西日本皮膚科
Online ISSN : 1880-4047
Print ISSN : 0386-9784
64 巻 , 5 号
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図説
症例
  • 森 徹, 三浦 由宏, 中房 淳司, 三砂 範幸, 成澤 寛, 森 勝彦
    2002 年 64 巻 5 号 p. 533-536
    発行日: 2002/10/01
    公開日: 2010/09/02
    ジャーナル 認証あり
    症例1:76歳,女性。1999年8月下旬より,後頭部に索状の硬結を認め,頭痛,発熱を伴うため当科入院。入院時,両側浅側頭動脈および後頭動脈に索状の肥厚を認め,微熱が持続し,CRPとESRは上昇していた。浅側頭動脈生検にて中膜を中心にリンパ球,組織球の浸潤を認め,巨細胞を伴う肉芽腫性炎症の所見であった。以上より側頭動脈炎と診断。Prednisolone 40mg/dayの内服後より発熱,炎症所見の改善とともに頭部の索状硬結は急速に消失した。症例2:80歳,女性。2001年8月上旬より,側頭部から後頭部にかけて索状の硬結,頭痛,発熱が出現したため当科入院。入院時検査所見および病理組織像も症例1と同様であり,側頭動脈炎と診断した。自験2症例の特徴は浅側頭動脈のみならず後頭動脈にも病変をきたしたことであり,本邦報告例において後頭動脈に病変をきたした症例は過去に4例と稀であった。
  • 松本 佳子, 村上 信司, 橋本 公二
    2002 年 64 巻 5 号 p. 537-540
    発行日: 2002/10/01
    公開日: 2010/09/02
    ジャーナル 認証あり
    慢性C型肝炎に伴ったIII型クリオグロブリン血症の1例を報告する。血清検査上,リウマトイド因子陽性,クリオグロブリン陽性,抗C型肝炎ウイルス抗体を認め,イムノブロットではpolyclonalにIgG, IgM, IgAを認めたため,III型クリオグロブリン血症と診断した。指尖部潰瘍は,アルプロスタジルの静注と星状神経節ブロックが有効であった。クリオグロブリン血症の皮膚症状は多彩であるが,主として下肢に多くみられる。自験例は,指尖部に潰瘍を認めたが,削岩機使用によるレイノー症状が背景にあり,これにクリオグロブリン血症が加わって発症したと考えた。
  • 前田 学, 山崎 隆治, 荒木 麻里, 岩田 浩明, 遠渡 舞, 佐藤 美貴, 米田 和史
    2002 年 64 巻 5 号 p. 541-547
    発行日: 2002/10/01
    公開日: 2010/09/02
    ジャーナル 認証あり
    2例の一過性精神障害を伴った皮膚筋炎患者を報告した。症例1は65歳·男性(縫製業)。1998年11月20日より悪寒·発熱·関節痛·感冒様症状出現し,近医入院。肺CT像で右肺野浸潤影あり。12月13日より頬部·頚部·手指関節背に紅斑出現,プレドニン(PSL)60 mg/日投与するも効果なく,12月25日当科転院。両頬部·膝蓋部に紅斑と手指背にゴットロン徴候あり。虚脱感激しく,起立困難。PSL 100 mg/日に増量,12月29日より振戦,失語症出現するが,2日で寛解,翌年1月4日より失語症再燃,2日後に寛解,1月8日,喘鳴·呼吸困難,肺線維症増悪のため呼吸不全にて1月12日死亡。症例2は40歳·女性(パート·主婦)。1998年9月末,手指·足に浸出性紅斑·関節痛が出現し12月より紅斑増強,全身倦怠感,微熱,筋肉痛出現。12月24日入院,パルス療法後,PSL 50 mg/日内服,心身症·ノイローゼ(-)。翌年1月6日,睡眠障害出現し,10日より情緒不安定,独語,意味不明行動出現,看護不能となり,14日精神科転院。加療で5週間後意識清明化するも,PSL 25 mg内服中,不隠状態,失見当識が一過性出現するがその後精神異常を認めず。CT像で間質性肺炎所見あり。2例ともPSL投与量と相関しない一過性精神症状が出現したが,頭部CT像で異常を認めず。コルチコステロイド剤が誘発した可能性もありうるが,症候性精神症状と考えた。
  • 西尾 栄一, 森田 明理, 榊原 代幸, 長谷川 正規, 加藤 正也, 辻 卓夫
    2002 年 64 巻 5 号 p. 548-551
    発行日: 2002/10/01
    公開日: 2010/09/02
