西日本皮膚科
Online ISSN : 1880-4047
Print ISSN : 0386-9784
62 巻 , 6 号
選択された号の論文の21件中1~21を表示しています
図説
綜説
症例
研究
  • 片山 一朗
    2000 年 62 巻 6 号 p. 766-771
    発行日: 2000/12/01
    公開日: 2010/09/02
    ジャーナル 認証あり
    蕁麻疹における原因と治療を考える上で行うべき検査につき検討した。長崎大学医学部附属病院皮膚科を1985~1999年に受診した患者を対象とした。内訳は急性蕁麻疹患者(36名),慢性蕁麻疹患者(56名)であった。総白血球数,好酸球(%),CRP, IgG, IgM, IgA, IgE, GOT, GPT,アルカリフォスファターゼ,抗核抗体,CH50の12項目につき施行例の検討を行った。今回の検討で蕁麻疹患者では初診時,CRP値異常が多い事(急性60.7%,慢性59.5%),慢性蕁麻疹患者で抗核抗体の陽性率が高い事(25%,44%),白血球数4000未満が多いこと(6.25%,15%)が明らかとなった。逆に肝機能異常を示す患者はそれぞれ11.1%,7.3%と低かった。血清IgE値は300U/l以上の高値を示した者がそれぞれ30.7%,24%であった。好酸球数は慢性蕁麻疹患者で比較的高値であった。これらの結果より慢性蕁麻疹患者では自己免疫的な側面を呈する患者が比較的多く存在すること,急性,慢性を問わず何等かの感染症が蕁麻疹発症と関連する可能性があると考えられた。逆に従来蕁麻疹と関連の深い検査項目と考えられた肝機能異常は予想より低く,アレルギー素因もIgE値で見た場合30%程度と比較的その関与が低いと考えられた。これらの結果より蕁麻疹患者の検査項目として膠原病などの免疫異常,ウイルス,細菌感染の検討も必要と考えられた。
講座
治療
  • 石澤 俊幸, 近藤 慈夫, 白石 正, 仲川 義人, 長岡 栄子, 中村 幹彦, 阿部 吉明, 中島 基貴
    2000 年 62 巻 6 号 p. 777-782
    発行日: 2000/12/01
    公開日: 2010/09/02
    ジャーナル 認証あり
    殺菌洗浄剤である花王ソフティ薬用ハンドウオッシュ10®の抗菌効果と皮膚刺激性の検討を行った。減菌率や最小殺菌希釈倍率からみた抗菌効果は,他の殺菌洗浄剤である塩化ベンザルコニウムやトリクロサンに比べ優位に高く,消毒剤であるグルコン酸クロルヘキシジンやポビドンヨードとほぼ同等の効果を有していた。また本製剤の使用に伴う角層水分量の減少率や経皮水分喪失量は,他の製剤に比べ優位に抑えられていた。また46例を対象とした4週間使用における手荒れや使用後のアンケート調査については,2例に接触皮膚炎様症状が認められ,若干の皮疹スコアの悪化が見られたが,中等度以上の悪化は認められなかった。この臨床結果と角層水分減少率および経皮水分喪失量の結果より,花王ソフティ薬用ハンドウオッシュ10®は,従来の殺菌洗浄剤より医療従事者にとっては皮膚刺激が少なく,手にやさしい消毒剤として有用であると考えられた。
  • 前田 学, 佐藤 美貴, 岩田 浩明, 山崎 隆治, 澤田 陽子, 荒木 真理
    2000 年 62 巻 6 号 p. 783-787
    発行日: 2000/12/01
    公開日: 2010/09/02
    ジャーナル 認証あり
    皮膚生検術は皮膚疾患の診断確定や腫瘍の悪性の有無判定などに必要不可欠であるが,通常頻用されるメスを使用した生検術は切開方向の決定や真皮縫合に経験を要し,緊急時や熟練していない他科医には不向きであるため,刃を用いたシェーブ法や生検トレパンを用いた皮膚生検術は比較的簡便でかつ有用と考えられる。しかしながら,深層部の病変や厚みのある病変に対しては刃の長さの関係から十分な皮膚組織を採取することが困難な場合もあるため,今回はこの生検トレパンの刃を長くした,即ち有効頚が長いロングタイプのトレパン(カイインダストリーズ(株))を開発し,これを用いた生検術の手技を報告すると共に日常診療での応用方法も合わせ紹介した。この1年間で33例の経験があるが,深部に病変を有する有棘細胞癌や結節性紅斑,モルフェア,表皮の増殖を伴う乳頭腫をはじめ,表皮嚢腫や石灰化上皮腫のくりぬき法に有用性が見られた。
  • M-732研究班
    2000 年 62 巻 6 号 p. 788-802
    発行日: 2000年
    公開日: 2010/09/02
    ジャーナル 認証あり
    2%リラナフタートクリーム(M-732クリーム)の股部白癬に対する臨床的有用性の検討を目的として,1%ビフォナゾールクリーム(BFZクリーム)を対照薬とした多施設共同の無作為化比較試験を行った。治験薬は,1日1回2週間罹患部位に適量を塗布した。培養検査での菌陰性化及び皮膚所見の改善度に基づき最終観察日における有効率を判定したところ,M-732群はBFZ群に比べて同等であることが検証された。また,副次的に評価した中間観察日及び最終観察日における培養検査での菌陰性化率,総合効果·有効率において,M-732群はBFZ群よりも優れていた。皮膚所見の改善度·改善率と有用性·有用率においては,両群間に差が認められなかった。以上より,M-732クリームは, BFZクリームと同等の治療効果を有するとともに中間観察日における有効率の高さより,速効性を臨床的特徴として併せもっことが確認された。なお,安全性においてはBFZ群に劣ったが,総合的に判断すると臨床的有用性を有していると考えられた。
  • 勝俣 道夫, 瀧川 雅浩, 杉浦 丹, 田中 信, 古川 福実
    2000 年 62 巻 6 号 p. 803-809
    発行日: 2000年
    公開日: 2010/09/02
    ジャーナル 認証あり
    脂漏性皮膚炎の治療には,従来からステロイド外用剤が広く用いられてきたが,外用抗真菌剤であるケトコナゾールクリーム(商品名;ニゾラール®クリーム)は海外において高い評価を得ており,また国内で実施された治験においても改善率は70~80%であることが報告されている。今回我々は,顔面に病変部を有する脂漏性皮膚炎患者54例において,ケトコナゾールクリームと非ステロイド系抗炎症外用剤であるイブプロフェンピコノールクリーム(商品名:スタデルム®クリーム)との比較検討を行った。その結果,両群の治癒率および改善率·有用性は,ケトコナゾールクリーム投与群ではそれぞれ59%,93%,93%,イブプロフェンピコノールクリーム投与群ではそれぞれ8%,56%,56%であり,両群間には有意な差が認められた。ケトコナゾールクリームは,脂漏性皮膚炎に対してイブプロフェンピコノールクリームより有用性が高いと考えられた。
世界の皮膚科学者
feedback
Top