西日本皮膚科
Online ISSN : 1880-4047
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67 巻 , 4 号
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図説
症例
  • 小林 麻衣子, 升田 貴子, 木下 祐介, 原 弘之
    67 巻 (2005) 4 号 p. 319-322
    公開日: 2005/12/02
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    61歳,男性。1997年頃より喘息加療のためpranlukastを内服していた。初診10日前より四肢のしびれ感,下腿の腫脹が出現。初診時,下肢に浸潤を伴う紅斑,紫斑および血疱が多発し,多発単神経炎を伴っていた。尿潜血,便潜血ともに陽性。末梢白血球11900/μl,好酸球49%と増多,MPO-ANCAは陰性であった。病理組織学的に好酸球の浸潤を伴うleukocytoclastic vasculitisの像を認めた。以上の所見より,Churg-Strauss症候群と診断し,ステロイドパルス療法後,PSL50mg/日より治療を開始し,症状は比較的速やかに消退した。
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  • 石川 正, 佐藤 俊宏, 片桐 一元, 藤原 作平, 原 政英, 吉松 博信, 葉玉 哲生, 岩田 英理子, 佐藤 治明, 橋本 裕之
    67 巻 (2005) 4 号 p. 323-328
    公開日: 2005/12/02
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    69歳の男性。初診の3ヵ月前より左第2趾末節部に壊疽を生じ,次第に増悪した。動脈造影で左膝窩動脈以下の完全閉塞を認め,閉塞性動脈硬化症と糖尿病に伴う壊疽と診断した。血行再建術の適応はなく,高位切断を勧めたが,本人,家族の強い希望により第2趾のみを切断した。1ヵ月後,断端部壊死と感染の拡大から敗血症性ショックを来し,左膝下切断術を施行した。術後,対側である右足第3趾に壊疽,踵部褥瘡および二次感染を生じた。動脈造影所見では末梢側のrun offが良好であり,血行再建術の適応があると考え,人工血管による大腿-膝窩動脈間バイパス術を施行したが,術前に生じた踵部褥瘡の感染性潰瘍の改善が得られず,右膝下切断術を施行した。閉塞性動脈硬化症の治療においては,本症例のように血行が悪く,中足骨より近位に壊死,感染が及ぶ場合には,一次治癒を優先した早期の高位切断を考慮すべきである。また,血行再建術の選択には血管造影所見以外に,潰瘍の部位,面積,感染症の状態などの要素を十分に検討する必要があると考えられた。
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  • 原 肇秀, 濱崎 洋一郎, 清水 和宏, 佐藤 伸一, 雨森 美里
    67 巻 (2005) 4 号 p. 329-333
    公開日: 2005/12/02
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    40歳,女性。約3ヵ月前より,下口唇のびらん,水疱が出現。手背,胸背部の露光部にも拡大した。初診時,下口唇赤唇部の腫脹,浸軟,口腔内アフタ,および露光部の散在する浸潤性紅斑を認めた。口唇部の病理組織像は苔癬型組織反応で液状変性を示し,蛍光抗体直接法で表皮真皮境界部にC3の微細顆粒状沈着を認めた。抗核抗体640倍(speckled pattern),抗U1-RNP抗体,抗Sm抗体陽性であった。以上の所見から,全身性エリテマトーデスと診断。Split skinを用いた蛍光抗体間接法では陰性で,抗基底膜部抗体は検出されず,Camisa&Sharmaの水疱性エリテマトーデス1型に分類した。UVBの最小紅斑量は正常範囲であったが,UVB反複照射および大量照射で遷延する円板状エリテマトーデス様皮疹が誘発された。誘発皮疹部は手背類似の病理組織像を示し,病態形成に日光曝露の関与が示唆された。遮光にて皮疹は軽快傾向にある。
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  • 渡邉 理枝, 山本 真里, 北見 周, 末木 博彦, 飯島 正文, 駒井 礼子, 橋本 隆
    67 巻 (2005) 4 号 p. 334-336
    公開日: 2005/12/02
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    62歳の女性。初診5日前より右足関節部に紅斑・水疱が出現し,漸次躯幹・四肢に拡大した。辺縁に小水疱を伴う拇指頭大までの類円形の浮腫性紅斑が多発しそう痒を伴っていた。自己免疫性水疱症および薬疹を疑い生検したところ,表皮下水疱と真皮乳頭部の好中球を主体とし,好酸球を混じる微小膿瘍がみられた。蛍光抗体直接法ではD-E junctionにIgA,C3が線状に陽性。IgGが顆粒状に一部陽性を示した。1M食塩水剥離ヒト皮膚を用いた間接法では表皮側にIgA抗基底膜部抗体が陽性であった。臨床症状,病理学的所見,免疫学的所見よりlinear IgA bullous dermatosis(lamina lucida型)と診断した。DDSとステロイド,塩酸ミノサイクリンの併用療法による治療を試みた。寛解導入にはステロイドが有効であり,寛解維持にはDDSが有効であったものの塩酸ミノサイクリンの有効性は明らかでなかった。
