西日本皮膚科
Online ISSN : 1880-4047
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69 巻 , 1 号
選択された号の論文の18件中1~18を表示しています
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図説
綜説
  • 佐山 浩二
    69 巻 (2007) 1 号 p. 3-7
    公開日: 2007/03/05
    ジャーナル 認証あり
    表皮は環境中のさまざまな病原体に常にさらされている。表皮は物理的なバリヤーであると同時に,表皮自身が独自の病原体の認識・排除機能を持ち,リンパ球の関与しない自然免疫の生体防御機構を持っている。表皮角化細胞は最初に病原体に接触する細胞としてTLRを介して病原体を認識し,さらに抗菌活性を持つペプチドを産生することにより病原体から生体を防御している。アトピー性皮膚炎においてはこの自然免疫のバリヤーが破綻し易感染性につながっている。また,MRSAは抗菌ペプチドに対して抵抗性を有しており,容易に皮膚に定着する。
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症例
  • 狩野 律子, 義澤 雄介, 川名 誠司, 津久井 拓
    69 巻 (2007) 1 号 p. 8-10
    公開日: 2007/03/05
    ジャーナル 認証あり
    早期胃癌とHelicobacter pylori(H. pylori)感染症を合併した,72歳の男性の蕁麻疹様紅斑の1例を報告する。種々の抗ヒスタミン剤による治療が奏効せず,1年以上にわたり皮疹の出没を繰り返していたが,胃癌切除,およびH. pyloriに対する除菌治療後に,皮疹は改善した。このことから,胃癌またはH. pylori感染が蕁麻疹様紅斑の原因であった可能性が示唆された。H. pylori感染を合併した慢性痒疹では,高頻度に胃癌が発見されることが報告されているが,H. pylori感染に関連した蕁麻疹様紅斑においても,胃病変の検査を施行することが望ましいと考えた。
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  • 田中 了, 山田 琢, 松下 祥子, 藤本 亘
    69 巻 (2007) 1 号 p. 11-17
    公開日: 2007/03/05
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    Nonepisodic angioedema associated with eosinophilia(NEAE)は著明な好酸球増多を伴う,反復しない手・下腿の血管浮腫を特徴とする。今回,NEAEの7症例の臨床像・病理組織および検査成績の特徴をまとめて記載する。共通する特徴として全例若い女性であり,紅斑や痒みなどの先行症状を認め,LDHの上昇を認め,IgMは正常範囲内であり,少量のステロイド内服で速やかに症状は軽快し,再燃はみられなかった。病理組織学的には真皮及び脂肪織に様々な程度で好酸球浸潤を認めた。また,初診時に好酸球数はピークには達しておらず,1週間後の採血時にピークを認めた症例があった。硬性で指圧痕を残さない,また発赤や局所熱感などがない下腿浮腫をみたときはangioedema associated with eosinophiliaを念頭に置き,好酸球数やLDHのチェックを行う。浮腫出現直後は好酸球がピークになっていないこともあるので,angioedema associated with eosinophiliaが疑われ,好酸球増多を認めない場合は7日後から10日後に好酸球数をもう一度チェックすべきである。
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  • 川本 導史, 一宮 弘子, 石川 正, 阿南 隆, 甲斐 宜貴, 波多野 豊, 岡本 修, 片桐 一元, 藤原 作平, 加藤 愛子, 清水 ...
