西日本皮膚科
Online ISSN : 1880-4047
Print ISSN : 0386-9784
63 巻 , 6 号
選択された号の論文の16件中1~16を表示しています
図説
綜説
  • 林 照次, 荒瀬 誠治
    2001 年 63 巻 6 号 p. 595-604
    発行日: 2001/12/01
    公開日: 2010/09/02
    ジャーナル 認証あり
    The proliferation, differentiation and termination of cells are periodically repeated in the epidermis. Hair growth and shedding are also repeated in cycles. We have developed an evaluation method with electronic equipment to examine the details of the hair cycle and epidermal turnover. In this review, we describe 1) the differences in the length of the hair cycles between terminal hair and vellus hair, 2) the differences in the hair growth parameters between patients with androgenic alopecia and age-matched controls, and 3) the variation in the turnover rate in the stratum corneum among small areas on the skin surface. We also outlined various noninvasive methods to evaluate the dynamic aspects of the epidermis and hair.
症例
  • 木下 恵美, 高畑 ゆみ子, 中村 知恵, 横山 一雄, 石田 敏子, 新井 知隆, 濱本 嘉昭, 武藤 正彦
    2001 年 63 巻 6 号 p. 605-608
    発行日: 2001/12/01
    公開日: 2010/09/02
    ジャーナル 認証あり
    ゾニサミドによるhypersensitivity syndrome(HS)の1例を報告した。症例は26歳,女性で,本人と母親および弟がvon Recklinghausen病に罹患している。初診: 1999年9月17日。同年8月24日に側頭葉てんかんと診断され,ゾニサミド600mg/dayの内服を開始。9月4目に39℃台の発熱,9月13日にそう痒を伴う紅色皮疹が下肢より始まり全身に拡大し,乾性咳嗽が出現。初診時,顔面浮腫と全身の米粒大までの浮腫を伴う紅斑がみられ,体幹の紅斑は融合し,下肢では強い滲出性変化を示した。頚部リンパ節腫脹,38.4℃の発熱,乾性咳嗽がみられた。血液検査では,好酸球,異型リンパ球の増多,肝酵素の上昇を認めた。ペア血清によるヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)抗体価は,160倍および320倍であった。ゾニサミドによる薬疹を疑い,ステロイドの全身投与を行うも肝酵素の上昇,乾性咳嗽の増強を来たした。皮疹消退までに約1.5ヵ月を要した。咳嗽は皮疹消退後も続き,約2ヵ月に渡り遷延化した。ゾニサミドのパッチテストおよびDLSTはいずれも陰性であったが,内服テストにより皮疹を誘発することができた。以上より自験例をゾニサミドによる多形滲出性紅斑型皮疹を呈したHSと診断した。自験例では乾性咳嗽を主症状とする気管支炎が皮疹と同時に生じ,皮疹消退後も遷延化した点が特徴的であった。
  • 宮本 由香里, 大塚 俊, 橋壁 道雄, 原 典昭, 山蔭 明生, 山崎 雙次
    2001 年 63 巻 6 号 p. 609-612
    発行日: 2001/12/01
    公開日: 2010/09/02
    ジャーナル 認証あり
    症例:52歳,女性。1996年6月に当科にて全身性強皮症diffuse typeと診断され,以後外来にて加療していた。皮膚硬化は急速に進行したが間質性肺炎は軽度であり,消化管病変も認めなかった。1999年1月に動悸,胸部不快感が出現した。3月24日持続性心室頻拍にて緊急入院となった。心機能検査を行い,心室頻拍の原因疾患として最も多い虚血性心疾患やその他の心筋疾患は除外され,全身性強皮症の心病変と診断された。入院後も心室頻拍を繰り返し,種々の抗不整脈薬に抵抗性であったため,植え込み型除細動器の装着を予定していたが突然の心停止により死亡した。心室性不整脈は抗不整脈薬でのコントロールが難しい症例があり,突然死となる可能性があるため,特に早期の発見と治療が必要であると考えられた。
  • 後藤 智子, 池内 昭博, 加藤 則人, 安野 洋一, 岐部 幸子
