西日本皮膚科
Online ISSN : 1880-4047
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64 巻 , 2 号
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図説
綜説
症例
  • 永井 弥生, 滝 愛子
    64 巻 (2002) 2 号 p. 154-156
    公開日: 2010/09/02
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    10歳男児。初診2ヵ月前より左下肢に皮疹が出現した。初診時,左下肢に浸潤のない暗紅褐色から暗紫紅色の斑が多発していた。組織学的には真皮上層の血管周囲に軽度の単核球浸潤と出血を認めた。慢性色素性紫斑の小児例,さらには片側性は稀である。自験例は慢性色素性紫斑の一型ともされるlichen aureusあるいはlichen purpuricusと類似した所見を呈していたが,臨床組織学的所見より鑑別し,広義の慢性色素性紫斑と考えた。
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  • 渡辺 幸恵, 森田 明理, 辻 卓夫
    64 巻 (2002) 2 号 p. 157-160
    公開日: 2010/09/02
    ジャーナル 認証あり
    38歳の女性。15年前から筋力低下,関節痛,レイノー症状があり,多発性筋炎として治療を受けていた。その後,手指関節の変形,体幹の網状暗赤色斑,熱発が出現し,精査のため入院。白血球2900/μl,抗核抗体陽性,lupus band test陽性,抗DNA抗体(RIA)7730IU/μlと著明高値を示し,眼科,口唇生検,唾液腺造影の所見とあわせ,シェーグレン症候群を合併した全身性エリテマトーデスと診断した。低身長(141cm)があり,末梢血リンパ球の染色体分析で45X/46XX/47XXXのモザイクを示すことから,ターナー症候群と考えられた。両者の合併は,自己免疫疾患の発症要因を検討する上で注目に値すると考えた。
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  • 久保田 由美子, 桐生 美麿, 中山 樹一郎
    64 巻 (2002) 2 号 p. 161-166
    公開日: 2010/09/02
    ジャーナル 認証あり
    52歳の女性。初診の10年前に,顔面,頚部,四肢の色素沈着,5,6年前に,手指の腫脹,硬化,屈曲困難,1年前に,Raynaud症状が出現。8年前より胸部X線にて心拡大を指摘。6ヵ月前に,労作時息切れ,心胸郭比63.2%,肝腫大等の心不全症状が出現。10日前より起座呼吸となり,2001年1月15日,当院内科入院。心エコーで肺動脈収縮期圧81.4mmHgと著明高値であり,肺高血圧症(PH)の診断。抗核抗体5120倍,抗セントロメア抗体陽性。嚥下困難と顔面,頚部,前胸部の毛細血管拡張,両前腕,右腰部に皮下石灰沈着があり,PHを伴ったCREST症候群と診断。肺線維症はないが,肺拡散能は低下し,酸素吸入療法等の対症療法に不応で,生命予後は不良と思われる。自験例は皮膚症状が先行していたが,PHの症状が出現して8年目に初めてCREST症候群の診断がなされた。CREST症候群でもMCTDと同様, PHを伴うことが多く,致命的であるため,皮膚症状や合併症の早期発見が重要である。
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  • 三浦 由宏, 井上 卓也, 三砂 範幸, 成澤 寛
    64 巻 (2002) 2 号 p. 167-169
    公開日: 2010/09/02
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    24歳,女性。10歳頃より左下腿内側にそう痒を伴う褐色斑が出現し徐々に拡大。左大腿,下腹部から胸部,背部,左上肢にかけて左半身のみに線状に広範な分布を示した。病理組織学的に表皮内にcornoid lamella,その直下の顆粒層の消失,表皮細胞の空胞化,基底細胞の配列の乱れを認め,臨床像と併せ線状汗孔角化症と診断した。皮疹は上胸部,腹部や腰背部で上に凸のアーチ型を示し,Blaschko線に沿って配列するのが特徴であった。