    69 巻 (2007) 1 号 p. 18-23
    公開日: 2007/03/05
    ジャーナル 認証あり
    Calciphylaxisの2症例を報告する。症例1: 49歳,男性。1995年から血液透析を受けていた。1994年両下肢安静時痛が出現,近医にて閉塞性動脈硬化症と診断され,2003年8月右腋窩-両大腿動脈バイパス術を施行された。2004年9月左下腿外側に発赤,紫斑,皮膚の壊死が出現,10月38℃台の発熱とCRP高値が持続したため11月当科入院となった。左下腿の屈伸側に硬く触れる潰瘍を認め,デブリードマンを施行したが発熱,CRPは低下せず,12月上旬ショックとpre DICとなり左下肢切断術を施行した。術後仙骨部に褥瘡が生じ,急速に拡大した。発熱,CRPは一時低下後再上昇し,右大腿にリベド型の紫斑と水疱が生じた。右心不全の増悪とともに,胸水貯留と血圧低下を来たし,1月上旬死亡した。剖検にて脂肪組織の小血管の中膜に石灰化と内膜の肥厚がみられ,calciphylaxisと診断した。症例2: 59歳,男性。1981年から血液透析を受けていた。2003年9月両足背に発赤と腫脹が生じた。本人による軽石での擦過も加わり,両足背にびらんが生じた。ステロイド外用などの治療を受けたが,潰瘍化し,膝蓋,手背にも線状の潰瘍が生じたため11月末当科入院となった。硬い皮下結節を臀部に数個触知し,CTでは動脈,腎,皮下の石灰化を認め,calciphylaxisと診断した。潰瘍は,トラフェルミン,プロスタグランディン製剤の外用,高圧酸素療法を実施したが,転院後低血圧と心不全のため血液透析実施が困難となり,潰瘍出現3ヵ月後に死亡した。
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  • 永瀬 浩太郎, 井上 卓也, 中房 淳司, 三砂 範幸, 成澤 寛
    69 巻 (2007) 1 号 p. 24-27
    公開日: 2007/03/05
    ジャーナル 認証あり
    症例は66歳の男性。露光部を中心とした著明な色素沈着を主訴に来院した。UVBの最小紅斑量の低下を認め,慢性光線性皮膚炎として治療を開始したところ,その経過中にゴットロン徴候や筋力低下,関節痛が出現した。種々の検査結果や皮膚生検の病理組織学的所見をあわせ,皮膚筋炎と診断した。さらに全身検索により原発性肺癌と肝転移を疑う病変および間質性肺炎の合併を認めた。治療としてプレドニゾロンの内服を開始したが,皮膚症状,筋症状に改善は認めず,間質性肺炎はわずかに改善したもののその後増悪し,間質性肺炎からの呼吸不全により死亡に至った。光線過敏症や著明な色素沈着を伴う皮膚筋炎は,悪性腫瘍の合併が高率であるため注意が必要である。
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  • 米良 ゆかり, 児浦 純義(生), 橋口 貴樹, 寺崎 健治朗, 米良 健太郎, 金蔵 拓郎, 神崎 保
    69 巻 (2007) 1 号 p. 28-30
    公開日: 2007/03/05
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    49歳,男性。膵頭部癌に対して膵臓全摘術と十二指腸切除術を施行した。手術の約1年後より口囲,肛囲と両下腿に紅斑,落屑,びらんが出現し,次第に拡大するため当科を受診した。血清亜鉛の著明な低下を認め,獲得性腸性肢端皮膚炎と診断した。治療としてプロマック®(ポラプレジンク)1日150mg(亜鉛として32mg)の投与を開始したところ内服7日目には皮疹は劇的に改善した。膵臓全摘術後の症例に対する亜鉛の必要性に関して若干の文献的考察を加えて報告する。
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  • 青井 淳, 石原 剛, 影下 登志郎, 尹 浩信, 松下 茂人
    69 巻 (2007) 1 号 p. 31-34
    公開日: 2007/03/05
    ジャーナル 認証あり
    88歳,女性。左手掌に生じた傷が治癒せず,その3~4年後に急速に隆起し,紅色腫瘤となった。腫瘤部の皮膚生検にて汗孔癌と診断。動的シンチグラフィーおよびsingle-photon emission computed tomography/computed tomographyを用いた検査では,前腕屈側の深肘リンパ節がセンチネルリンパ節と考えられた。センチネルリンパ節生検および腫瘍切除術の結果,eccrine porocarcinoma,pT2N0M0 stage IIと診断した。センチネルリンパ節の部位および深さの確認に上記の画像検査法は有用であった。本症例で同定されたリンパ節はUICC分類で上肢のリンパ節に分類されていないリンパ節であった。またstage II以上の再発転移率が高率にみられるeccrine porocarcinomaでは,今後も注意深い経過観察が必要であると考えた。
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  • 中村 充貴, 中野 純二
    69 巻 (2007) 1 号 p. 35-37
    公開日: 2007/03/05
