西日本皮膚科
Online ISSN : 1880-4047
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64 巻 , 1 号
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図説
綜説
症例
  • 中島 喜美子, 山本 真有子, 池田 光徳, 小玉 肇
    64 巻 (2002) 1 号 p. 10-13
    公開日: 2010/09/02
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    65歳,女性。高齢発症の多彩な臨床像を示した原発性Sjögren症候群の1例を報告した。顔面と手掌の滲出性紅斑の臨床所見からはSjögren症候群とSLEの区別は困難であった。背部の掻破痕を伴う浮腫性紅斑および筋生検所見からは皮膚筋炎を疑った。各症候はプレドニゾロン30mg/日の内服治療で速やかに消退し,5mg/日の投与で寛解を維持しており,原発性Sjögren症候群と診断した。傾眠,見当識障害を示したが,これも原発性Sjögren症候群の症状と判断した。原発性Sjögren症候群においても,重複症候とは限らず,SLEや皮膚筋炎の症候を示しうることを報告した。
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  • 山田 淳子, 相原 道子, 千葉 由幸, 杉本 真純, 高橋 さなみ, 池澤 善郎
    64 巻 (2002) 1 号 p. 14-18
    公開日: 2010/09/02
    ジャーナル 認証あり
    41歳,男性。33歳より某医にて尋常性乾癬と診断され,加療されていた。その後,軽快と増悪を繰り返し,1997年8月より皮疹の増悪時に39℃台の発熱と倦怠感,関節痛などの全身症状を認めるようになった。同年12月当科紹介受診。初診時,全身に鱗屑を伴う紅斑が認められ,Vit.D3剤外用,ステロイド剤外用,紫外線療法,エトレチナートまたはシクロスポリンA内服にて治療するも,発熱と膿疱の出没を繰り返すようになった。咽頭培養で黄色ブドウ球菌が陽性,また扁桃誘発試験で陽性であったため,1999年4月,扁桃摘出術を施行し,直後に発熱を伴う皮疹の一時的な増悪を認めたが,術後約3週間には消退傾向を示した。その後,中等度の軽快増悪を繰り返していたが,術後一年半後に膿疱の出現は認められなくなった。自験例では扁桃摘出の前後で血中サイトカインを測定し,皮疹の増悪とともにIL-6,IL-8, IFN-γの一過性の上昇を認めた。これは扁桃摘出時の刺激によってT細胞が活性化され,一過性にこれらのサイトカインの上昇をきたしたと推測され,その結果皮疹の増悪や発熱をみたものと考えられた。
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  • 田嶋 磨美, 武田 秀美, 大久保 ゆかり, 古賀 道之
    64 巻 (2002) 1 号 p. 19-23
    公開日: 2010/09/02
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    症例1: 37歳の女性。21歳発症のSLEあり。数年前より両手掌,両足底に自覚症状のない米粒大の角化性丘疹が出現し,徐々に増加。症例2: 39歳の女性。1ヵ月前より両手掌,次いで両足底に自覚症状のない角化性丘疹が出現。2症例とも,病理組織学的に密に肥厚した角質塊があり,角質塊の底部表皮はU字型に下方に突出し,同部の表皮突起は内方に向かって延長していた。顆粒層の消失はない。家族に同症は認められなかった。2例ともkeratosis punctata palmaris et plantaris(KPPP)の典型例と考えられた。自験2例を加えた本邦報告例46例について合併症,遺伝関係,誘発因子,および病因論について若干の考察を加えて報告した。
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  • 宮本 麻子, 藤原 作平, 高安 進
    64 巻 (2002) 1 号 p. 24-25
    公開日: 2010/09/02
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    10ヵ月の男児。初診の4日前より,右下腿伸側に虫刺され様の浸潤した紅色皮疹とその近位側に逆U字型の引っ掻き傷様の皮疹があるのに母親が気づいた。その後,逆U字型線状皮疹は,形が変化しらせん型となったため来院した。らせん状皮疹の下方先端より出ている白色を伴う黒色線状構造物は抵抗なく除去でき,全長3cmの構造物が摘出された。顕微鏡下で毛皮質様構造を認め,線状構造物は毛幹と同定した。