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  • 高木 磨美, 小林 桂子, 森田 明理, 沼田 時男, 田中 宏紀, 梶浦 元晴
    67 巻 (2005) 4 号 p. 337-340
    公開日: 2005/12/02
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    55歳の男性。爪甲の変形と両足関節の疼痛腫脹が出現し受診した。初診時,両手指・足趾のばち状指を認め,肺性肥大性骨関節症との関連を考え,胸部X線撮影を行ったところ,右上葉に径8.0cmの腫瘤を認めた。精査の結果,肺癌と診断。病理組織型は扁平上皮癌であった。また,長管骨X線像では骨膜肥厚がみられ,骨シンチグラフィーで骨膜に集積像がみられた。以上の臨床,検査所見から肺性肥大性骨関節症と診断した。右上葉切除術施行後,ばち状指は改善,足関節の腫脹は消失し,骨シンチグラフィーで集積像が減少した。術後化学療法を施行し,皮膚所見の再燃や肺癌の再発はみられていない。
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  • 木村 裕, 奥山 隆平, 渡辺 洋, 田上 八朗, 相場 節也, 藤井 邦裕, 坂本 修
    67 巻 (2005) 4 号 p. 341-343
    公開日: 2005/12/02
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    3歳,女児。出生時より左側頭部に先天性色素性母斑があった。初診の6ヵ月前よりその中央が少しずつ盛り上がってきたため当科を受診した。左側頭部に2.5×2.1cmの茶褐色斑があり,その中央に1.2×1.0cmの茶褐色の結節が存在した。病理組織学的に悪性黒色腫と診断し,拡大切除した(tumour thickness 5.0mm,pT4N0M0,stage III A)。化学療法を施行したが,術後11ヵ月後に右肺野に転移が生じ,術後17ヵ月後に死亡した。
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  • 森 徹, 古場 慎一, 大川 毅, 平島 徳幸, 三砂 範幸, 成澤 寛
    67 巻 (2005) 4 号 p. 344-347
    公開日: 2005/12/02
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    悪性血管内皮細胞腫の3例を経験した。症例1は87歳,男性。頭部に斑状,一部結節性病変を認めた。結節病変の切除と斑状病変へのrIL-2の局注,動注を行い局所病変は消失したが,1年2ヵ月後に肺転移を来たした。症例2は90歳,女性。頭部の結節性病変と頚部の広範囲に硬結を伴う紅色局面を認めた。rIL-2の投与を行うも改善はみられなかった。症例3は71歳,男性。頭部の広範囲に紅色局面および結節を認めた。rIL-2の局注に加え,電子線の照射,骨膜上で広範囲腫瘍切除術を施行したが,肺転移も出現した。最終的に3例ともすべて死亡した。
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  • 山口 宣久, 吉田 雄一, 清水 昭彦, 久保田 由美子, 中山 樹一郎
    67 巻 (2005) 4 号 p. 348-350
    公開日: 2005/12/02
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    20年後に遅発転移を生じた悪性黒色腫の1例を報告した。悪性黒色腫の再発および転移は初期治療後10年以内に生じることが多いとされており,10年以上経過した後に転移すること極めてまれである。しかしながら,時として10年以上の無病期を経て,再発・転移をきたすこともあり注意が必要である。今回,我々が経験した症例を報告するとともに遅発転移をきたした悪性黒色腫の報告例を検討し,遅発転移のメカニズムなどについて考察する。
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  • 菅 麻衣子, 中野 純二, 水津 礼子
    67 巻 (2005) 4 号 p. 351-353
    公開日: 2005/12/02
