本邦では,ジェネリック(GE)医薬品と先発医薬品との臨床上の同等性は生物学的同等性試験により確認されているが,有効性,安全性に関する臨床試験データは非常に少ない。今回,ななくま爪白癬研究会を組織し,テルビナフィン製剤のGE医薬品であるネドリール
®錠125mgの爪白癬に対する治療効果,安全性及び有用性を検討する目的で多施設共同·一般臨床試験を実施した。第1趾爪の混濁比が5以上の爪白癬患者98例を対象に,本剤を1日1回1錠,24週間経口投与し,投与前及び投与後4週,8週,12週,16週,24週時点の臨床所見(混濁比,肥厚),菌要素の有無,服薬状況,有害事象及び臨床検査値を観察,記録した。総症例数98例のうち,自己都合で来院しなくなった11例を除く87例で安全性を評価し,更に有害事象のため投与後12週未満で試験を中止した8例を除く79例で治療効果及び有用性を評価した。その結果,臨床所見判定による改善率は84.8%,菌要素の有無を加味した総合効果判定による有効率は74.7%,有害事象及び臨床検査値異常の発現率から判定した安全性は88.5%であった。また,総合効果と安全性から判定した有用率は72.1%であった。以上の結果より,GE医薬品であるネドリール
®錠125mgは臨床上有用性の高い爪白癬治療剤であると考えられた。
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