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  • 小楠 優子, 関山 華子, 望月 良子, 三砂 範幸, 成澤 寛
    64 巻 (2002) 1 号 p. 26-28
    公開日: 2010/09/02
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    生後11ヵ月女児。初診の2ヵ月前より左頬部に暗赤色の結節を生じ近医での切開後急速に増大。腫瘍は直径13mmの半球状に隆起·突出した暗赤色結節を呈していた。病理組織学的に石灰化上皮腫と診断した。比較的まれな乳児例であり,発育が急速で腫瘤状を呈した点が特徴的であり,腫瘤状を呈する石灰化上皮腫について文献的考察を加えた。
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  • 立石 優美絵, 立石 毅, 里見 久恵, 石井 良征, 伴野 朋裕, 川内 康弘, 大塚 藤男
    64 巻 (2002) 1 号 p. 29-32
    公開日: 2010/09/02
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    53歳,女性。約5年前に右耳甲介の結節に気づき,2年前より同部から出血するようになった。初診時,右耳甲介に黄白色結節が存在し,その中央部が紅色疣状小結節状に突出していた。病理組織学的には表皮の乳頭腫症,2層の細胞より成る管腔壁,間質への著明な形質細胞浸潤像を示した。乳頭状汗管嚢胞腺腫と診断し,本症の発生部位,分化方向について考察を加えた。
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  • 萱場 光治, 森 徹, 成澤 寛
    64 巻 (2002) 1 号 p. 33-35
    公開日: 2010/09/02
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    症例は65歳の女性。頭部の褐色調を呈する,特に自覚症状のない結節を伴う脱毛斑を主訴に来院した。病理組織所見では,クロマチンに富む不整な核を有する細胞が真皮膠原線維間に1列に並ぶ“Indian filing”の組織像が得られ,またこれらの細胞が小型の腺管を形成し,metastatic adenocarcinomaの所見であった。既往歴として11年前に乳癌の手術を受けており,その3年後に局所再発を認め,乳癌の腫瘍マーカーの上昇などから乳癌の頭部皮膚転移によるalopecia neoplasticaと判断した。乳癌転移によるalopecia neoplasticaは典型的な臨床像とされながらも本邦報告例は少なく,文献的考察を加え報告した。
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  • 半田 芳浩, 羽渕 知可子, 日比 泰淳, 安江 敬, 柴田 真一, 富田 靖
    64 巻 (2002) 1 号 p. 36-40
    公開日: 2010/09/02
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    64歳,男性。経過中に両耳·右前腕·両手背に6個の日光角化症,右耳·左手背に2個の有棘細胞癌,右手背·左耳·右前腕に4個のBowen病および右手背に単発の基底細胞癌を認めた症例を経験した。砒素摂取歴や職業上で染料,切削油,コールタール,農薬などの発癌物質への曝露歴はない。UVAの最少反応量,UVBの最少紅斑量の低下はなかったが,皮疹はいずれも露光部に出現しているため,日光の刺激により誘発されたと推測した。右耳の日光角化症には液体窒素療法を施行し,他の腫瘍は全て切除した。局所再発は認めていないが,現在も両手背~前腕にBowen病の初期病変もしくは日光角化症と思われる褐~紅色斑が多発しているため,慎重に経過観察している。多種の皮膚悪性腫瘍が多部位にわたり発症した例は稀と考え報告した。
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  • 野尻 万紀子, 吾妻 靖子, 玉田 康彦, 松本 義也, 横井 太紀雄, 原 一夫
    64 巻 (2002) 1 号 p. 41-44
    公開日: 2010/09/02