    ジャーナル 認証あり
    68歳,女性。初診の23年前から難治性下腿潰瘍があり半年前より悪化がみられた。悪化と同時期に尋常性乾癬の発症があり,1年前よりシェーグレン症候群の合併がみられた。下腿潰瘍が慢性に経過し,抗カルジオリピンβ2GP1抗体が陽性であったことから,抗リン脂質抗体症候群が合併していることが疑われた。また,潰瘍部の皮膚病理組織でsegmental hyalinizing vasculitisの像がみられたため,難治性下腿潰瘍の病因として,深部静脈血栓症と細動脈レベルの内膜障害を考えた。さらに,シェーグレン症候群による高ガンマグロブリン血症があり血液粘稠度の増加が悪化因子と考えた。
  • 前島 英樹, 嶋村 祐美, 齋藤 和美, 原田 晴美, 衛藤 光, 鈴木 高祐
    2002 年 64 巻 5 号 p. 552-556
    発行日: 2002/10/01
    公開日: 2010/09/02
    ジャーナル 認証あり
    浮腫結合性肉芽腫症の2症例を報告した。症例1は42歳,男性。約3年前より額から両上眼瞼にかけて,境界不明瞭な浮腫性の局面が出現した。熱感および圧痛はなかった。生検組織像では真皮浅層の脈管周囲に,類上皮細胞と多数のリンパ球の浸潤があり,真皮深層では脈管の拡張を認めた。症例2は25歳女性。約6ヵ月前より,左上眼瞼に症例1と同様の局面が出現。生検組織像では真皮浅層の脈管の拡張とその周囲にリンパ球の浸潤を認めた。いずれも顔面神経麻痺や舌の異常はなく,toluidine blue染色ではメタクロマジーを示す顆粒を有する肥満細胞を真皮に多数認めた。2症例を浮腫結合性肉芽腫症と診断し,文献的に考察を加えた。
  • 浅賀 浩孝, 橋本 喜夫, 飯塚 一, 豊田 典明, 佐藤 真理子
    2002 年 64 巻 5 号 p. 557-562
    発行日: 2002/10/01
    公開日: 2010/09/02
    ジャーナル 認証あり
    66歳,女性。右下肢片側性に広範な萎縮,瘢痕局面を呈し,潰瘍化を伴ったサルコイドーシスの1例を報告した。13年前に同様病変のため右上肢を切断している。組織学的に真皮上層から皮下脂肪織にかけて島嶼状および血管周囲性に類上皮細胞肉芽腫を認めた。皮膚以外では肺野型の肺サルコイドーシスを伴っていた。67Gaシンチグラムにて皮疹部に異常集積像を認めたが,プレドニゾロン15mgの隔日内服にて皮疹の軽快とともにRI集積は低下し,活動性の指標として有用であった。潰瘍型の皮膚サルコイドはいくつかの際だった臨床的特徴を有しており,予後の面からも,先行する皮膚病型に関わらず潰瘍型として分類することは意義があると考えた。
  • 鍵本 香子, 竹下 弘道, 古賀 哲也, 古江 増隆, 池上 聡子, 原 信之, 渡邊 美登里
    2002 年 64 巻 5 号 p. 563-566
    発行日: 2002/10/01
    公開日: 2010/09/02
    ジャーナル 認証あり
    66歳,男性。40年前に炭鉱爆発事故で外傷を受けた部位に一致して,多発性の皮下~皮内結節が出現。その臨床像は,右前腕においては皮下~皮内結節を呈し,下肢においては瘢痕を形成。病理組織学的診断では,異物硝子体を含む非乾酪性類上皮細胞肉芽腫を呈していた。他の全身症状としては,血清ACEおよびリゾチームの上昇,ブドウ膜炎,軽度の両側肺門部リンパ節腫脹(以下BHL)および筋サルコイドーシスを認め,瘢痕浸潤を初発症状としたサルコイドーシスと診断した。
  • 守屋 美佳子, 梅林 芳弘, 戸島 均
    2002 年 64 巻 5 号 p. 567-569
    発行日: 2002/10/01
    公開日: 2010/09/02
    ジャーナル 認証あり
    31歳,男性。上気道炎様症状の1週間後に鱗屑を伴う米粒大の淡紅色類円形紅斑が出現,全身に拡大した。病理組織学的に乾癬と一致する像を認め急性滴状乾癬と診断した。ASOは480 U/mlと上昇していた。ASKは1280倍であったが2週後5120倍に上昇した。HLAのタイピングは,A33(19), A11, B17, B70, Cw3, Cw7であった。抗生剤の内服にて一旦略治したが,1998年7月,1999年3月に再発した。咽頭培養ではくりかえしStreptococcus Pyogenesが検出された。1999年5月扁桃摘出術を施行した。術後,咽頭培養は陰性化し,2年7ヵ月間再発をみなくなった。扁桃摘出術は有効であったと考えた。急性滴状乾癬が再発を繰り返す場合は,扁桃摘出術を考慮してもよいと思われる。
