西日本皮膚科
Online ISSN : 1880-4047
Print ISSN : 0386-9784
62 巻 , 4 号
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図説
綜説
症例
  • 木下 恵美, 清水 隆弘, 石田 敏子, 武藤 正彦
    2000 年 62 巻 4 号 p. 444-447
    発行日: 2000/08/01
    公開日: 2010/09/02
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    53歳,女性。初診の約1ヵ月前に咽頭痛,発熱などの感冒様症状出現。同時に両下腿に米粒大の紫紅色皮疹が生じ,初診前日より体幹にまで拡大したため,当科受診。既往歴では20歳代より扁桃炎あり。初診時に両下肢および体幹に浸潤を伴う紅斑ないし紫斑がみられ,両側口蓋扁桃は発赤腫脹を呈していた。ASOは348.6U/mlと高値を示し,咽頭培養では溶連菌を検出した。病理組織学的に真皮から脂肪織にかけてのleukocytoclastic vasculitisの像を呈していた。扁桃マッサージ誘発試験により紫斑の新生がみられたため,扁桃炎による皮膚アレルギー性血管炎と考え,両側口蓋扁桃摘出術を施行。術後皮疹の新生をみず,10ヵ月経過した。自験例では,血清IgA値が高値であったこと,免疫蛍光抗体直接法で血管壁へのIgA沈着を認めたこと,扁桃摘出後皮疹は消退したことから,溶連菌に対する特異的IgA抗体が血管内皮細胞と交叉反応することにより,血管炎を引き起こしたと考えた。
  • 横山 眞爲子, 萱場 光治, 三砂 範幸, 成澤 寛
    2000 年 62 巻 4 号 p. 448-453
    発行日: 2000/08/01
    公開日: 2010/09/02
    ジャーナル 認証あり
    症例は57歳,男性。初診の1年前から,喘息の既往があった。初診の2日前より,下肢に痛みと腫脹を伴う紫斑が出現し,加療目的で入院となった。入院時,両下肢に米粒大から大豆大までのpalpable purpuraと血疱が多発し足背では融合していた。また,両側の下垂足を認めた。検査所見では白血球26700/μl,好酸球52.0%, CRP 4.16mg/dl, IgE2530U/ml。病理組織所見では,皮膚生検にて真皮深層に,好酸球の浸潤を伴う壊死性血管炎があり,先行する気管支喘息および好酸球数増多とあわせ,Churg-Strauss症候群と診断した。PSL50mg/日内服にて治療を開始し,当初ステロイドへの反応が良かったものの紫斑の再燃を認め,シクロホスファミド(CPA)50mg/日の併用を行ったところ原疾患はコントロールされたが肝機能障害が高度となりCPAは中止した。現在,ベタメタゾン3mg/日内服にて慎重に減量しつつ経過観察している。Churg-Strauss症候群の治療と予後について皮膚科領域における報告例をもとに文献的考察をした。
  • 宮本 由香里, 原 典昭, 織間 咲千子, 山蔭 明生, 山崎 雙次
    2000 年 62 巻 4 号 p. 454-457
    発行日: 2000/08/01
    公開日: 2010/09/02
    ジャーナル 認証あり
    症例は55歳,女性。約17年前よりlimited typeの全身性強皮症と診断され,当科にて加療を行っていた。1999年1月に38℃の発熱,全身倦怠感が出現し,その後著明な汎血球減少と脾腫を認め,骨髄生検等の結果より二次性骨髄線維症と診断された。輸血などの対症療法およびステロイドパルス療法にて一時的に症状の改善を認めたが感染症を併発し診断後10ヵ月で死亡した。全身性強皮症と骨髄線維症の合併例の報告は稀であり,また現在までその機序についても十分な検討がなされていないため,若干の考察を加えて報告した。
