西日本皮膚科
Online ISSN : 1880-4047
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64 巻 , 4 号
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図説
綜説
症例
  • 荒川 弘士, 落合 豊子, 藤塚 章子, 森嶋 隆文
    64 巻 (2002) 4 号 p. 412-415
    公開日: 2010/09/02
    ジャーナル 認証あり
    31歳,女性。22歳時,顔面の環状紅斑の既往がある。28歳頃から長時間の立位後,下肢に紫斑を生じることがあったが,妊娠後,増悪するため,妊娠8ヵ月時に当科を受診した。初診時,両下腿に径2~3mmの紅斑ないし紫斑が多発,一部癒合して局面を形成し,色素沈着を伴っていた。抗SS-A抗体30.8 ELISA index,抗SS-B抗体138.4 ELISA index,γグロブリン2.0g/dl。ガムテスト正常, Schirmerテスト正常,Rose-Bengal染色テストおよびfluorescein染色テスト陽性。組織は真皮血管周囲性の好中球性細胞浸潤が主体で,核塵と赤血球の血管外漏出がみられた。紫斑は安静のみで妊娠約9ヵ月で色素沈着を残し軽快した。出生した児は環状紅斑と心室中隔欠損を伴い,抗SS-A, SS-B抗体高値で新生児エリテマトーデス(LE)と診断された。以上より,自験例の紫斑は血管炎にγグロブリンおよび血液粘稠度の増加,妊娠に伴う循環血漿量の増加や子宮の圧迫による下大静脈還流障害などが加味されて生じたと考えられ,高γグロブリン血症性紫斑と診断した。しかし,抗SS-A, SS-B抗体高値であること,乾燥性角結膜炎が疑われ,新生児LE児を出産したことより,厚生省の改定診断基準を完全には満たしていないが,基礎疾患としてSjögren症候群を有する可能性も考えられる。高γグロブリン血症性紫斑の妊婦では抗SS-A, SS-B抗体を確認し,胎児の心症状に留意することが肝要である。
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  • 山村 真弘, 雄山 瑞栄, 清島 真理子
    64 巻 (2002) 4 号 p. 416-418
    公開日: 2010/09/02
    ジャーナル 認証あり
    53歳の女性にみられた線状強皮症を伴った全身性強皮症の1例を報告した。1975年頃より間質性肺炎と手指の硬化があり,当院呼吸器科で全身性強皮症としてプレドニンの内服治療を受けていた。数年前より手指の硬化が著明になると共に前胸部に皮下硬結を自覚。数ヵ月前より皮下硬結の延長が認められたため当科を受診した。初診時,前胸部に淡紅色の線状を呈する皮下硬結が認められた。血液検査所見では,抗核抗体が320倍と陽性,KL-6も643 U/mlと上昇していた。胸部X線·CT像では,間質性肺炎が認められた。前胸部の皮下硬結よりの皮膚生検で真皮の膠原線維の増生と真皮血管周囲の軽度リンパ球浸潤がみられた。以上の所見より,線状強皮症を伴った全身性強皮症と診断した。当科外来にてニコチン酸トコフェロール内服投与およびアルプロスタジルの静注でレイノー症状や手指の冷感の改善は認められたが,1年5ヵ月後の現在も,皮下硬結は徐々に延長している。
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  • 井戸 敏子, 徳力 篤, 清原 隆宏, 熊切 正信
    64 巻 (2002) 4 号 p. 419-422
    公開日: 2010/09/02
    ジャーナル 認証あり
    72歳,女性。26歳時,肺結核のため手術をうけ,輸血歴がある。40歳頃から慢性C型肝炎を指摘され加療中である。初診の約1ヵ月前,額部,両頬部にびまん性の紅斑が,両手背,前腕に痒みを伴う紅色小局面が出現した。さらに寒冷曝露後,四肢に網状皮斑,紫斑が出現した。クリオグロブリン陽性で,type IIIクリオグロブリンと同定した。前腕の皮疹の病理組織像は,苔癬型の組織反応であった。蝶形紅斑とは異なるが,エリテマトーデスを疑わせる臨床像,病理組織像であった。しかし,抗核抗体は陰性であり,慢性C型肝炎に対する加療の継続により顔面の紅斑,手背から前腕の紅色局面,四肢の網状皮斑,紫斑が軽快したことから,自験例を慢性C型肝炎に伴う扁平苔癬ならびに混合型クリオグロブリン血症による網状皮斑および紫斑と診断した。