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    30歳,女性。第2子妊娠23週4日。3年前より認めていた右足背の黒色結節が,妊娠を契機に急速に増大・隆起した。悪性黒色腫が強く疑われたため,妊娠28週まで待機し全摘生検した結果,結節型黒色腫(NM; nodular melanoma/tumor thickness 9mm,潰瘍あり)であった。妊娠29週で帝王切開による早期娩出が行われ,健常男児を出産した。出産後,全身検索を行いNM(stage II C/pT4bN0M0,AJCC/UICC 2002)と診断,局所の拡大切除および右鼠径リンパ節郭清術を施行した。術後DAV-Feron療法を施行中である。妊娠中に発見された悪性黒色腫は,特に慎重な治療方針の検討を要する。
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  • 中浦 淳, 谷川 治, 山口 宣久, 吉田 雄一, 久保田 由美子, 中山 樹一郎
    67 巻 (2005) 4 号 p. 354-357
    公開日: 2005/12/02
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    91歳,女性。右下腿に発赤,疼痛が出現したため,翌日当科を受診した。初診時,右下腿外側および足背は腫脹し,軽度の熱感を伴う紅斑および紫斑(中央部は一部壊死)を認めた。発赤,熱感は右大腿内側から鼠径部にも及んでおり,右鼠径部リンパ節の腫脹も著明であった。入院時検査にてWBC 8700/μl,CRP 32.2mg/dlであったため,壊死性筋膜炎を疑い,壊死部の切開および抗生剤の投与(ペントシリン®,ダラシン®)を行った。その後,局所皮膚壊死の拡大傾向を認めたため,デブリードマンを施行した。組織の培養にてStreptococcus pyogenesが検出されたため,抗生剤をペニシリン®Gに変更し大量投与を行った。本症は致死率が高く,急激な転帰をたどることが多いが,早期治療にて救命しえた。
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  • 千葉 高司, 森田 明理, 榊原 代幸
    67 巻 (2005) 4 号 p. 358-362
    公開日: 2005/12/02
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    86歳の女性。2001年6月中旬に右第III指背側に外傷を受け,その部位に紅色結節出現した。近医でケロイドとしてトラニラスト内服にて治療受けるも難治のため,同年8月名古屋市立大学病院皮膚科に紹介された。来院時右III指背側に2×1cmの紅色結節を認めた。病理組織像とDNA-DNAハイブリダイゼーションの結果にてMycobacterium chelonaeによる非定型抗酸菌症と診断した。使い捨てカイロによる温熱療法を施行し奏効した。
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  • 岩下 みゆき, 矢口 均, 堀之薗 弘, 前嶋 啓孝, 酒井 優
    67 巻 (2005) 4 号 p. 363-366
    公開日: 2005/12/02
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    最近経験した恙虫病症例を供覧するとともに,過去23年間に経験した22症例の臨床症状及び臨床検査所見の特徴を検討したので報告する。自衛隊中央病院における恙虫病患者は病院の特性上,全て演習後に発症した男性自衛官で,感染地域はすべて富士山麓である。富士山麓は1948年の駐留米軍によるヘリボン作戦(heliborne operation)の際に多数の患者が発生し,これを契機に厚生省の全国的な調査が始まったという新型恙虫病の発端となった地域でもある。当院で経験した患者数は1981~2003年の23年間に22例あり,初診時期は10月が16例(72.7%)と最も多く,11月が2例(9.1%),12月が3例(13.6%)。臨床的には発熱・皮疹が全例にみられ,発熱先行が18例(81.8%),ほぼ同時出現が3例(13.6%)とほとんどの症例で発熱が先行した。刺し口は1例を除き確認されたが,下腿8例(36.4%),腹部5例(22.7%)胸部3例(13.6%)であった。またリンパ節腫脹は,全身13例,一部8例をあわせ21例(95.5%)に,肝脾腫はそれぞれ11例(50.0%)・12例(54.5%)に認められた。一方臨床検査値の異常としては,GOT,GPT,LDH,CRPの上昇が18例(81.8%),18例(81.8%),21例(95.5%),18例(81.8%)と高率にみられた。
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  • 小串 葉月, 田上 俊英, 木下 美佳, 大石 空, 野上 玲子, 石井 則久, 小野 友道
    67 巻 (2005) 4 号 p. 367-372
    公開日: 2005/12/02