  • 細川 裕子, 森田 明理, 榊原 代幸, 辻 卓夫
    2000 年 62 巻 4 号 p. 458-460
    発行日: 2000/08/01
    公開日: 2010/09/02
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    27歳の女性。主訴は,四肢,特に下肢のそう痒を伴う浮腫と多発関節痛で,症状出現以前より約3kgの体重増加があった。血液検査所見では,末梢血白血球数が10900/μl(好酸球50%)と好酸球が著明に増加していた。抗核抗体などの自己抗体はすべて陰性。C3c, C4は正常値で, C1インアクチベーター活性も正常であった。好酸球特異顆粒であるeosinophil cationic protein(ECP)は,47.8μg/lと高値であった。下肢生検部の病理組織像では,真皮の浮腫と,真皮から皮下組織にかけて多数の好酸球浸潤が見られた。画像検査では,他臓器に異常を認めなかった。以上の検査結果,および臨床所見からepisodic angioedema with eosinophiliaと診断した。入院後,安静で経過をみていたが,3週間後に発熱を伴った上気道炎様症状が生じたため,メチルプレドニゾロン250mg点滴を1回行った。上気道炎様症状は消失,四肢の浮腫も徐々に軽快し,約1ヵ月後に消失した。末梢血好酸球数も正常範囲内となった。その後1年経過した現在も,再発はみられていない。
  • 宇宿 一成, 井上 賢人, 瀬戸山 充, 神崎 保
    2000 年 62 巻 4 号 p. 461-463
    発行日: 2000/08/01
    公開日: 2010/09/02
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    62歳の男性。他医にて高血圧に対して処方されたリシノプリル服用後より全身に紅斑が出現した。種々の外用治療に抵抗性であったが,リシノプリル服用中止により治療に対して良好な反応が得られるようになった。白色ワセリン外用と内服PUVAにより皮疹は劇的に改善したが,治療中に,両眼瞼に限局してKöbner現象と考えられる紅斑が認められた。文献的にリシノプリル服用によって乾癬が発症したという報告は1例のみである。
  • 松井 珠乃, 小野 友道, 木藤 正人
    2000 年 62 巻 4 号 p. 464-465
    発行日: 2000/08/01
    公開日: 2010/09/02
    ジャーナル 認証あり
    3ヵ月の男児。両側拇趾の陥入爪と爪囲炎を主訴に来院。うつぶせで床をける動作をしはじめてから発症し,実際に拇趾に負荷がかかる状態が観察された。生活指導と抗生物質投与により症状の改善をみた。
  • 梅林 芳弘, 伊藤 周作, 長山 賢
    2000 年 62 巻 4 号 p. 466-468
    発行日: 2000/08/01
    公開日: 2010/09/02
    ジャーナル 認証あり
    11歳の男児。21トリソミー(47,XY,+21)。両手背に,直径数mmの白色小結節が散在。組織学的に表皮直下の好酸性無構造物からなり,calcinosis cutisと診断。経表皮的に排泄される像が見られた。眼瞼周囲には汗管腫あり。3ヵ月後,手背の白色小結節の数は減少した。その他8人のDown症候群の小児を診察したところ1人に同様の発疹が見られた。Milia-like idiopathic calcinosis cutis in Down syndromeは,報告は少ないものの, Dawn症候群において比較的よく見られる皮膚症状である可能性がある。
  • 伊藤 周作, 梅林 芳弘
    2000 年 62 巻 4 号 p. 469-471
    発行日: 2000/08/01
    公開日: 2010/09/02