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  • 吉田 美加, 馬場 利容, 末木 博彦, 飯島 正文, 橋本 隆
    64 巻 (2002) 4 号 p. 423-426
    公開日: 2010/09/02
    ジャーナル 認証あり
    63歳,男性。初診2ヵ月前に肺癌が疑われ,同時期より躯幹·四肢にそう痒を伴う小水疱が出没するようになった。初診時には明らかな水疱は認められず,躯幹·四肢に栂指頭大のびらん,痂皮,色素斑が多発しており,稗粒腫,粘膜疹はみられなかった。初診9日後,辺縁に小水疱を伴う紅斑が出現したため,水疱性類天疱瘡を疑い,生検。組織学的に表皮下水疱が認められ,蛍光抗体直接法で表皮基底膜部にC3の線状沈着が認められた。蛍光抗体間接法でIgG抗表皮基底膜部抗体は1M食塩水剥離皮膚の真皮側に反応したが,各種免疫プロット法でははっきりした抗原は検出できなかった。初診3ヵ月後,症状は増悪し,躯幹に緊満性水疱が多発。プレドニゾロン20mg/日の内服により皮疹は著明に改善した。プレドニゾロン隔日5mg内服まで減量し水疱の新生はなかったが,患者は肺癌と慢性腎不全が悪化し,死亡した。
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  • 八幡 陽子, 白方 裕司, 橋本 公二, 高橋 由博, 檜垣 高史
    64 巻 (2002) 4 号 p. 427-429
    公開日: 2010/09/02
    ジャーナル 認証あり
    症例は3歳,女児。低カルシウム血症に対し,グルコン酸カルシウム製剤の静脈注射を右前腕より施行されていた。点滴施行部位に発赤を生じたためルートを抜去し経過観察していたところ,20日後より同部に表面淡紅色から黄白色調を呈する皮下結節が出現。X線写真では石灰沈着と思われる皮下結節に一致した無構造,不整形な陰影を認めた。皮膚生検標本ではHE染色で好塩基性に染まる,von Kossa染色で褐色に染まる無構造な顆粒状物質を認め,グルコン酸カルシウム製剤の点滴漏れによる皮膚石灰沈着症と診断した。経皮性排除により6ヵ月後には皮下結節は消失し,色素沈着のみとなった。
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  • 小泉 伸枝, 籏持 淳, 村田 薫, 新海 浤
    64 巻 (2002) 4 号 p. 430-433
    公開日: 2010/09/02
    ジャーナル 認証あり
    52歳の女性。初診の約10年前より左肘窩,左前腕に数個の萎縮性紅斑局面と硬化局面を認めた。病理組織学的に紅斑局面では表皮に角栓を伴う過角化と萎縮を認め,真皮上層の透明帯,中下層の炎症性細胞浸潤と膠原線維の増生,膨化を認めた。硬化局面では表皮の著明な萎縮と表皮突起の消失,真皮の膠原線維の増生,膨化,均質化が著明であった。Elastica van Gieson染色では紅斑局面では表皮直下の弾力線維の消失,細片化,硬化局面で真皮上層の弾力線維の細片化と圧縮像を認め,硬化性萎縮性苔癬と診断した。外用PUVA療法にはほとんど効果なく,ステロイド外用および局注により皮疹は徐々に縮小,軟化傾向にある。
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  • 寺崎 健治朗, 四本 信一, 神崎 保, 瀬戸山 充, 寺崎 祐太朗
    64 巻 (2002) 4 号 p. 434-438
    公開日: 2010/09/02
    ジャーナル 認証あり
    Pachyonychia congenita(PC)は,1906年Jadassohn-Lewandowskyにより初めて記載された先天性の外胚葉性形成異常を示す稀な遺伝性疾患で,症状より大きく2型に分類されている。今回我々は,19歳男性で爪甲の肥厚,足蹠の角化及び水疱形成,毛孔角化症,縮毛·起立毛などの毛髪異常,多汗症,steatocystoma multiplexなどの症状を認めたPC type 2(Jackson-Lawler type)と思われる症例を経験した。先天歯のない点,起立毛がみられた点が過去の報告と異なり,新たな遺伝子変異が原因かも知れないと思われた。治療はetretinate内服が奏効し,患者の満足が得られた。