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    20歳の男性。2000年1月頃左肩の紅色皮疹に気付いた。2月初旬から腹部にも皮疹が出現し,拡大してきたため同年3月2日に愛知医科大学付属病院皮膚科を受診した。初診時,下腹部正中部に45×40mm,表面にびらんを伴った鮮紅色の隆起性腫瘤を認めた。病理組織学的には,皮膚真皮に類円形の大型異型細胞が核分裂を伴ってびまん性に浸潤増殖し,巨細胞も混在した。免疫組織染色では腫瘍細胞はCD30に陽性, EMAが一部陽性, CD3, CD4, CD45 ROでも陽性でT cell表現型を示した。p80の検討ではその発現を認めなかった。末梢血,血液生化学ともに異常所見はみられなかった。また,骨髄検査でも異型細胞を認めなかった。全身検索の結果,リンパ節および遠隔臓器への転移は認められなかった。以上より本症例を皮膚原発,CD30陽性anaplastic large cell lymphomaと診断,腫瘍を全切除した。その後,右大腿部と後頚部にそれぞれ9×7mmと直径6mmの紅色丘疹が出現した。病理組織学的に真皮上層から下層にかけて結節性に大型異型細胞をまじえたリンパ球,組織球浸潤がみられ,好中球や好酸球が混在した。免疫組織染色では大型異型細胞がCD30陽性であった。臨床像と合わせてlymphomatoid papulosis type Aと診断し,これを伴ったanaplastic large cell lymphomaと考えた。
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  • 橋本 網子, 青木 見佳子, 川名 誠司
    64 巻 (2002) 1 号 p. 45-47
    公開日: 2010/09/02
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    無色素性悪性黒色腫は原発性悪性黒色腫の約2%を占めるといわれているが,色素性悪性黒色腫に「続発」したことが明らかな場合がある。今回我々は,先行する色素性病変が退色するとともに,腫瘍が増大またはびらん化し,無色素性悪性黒色腫として発見された2例を経験した。メラニン生成能の低下と,腫瘍の増大·転移といった悪性度の増加との間には関連があるものと思われた。無色素性悪性黒色腫は臨床的に血管拡張性肉芽腫や胼胝など良性病変との鑑別に苦慮することもある。先行する色素性病変の存在は診断の有力な手がかりになり,それを十分把握することによって不適切な切除や生検が避けられると考えた。
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  • 新見 やよい, 川名 誠司
    64 巻 (2002) 1 号 p. 48-50
    公開日: 2010/09/02
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    55歳女性の前頚部に生じた皮膚腺病の1例を報告した。6ヵ月前から前頚部に結節が生じ,前医で炎症性粉瘤の診断で摘出術を受けた後に,術創上に結節が再発した。組織所見は真皮から皮下脂肪織にわたる類上皮細胞性肉芽腫であった。小川培地による皮膚組織片の培養で黄白色のコロニーを認め,ヒト型結核菌と同定した。INHとRFPの内服で病巣は瘢痕治癒した。皮膚腺病は側頚部に好発するが,前頚部の発生例は比較的稀と思われた。また同症は炎症性粉瘤と誤診することが多く,その臨床的な注意点について述べた。
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  • 中野 純一郎, 宮里 肇, 岸本 信三, 宮国 毅, 野中 薫雄
    64 巻 (2002) 1 号 p. 51-54
    公開日: 2010/09/02
    ジャーナル 認証あり
    56歳の男性。抗HTLV-1抗体陽性。気分不良を主訴に某病院入院。低栄養状態,イレウスで加療されていた。糞線虫感染を認めたためivermectinの投与を行ったが,自宅近くへの転院を希望し,当院へ紹介入院となった。入院時所見にて,腹壁を中心に点状の紫斑を認め,当科を受診した。糞線虫の皮膚浸潤を疑い生検したところ,真皮膠原線維間に糞線虫の幼虫が認められた。また喀痰,便,十二指腸の生検からも糞線虫の幼虫を確認し,イレウス,呼吸器感染症も起こしていたことから播種性糞線虫症と診断した。沖縄県において,日常の臨床でしばしば糞線虫症に遭遇する。通常は無症状もしくは軽度の消化器症状が主であるが,患者が何らかの原因で免疫能の低下があるとき虫体は異常に増え,腸粘膜を通過し,主に血行性に全身へ散布される。その際,消化管内から持ち込まれた細菌による深刻な敗血症,肺炎,髄膜炎などを合併することがある。今後,高齢化社会になるにしたがい,多くの症例を経験するのではないかと思われた。