    ジャーナル 認証あり
    1歳の男児。生後3ヵ月頃より気付いた左側背部の腫瘤を主訴に受診。径35mm,被覆表皮に発毛を伴う可動性良好な皮下腫瘤。全身麻酔下にて全摘。病理組織学的に,細長い紡錘形の核を有する線維芽細胞様細胞と成熟した膠原線維束からなる線維性組織,円形ないし卵円形の小型の核を有する未分化間葉系細胞,成熟脂肪組織の三成分より構成されていた。免疫組織化学的に,線維芽細胞様細胞はvimentin陽性,α-smooth muscle actin陽性であり, myofibroblastと考えられた。
  • 高橋 祥子, 益田 俊樹, 八木 伸也
    2000 年 62 巻 4 号 p. 472-475
    発行日: 2000/08/01
    公開日: 2010/09/02
    ジャーナル 認証あり
    62歳の男性。4年前より全身にそう痒のある紅斑が生じている。3年前に右耳下腺部に拇指頭大の皮下腫瘤が出現し,耳鼻科で全摘され,病理組織像は木村病の典型例であった。摘出後,腫瘤の再燃はなかったが,皮疹は改善せず,当科を受診した。全身に紅斑が散在し,著明な好酸球増多と高IgE血症を伴い,カンジダをはじめ,種々の抗原に対するRASTが陽性であった。抗マイクロゾーム抗体,抗サイログロブリン抗体は陽性を示した。紅斑の生検では表皮内に好酸球性水疱,真皮浅~深層血管周囲と間質へのリンパ球,好酸球の浸潤が見られた。抗アレルギー剤が無効のため,インドメタシン(インテバンSP®)を内服し,数日で皮疹は消失した。皮疹の成立に好酸球の関与が考えられた。
  • 望月 良子, 下平 峰子, 篤永 荘司, 成澤 寛
    2000 年 62 巻 4 号 p. 476-479
    発行日: 2000/08/01
    公開日: 2010/09/02
    ジャーナル 認証あり
    56歳の女性。右腋窩の中央部が陥凹した皮下腫瘤を主訴に受診した。乳房を含む全身検索では他臓器に異常はなく,病理組織所見では,大形の核を持つ腫瘍細胞が真皮浅層から脂肪織に浸潤し,一部では腺管構造に似た形態をとっていた。免疫染色でエストロゲンレセプターが陽性であった。以上より,右腋窩原発の異所性乳癌と診断し,右腋窩腫瘤切除術,リンパ節郭清を行った後,タモキシフェン内服療法を行っている。現在のところ,再発·転移は認めていない。異所性乳癌について若干の文献的考察を加え報告した。
  • 野柳 俊明, 佐藤 俊宏, 藤原 作平, 高安 進, 横山 繁生, 滝本 貴子
    2000 年 62 巻 4 号 p. 480-484
    発行日: 2000/08/01
    公開日: 2010/09/02
    ジャーナル 認証あり
    75歳の男性。1996年8月頃よりほぼ全身に皮疹が出現。1997年6月よりプレドニゾロン内服にて一旦軽快したが減量時に皮疹が増悪し9月に当科入院。抗HTLV-1抗体陰性。皮疹はほぼ全身の浸潤性紅斑性局面と顔面に結節腫瘤を認めPUVA療法にて一時軽快傾向にあったが,3ヵ月後再び増悪し,多数の潰瘍形成を伴った。CHOP療法等で加療したが,敗血症にて死亡。背部の紅斑性局面からの病理組織像では強い苔癬型反応の像が得られた。陰嚢のびらんを伴う小腫瘤からは有棘細胞癌と鑑別し難い組織像が得られ,真皮には異型リンパ球が多数見られた。この変化は化学療法後に消退したため異型リンパ球による表皮の二次的変化と考えた。
  • 山本 恵美子, 小林 三保子, 溝口 将之, 植木 理恵, 坪井 良治
    2000 年 62 巻 4 号 p. 485-488
    発行日: 2000/08/01
    公開日: 2010/09/02
    ジャーナル 認証あり