  • 天谷 美里, 本多 芳英, 山城 将臣
    2002 年 64 巻 5 号 p. 570-573
    発行日: 2002/10/01
    公開日: 2010/09/02
    ジャーナル 認証あり
    生直後の女児。満期正常分娩。生下時より左下肢,両上腕,左腹部に,水疱,びらんが散在,一部は列序性に配列していた。末梢血好酸球は12%。組織像は,好酸球の著しい表皮内浸潤を伴う海綿状態と表皮内水疱を認めた。以上より色素失調症と診断した。家族内に同症はない。鼻涙管閉塞症を合併していたが,生後3ヵ月までに自然治癒した。色素失調症のうち,顔面,躯幹,上肢,下肢のいずれかに片側性の皮疹の分布がみられた場合を軽症型とし,本邦で報告された軽症型と通常型について検討した。それぞれの臨床的特徴について文献的考察を加えた。
  • 内野 ゆり, 島田 英彦, 福重 智子, 片平 充彦, 金蔵 拓郎, 神崎 保, 大坪 秀雄
    2002 年 64 巻 5 号 p. 574-577
    発行日: 2002/10/01
    公開日: 2010/09/02
    ジャーナル 認証あり
    79歳,男性。2000年12月初め,顔面の皮疹に気付く。次第に拡大し,躯幹にも出現。2001年1月9日当科初診時,顔面,躯幹を中心に浸潤を触れる紅斑から紫斑を認め,数個の隆起した腫瘤も呈していた。1週間後の再診時には強い全身倦怠感,汎血球減少が出現しており,その後も急激な進行を認めた。皮膚の腫瘤からの生検で,病理組織学的に真皮,皮下脂肪織に芽球様のリンパ球の密な浸潤を認め,免疫組織学的にはCD4, CD56陽性,しかし, CD2, CD3, CD13, CD16, CD33, CD34, EBERは陰性であった。TCR遺伝子再構成は認めなかった。以上よりblastic NK cell lymphomaと診断した。
  • 関山 光弘, 寺崎 健治朗, 金蔵 拓郎, 神崎 保, 瀬戸山 充, 隈元 亨
    2002 年 64 巻 5 号 p. 578-580
    発行日: 2002/10/01
    公開日: 2010/09/02
    ジャーナル 認証あり
    49歳の男性。小児期に右鼠径部に腫瘤が出現してきたが放置していた。最近になり徐々に増大してきたため当科受診。初診時右鼠径部に8×5cmの,圧痛を伴わない有茎性の硬い腫瘤を認めた。生検をかねた切除にて線維肉腫様変化を伴った隆起性皮膚線維肉腫と診断し,拡大切除を施行した。
  • 斎藤 研二, 小村 明彦, 上田 正登
    2002 年 64 巻 5 号 p. 581-585
    発行日: 2002/10/01
    公開日: 2010/09/02
    ジャーナル 認証あり
    34歳,女性。皮膚悪性黒色腫を生じた非家族性dysplastic nevus syndromeの1例を報告した。思春期より,全身に色素斑が増加し,近年,躯幹2ヵ所,下肢1ヵ所に増大する黒色斑を認めた。当科にて切除し,臨床的,病理組織学的に下腹部と左側腹部の色素斑はdysplastic nevusと診断,左下腿屈側の色素斑は,悪性黒色腫と診断した。悪性黒色腫の組織には真皮母斑細胞が共存し,腫瘍細胞が母斑細胞より生じた可能性を強く示唆した。Dysplastic nevusと悪性黒色腫との関係について文献的考察を加えた。
  • 陳 文雅, 宿輪 哲生, 今里 賢一郎
    2002 年 64 巻 5 号 p. 586-590
    発行日: 2002/10/01
    公開日: 2010/09/02
    ジャーナル 認証あり
    爪甲部外傷,爪甲脱落後に生じた悪性黒色腫2例を報告した。症例1は61歳男性,10年前に左第2指を金槌で2回打撲し,爪甲が半分破損し,その後膿と滲出液の排出が続き次第に腫瘤を形成した。症例2は58歳女性,右母指熱傷を受け,その直後ダンボールの金具で爪甲を剥離,受傷後1年後に腫瘤を形成し,右腋窩にリンパ節転移を認めた。2症例を報告し,外傷と爪甲下黒色腫の発生及び進展との関連について文献的考察を加えた。外傷は打撲によるものが多く,また爪破損,変形を伴った症例では腫瘍の深達度が深い傾向にあった。患部に複数回の外傷を受けた症例は37.5%であった。
