被髪頭部の皮疹にタカルシトールローション(高濃度または低濃度)またはステロイドローションを外用中の尋常性乾癬患者45名を対象として,マキサカルシトールローション(オキサロール
® ローション25
μg/g)に切り替えた場合の有効性および安全性について検討した。切り替え前に使用していたローションは,高濃度タカルシトールローションが19名,低濃度タカルシトールローションが1名,ステロイドローションが31名(very strongクラス以上が23名,strongクラス以下が8名)であった。有効性評価では,開始時(切り替え時)と比較して,マキサカルシトールローション外用4週後,8週後で紅斑,浸潤・肥厚,鱗屑の各皮膚所見スコアおよび合計スコア(紅斑,浸潤・肥厚,鱗屑スコアの合計)の有意な低下が認められた(p<0.001 : Wilcoxon Signed-Rank test)。安全性評価では局所性副作用が2名で認められ,全身性副作用は認められなかった。有用度は,「極めて有用」と「有用」が合わせて87.2%であった。以上より,他のローションからマキサカルシトールローションに切り替えた場合の有効性は高く,安全性にも問題がないことが確認された。よって,マキサカルシトールローションへの切り替えは,被髪頭部の尋常性乾癬に対する有用な治療法の一つになると考えられた。
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