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    84歳,男性。幼少時に左上腕の皮下腫瘤に気付くが約80年間放置していた。徐々に増大し,悪臭を伴うようになった。左上腕外側に7×7×5.5cmのドーム上に突出する腫瘤を認めた。表面皮膚は暗紫紅色で中央に潰瘍を伴っていた。境界は明瞭で,嚢腫状に触知されたため臨床的に粉瘤と診断し,全身麻酔下に腫瘤を摘出した。病理組織学的に神経鞘腫と診断された。
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  • 篠田 英和, 関山 華子, 西本 勝太郎
    69 巻 (2007) 1 号 p. 38-43
    公開日: 2007/03/05
    ジャーナル 認証あり
    高校生198名,中学生258名,幼稚園児と小学生(以下,園児・小学生と略す)187名,計643名の柔道部員についてTrichophyton tonsurans(T. tonsurans)感染症の集団検診を行った。高校生198名(男170,女28)では培養陽性者50名(男46,女4)で,この中には,頭部白癬単独例9名(4.5%),体部白癬22名(単独例15,頭部白癬合併例3,hair brush法陽性合併例4),手白癬1名,無症候性保菌者18名(9%)を含んでいた。全体部白癬22名中7名(31%)が頭髪にも菌を有しており,高校生の露出部位の体部白癬を診た場合にはHB法を含む頭髪の入念な検索が必要である。また高校生の頭部白癬例と保菌者に対し,検診3~4カ月後,治療内容についてのアンケート調査と,同時に2回目のHB法を行った。頭部白癬では抗真菌剤内服期間が1.5カ月以上で菌は陰性化し,保菌者では初回HB法コロニー数3以下の症例では抗真菌剤内服治療を受けなくても抗真菌剤含有のシャンプーによる洗髪のみで菌は陰性化することがわかった。中学生では258名中14名(5.6%,HB法陽性例11名,頭部白癬2名,体部白癬3名,保菌者3名,重複あり),園児・小学生では187名中2名(1%,体部白癬2名)からT. tonsuransが見出され,園児・小学生への感染の拡大が確認された。本感染症では保菌者になりやすいことや,体部白癬の発疹が非定型疹を呈しやすく湿疹と誤診されることなどからKOH鏡検,培養,HB法を積極的に行なうことが重要である。
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研究
  • 土肥 孝彰, 石井 律子, 細川 佐知子, 平野 尚茂, 成瀬 友裕
    69 巻 (2007) 1 号 p. 44-50
    公開日: 2007/03/05
    ジャーナル 認証あり
    角層内の水分は, 結合水と自由水の状態で存在しており, 結合水はさらに1次結合水と2次結合水に細分化される。また, 角層細胞間脂質はラメラ構造を形成し, 角層内の水分を2次結合水として捕捉し, 水分保持に大きく関与していることが知られている。そこで, 我々はヘパリン類似物質の保湿作用メカニズムを明らかにする目的で, 結合水量及びラメラ構造に対する作用をin vitro及びin vivoにて検討した。In vitroでは, 卵黄レシチンからラメラ構造を作製し, ヘパリン類似物質添加によるラメラ構造中の結合水量の変化を示差走査熱量計により測定した。ヘパリン類似物質は, ラメラ構造中の結合水量を有意に増加させ, その作用は添加水量に応じて増加する傾向が認められた。in vivoでは, モルモット腹部皮膚にラウリル硫酸ナトリウム処置により実験的ドライスキンを作製し, ヘパリン類似物質を含有するヒルドイド®ローションを5日間反復塗布した後, 角層を採取し, 結合水量の測定, 吸熱ピークパターン解析, 及び電子顕微鏡によるラメラ構造観察を実施した。実験的ドライスキンで破綻した角層細胞間脂質のラメラ構造は, ヒルドイド®ローション反復塗布により回復し, 角層中の結合水量も有意に増加していた。以上の結果から, ヘパリン類似物質の保湿作用は角層細胞間脂質のラメラ構造の回復促進と2次結合水量の増加に基づくものと考えられた。
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  • 石井 律子, 片岡 正憲, 細川 佐知子, 土肥 孝彰, 當別當 健司, 平野 尚茂, 榎本 愛, 安藝 裕美, 成瀬 友裕
    69 巻 (2007) 1 号 p. 51-56
    公開日: 2007/03/05
    ジャーナル 認証あり
    ヒルドイド製剤の有効成分であるヘパリン類似物質の保湿作用メカニズムを解明するために,角層の水分保持機能とバリア機能に対する作用を実験的ドライスキンモデルにおいて検討した。ドライスキンモデルは,ヘアレスマウスの背部にアセトン/エーテル(1:1)混液と蒸留水(A/E/W)を1日1回,8日間処置して作製した。ヒルドイド®ソフトまたはヘパリン類似物質を含まない基剤は,A/E/W処置開始翌日より1日1回(100mg),7日間塗布した。A/E/W処置により,角層水分量と天然保湿因子である遊離アミノ酸の量は有意に減少し,経表皮水分蒸散量(TEWL)は有意に上昇した。また,角層細胞間脂質のラメラ構造は破綻していた。病理組織学的には,表皮の肥厚が観察された。ヒルドイド®ソフトを反復塗布すると,A/E/W処置による角層水分量の減少とTEWLの上昇は有意に抑制され,角層中の遊離アミノ酸量は有意に増加した。また,角層細胞間脂質のラメラ構造には回復傾向が認められ,表皮の肥厚は顕著に抑制された。以上の結果から,ヘパリン類似物質はドライスキンにおける角層の水分保持機能とバリア機能の低下を改善し,両機能の改善には主に天然保湿因子の増加が関与しており,角層細胞間脂質のラメラ構造の回復促進も一部,関与していると考えられた。