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  • 山崎 修, 浅越 健治, 牧野 英一, 岩月 啓氏, 佐藤 修平, 平木 祥夫
    64 巻 (2002) 4 号 p. 439-442
    公開日: 2010/09/02
    ジャーナル 認証あり
    99mテクネシウムフチン酸によるリンパシンチグラフィを施行した足趾原発皮膚悪性腫瘍の2例を報告した。症例1は67歳男性の右1趾爪部の悪性黒色腫。99mテクネシウムスズコロイドによるリンパシンチグラフィではリンパ節は描出されず,99mテクネシウムフチン酸にて右鼠径に2個の高集積するリンパ節が描出された。症例2は61歳男性の右1趾爪部の有棘細胞癌。99mテクネシウムフチン酸によるリンパシンチグラフィにて3個の高集積するリンパ節が描出された。それぞれ術中の色素法を併用しsentinel nodeと同定し摘出した。99mテクネシウムフチン酸は99mテクネシウムスズコロイドに比し粒子径が小さく,特に足趾など粒子がリンパ行路に移行しにくい末端部では有用な核種と思われた。
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  • 穂積 秀樹, 内宮 礼嗣, 神崎 保, 木上 幸一郎
    64 巻 (2002) 4 号 p. 443-446
    公開日: 2010/09/02
    ジャーナル 認証あり
    チロシナーゼ陰性型白皮症の患者の右下腿に扁平上皮癌と基底細胞癌が生じた症例を経験した。67歳男性。生来白皮症があり,右足背に直径3cmの皮膚潰瘍が生じた。生検の結果扁平上皮癌と判明し,悪性腫瘍切除術および全層植皮術を施行した。また右下腿に直径1.5cmの紅色結節を認め切除を行った。その結果基底細胞癌と判明した。
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  • 片平 充彦, 神崎 保, 瀬戸山 充
    64 巻 (2002) 4 号 p. 447-451
    公開日: 2010/09/02
    ジャーナル 認証あり
    成人T細胞白血病/リンパ腫(ATL)の2症例(皮膚型1例,慢性型1例)に対しIFN-γ(オーガンマ®)100万単位/回を5回/週,それぞれ4週(計2000万単位)および8週(計4000万単位)筋注にて投与したところ,いずれの症例でもATLによる皮膚病変がほぼ消失するという良好な結果を得た。この2例について治療前後で免疫組織学的検討を行ったところ,治療によりCD4+細胞およびCD 25+細胞の減少,CD8+細胞の比較的増加を認めた。このことから, IFN-γは主に細胞障害性Tリンパ球による宿主免疫能を介した機序でATLに対し効果を示すことが示唆された。
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  • 大日 輝記, 古賀 哲也, 城戸 真希子, 師井 洋一, 占部 和敬, 古江 増隆, 名和 行文
    64 巻 (2002) 4 号 p. 452-455
    公開日: 2010/09/02
    ジャーナル 認証あり
    31歳,男性。タイへ渡航し現地リゾートの海岸を訪れた後,右足底に爬行様線状疹を認め,次第に移動した。病理組織にて肥厚した表皮内に小水疱を認め,水疱内,表皮および真皮上層血管周囲に高度の好酸球浸潤および中程度のリンパ球浸潤を認めた。一方,虫体は認めなかった。各種寄生虫の免疫血清学的検査はいずれも陰性であったが,渡航歴,経過および臨床所見からイヌ鉤虫による皮膚幼虫移行症と診断した。近年,海外リゾート地での感染例が相次いで報告されており,同地渡航者における本症の診断に注意が必要である。
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  • 井上 卓也, 田中 達朗, 中房 淳司, 三砂 範幸, 成澤 寛
    64 巻 (2002) 4 号 p. 456-460
    公開日: 2010/09/02
    ジャーナル 認証あり