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  • 森 徹, 三砂 範幸, 成澤 寛, 茂木 幹義, 長谷川 英男, 宮田 彬
    64 巻 (2002) 1 号 p. 55-57
    公開日: 2010/09/02
    ジャーナル 認証あり
    69歳,男性。初診の約1年前より左側膝窩部に自覚症状のない皮下腫瘤が出現しているのに気付いた。1年後,左下腹部に同様の腫瘤が出現したが,これは膝窩部から移動したものと患者は訴えた。山水の飲水歴はあったが,明らかな生食の既往はなかった。初診時,左下腹部に2ヵ所,左鼠径部に1ヵ所,弾性軟の腫瘤を触知した。3ヵ所の腫瘤をすべて摘出したところ,各々から虫体が検出された。虫体の肉眼所見および組織所見よりマンソン裂頭条虫の幼虫であるプレロセルコイドと同定し,マンソン孤虫症と診断した。通常,多くのマンソン孤虫症は単発例であるが,自験例はその後,右下肢にも虫体を認めており,計4匹の多発例であった。
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  • 田中 達朗, 凌 太郎, 成澤 寛, 西本 勝太郎
    64 巻 (2002) 1 号 p. 58-61
    公開日: 2010/09/02
    ジャーナル 認証あり
    25歳女性の手掌に生じた黒癬の1例を報告した。患者は2年程前より自覚症状を欠き,大きさに変化のない手掌の茶褐色調色素斑に気づいており,レーザー治療も考慮に入れた受診であった。茶褐色斑より得られた鱗屑を20% KOH標本として鏡検したところ茶褐色の隔壁を有する菌糸と胞子が多数みられ,培養により黒色調のコロニーが得られ黒癬と診断し,スライド培養と電顕所見とを合わせHortaea werneckiiと同定した。患者の美容意識が高まり,色素斑の治療にレーザー治療が多用されている現在,色素斑を主訴に来院する患者の存在が予想され,鑑別診断の一つに黒癬を考えておく必要があると思われた。
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  • 今田 微香, 杉本 恭子, 村上 貴章, 高橋 眞智子, 波部 幸司, 磯田 憲一, 水谷 仁, 西本 勝太郎
    64 巻 (2002) 1 号 p. 62-66
    公開日: 2010/09/02
    ジャーナル 認証あり
    ブラジル在住歴のある患者に生じたparacoccidioidomycosisの2例を経験した。症例1は,38歳,女性。ブラジル生まれ日系3世。1998年6月に来日し,同年8月に皮疹出現,同年12月当科受診。上唇部,口唇および口腔内に有痛性の肉芽腫性病変を認め,圧痛を伴う頚部リンパ節腫張を認めた。組織学的に,巨細胞内にmultiple peripheral buddingを示す菌要素を認めparacoccidioidomycosisと診断した。イトラコナゾール1日200mg内服にて治療した。症例2は,55歳,男性。1964年にブラジル移住。1992年に出稼ぎに来日し,2年ごとに2週間ほどブラジルに帰国していた。2000年1月,下口唇および口腔内に肉芽腫性病変が生じ,症例1と同様の組織像を呈した。塩酸テルビナフィン1日125mg内服にて皮疹の軽快をみた。両症例からの原因菌の分離培養は不成功であったが,病理組織学的に本症に特徴的な所見を認めた。本邦報告は本症例を含め19例と少ないが,輸入感染症として念頭に置くべき疾患と考え報告した。
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講座
治療
  • 高濃度TV-02軟膏乾癬研究会
    64 巻 (2002) 1 号 p. 74-87
    公開日: 2010/09/02
    ジャーナル 認証あり