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講座
治療
  • 宮地 素子, 久保田 由美子, 古村 南夫, 中山 樹一郎
    69 巻 (2007) 1 号 p. 62-68
    公開日: 2007/03/05
    ジャーナル 認証あり
    乾癬の外用療法では活性型ビタミンD3外用薬が第一選択で用いられることが多くなった。今回,尋常性乾癬患者を対象にカルシポトリオール軟膏を主体とした1年間の長期治療を行い,その有効性と安全性を検証した。方法は,顔面を除き原則カルシポトリオール軟膏単独外用による治療を実施し,治療効果はPASIスコア(0~72),痒みスコア(0~4)で評価した。組入れ数22例の内1年間観察症例は11例で,その男女比は8:3,平均年齢は54.2歳であった。11例の平均PASIスコアは,開始時26.4から1ヵ月後14.6,3ヵ月後10.1,6ヵ月後8.4,1年後7.0へと各々有意に低下し,その内6例が80%以上のPASIスコア改善率を示した。痒みスコアも開始時1.8から1年後0.5へ有意に低下した。1年未満の症例も含めた全症例の有害事象は,4例に塗布100日以上経過してから塗布部位の紅斑の再発等がみられ注意を要したが,どの症例も血清Ca値の異常は示さなかった。以上より,カルシポトリオール軟膏は長期使用でも有効性を証明し安全に使用できる薬剤であると考えられた。
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  • 吉田 雄一, 中山 樹一郎
    69 巻 (2007) 1 号 p. 69-74
    公開日: 2007/03/05
    ジャーナル 認証あり
    難治性の慢性そう痒性皮膚疾患に対する塩酸エピナスチンの有用性,安全性の検討を行った。他剤による前治療でコントロール不十分の比較的罹病期間の長い患者に対し塩酸エピナスチン1日1回(20mg)もしくは1日2回(40mg)の切り替え投与を行った。投与開始1週間後より両群において皮疹の程度,そう痒とも有意な改善がみられ,4週間投与にて著明な改善がみられた(92%)。安全性に関しては40mg投与群においても特に重篤な副作用は認められなかった。以上の結果より,各種難治性慢性そう痒性皮膚疾患の治療に本剤の20mgまたは40mg切り替え投与は有用であると考えられた。
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  • 吉田 雄一, 中山 樹一郎
    69 巻 (2007) 1 号 p. 75-80
    公開日: 2007/03/05
    ジャーナル 認証あり
    慢性蕁麻疹の再発抑制に対する塩酸セチリジンの臨床効果の検討を行った。慢性蕁麻疹患者に塩酸セチリジン10mg/日を投与し,寛解導入療法施行後,徐々に塩酸セチリジンを漸減し(維持療法),投与終了4週間後に再発の有無を検討した。総症例41例のうち,最終的に23例で投与終了が可能であり,投与終了後の無再発率は82.6%(19/23)であった。以上の結果から塩酸セチリジンは慢性蕁麻疹の治療のみならず,再発抑制に対しても有用な薬剤であると考えられた。
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  • 前田 哲夫, 山本 卓也, 石川 洋子, 伊藤 徳家, 荒瀬 誠治
    69 巻 (2007) 1 号 p. 81-86
    公開日: 2007/03/05
    ジャーナル 認証あり
    退行期誘導因子であるFGF-5に対して拮抗的に働くFGF-5 inhibitorは,退行期への移行を抑えることにより脱毛防止の有望な物質になる可能性が示唆されている。我々は各種エキスのFGF-5拮抗作用をFGF receptor-1c-transfected Ba/F 3 cell lineおよびC3Hマウスを用いてスクリーニングし,ワレモコウエキス(Sanguisorba Officinalis Root Extract)にFGF-5活性抑制効果があることを見出した。特に,第二休止期のC3Hマウス背部を除毛後に本エキスを塗布すると,発毛日以降の成長期期間が延長した。一方,脱毛で悩む被験者39名の使用試験で,本エキスは抜け毛数および休止期毛率を有意に減少させた。ワレモコウエキスで観察された臨床的効果には,in vitroおよびin vivoで認められたFGF-5活性抑制効果が関与していることが推察された。
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世界の皮膚科学者
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