, 植木 宏明
    62 巻 (2000) 3 号 p. 353-356
    公開日: 2010/09/02
    ジャーナル 認証あり
    当施設で経過観察中の男児出産歴のある全身性強皮症(SSc),全身性エリテマトーデス(SLE),シェーグレン症候群患者(SjS)を対象にfetal microchimerismを検討した。末梢血中に残存する胎児由来細胞を,Y染色体マーカー(DYZ 1)を用いて二段階PCR法にて検出した。さらにY染色体検出群,非検出群間の病型,臨床症状,自己抗体の差異について比較,検討した。結果,対照の健常者女性では20例中2例(10%)の末梢血抽出ゲノムDNA中にDYZ 1が検出されたのに対し,SSc患者17例中8例(47.7%)にDYZ 1配列が検出され,有意(p=0.031)に高頻度であった。またSLE 9例, SjS 4例の末梢血抽出ゲノムDNA中にDYZ 1配列は検出されなかった。一方SScの臨床像との比較検討で, DYZ 1配列が検出された群において,皮膚硬化が中枢側に及び様々な内臓病変を伴う症例が多い傾向にあり,多彩な自己抗体の出現を認めた。また原発性胆汁性肝硬変を合併した3例すべてよりDYZ 1配列を検出した。
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講座
統計
  • 宇宿 一成, 島田 辰彦, 持冨 勇次, 山下 美樹, 島田 英彦, 武田 浩一郎, 神崎 保
    62 巻 (2000) 3 号 p. 361-365
    公開日: 2010/09/02
    ジャーナル 認証あり
    わが国の乾癬患者の疫学調査は,日本乾癬学会において,毎年患者登録がおこなわれている。しかし,患者登録の対象となるのは全国各地の基幹病院に限られており,乾癬患者の実態を正しく反映しているとは言い難いのではないかと考えた。そこでより実態に即した疫学調査のために,鹿児島県内及び隣接地域の皮膚科医療施設に対してアンケートを取った。55施設中31施設から合計402例の返答があり,おおまかな傾向をつかむことができた。鹿児島県在住の乾癬患者数は379例であり,都市部に多く,男女比2.5:1と男性に多かった。3.7%に乾癬の家族歴があり,病型では尋常性乾癬が9割以上を占めた。鹿児島県は季候温暖で年間の日光照射量も多いが,乾癬学会のデータと比較して特徴的な相違は認められなかった。従って,乾癬学会が行っている定点観測は,概ねわが国の乾癬患者の実態を捉えているといえるが,よりきめ細かな疫学調査も今後行われるべきであると考えた。
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治療
  • 米元 康蔵, 橋本 明彦, 矢口 厚, 天野 隆文, 酒井 智恵, 金子 聡, 勝岡 憲生, 向井 秀樹, 平松 正浩, 新井 達, 戸田 ...
    62 巻 (2000) 3 号 p. 366-372
    公開日: 2010/09/02
    ジャーナル 認証あり
    高齢者のそう痒性皮膚疾患群に対するフマル酸エメダスチン(レミカット®カプセル)の有用性を検討するため,中央登録方式にて調査を行った。その結果,安全性解析症例58例のうち副作用は6例(10.3%)に発現し,その症状は「眠気」4例,「ふらっき」,「嘔気」各1例で,いずれも重篤な症例は認められなかった。最終全般改善度は83.9%であった。さらに本調査症例をもとに,とくに高齢者に多くみられる皮脂欠乏性湿疹23例とその類縁疾患と考えられる皮膚そう痒症13例の計36例を抽出し,レミカット®カプセルの有用性の検討とステロイド外用薬の使用状況による検討を行った。その結果,36例中3例(8.3%)に副作用が発現したものの重篤な症例は認められず,投与中止例はなかった。最終全般改善度は88.6%であった。また,ステロイド外用薬を使用しなかった症例14例においても最終全般改善度は84.6%と高い改善効果が得られた。以上のことより,レミカット®カプセルは,皮脂欠乏性湿疹,皮膚そう痒症をはじめとする高齢者のそう痒性皮膚疾患に対して安全かつ有効な薬剤であり,ステロイド外用薬を使用していない症例においても高い改善効果が得られることが示された。
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  • 安部 正敏, 大西 一徳, 田村 敦志, 石川 治
    62 巻 (2000) 3 号 p. 373-380
    公開日: 2010/09/02
    ジャーナル 認証あり