    2001 年 63 巻 6 号 p. 613-616
    発行日: 2001/12/01
    公開日: 2010/09/02
    ジャーナル 認証あり
    39歳,女性の尋常性天疱瘡の1例を報告した。初診時には,四肢,体幹,口腔内,外陰部に水疱,びらんが認められた。病理組織学的検討,蛍光抗体直接法,ELISA法による血中抗デスモグレイン(Dsg)1,3抗体価測定を行った。これらの検査の結果より,尋常性天疱瘡粘膜皮膚型と診断し,ステロイド内服を開始した。経過中,臨床症状の停滞がみられたため,免疫抑制剤も併用した。治療期間中,定期的に抗Dsg 1,3両方の抗体価を測定し,これらと臨床症状との関連性を評価してみた。抗Dsg 1抗体価は皮膚症状と相関し,一方抗Dsg 3抗体価は粘膜症状と相関していた。このことはいわゆるDsg compensation theoryを裏付けると思われた。そしてまた,抗Dsg抗体価を測定することによって,確定診断できるだけではなく,病勢の把握もできると考えられた。
  • 山村 真弘, 雄山 瑞栄, 清島 真理子
    2001 年 63 巻 6 号 p. 617-620
    発行日: 2001/12/01
    公開日: 2010/09/02
    ジャーナル 認証あり
    59歳男性と51歳女性の末梢神経障害を伴ったサルコイドーシスを報告した。症例1では,下肢に硬結を伴う紅斑が出現し,その後,両足背の疼痛およびしびれ感に気づくようになった。末梢神経伝導速度検査では,脛骨神経と腓腹神経の異常がみられた。病理組織では,皮下脂肪織内に類上皮細胞とリンパ球よりなる肉芽腫が認められた。ステロイド内服を行ったところ軽快傾向を示すものの減量により再び症状が出現した。症例2では,顔面に硬結を伴う多発性紅斑が出現し,その後,右足背外側のしびれ感を自覚するようになった。末梢神経伝導速度検査では,右下腿の脛骨神経,腓骨神経,腓腹神経に異常が認められた。病理組織所見では,真皮中層から深層に類上皮細胞とリンパ球,巨細胞よりなる肉芽腫が認められた。ステロイド内服を行い,神経症状は改善した。
  • 新谷 洋一, 森田 明理, 辻 卓夫
    2001 年 63 巻 6 号 p. 621-623
    発行日: 2001/12/01
    公開日: 2010/09/02
    ジャーナル 認証あり
    22歳,男性。1995年冬頃より躯幹,上肢に痒みを伴わない鱗屑を伴った淡い紅斑が出現。皮疹は夏に軽快,冬に悪化の傾向があり,ステロイドなど外用剤治療に抵抗性であった。経過中,肘窩に線状の配列を示す茶褐色丘疹,顔面の脂漏性皮膚炎様病変が出現し,keratosis lichenoides chronicaと診断。カルシポトリオール軟膏外用で効果が認められた。
  • 中原 剛士, 増野 年彦, 段 虹, 古江 増隆, 桐生 美麿, 小松 奈保子, 鍛冶 友昭
    2001 年 63 巻 6 号 p. 624-627
    発行日: 2001/12/01
    公開日: 2010/09/02
    ジャーナル 認証あり
    15歳,女性。10歳時に左足背に圧痛を伴う皮内結節が出現し,切除術を受けた。切除半年後,その近接した部位に疼痛を伴う紅褐色丘疹が出現したため九州大学皮膚科を受診,切除術を受けた。両病変組織とも,病理組織学的には,真皮上層から中層にかけて多数の神経線維を含んだ末梢神経構造が認められ,外傷既往もないことから自験例を異時性に多発した特発性の皮膚神経腫と診断した。
  • 雄山 瑞栄, 山村 真弘, 清島 真理子, 伊藤 玲子, 岩田 雅子, 近藤 富雄
    2001 年 63 巻 6 号 p. 628-631
    発行日: 2001/12/01
    公開日: 2010/09/02
    ジャーナル 認証あり
    1歳2ヵ月,男児のLangerhans cell histiocytosis(LCH)の1例を報告した。生後2ヵ月時より血便があり,その後軽度肝障害,脾腫,サイトメガロウイルス感染症,中耳炎,白内障,ぶどう膜炎などを次々に併発した。当院小児科に入院後,頭部X線で円形の透亮像(punched out lesions)を認め,頭頂部,両耳介後部および両腋窩に脂漏性湿疹様皮疹に気づいた。頭頂部皮疹の生検で真皮にS-100蛋白およびCD1a陽性の異型性のある組織球様細胞を,また電顕所見では細胞質内にBirbeck顆粒を認めたためLCHと診断した。治療には, cytarabin, vincristine, prednisoloneからなる多剤併用化学療法が用いられ,10ヵ月後には寛解した。しかし,化学療法終了3ヵ月後に皮疹の再発がみられたため化学療法を追加し,再び寛解となった。
  • 前川 嘉洋, 小串 葉月, 國武 裕子
    2001 年 63 巻 6 号 p. 632-634
    発行日: 2001/12/01
    公開日: 2010/09/02
    ジャーナル 認証あり