  • 菊池 英維, 黒川 基樹, 帖佐 宣昭, 石井 千寸, 鈴木 理央, 瀬戸山 充, 上村 佳奈
    2002 年 64 巻 5 号 p. 591-594
    発行日: 2002/10/01
    公開日: 2010/09/02
    ジャーナル 認証あり
    約1ヵ月間という短期間に経験した麻疹5症例(生後2ヵ月の乳児と29歳の母子例および成人3例)について報告した。乳児を含む4例でコプリック斑を認め,成人全例においては38℃以上の発熱,全身倦怠感,咳嗽,下痢等の全身症状が顕著であった。経過中,乳児を含む4例で血清トランスアミラーゼの上昇がみられた。また成人全例で呼吸苦の訴えの乏しい低酸素血症を認め,うち2例はPaO2が60 mmHg未満であったが,いずれも胸部レントゲン写真上の所見は極めて軽微であった。麻疹定期予防接種は現在でも実際の接種率は70~80%程度で,数年毎に流行がみられ,特に最近の傾向として成人と乳児に増加が目立つ。年間10万人規模の患者発生が推計される我が国は,麻疹に関しては後進国と言わざるを得ない。諸外国の様に定期予防接種率の増加や更には2回接種などへの取り組みが急務と考える。
  • 飯島 茂子, 小川 徹, 山口 直人, 海老原 至
    2002 年 64 巻 5 号 p. 595-599
    発行日: 2002/10/01
    公開日: 2010/09/02
    ジャーナル 認証あり
    糖尿病性腎症による慢性腎不全のため4年前より血液透析中の66歳,男。左足底の小趾側の胼胝に二次感染を併発し,骨の露出する壊疽を生じた。抗生物質,プロスタグランディンE1製剤の点滴,足浴,種々の軟膏による局所処置を連日行ったが難治性であったため,多価不飽和必須脂肪酸の1つであるγリノレン酸300mg/日を投与した。内服開始後の肉芽形成は良好で,約16週間後に瘢痕治癒した。その後,同部に慢性化膿性骨髄炎を併発していることが明らかになったが,γリノレン酸の内服を継続させ抗生物質を一時的に投与することで足趾を切断することなく治癒した。サーモグラフィにて,γリノレン酸内服後に著明に皮膚温が上昇していることを確認した。γリノレン酸の末梢循環不全に対する有効性を述べるとともに,その機序について考察した。
講座
治療
  • 秦 まき, 戸倉 新樹, 瀧川 雅浩, 田村 辰仙, 芋川 玄爾
    2002 年 64 巻 5 号 p. 606-611
    発行日: 2002/10/01
    公開日: 2010/09/02
    ジャーナル 認証あり
    アトピー性皮膚炎患者にみられる乾燥皮膚及びバリアー機能損傷の一因として角層細胞間脂質,特にセラミドの減少が示唆されている。したがって天然セラミド2の類縁体を含有した,8%合成疑似セラミド含有クリーム塗布によるセラミド欠乏状態の改善が,乾燥肌状態の改善に結びつくことが期待される。我々はアトピー性皮膚炎患者の前腕部屈側に本クリームを外用し,その臨床症状と水分保持能,経皮水分喪失量(transepidermal water loss:TEWL)が改善するかどうかを尿素含有クリームと比較検討した。調査対象はアトピー性皮膚炎患者20例(平均年齢26.4歳)で,皮膚所見において60%で有用性を認めた。TEWLについては外用前値と有意差を認めなかったが,角層内水分量(コンダクタンス)は外用前値と比較し,有意に増加した。尿素含有クリームとの比較ではTEWLとコンダクタンスともに有意差を認めなかった。しかし,皮膚所見及び使用感を含む有用性においては合成疑似セラミド含有クリームが有意に優れていた。以上より8%合成疑似セラミド含有クリームは,アトピー性皮膚炎の乾燥皮膚に対し有用性の高い外用剤と考えられた。
  • 高島 巌, 長谷部 恵子, 奥田 峰広, 芋川 玄爾
    2002 年 64 巻 5 号 p. 612-620
    発行日: 2002/10/01
    公開日: 2010/09/02
    ジャーナル 認証あり