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  • 新井 達, 勝岡 憲生
    64 巻 (2002) 2 号 p. 170-172
    公開日: 2010/09/02
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    光沢苔癬の典型例1例を提示すると共に,当科で経験した詳細が明らかな25症例について集計し,その発症年齢,部位および時期,合併症の有無,組織像の特徴,経過などについて検討した結果を報告する。平均発症年齢は18.9歳で,男女比は1.8:1.0であった。春から夏の発症例が大半を占め,日光との関連性が示唆された。合併症で比較的多いのはアトピー性皮膚炎であった。組織学的所見は,リンパ球,組織球の浸潤に巨細胞を混じるなど肉芽腫性反応が目立つのが特徴であった。本症は一般的にvery strongクラスのステロイド外用剤が効果的であるが,一部の症例では自然寛解もあるものと思われた。
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  • 前島 英樹, 嶋村 祐美, 白井 京美, 沈 國雄, 原田 晴美, 衛藤 光
    64 巻 (2002) 2 号 p. 173-177
    公開日: 2010/09/02
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    好酸球性膿疱性毛嚢炎の2症例を報告した。症例1は62歳女性。シェーグレン症候群を思わせる顔面の環状の紅斑。自覚症状はなかった。生検にて毛嚢への好酸球の浸潤と毛嚢の変性像を認めた。インドメタシン内服に反応せず,背部にも同様の紅斑が出現した。症例2は25歳女性。顔面のそう痒を伴う環状の紅斑。トシル酸スプラタストの2週間の内服により消失し,再燃を認めず。臨床像および治療に関して特異的と思われた2例と当科過去7年間に経験した3例を簡単に報告し,若干の文献的考察を加えた。
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  • 加賀谷 真起子, 近藤 靖児, 加藤 文博, 矢澤 仁, 松坂 英信, 神保 孝一
    64 巻 (2002) 2 号 p. 178-181
    公開日: 2010/09/02
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    47歳女性のnevoid basal cell carcinoma syndrome(以下NBCCS)の1例を報告する。NBCCSは多発性または若年性の基底細胞癌,顎骨の多発性嚢胞(歯原性角化嚢胞),掌蹠のpits,異所性石灰化,骨格異常を含む多彩な臨床像を呈する常染色体優性遺伝母斑症であり,その原因遺伝子は9q22.3に位置するpatched geneと強い相同性を示す。自験例では全身に散在する36個の色素性病変を切除し,その内の11個が基底細胞癌(basal cell carcinoma,以下BCC)であり,一般のBCCに比較し,非露出部の発症が多く,組織学的には表在型が多かった。
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  • 近藤 正孝, 加倉井 真樹, 平賀 剛, 臼井 恵太郎, 清澤 智晴, 中川 秀己, 出光 俊郎
    64 巻 (2002) 2 号 p. 182-186
    公開日: 2010/09/02
    ジャーナル 認証あり
    類天疱瘡に治癒後に生じた黒色表皮腫様皮疹についてはこれまでほとんど注目されてない。当教室で経験した類天疱瘡治癒後に生じた黒色表皮腫様皮疹について検討した。対象は5例で,すべて女性,全例に全身に水疱が多発,組織所見で表皮下水疱を認め,直接及び間接蛍光抗体法によって類天疱瘡と診断した。5例とも水疱の新生はステロイド内服療法により止まった。四肢とくに手背及び足背の水庖が治癒した後に鶏卵大までの褐色から黒褐色の黒色表皮腫様皮疹が認められた。組織学的には正角化を伴う角質増殖に加えて表皮の肥厚と乳頭腫症がみられ,メラニンの滴落と血管周囲性炎症細胞浸潤を認めた。免疫組織化学的検索ではヒト乳頭腫ウイルスは陰性であった。これらの皮疹は数週間後に自然軽快した。
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  • 寺内 雅美