    院内で発生したパルボウイルスB19(PVB 19)感染症患者14名を経験したので,その症状や経過,検査所見などについて報告した。感染経路については明らかにできなかったが,成人に発症した場合,関節痛,発熱,倦怠感,四肢の隆起した紅斑·腫脹などを伴い,皮疹は小児の伝染性紅斑にみられる網状の皮疹とは異なり,風疹などのウイルス性発疹症との鑑別を要した。院内で発症した場合,ハイリスク患者への感染を防ぐためにも,成人のPVB 19感染症の臨床や院内感染対策についての理解が必要である。
  • 久道 勝也, 比留間 政太郎, 小川 秀興
    2001 年 63 巻 6 号 p. 635-637
    発行日: 2001/12/01
    公開日: 2010/09/02
    ジャーナル 認証あり
    症例は50歳,女性,主婦。28歳頃よりSLEでプレドニゾロン内服中。皮膚病変は右手背に生じた潰瘍と右足背の紅斑浸潤局面。病理組織検査で巨細胞を混ずる肉芽腫性炎症像を認め,培養でMycobacterium kansasiiを分離した。またその4ヵ月前より,胸部レントゲン検査にて浸潤像を認め肺穿刺術にて皮膚と同種の菌が分離されており,肺病変が原発であると推察した。肺および皮膚病変ともイソニアジド内服により約7ヵ月で治癒した。日本では本菌による皮膚非結核性抗酸菌症はこれまで11例の報告があり,7例に膠原病やAIDSなどの何らかの基礎疾患が認められ,全身播種型は11例中4例であった。
講座
統計
  • 吉野 雄一郎, 中村 猛彦, 田代 尊久, 井 清司, 小野 友道
    2001 年 63 巻 6 号 p. 644-647
    発行日: 2001/12/01
    公開日: 2010/09/02
    ジャーナル 認証あり
    1998年5月1日より1年間,熊本赤十字病院救命救急センターを受診した患者総数40463名のうち,皮膚科関連疾患の患者4227名について,9つの疾患群(湿疹·皮膚炎群,蕁麻疹群,熱傷群,感染症群,頭部·顔面外傷群,その他の外傷群,爪疾患群,腫瘍群,その他)に分類し,患者数,年齢層,担当診療科について検討した。疾患群別の患者数は,その他の外傷群,蕁麻疹群,頭部·顔面外傷群,感染症群,湿疹·皮膚炎群,熱傷群,爪疾患群,腫瘍群,その他の順に多かった。年齢層では10歳未満の小児が多く,特に5歳未満の患者が全体の28.5%を占めた。熱傷患者448例のうち,年齢,重症度により入院治療を必要としたのは40例であった。今回の調査により皮膚科専門医として診療すべき患者が多いことが確認された。救急医療現場では,「救急皮膚科」患者に対し全身症状と皮膚症状の両者を適切に判断し,診断,治療を行わなければならない。特に感染症,外傷では,いわゆる境界領域に相当するものが多い。実際に診療を行うにあたっては,各診療科との連携が必要であり,治療方針,処置方法,および患者への説明について各診療科間で統一性を図る必要がある。
治療
  • 安田 浩, 村田 宏爾, 旭 正一
    2001 年 63 巻 6 号 p. 648-651
    発行日: 2001/12/01
    公開日: 2010/09/02
    ジャーナル 認証あり
    創傷被覆材の一つで,カルシウムイオン濃度を抑え,線維芽細胞増殖がより期待できる共有結合架橋アルギン酸ゲル創傷被覆材(クラビオAG®)を分層植皮採皮創10例,褥瘡1例に用い,皮膚欠損創に対する有用性を検討した。その結果「よい」と判定したものが8例,「ややよい」が2例,「どちらともいえない」が1例であった。本品はアルギン酸を主体とした他の被覆材に比べ創部からの浸出液を速やかに吸収してゲル化が早く,湿潤環境を形成できる点,繊維成分がないので異物として残留せず洗浄が容易である点が利点であった。一方欠点としては,ゲル化が早いので早めの交換が必要で,交換が遅くゲル流失に伴う創傷被覆効果が減少した場合は,局所の疼痛が出現する可能性があることであった。しかしアルギン酸のカルシウムイオン濃度が低いため止血効果が低いことが予想された点は通常の処置においては問題ない印象があった。本品の利点を考えると,症例数は少ないが,褥瘡のポケット内への使用が,処置の簡便さと昨年の創傷被覆材の保険上の取り扱いの改正を考えても有用であると思われた。
  • 飯田 利博, 西山 千秋, 山口 全一, 鈴木 啓之
    2001 年 63 巻 6 号 p. 652-658
    発行日: 2001/12/01
    公開日: 2010/09/02
    ジャーナル 認証あり
    経口抗真菌薬テルビナフィンを用いて中程度および重症爪白癬に対し,それぞれ連続内服療法と間歇内服療法で一定期間治療した。その後2年間両者の経過を比較観察し,より有効な治療を検討した。中程度以下の爪白癬に対しては連続内服療法または間歇内服療法を3ヵ月行い,治療終了後の判定にて著効,有効であれば,その後約1年定期的な観察が必要と思われた。一方,重症では治療後の長期経過観察から連続内服療法がより有効と考え,6ヵ月の治療で効果のあった症例は,その後1年6ヵ月の定期的な経過観察が必要と考えた。
世界の皮膚科学者
feedback
Top