    29歳,男性。IgA腎症に対して,ステロイドパルス療法後,プレドニゾロン40mgの内服治療中であった。右手背の採血部に出現した小丘疹が,約2ヵ月の経過で急速に増大し,乳頭状増殖が目立つ直径2cmの半球状結節を形成してきた。肉眼所見より,尋常性疣贅を考えて切除した。病理組織では,表皮は過角化と乳頭腫症を伴って著明に肥厚しており,外方性に増殖し,大小の好塩基性顆粒状細胞質内封入体が角化細胞内に多数認められた。また,in situ hybridizationにて角化細胞核内にhuman papillomavirus type-1 DNA(HPV-1 DNA)の存在を証明した。以上の所見より,好発部位である手掌,足底以外に生じ,乳頭状大型結節を形成したミルメシアと診断した。肉眼的に尋常性疣贅を考えるようなありふれた疣贅の中に,このような非典型的ミルメシアが存在することを強調したい。
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  • 斎藤 研二, 小村 明彦
    64 巻 (2002) 4 号 p. 461-463
    公開日: 2010/09/02
    ジャーナル 認証あり
    モノマー型非イオン性造影剤イオメプロール(イオメロン®)の薬疹の1例を報告した。症例は69歳,女性。イオメプロールを用いた造影後,6日目に体幹を中心に皮疹を生じた。貼布試験にてイオヘキソール(オムニパーク®)とともに陽性。貼布試験陰性のイオパミドール(イオパミロン®)は誘発テストにて皮疹を生じず,投与可能であった。
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研究
  • 岸部 麻里, 芝木 光, 中根 宏, 山本 明美, 飯塚 一
    64 巻 (2002) 4 号 p. 464-468
    公開日: 2010/09/02
    ジャーナル 認証あり
    古典的天疱瘡は角化細胞接着分子であるデスモグレインに対する自己免疫性疾患である。抗デスモグレイン抗体によって,角化細胞間接着が障害され皮膚および粘膜に棘融解性水疱が形成される。最近,組換え天疱瘡抗原を用いたELISA法の開発により,鋭敏かつ特異的に抗デスモグレイン抗体を検出することが可能となった。われわれの施設においてELISA法の有用性について検討したところ,感度,特異度が高く,天疱瘡の診断に有効な検査法であることが確認された。ELISA法による抗体価は病勢と相関を示し,治療方針の決定など臨床的な有用性が高いと考えた。しかし市販のデスモグレインELISAキットをそのまま用いるとindex値が120以上の場合正しい値が得られず,適正希釈法を組み合わせる必要があることがわかった。
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講座
統計
  • 宿輪 哲生, 陳 文雅, 小林 亜紀子
    64 巻 (2002) 4 号 p. 477-482
    公開日: 2010/09/02
    ジャーナル 認証あり
    1999年1月から2000年12月までに佐世保市立総合病院皮膚科を受診した帯状疱疹患者について統計的観察を行った。男119例,女157例,計276例で外来新患総数の4.1%を占めた。年齢別では60歳台が最も多く,20歳台に小さなピークがみられた。76.8%が基礎疾患を有し,疾患別では悪性腫瘍が最も多かった。発症3週前までの疲労を認めた患者は55.8%にみられ,20,30歳台では80%以上を占めた。発生部位は躯幹上部,頭頚部,躯幹下部の順に多く,発症より初診までの平均期間は6.0日であった。疼痛の改善率はプレドニゾロン81.6%,アミトリプティリン80.3%,柴苓湯76.8%,ロフラゼプ酸エチル52.6%だった。皮疹の改善率はトレチノイントコフェリル軟膏93.2%,スプロフェン軟膏83.3%であった。発症から皮疹消失までの平均期間は18.4日,疼痛消失までの期間は39.0日だった。発症後3日以内に抗ウイルス剤を投与された群はそれ以降の投与群に比べ皮疹及び疼痛消失までの期間が有意に短縮していた。帯状疱疹の再罹患例は22例(8.0%)であった。
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治療
特集
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