    64 巻 (2002) 2 号 p. 187-189
    公開日: 2010/09/02
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    Lipofibromatous hamartoma of nerve(神経内線維脂肪性過誤腫: 以下LFHと略す)は末梢神経の線維脂肪性腫大を特徴とした稀な疾患で特に正中神経に好発し,臨床的に四肢末梢皮下のびまん性腫脹を特徴としている。今回16歳男性の正中神経より指神経に発生し,手掌より示指にかけて腫脹を主訴とした本症の典型例を経験したので報告した。LFHは四肢末梢の神経の間質成分である線維組織と脂肪組織が非腫瘍性に増殖した過誤腫といわれ,1953年Masonにより初めて報告されて以来国内外で約100例の報告がある。診断はCTやMRI等の画像診断が有効であるといわれているが,実際は生検によることが多い。治療法は1. 顕微鏡下脂肪腫摘出,2. 神経·腫瘍摘出と神経吻合あるいは神経移植,3. 神経·腫瘍摘出,4.手根管症候群の場合は手根管開放と神経被膜切開による除圧などがある。今回は神経·腫瘍の部分切除を行ったが,術後に懸念されていた神経脱落症状は認められなかった。
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  • 平島 徳幸, 三砂 範幸, 凌 太郎, 成澤 寛, 大島 孝一, 菊池 昌弘
    64 巻 (2002) 2 号 p. 190-193
    公開日: 2010/09/02
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    78歳女性。皮膚に初発し,鼻腔に再発をしたnasal-type NK/T-cell lymphomaの1例を報告した。初診の約3ヵ月前に,左肘部に暗赤色の腫瘤が出現し急速に増大した。初診時直径3cmの腫瘍の皮膚生検組織像では,腫瘍細胞は真皮全層にびまん性に認められ,表皮内にも胞巣状に浸潤していた。免疫組織学的には腫瘍細胞はCD2, CD3, CD56に陽性であった。またin situ hybridization法にて腫瘍細胞にEBウイルスの感染が確認された。全身検索にて他臓器病変はなく,放射線療法が著効した。初診の2ヵ月後鼻腔に再発を認めたが,同じく放射線療法にて病変は消退した。その後も皮膚に3度の再発があったものの,いずれも放射線治療に反応し,初診後2年の現在,ほぼ寛解の状態である。
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  • 西江 渉, 飯豊 深雪, 石原 敏道, 鹿野 哲, 清水 道生
    64 巻 (2002) 2 号 p. 194-199
    公開日: 2010/09/02
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    卵巣腫瘍があり手術予定であった62歳の女性。骨盤腹腔内,左肺門,両側腋窩,左鎖骨上部,両側頚部リンパ節腫脹のほか顔面,頚部,背部に浸潤を触れる紅斑を認めた。背部の皮疹の病理組織像は,核異型性の強い小型から大型のCD20(+)単核細胞が真皮に結節性に浸潤しておりB-cell lymphomaが疑われた。摘出された腹腔リンパ節では,CD3(-), CD20(+), CD10(+), CD5(-)で濾胞構築を示す大型の単核細胞が腫瘍性増殖しており,follicular lymphoma(FL)と診断した。卵巣はmucinous cystadenoma, endocervical typeのほか,リンパ節と同様の大型細胞の浸潤がみられたが,濾胞構造を示す箇所は一部で多くはびまん性に浸潤していた。なお,bcl-2タンパクの発現は皮膚のみで陽性だった。二次浸潤臓器での病理組織型とbcl-2タンパクの発現について検討した。
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  • 上ノ土 武, 今福 信一, 占部 和敬, 古江 増隆
    64 巻 (2002) 2 号 p. 200-202
    公開日: 2010/09/02