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    症例は89歳女性。当初サルコイドーシスを疑い,プレドニゾロン,ミノサイクリンによる治療を行ったが,皮疹は軽快せず,皮疹部の知覚鈍麻,大耳介神経,眼窩上神経の肥厚を認めたため,ハンセン病を疑った。皮膚病理組織検査,及びFite染色にて,泡沫細胞内に多数の桿菌を認めたこと,さらに皮膚検体からのPCR法にてらい菌(M. leprae)特異的DNAが検出され,臨床症状,菌指数,病理組織所見よりBL型のハンセン病と診断した。ジアフェニルスルホン(DDS),リファンピシン,クロファジミンの投与を行い,皮疹は軽快したが,治療開始1ヵ月後に再燃をみた。四肢末梢の疼痛も増悪し,境界反応と診断した。プレドニゾロン20mgの追加投与を行い,皮疹の軽快が見られ,神経伝導速度で神経障害の改善を認めた。電気生理学的検査が境界反応の神経障害の評価に有用であった例で,プレドニゾロン減量の指標として役立った。
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  • 内平 美穂, 濱本 嘉昭, 武藤 正彦
    67 巻 (2005) 4 号 p. 373-377
    公開日: 2005/12/02
    ジャーナル 認証あり
    28歳,男性。この4年間,尋常性乾癬の治療中。他医から尿道炎に対して処方された塩酸ミノサイクリン服用の約2時間後より両下肢に紅斑が出現し,全身に拡大した。39℃の発熱,頭痛,全身の潮紅を認めたため当科入院となった。入院翌日より全身に粟粒大の小膿疱が多数出現した。入院時の血液検査所見では,好中球増多を含む炎症所見を認めた。病理組織学的には典型的な角層下膿疱,表皮突起の棍棒状延長,真皮浅層の血管周囲性にリンパ球,好中球,わずかに好酸球の浸潤を認めた。以前にも同様の症状経過を繰り返し,薬剤摂取が誘因と考えられた。塩酸ミノサイクリンの貼付テスト,DLSTはいずれも陰性。内服テストで小膿疱の再現がみられ,急性汎発性発疹性膿疱症(acute generalized exanthematous pustulosis: AGEP)と診断した。本症例では,膿疱性乾癬,薬剤による尋常性乾癬の増悪との鑑別を要した。
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講座
統計
  • 菊池 英維, 津守 伸一郎, 黒川 基樹, 瀬戸山 充
    67 巻 (2005) 4 号 p. 387-391
    公開日: 2005/12/02
    ジャーナル 認証あり
    宮崎大学医学部皮膚科における1977年11月から2003年3月までの27年間の乳房外Paget病58例について統計的に観察し,治療と予後,およびandrogen receptor,estrogen receptorの発現について検討を加えた。初診時年齢は46~88歳にわたり,平均71.4歳を示した。性別は男性32例,女性26例であった。発生部位は外陰部50例(86.2%),外陰部から会陰部4例(6.9%),肛門部2例(3.4%),腋窩部2例(3.4%)であった。腫瘤形成をみたものは17例(29.3%)で,真皮内浸潤を示したのは36例(62.1%)であった。58例中,触診上,画像上でリンパ節腫脹が認められたものは18例(31.0%)で,また6例に画像検査で他臓器への遠隔転移を認めた。全58例中,新鮮例は50例で,手術療法のみで加療されたものは28例であった。手術療法以外の治療法としては放射線治療が16例,化学療法が9例,冷凍療法が2例,温熱療法が2例,抗アンドロゲン療法が2例,BRM療法が2例であった(重複例を含む)。経過観察は1月~276月にわたり行われた。その5年生存率は68.2%で病期別にはstage I A及びstage I Bで100%,stage II以上では0%であった。18例でAndrogen Receptorの発現を検討しており7例(38.8%)に発現を認めた。
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治療
  • 義澤 雄介, 川名 誠司
    67 巻 (2005) 4 号 p. 392-396
    公開日: 2005/12/02
    ジャーナル 認証あり
    7例の慢性で重症なアトピー性皮膚炎患者を対象として行った低照射量・低頻度照射法を用いたbroadband UVB治療の効果について報告した。UVB治療は,それまで行われていたステロイド外用治療と抗ヒスタミン剤内服治療を継続したまま,追加治療として施行した。初回照射量を30~40% MED,またはMEDが測定できない状態の症例では0.02J/cm2として,2週に1回の頻度で計20回(10ヵ月)の全身照射を行った。3回照射した後に効果が見られない場合には,1回照射量を0.01J/cm2ずつ増加したが,上限は50% MEDまたは0.04J/cm2までとした。10回照射の時点で,皮膚所見,末梢血好酸球数,血清IgE値は,有意な改善または減少を呈し,それは20回照射時まで持続し,ステロイド外用剤のランクまたは使用量を減少することもできた。しかし,苔癬化病変に対する効果は不十分であった。今回の試みでは,20回の照射に10ヵ月の期間を設けた低照射量・低頻度照射法による長期治療の可能性を示した。また,2週に1回の通院で治療が可能なことや,narrowband UVB装置を持たない医療機関でも施行が可能なことは,今回試みたbroadband UVB療法の利点と考えた。
