53歳女性の項部に生じた顆粒細胞種の1例を報告した。免疫組織化学的検索の結果, S-100蛋白, neuron specific enolase(NSE), vimentin,
α1-antichymotrypsin, CD68が陽性。
α-smooth muscle actin(SMA), HHF35は陰性であった。透過型電顕観察の結果, 腫瘍細胞は基底膜構造を有し, 細胞質内の顆粒はlysosomeであった。また, 腫瘍細胞には神経鞘腫でみられるangulated bodyが散見され, 腫瘍の一部は軸索とともに皮膚末梢神経の形態を保っていた。以上の所見より本腫瘍の組織起源はシュワン細胞由来であると考えられた。さらに,
α1-antichymotrypsin, CD68が陽性であるlysosomeの解析が本症の今後の病態解明の手がかりになると考えた。
抄録全体を表示