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    74歳男性。1999年4月に肺扁平上皮癌を指摘され,放射線療法,化学療法併用により部分寛解となった。その経過中に吐血し,内視鏡にて胃癌を指摘され,1999年8月胃全摘術を施行された。2000年3月当科初診時は,ほぼ腹壁全体に紅色調の板状硬結が認められた。組織学的には真皮から皮下脂肪組織にわたりびまん性に,印環細胞を混ずる腫瘍細胞の浸潤が認められた。リンパ管の拡張,及びリンパ管内腫瘍塞栓像は認めなかった。腹部CTでは肝転移およびリンパ節転移の所見は認められなかったが,広い範囲に癌性腹膜炎の所見が認められた。転移の経路として血行性,リンパ行性の経路よりも広範囲な癌性腹膜炎からの直接浸潤が推察された。
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  • 室井 栄治, 濱崎 洋一郎, 土居 剛士, 阿部 陽子, 鵜殿 雅子, 片山 一朗, 斉藤 了一
    64 巻 (2002) 2 号 p. 203-206
    公開日: 2010/09/02
    ジャーナル 認証あり
    55歳女性。1998年夏頃,左鼠径部の腫瘤に気づいた。生検で悪性黒色腫と診断され,近医病院皮膚科で腫瘤を摘出。精査するも原発巣は不明。左鼠径部腫瘤とほぼ同時期に頭部の白毛に気づいた。その後右眼の視力障害出現し,陳旧性ぶどう膜炎·視神経炎と診断。頭部の白毛は認めるものの白斑は認められなかった。悪性黒色腫に伴う白毛,ぶどう膜炎について悪性黒色腫に対する自己免疫的機序の関与を考えた。
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  • 吉野 恵, 鈴木 かやの, 青木 見佳子, 楠 俊雄, 川名 誠司
    64 巻 (2002) 2 号 p. 207-210
    公開日: 2010/09/02
    ジャーナル 認証あり
    リンパ管型と考えられる原発性皮膚ノカルジア症の1例を報告した。3年前の夏に自宅庭のガラスで刺傷後,左肘部に結節が出現した。近医で抗生剤,抗真菌剤投与などが行われていたが,左腋窩に皮疹が拡大したため当科入院。左上肢に表面にびらんと痂皮を伴う境界明瞭な紅色結節を認め,左腋窩に10数個の結節が散在し,漿液性の滲出液を伴っていた。表在リンパ節は触知しない。病変部の組織は非特異的肉芽腫性炎症で,特殊染色を用いたが組織切片中に菌要素を認めなかった。また病巣からの滲出液中にも穎粒を認めなかった。組織の抗酸菌培養は陰性。皮内テストでは,スポロトリキン反応(-),PPD陰性,DNCB貼付試験で細胞性免疫能の低下が示唆された。組織片の培養でNocardia brasiliensisを分離した。以上より皮膚リンパ管型ノカルジア症と診断した。Imipenem cilastatin(IPM/CS), ST合剤投与にて,略治した。皮膚リンパ管型は一般的に急性に経過するが,本症例では宿主の免疫能の低下が臨床形態の発現に大きく影響していることが予想された。また,IPM/CSの著効したNocardia brasiliensisであった。
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研究
  • 師井 洋一, 小幡 千景, 藤田 尚平, 柴田 智子, 小西 さわ子, 段 虹, 西郷 しおり, 深川 修司, 田代 あかり, 豊田 美都, ...
    64 巻 (2002) 2 号 p. 211-217
    公開日: 2010/09/02
    ジャーナル 認証あり
    早期悪性黒色腫におけるセンチネルリンパ節生検はその有用性が認められ治療のスタンダードとなってきた。しかし,メラノーマの微小転移を検出するためにはルーチンの病理組織学的検討において多数の連続切片を作成し,従来のHE染色に加えて免疫組織学的検討をも施行する必要がある。この煩雑な診断過程をより簡便にまた確実にする目的で,我々はセンチネルリンパ節のRT-PCR法によるメラノーマ細胞検出を施行している。メラノーマ特異抗原であるチロシナーゼMART-1, gp100を特異的プライマーで増幅し,センチネルリンパ節内のわずかなメラノーマ細胞を検出する。また生物学的偽陽性の可能性より我々はRT-PCRで陽性の場合,組織学的に再検討する方針としている。
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講座
治療
  • 林 伸和, 川島 眞, 小林 美咲, 細谷 律子, 前口 瑞恵, 山田 美奈, 神 久美, 村田 恭子, 北原 比呂人, 杼木 真理子, 秋 ...