    下肢に生じた単発型eccrine hidrocystomaの2例を報告した。症例1は,76歳の女性。初診の半年前に発症。左大腿後面の直径1.5cm,弾性硬の黒紫色腫瘤。症例2は,54歳の女性。初診の10年前に発症。右足踵の直径3cmの弛緩性嚢腫。病理組織学的にeccrine hidrocystomaと診断した。Eccrine hidrocystomaの本邦報告例112例を解析したところ,単発型で下肢に発生する症例は,非常に稀であることが判明した。
  • 渋谷 博文, 中村 稔, 加藤 雪彦, 大井 綱郎, 古賀 道之
    2000 年 62 巻 4 号 p. 489-492
    発行日: 2000/08/01
    公開日: 2010/09/02
    ジャーナル 認証あり
    症例は61歳の男性。既往歴として糖尿病と高血圧があり内服加療中。初診の約20年前に左足底の胼胝を切除。3年前より同部に圧痛のある皮疹が出現し,その後両足底に同様の皮疹が多発した。皮疹は拇指頭大から鶏卵大の常色結節で,足趾に拘縮はなく,手指に皮疹はない。組織は真皮から腱膜に連続する,境界明瞭な線維芽細胞と線維成分より成る腫瘍塊で,本症をplantar fibromatosisと診断した。周囲の腱膜を含めて腫瘍塊を切除し皮弁形成及び全層植皮術を施行した。本症の成因として糖尿病の関与が示唆された。
  • 平 嘉世, 三砂 範幸, 平島 徳幸, 成澤 寛
    2000 年 62 巻 4 号 p. 493-495
    発行日: 2000/08/01
    公開日: 2010/09/02
    ジャーナル 認証あり
    65歳の男性。初診の約1ヵ月前に仙骨部に自覚症状に乏しい鶏卵大の皮下腫瘤に気付いた。MRIにて血管腫を疑い全摘術を施行した。病理組織学的には被膜に包まれ内部に薄い血管壁をもつ多数の拡張した血管が集合しsinusoidal hemangiomaに合致する像を呈していた。また術前のMRIの所見は病変の性状,範囲の把握において有用であった。
  • 木下 美佳, 城野 昌義, 小野 友道, 木藤 正人, 中村 紳二, 近藤 裕一
    2000 年 62 巻 4 号 p. 496-499
    発行日: 2000/08/01
    公開日: 2010/09/02
    ジャーナル 認証あり
    症例1: 日齢1日,男児。子宮内胎児発育不全,胎児仮死を認めたため帝王切開にて出生。顔面,躯幹に浸潤を触れる紫斑を認め皮膚科紹介となった。症例2: 日齢1日,女児。子宮内胎児発育不全,羊水過少のため帝王切開にて出生。顔面,躯幹に浸潤を触れる紫斑を認め皮膚科紹介となった。2症例とも病理組織学的検査,風疹抗体価,風疹ウイルス分離同定よりblueberry muffin lesionsを伴った先天性風疹症候群と診断した。文献を検索した限り,本邦ではblueberry muffin lesionsを伴った先天性風疹症候群のはじめての報告である。
  • 分山 英子, 天満 美輪, 西本 勝太郎, 久保 容二郎
    2000 年 62 巻 4 号 p. 500-502
    発行日: 2000/08/01
    公開日: 2010/09/02
    ジャーナル 認証あり
    38歳の女性。1年前より右頬部に紅色丘疹を認め種々の治療を試みたが軽快せず,糜爛を伴う萎縮瘢痕局面を生じた。近医を受診し,ステロイド外用と部分切除術による治療を受けるも完治せず。当科で糜爛部よりの滲出液を培養したところ,ヒト型結核菌を分離した。ツベルクリン反応は弱陽性,胸部X線では異常なく,喀痰の抗酸菌培養も陰性であり,皮膚以外での結核病変は認められなかった。RFP 450mg/dayの内服約1ヵ月で糜爛,瘢痕の縮小を認めている。
研究
  • 古川 直子, 秋山 正基, 末木 博彦, 藤澤 龍一, 飯島 正文
    2000 年 62 巻 4 号 p. 503-507
    発行日: 2000/08/01
    公開日: 2010/09/02
    ジャーナル 認証あり