    アトピー性皮膚炎患者の皮膚角層では,角質細胞間脂質,特にセラミドの減少によるバリア機能および保湿機能の低下があり,皮膚の易刺激性の原因をなし,アトピー性皮膚炎の再発難治性の要因と考えられている。このため,皮膚の洗浄に際しては,洗浄剤によるこれら皮膚角層機能障害の悪化を最小限に抑えることが望ましい。一方,セラミドの皮膚塗布は,これらの角層機能異常を改善することが知られているので,本研究では,洗浄剤に合成擬似セラミドを配合することにより,アトピー性皮膚炎および乾燥性湿疹患者の皮疹への臨床効果を検討した。使用試験では,アトピー性皮膚炎患者15例および乾燥性湿疹患者6例にアルキルエーテルカルボキシレートを低刺激性洗浄基剤とし,そこに合成擬似セラミドを1%均一分散配合した身体洗浄剤を,治療用薬剤との併用にて使用し,これら疾患に対する治療補助効果を検討した。その結果,「乾燥」「落屑」「掻破痕」「紅斑」等の皮膚所見においては,有意な改善が認められ,角層水分量(スキンコンダクタンス)は,試験開始前の値と比較し有意に増加した。総合効果判定においては,52.4%に有用性を認めた。以上より,合成擬似セラミド均一分散配合身体洗浄剤は,アトピー性皮膚炎および乾燥性湿疹患者の乾燥皮膚に対し,治療補助効果を有し,症状の改善に有用であると考えられた。
  • 村山 功子, 比留間 政太郎, 平本 浩一
    2002 年 64 巻 5 号 p. 621-624
    発行日: 2002/10/01
    公開日: 2010/09/02
    ジャーナル 認証あり
    ハイテウルクリームN®を手あれ·手湿疹症状を有する院内従事者45例を対象に使用し,その治療効果,安全性ならびに有用性について検討した。乾燥,鱗屑については,それぞれ93.3%,93.0%と高い改善率が得られ,副作用は全例に認められなかった。使用感についての被験者の評価も良好で,全般改善度,安全性,被験者の評価を総合した有用度評価では95.6%が有用以上であった。従って,本剤を用いたハンドケアは,手あれ·手湿疹の改善または予防に安全かつ有効であると考えられた。
  • 坪井 良治, 植木 理恵, 平 嘉也子, 池嶋 文子, 山本 恵美子, 小川 秀興
    2002 年 64 巻 5 号 p. 625-630
    発行日: 2002/10/01
    公開日: 2010/09/02
    ジャーナル 認証あり
    被髪頭部に皮膚疾患を有する患者の頭皮·毛髪洗浄製品として,ツバキ油とツバキ油配合シャンプーを使用し,その有効性と安全性を検討した。対象は,湿疹,アトピー性皮膚炎,脂漏性皮膚炎などのうち比較的軽症の患者52例である。使用方法は,シャンプー前の乾いた状態でツバキ油を頭皮全体になじませ,5~10分間放置後,ぬるま湯で軽く流してから,ツバキ油配合シャンプーを用いて頭皮·頭髪を洗浄した。試用期間は4週間で,発赤,湿潤,鱗屑,痂皮,乾燥,そう痒の6項目について観察した。解析した症例は37例で,特に鱗屑,痂皮の項目で改善度が優れていた。有用性は,やや有用以上が78.4%で,皮膚症状の悪化は2例,副作用は5例に認められた。また,使用感については洗髪後の油っぽさが危惧されたが,69.7%は気にならないと回答した。以上のことから,頭部に皮膚疾患がある患者の頭皮·毛髪洗浄剤として,ツバキ油とツバキ油配合シャンプーは有用であり,洗浄剤の指導にあたり,選択肢のひとつになり得ると考えられた。
  • 中山 樹一郎, 久保田 由美子, 高橋 聡, 清水 昭彦
    2002 年 64 巻 5 号 p. 631-638
    発行日: 2002/10/01
    公開日: 2010/09/02
    ジャーナル 認証あり
    中等症以上の尋常性乾癬18例にカルシポトリオール軟膏を1日2回外用し,臨床効果,有害事象の有無,患者QOL向上の有無について検討した。入院治療の場合,カルシポトリオール軟膏1日2回外用を2週間,医師および看護師が徹底し,外来通院患者の患者自身による2週間の外用効果と比較した。その結果は,入院と外来患者の臨床効果に明らかな差はなく,自宅での外用が指示通りなされていることが推測された。外来患者での12週間外用後の平均改善度は80%であり,痒みも最終的には有意に改善した。有害事象としては,18例中2例に外用後の皮膚刺激感があった。血清Ca値の上昇は認めなかった。患者QOLに関するアンケート調査では,カルシポトルオール軟膏外用により,最も苦痛と感じていた「外観」についての有意な改善がみられた。治療に対する満足度(満足~多少満足)も33%から80%へ上昇した。
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