73歳の男性。1993年5月に骨髄異形成症候群を指摘された。1996年12月より左肘部,右手指に,紅色皮疹が出現し,近医にてスウィート病の診断で,プレドニゾロン20~30mg/日の投与を受け,1998年3月には間質性肺炎のためステロイドパルス療法を施行された。1999年9月13日初診時,背部,両大腿,下腿の計15ヵ所に直径数cmまでの紅色結節が多発し,一部潰瘍化を認めた。皮膚生検組織像で真皮下層から皮下脂肪織にかけて菌糸の増殖を認め,真菌培養で
Aspergillus fumigatusが分離·同定された。イトラコナゾール内服,アンホテンシンBの局注を施行したが血中
β-Dグルカンの上昇が認められた。経過中,アスペルギルス菌塊による右上肢の急性動脈閉塞症にて緊急手術を施行。その後心不全,肺炎を併発,心エコーにて僧帽弁に疣状増殖があり,僧帽弁閉鎖不全症が認められ,全身性アスペルギルス症へと進行し死亡した。
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