    64 巻 (2002) 2 号 p. 227-231
    公開日: 2010/09/02
    ジャーナル 認証あり
    ざ瘡の病因は,脂腺の分泌亢進,毛孔開口部の角化異常に伴う閉塞,ざ瘡桿菌の増殖とそれに伴う炎症の3つがある。一方で,掻破行動(ざ瘡を触ることや潰すこと)は,ざ瘡の増悪因子のひとつである。本研究では,マクロライド系抗生物質のロキシスロマイシンを用いた薬物療法の臨床的有効性を検討し,さらに増悪因子である掻破行動に対するメンタルケア(MC)や毛孔開口部の閉塞の改善に有効とされるケミカルピーリング(CP)を併用することで治療効果の変化を調べた。その結果,炎症性皮疹および非炎症性皮疹の個数の変化,患者の満足度のいずれでもメンタルケア併用群やケミカルピーリング併用群では,ロキシスロマイシン単独投与群に比較して,有意な付加的効果を示していた。従来の抗生物質を用いた基本治療に加えて,さらに高い効果と満足度を得ることのできる付加的治療も今後重要になってくると思われる。
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  • 林 伸和, 川島 眞
    64 巻 (2002) 2 号 p. 232-236
    公開日: 2010/09/02
    ジャーナル 認証あり
    カルシポトリオール軟膏の使用経験を報告した。対象患者は,当院にてカルシポトリオール軟膏を使用開始し,開始後2ヵ月間に1度以上通院した30名の患者である。ステロイド外用剤もしくはタカルシトール軟膏から変更した場合にも,増悪した症例はなく,調査した紅斑,浸潤,鱗屑のすべての項目で改善がみられた。随伴症状として紅斑の周囲への拡大がみられた症例が4例あり,刺激感を訴えた症例が1例あった。今回の検討から,有効性の点では,特に他剤からの切り替えの際に配慮は必要ないことがわかった。また,浸潤や鱗屑に対しては,その効果が明確であるが紅斑は周囲に拡大することがあることがわかった。カルシポトリオール軟膏は,活性型ビタミンD3誘導体であり,作用機序,副作用とも従来のステロイド外用剤とは異なり,今後の体幹,四肢の乾癬の外用薬として重要な位置付けになると考えられた。
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  • 高濃度TV-02軟膏乾癬研究会
    64 巻 (2002) 2 号 p. 237-252
    公開日: 2010/09/02
    ジャーナル 認証あり
    尋常性乾癬入院患者を対象に,活性型ビタミンD3であるタカルシトール(1 α,24(R)-(OH)2D3)を20μg/g含有する軟膏(高濃度TV-02軟膏)の安全性,薬物動態及び有効性を検討する為,臨床薬理試験を5施設の共同研究で実施した。試験は,本剤の7g/日(タカルシトールとして140μg/日)または10g/日(タカルシトールとして200μg/日)の1日1回28日間単純塗布で行った。14例が組み入れられ,局所性副作用は1例2件(中等度の発赤と刺激感)認められたが,全身性副作用は認められなかった。試験薬剤との因果関係が否定できない臨床検査値の異常変動は1例で4件が認められた。また,10例において有効であった。薬物動態の検討では,14例中9例で塗布4時間後に血清中にタカルシトールが検出されたが,24時間後には全ての症例で定量限界値あるいは定量限界未満となり,蓄積性は認められなかった。また腎機能が低下している患者,及びサイアザイド系利尿剤を併用していた患者で,血清カルシウムが上昇する可能性があることが示唆された。しかし,この他の症例においてはカルシウム代謝調節ホルモンの変動が認められるものの,血清カルシウムの恒常性は維持されていると考えられた。以上より,腎機能低下患者とサイアザイド系利尿剤併用患者を除外し,タカルシトールの1日投与量が200μgまでであれば,高濃度TV-02軟膏は尋常性乾癬患者に対し安全に使用できる薬剤であると考えられた。
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世界の皮膚科学者
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