    Epithelioma cuniculatum(以下EC)は外観上verrucous skin lesions on the feet in diabetic neuropathy(以下VSL)と類似の像を呈するため,鑑別が困難なことがあり,日常診療においてその治療方針の決定に苦慮することも少なくない。今回我々は,過去35年間に当教室において,臨床的にECを疑って生検を施行した6症例の臨床·組織学的特徴を点数化し,PCNA, Ki-67, bcl-2, p53染色の陽性細胞率との相関を検討した。臨床·組織学的特徴の点数とp53染色の陽性細胞率との間にのみ統計学的に有意な相関が認められ,今後ECとVSLの鑑別に苦慮した際にはp53染色が役に立つ可能性があると考えられた。
講座
治療
  • 小林 桂子, 森田 明理, 磯村 巌, 細川 裕子, 辻 卓夫
    2000 年 62 巻 4 号 p. 515-517
    発行日: 2000/08/01
    公開日: 2010/09/02
    ジャーナル 認証あり
    難治性尋常性乾癬に対しPUVAバス療法を行い,外用PUVA療法より優れていることを以前明らかにした。しかし,今までのPUVAバス療法では0.3%メトキサレン液であれば1回の治療につき50ml(150 lの浴槽の場合)必要で費用がかかること,同じ浴槽を他の患者と共有することなどの問題があった。新しいPUVAバスインバス療法は,0.0001%メトキサレン温水の入ったビニール製浴槽(家庭で温泉を楽しむために考案されたもので20 l)を風呂に浮かべ,15分入浴後,直ちにUVAを週に4回照射する(初期量=0.2J/cm2,増量幅:0.2~0.3J/cm2)。今回,他施設からの紹介もしくは今までの外来治療で難治性であった尋常性乾癬患者14人にPUVAバスインバス療法を行った。平均年齢48.1歳(27~73歳),平均罹病期間12.9年(1~24年)。14人中13人に皮疹の寛解がみられた。13人の寛解までのPUVAバスインバス療法は平均27.0回(7~51回),総照射量73.9J/cm2(7.7~166.8J/cm2)。1症例で,照射量増量に伴う紅斑反応がみられたが,増量幅を少なくすること(0.1J/cm2)でみられなくなった。このほか照射に問題はなかった。PUVAバスインバス療法は難治性尋常性乾癬に有効であると思われる。
  • 市川 眞喜子, 渋谷 博文, 五十嵐 勝, 大井 綱郎
    2000 年 62 巻 4 号 p. 518-525
    発行日: 2000/08/01
    公開日: 2010/09/02
    ジャーナル 認証あり
    1995年11月から1997年3月末日までに東京医科大学八王子医療センター皮膚科を受診した皮膚感染症患者101例にレボフロキサシン(LVFX)を投与し有効性,安全性を検討するとともに起炎菌のMICを測定した。評価対象となった72例のうち男性は38例,女性は34例であった。疾患群別では,第IV群がやや少ないものの他はほぼ同数であった。重症度別では中等症が,病勢は悪化中が多かった。LVFXは300mg/日投与とし最長でも14日を超えなかった。起炎菌としてはMSSAが最も多く,ついでブドウ球菌属,プロピオニバクテリウム属が分離された。これらの菌種に対するMICも従来の報告と差異を認めなかった。88.9%に投与後,菌の陰性化を深め,総合的な有用性は78.9%であった。副作用や,臨床検査成績の異常を示した症例は,1例も認めず,皮膚科領域の感染症の治療に十分な効果を得られると考えた。
  • 佐藤 典子, 野中 由紀子, 古賀 哲也, 中山 樹一郎, 影下 登志郎, 大塚 藤男
    2000 年 62 巻 4 号 p. 526-529
    発行日: 2000/08/01
    公開日: 2010/09/02
    ジャーナル 認証あり