    群馬大学皮膚科乾癬外来過去6年間における尋常性乾癬患者のタカルシトール軟膏を用いた治療法の工夫について報告した。本剤は安全性が高い乾癬治療薬であるが,その効果は症例により様々である。我々が2年前に行った検討ではステロイド外用療法から短期間でタカルシトール軟膏外用療法に移行した場合は,明らかに有効性が劣っていた。こうした経験を踏まえ,それ以降の症例にっいて本剤の併用療法や外用療法の工夫を行った。その結果,ステロイド外用療法からタカルシトール軟膏単独外用療法へ移行する場合,患者の同意を得た上で本剤の塗布の長期継続や,他治療との併用により移行が可能となる場合があること,シクロスポリンやレチノイドの内服併用群では,内服単独療法に比較し皮疹軽快までの期間の短縮や,内服量が減量できる可能性があること,光線併用群では単独療法に比較し照射量が減量できる可能性があること,タカルシトール軟膏の亜鉛華単軟膏重層療法はある程度の効果が期待できることなどが明らかとなった。活性型ビタミンD3製剤であるタカルシトール軟膏は副作用が少ないことから,乾癬治療に積極的に用いることが望ましいと思われるが,他治療との併用や重層療法など,治療法を工夫することで,より効果的に使用することが出来る可能性が示唆された。
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  • 古川 福実, 瀧川 雅浩
    62 巻 (2000) 3 号 p. 381-388
    公開日: 2010/09/02
    ジャーナル 認証あり
    近年,サンディミュン®(以下CyA)の重症乾癬治療について低用量による治療や間歇投与による治療の報告が散見される。我々は以前,本剤による寛解導入後に休薬するという長期間歇療法の有用性の検討を行い,63%の症例が本剤中止あるいは漸減中におよそ4週間の間隔をおいて再燃することを報告した。今回は,CyA投与による寛解導入後,5mg/kg/日の隔日投与による寛解維持の有効性を検討した。その結果,隔日投与を24週間継続した時点で,41.7%の症例が寛解導入終了時の改善状態を維持あるいは更に良好な状態を示していたことから,寛解例に対する隔日投与方法は,長期間歇療法に比較して有用な投与方法と考えられた。既報及び今回の結果に基づき,本剤3~5mg/kg/日投与により8週間を目安とする寛解導入を施し,寛解後,本剤3~5mg/kg/日隔日投与で16週間を目安とする寛解維持療法を行うという治療案を作成した。この治療案において,1)寛解維持が良好に継続されている場合は,症状によっては隔日投与からさらに投与間隔をあけることを試みること。2)PASIスコアが25%から50%に戻った(悪化)場合には,本剤とエトレチナート(投与に同意した患者のみ)との交互投与も試みるべき方法であること。3)寛解導入後の維持療法にも関わらずPASIスコアが50~100%に悪化した場合には,再度CyAによる寛解導入を開始するか,あるいはエトレチナートとの交互·併用療法などの工夫が望まれることを示した。
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  • 谷口 彰治, 幸野 健, 細見 尚子, 東 奈津子, 山本 直樹
    62 巻 (2000) 3 号 p. 389-391
    公開日: 2010/09/02
    ジャーナル 認証あり
    液体窒素凍結療法や電気焼灼術などの通常の治療にて軽快しない難治性の尖圭コンジロームに対し,ヨクイニンによる漢方治療を行い有効性を評価した。計11症例にヨクイニンエキス錠1日6.0gを12週間投与したところ,有効以上は36.4%,やや有効以上(有効率)は72.7%であった。副作用として一過性の軟便が1例に認められた。以上よりヨクイニンは尋常性疣贅や青年性扁平疣贅と同様に,尖圭コンジロームに対しても抗疣贅作用を期待できると考えた。
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  • 寺崎 祐太朗, 寺崎 健, 寺崎 健治朗
    62 巻 (2000) 3 号 p. 392-398
    公開日: 2010/09/02
    ジャーナル 認証あり
    経口抗真菌剤イトラコナゾールは爪真菌症の原因菌に対して高い抗真菌活性を示すことから海外ではone week therapy(間欠投与法)で適応を取得している。そこで,今回,我々は本剤の100 mg間欠投与療法による爪真菌症に対する臨床効果を検討した。評価対象患者は31例の爪真菌症患者で,イトラコナゾール100 mg/日のone week therapy(間欠投与法)を6回行った。その結果,有効率は90.3%,治癒率は32.3%,継続率は44.9%であった。副作用及び臨床検査値異常は全例で認められなかった。以上の結果から,本投与方法はコンプライアンス,コスト·ベネフィットの点から推奨される投与法である。
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