ネオーラル
®による乾癬治療のガイドライン(2004年改訂版)において初期用量は2.5~5.0mg/kg/日を目安とされているが,重症度別の至適投与量に関して一定の見解は得られていない。また,乾癬患者のQOL向上を目指した治療や患者治療満足度の向上という観点を含めたネオーラル
®寛解導入療法における至適投与法の検討はほとんど行われていない。本研究では,重症・中等症に対するネオーラル
®寛解導入療法における至適投与方法について検討した。中等症以上(PASIスコア5以上)の尋常性乾癬患者30例に対し,ネオーラル
®寛解導入療法として3mg/kg/day 1日1回投与法(以下A群)と4mg/kg/day 1日2回投与法(以下B群)での有効性・安全性および患者アンケートによる患者治療満足度・患者薬剤費負担について比較,検討した。PASIスコアの改善について両群間に有意差なく,両群とも2週目より有意に改善が認められた。各部位の皮疹改善効果についても両群間に有意差なく,両群とも2週目から有意に改善が認められた。患者総合満足度については,両群ともに治療前と治療後を比較すると治療後で有意に改善が認められた。また,30例中9例に副作用は認められたが,重篤なものはなかった。以上より,重症・中等症に対するネオーラル
®寛解導入療法において1日1回3mg/kg投与法は効果,治療満足度,安全性,患者負担の面から治療選択肢の一つとして考えられた。
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