    成人型アトピー性皮膚炎の中等度から重症の患者に対し,塩酸アゼラスチンを連日1回夕食後に2mg内服し,臨床的効果と血清中の可溶性ICAM-1(sCD 54)とCD 30濃度変化について検討した。本治療により,そう痒感及び湿疹性病変は改善し,それに伴い血清中sCD 54濃度は低下した。血清中可溶性CD 30(sCD 30)値は,治療開始前に各症例毎でばらつきがあり,臨床的重症度と相関せず,血清IgE値とも相関しなかった。又,治療中,血清中sCD 30値の変化と臨床症状の改善度とも相関しなかった。これらの結果より,血清中sCD 54は,アトピー性皮膚炎の活動性の指標となり得るが,血清中sCD 30はアトピー性皮膚炎にどのような意義を持つか不明で,今後の更なる研究課題と考えられた。
  • 宮坂 敬一, 伊藤 正俊
    2000 年 62 巻 4 号 p. 530-539
    発行日: 2000/08/01
    公開日: 2010/09/02
    ジャーナル 認証あり
    乾癬患者を対象にシクロスポリンを投与し,寛解後の維持療法における有効性,安全性について検討した。投与方法はサンディミュン®4.Omgから5.Omg/kgで投与を開始し,寛解導入療法を実施した後,寛解の得られた患者を封筒法により無作為に3mg継続投与と3mg間歇投与(土曜,日曜休薬)に割り付け,さらに寛解維持療法を行った。試験に組み入れられた症例は24例で,初診日以降来院せず2例,4週未満で来院せず1例の合計3例を除く21例が寛解導入の解析対象症例(有効性対象例は20例)であった。寛解導入時の平均寛解導入投与期間は7.4±3.3週,開始時PASIは投与前平均23.8±7.1から3.2±3.3と有意(p<0.001)に減少した。寛解維持療法に組み入れられた15症例(継続療法:8例,間歇療法:7例)は,寛解維持継続療法終了時でPASI改善率, PASIスコアともに有意に悪化はしておらず,また両群に有意差はみられなかった。また総合判定でも両群に有意差はみられなかった。副作用は維持療法,間歇投与群に各々2例ずつみられたが,同様に両群に大きな差はみられなかった。以上の結果から,PASIの改善率, PASIの推移,そう痒の改善等維持効果において両群に有意差はみられず,また安全性に関しても両群に有意な差がみられないことから,寛解導入後の3mg間歇投与は有用な維持療法のひとつと考えられる。
  • 川原 繁, 竹原 和彦
    2000 年 62 巻 4 号 p. 540-547
    発行日: 2000/08/01
    公開日: 2010/09/02
    ジャーナル 認証あり
    褥瘡患者に対するアクトシン®(一般名:プクラデシン)軟膏の長期(16週)観察下における有効性と安全性の検討を行った。登録症例は46例で,安全性評価対象例数は45例,有効性評価対象例数は40例であった。成績を以下にまとめた。1)全般改善度の改善率(「改善以上」の割合)は65.0%,完全治癒率(「治癒」の割合)は35.0%であった。また,症状別改善度の改善率は肉芽形成,表皮形成がともに60.0%であった。2)本剤の6週以降の有効性について検討を行ったところ,潰瘍面積は6週以降も縮小しており,治癒した症例の42.9%が6週以降に治癒した症例であった。3)観察項目別では,肉芽形成,表皮形成はほとんどの症例が6週までに「極めて良好」以上に改善を示し,その後も治療の継続により,肉芽形成および表皮形成の改善が認められた。4)全般改善度を背景因子別に解析した結果,「体位変換の程度」,「運動麻痺の程度」,「潰瘍面積の大きさ」で有意差が認められた。5)安全性評価対象例45例中,副作用の認められた症例はなかった。以上の結果より,アクトシン®軟膏は長期投与が必要な褥瘡患者に対しても有用性の高い薬剤であると考えられた。
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