    タカルシトール軟膏(タカルシトール2μg/g含有,以下TV-02軟膏)を4週間継続塗布しても十分な効果が認められない左右対称の尋常性乾癬の皮疹を対象として,一側に高濃度TV-02軟膏(タカルシトール20μg/g含有)を1日1回又は1日2回,他側にTV-02軟膏を1日2回塗布し,高濃度TV-02軟膏の有効性及び安全性についての予備検討をTV-02軟膏との左右比較にて行った。併せて,本試験では高濃度TV-02軟膏を1日1回と1日2回塗布した場合の有効性·有用性を比較し,高濃度TV-02軟膏の用法についても検討した。全般改善度が「かなり軽快」以上の割合は,高濃度TV-02軟膏1回/日投与群で高濃度TV-02軟膏が84.8%に対してTV-02軟膏が51.5%,高濃度TV-02軟膏2回/日投与群では高濃度TV-02軟膏が86.1%に対してTV-02軟膏が55.6%であり,両群において高濃度TV-02軟膏はTV-02軟膏より有意に優れていることが認められた。また,高濃度TV-02軟膏の「かなり軽快」以上の割合は,高濃度TV-02軟膏1回/日投与群と2回/日投与群の間で有意差は認められなかった。安全性では,高濃度TV-02軟膏とTV-02軟膏の両薬剤共に局所性副作用及び全身性副作用の発生は認められなかった。また,治験薬と関連性があると考えられる臨床検査値の異常変動も認められなかった。以上より,高濃度TV-02軟膏はTV-02軟膏で十分な効果が認められない尋常性乾癬皮疹に対して,1日1回の用法で有用な薬剤と考えられた。
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  • 高濃度TV-02軟膏乾癬研究会
    64 巻 (2002) 1 号 p. 88-104
    公開日: 2010/09/02
    ジャーナル 認証あり
    タカルシトール軟膏(タカルシトール2μg/g含有,以下TV-02軟膏(2μg/g))を1日2回4週間塗布しても十分な効果が認められない尋常性乾癬皮疹を対象に,タカルシトール濃度4μg/g,8μg/g,20μg/gの軟膏を1日1回(最大片側2g)塗布し,有効性及び有用性について濃度(用量)依存性を二重盲検左右比較試験にて検討した。最終全般改善度においてCochran-Mantel-Haenszel検定の結果,濃度(用量)依存性が認められた(p<0.001片側)。安全性では,局所性副作用として4μg/gでヒリヒリ感1件,8μg/gでヒリヒリ感1件,刺激感1件が発現したが20μg/gでは副作用は認められなかった。発現した副作用はいずれの症状も重篤なものではなく,治験薬塗布中止後,軽快が確認された。また,全身性副作用及び治験薬との関連性があると考えられる臨床検査値の異常変動はいずれの群においても認められなかった。安全性を考慮した有用度にっいてもCochran-Mantel-Haenszel検定の結果,濃度(用量)依存性が認められた。以上のことより,TV-02軟膏(2μg/g)を4週間塗布しても十分な効果が認められない尋常性乾癬皮疹に対し,タカルシトールの濃度が4~20μg/gの範囲で有効性及び有用性に濃度(用量)依存性が認められ,高濃度製剤のタカルシトール推奨濃度を20μg/gと決定した。
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  • 高濃度TV-02軟膏乾癬研究会
    64 巻 (2002) 1 号 p. 105-119
    公開日: 2010/09/02
    ジャーナル 認証あり
    高濃度TV-02軟膏(タカルシトール20μg/g含有)の有効性を検証することを目的として,タカルシトール軟膏(タカルシトール2μg/g含有,以下TV-02軟膏)を4週間塗布しても十分な効果が認められない尋常性乾癬皮疹を対象に,継続してTV-02軟膏を4週間塗布した群と,高濃度TV-02軟膏を4週間塗布した群で二重盲検左右比較試験を実施した。併せて,高濃度TV-02軟膏の局所性副作用の頻度,重症度をTV-02軟膏と比較検討した。点数化した皮膚所見は,高濃度TV-02軟膏を塗布した群が,TV-02軟膏を継続して塗布した群と比較して有意に軽快していた(p<0.001)。最終全般改善度においても,高濃度TV-02軟膏を塗布した群は,TV-02軟膏を継続して塗布した群と比較して有意に優れていた(p<0.001)。解析対象症例59例中「かなり軽快」以上の有効率は,TV-02軟膏を継続して塗布した群が64.4%であったのに対して,高濃度TV-02軟膏を塗布した群は86.4%であった。また,高濃度TV-02軟膏を塗布した患者において局所性副作用は認められなかった。さらに,全身性副作用及び治験薬との因果関係が否定できない臨床検査値の異常変動は共に認められなかった。以上より,高濃度TV-02軟膏はTV-02軟膏で十分な効果が認められない尋常性乾癬皮疹に対して有用な薬剤と考えられた。
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世界の皮膚科学者
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