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  • 窪田 泰夫, 森上 徹也, 勝浦 純子, 松岡 由恵, 中井 浩三, 定平 知江子, 高井 郁美, 野田 路子, 政田 みち, 米田 耕造
    67 巻 (2005) 4 号 p. 397-403
    公開日: 2005/12/02
    ジャーナル 認証あり
    尋常性乾癬患者17例を対象に,カルシポトリオール軟膏とプロピオン酸クロベタゾール軟膏を用いた12週間の外用連続療法を実施し,その臨床的有用性を症状スコアと患者QOLの両面から評価した。外用連続療法の導入期では両剤を1日2回併用塗布し,続く移行期では平日はカルシポトリオール軟膏のみを,また土・日は両剤を各々1日2回併用した。維持期ではカルシポトリオール軟膏の単独塗布を行った。12週後の観察終了時の治療ステージは,維持期12例,移行期5例であった。皮膚症状の評価はPASIスコアから顔面・頭部を除いた準PASIスコアとVASによる患者サイドの評価を併用した。QOL評価はSF-36日本語版ならびにFinlayらのDermatology Life Quality Indexを基に作成した質問票(DLQI-base)を用いた。治療開始時24.6であった準PASIスコア平均値は導入期終了時には6.5となり74%の低下を示し(p<0.001),その後も経時的に減少して,維持期の観察終了時には2.2に低下した(baselineから91%,p<0.001)。また治療開始時8.8であったDLQI-base合計スコアは観察終了時には2.8となり(p<0.001),特に「症状・感情」面での改善が顕著であった。一方,包括的健康関連尺度であるSF-36を用いたQOL評価では,精神的健康度に関する「活力」と「心の健康」の面で有意に改善した(各々p=0.037,0.022)。副作用は軽度の刺激感1例のみで,血清Ca値の異常変動はみられなかった。尋常性乾癬に対する今回の外用連続療法は,皮膚症状を速やかに改善すると共にその後の寛解維持が良好で,患者QOL評価でも主に精神面での改善をもたらすことが示唆された。
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  • 田代 研児, 中山 樹一郎, 七隈ロラタジン研究会
    67 巻 (2005) 4 号 p. 404-411
    公開日: 2005/12/02
    ジャーナル 認証あり
    急性蕁麻疹および慢性蕁麻疹に対して,鎮静性が低い抗アレルギー剤のロラタジンを用いた臨床効果を寛解導入療法と維持療法にわけて検討した。急性蕁麻疹33例における寛解導入療法における全般改善度の著明改善例は16例(48.5%)で,中等度改善例は13例(39.4%)であった。慢性蕁麻疹の34例における寛解導入療法における全般改善度の著明改善例は20例(58.8%)で,中等度改善例は10例(29.4%)であった。導入療法有効例には維持療法が実施されたが,その全般改善度は,急性蕁麻疹で21例中20例,慢性蕁麻疹の28例中23例で効果がみられた。症状の消失率は急性蕁麻疹において84.8%で,慢性蕁麻疹において73.5%であった。また,日中のかゆみ,夜間のかゆみ,発斑の症状をスコア化し,治療前と比較したところ,導入療法終了後および維持療法終了後ともに有意に低下していた(p<0.0001: Wilcoxon matched pairs signed rank test)。症状の消失した急性蕁麻疹28例と慢性蕁麻疹25例について,ロラタジン投与終了後2ヵ月間以上経過後の再発について確認したところ,急性蕁麻疹では,21例中17例(81.0%),慢性蕁麻疹では21例中13例(61.9%)が無再発であった。副作用(有害事象)は,急性蕁麻疹ではみられず,慢性蕁麻疹では1例(2.9%)に眠気がみられた。ロラタジンは,鎮静作用も少なく臨床効果も確実なことから蕁麻疹の薬物療法として有用であることが示唆された。
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  • 中山 秀夫, 海老原 全, 陣内 宏行
    67 巻 (2005) 4 号 p. 412-415
    公開日: 2005/12/02
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    我々はコウジ酸を,肝斑,日光黒子,太田母斑,雀卵斑,色素沈着型化粧品皮膚炎およびその他の色素沈着症に対する治療の目的で長期にわたって使用してきた。長期使用における効果と安全性を確認することは重要であり,今回,平均2年8ヵ月,最長7年11ヵ月使用した計16例についてフォローアップしてきた。この16例について肝機能一般,末梢血一般,腫瘍マーカーおよび腫瘍関連経過の検討を行った。その結果,異常データを示した症例は1例もなかった。現在までのところ,コウジ酸1%配合クリーム外用で癌を生じたと思われる症例および兆候は自験例でも文献的にも認められていない。
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