西日本皮膚科
Online ISSN : 1880-4047
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73 巻 , 4 号
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図説
症例
  • 粟澤 遼子, 山本 雄一, 粟澤 剛, 安里 豊, 平良 清人, 高橋 健造, 上里 博
    73 巻 (2011) 4 号 p. 345-349
    公開日: 2011/11/18
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    30歳,男性。2005年11月より四肢にそう痒を伴う丘疹,紅斑と鼠径部リンパ節腫脹が出現した。近医で治療を受けたが症状は改善せず,著明な好酸球増多を認めたため,2006年3月に当科を紹介された。当初は病理所見と合わせ好酸球性膿疱性毛包炎を疑い治療したが,次第に皮疹は悪化した。さらに下肢の腫脹や足背のしびれが出現し,好酸球増多も持続した。組織学的に,好酸球は脂肪織から筋膜,鼠径リンパ節へも浸潤しており,MRI検査では心筋の変性が疑われた。以上のことから本症例を hypereosinophilic syndrome と診断した。治療はステロイド内服を開始したところ,症状,好酸球数とも改善した。しかしステロイド減量に伴い好酸球数の増加を認めたため,シクロスポリンを併用し,症状はよくコントロールされた。その後,イマチニブ投与を試みたが効果はなく,最終的に低用量ステロイドとシクロスポリンを併用した結果,症状の再燃はない。なお FIP1-like1-platelet-derived growth factor receptor-alpha (FIP1L1-PDGFRA )融合遺伝子は陰性であった。
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  • 大賀 保範, 今福 信一, 中山 樹一郎, 井原 由紀子, 廣瀬 伸一
    73 巻 (2011) 4 号 p. 350-353
    公開日: 2011/11/18
    ジャーナル 認証あり
    症例は10歳の男児。2009年12月に発熱と顔面の紅斑,頭皮のびらんを伴う脱毛,口腔内の潰瘍,胸部・背部・上腕・前腕の紅色丘疹,掌蹠の紫斑と紅斑,四肢の筋肉痛が出現した。血液検査にて抗核抗体・抗dsDNA抗体の高値(抗核抗体1280倍,抗dsDNA抗体36.6 IU/ml)と補体の低下,白血球・赤血球の減少(WBC 3100/μ l,RBC 295万/μ l)が認められ,皮膚の病理組織学的所見と併せてSLEと診断した。プレドニゾロンの投与を開始したところ,速やかに解熱し,皮疹も徐々に改善した。寛解後はミゾリビンを併用し,抗dsDNA抗体・血清補体価などを参考にしながらプレドニゾロンの減量を行った。小児のSLEは高率に腎障害を合併し,特に男児は女児と比較して予後が悪く,注意深い経過観察が必要である。
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  • 幸田 太, 野崎 誠, 佐々木 りか子, 畑 三恵子, 錦織 千佳子
    73 巻 (2011) 4 号 p. 354-357
    公開日: 2011/11/18
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    症例は6歳の女児。生後1ヵ月より光線過敏症状があり遮光指導をされていた。1歳時の受診を最後に5歳9ヵ月まで医療機関に光線過敏症ではフォローされていなかった。小学校入学前にスキンケア指導や校舎の窓ガラスの紫外線シールド作業の手続きのため診断書が必要となり近医受診し,色素性乾皮症(xeroderma pigmentosum : XP)を疑われ国立成育医療センター皮膚科を紹介受診となった。臨床症状や最少紅斑量の低下などによりXPを疑い,遺伝子検査を行い色素性乾皮症A群(XP-A)と診断確定した。XP-Aの6歳での診断確定は非常に遅いが,遮光を徹底してきたために皮膚の状態は比較的良好であった。
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  • 小原 あずさ, 屋宜 宣武, 宮里 肇, 仲里 巌, 中野 盛夫
    73 巻 (2011) 4 号 p. 358-361
    公開日: 2011/11/18
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    36歳,女性。2~3年ほど前から右膝上方に結節が出現し徐々に増大,数回打撲し内出血を繰り返していた。初診時の大きさは22×15×7mmで,表面は紅褐色調で平滑,一部くびれのあるドーム状に隆起した弾性硬の結節であった。臨床的に隆起性皮膚線維肉腫や悪性線維性組織球症,悪性黒色腫が考えられた。病理組織学的には,真皮上層から中層までは腫瘍組織内に赤血球が充満した裂隙とヘモジデリンの沈着を多数認め,真皮下層では腫瘍細胞は紡錘形で密に増生し花筵状を呈していた。免疫染色ではCD34,CD68,desmin,factor VIII,S-100,HMB-45,SMA,vimentin,MIB-1いずれも腫瘍細胞では陰性であった。特徴的な病理組織および,免疫染色の結果からaneurysmal fibrous histiocytomaと診断した。悪性腫瘍との鑑別を要し,臨床所見のみからでは診断が困難であった。
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  • 石井 千寸, 天野 正宏, 持田 耕介, 堀川 永子, 瀬戸山 充, 久冨木 庸子
    73 巻 (2011) 4 号 p. 362-367
    公開日: 2011/11/18
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    54歳,女性。初診の3ヵ月前に体幹および四肢小結節を自覚,小結節は自然消退,新生を繰り返した。病理組織学的にはPautrier微小膿瘍を伴い,真皮上層に異型性を有するリンパ球様細胞の浸潤を認めた。これらの異型細胞は免疫染色ではCD4(+),CD8(-),CD25(+)を呈し,Southern blotでHTLV-1のクローナルな組み込みを示した。皮膚以外には同様の病変を認めず,皮膚型ATLLと診断した。水痘ワクチンによる免疫賦活療法を行ったが,皮膚病変の多発,リンパ節腫大,末梢血異常細胞の増加をきたし急性転化と判断し,modified LSG15療法を3サイクル,EPOCH療法を1サイクル,etoposide内服を施行し,部分寛解が得られた。皮膚病変のみ残存し,triamcinolone局注療法,電子線を用いた放射線治療,新規薬剤であるヒストン脱アセチル化酵素阻害薬(histone deacetylase inhibitor;HDAC阻害剤)の内服を行ったが悪化,再度急性転化した。放射線治療を併用しながらEPOCH療法,CPT-11,pentostatinの投与を行い一時症状の改善が得られたが,初診から21ヵ月で死亡した。
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  • 内山 龍平, 奥山 隆平, 櫻井 晃洋
    73 巻 (2011) 4 号 p. 368-370
    公開日: 2011/11/18
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    38歳,男性。父親が多発性内分泌腫瘍症1型。本人は2003年に受けた全身検索で非機能性膵腫瘍がみつかった。また翌年には脳下垂体腫瘍,副甲状腺機能亢進症がみつかった。多発性内分泌腫瘍症1型と診断され,各々の腫瘍に対して切除術を受けた。顔面人中の部位に数年前より小型の結節が出現し,徐々に増大してきたため,当科を受診した。診断と治療を兼ねて,全摘生検術を施行した。病理組織学的に真皮中層に拡張した血管と膠原線維の増加を認め,紡錘形の核をもつ線維芽細胞の増加もみられた。臨床所見と合わせて血管線維腫と診断した。多発性内分泌腫瘍症1型では,血管線維腫が生じることが多い。本症例では内分泌腫瘍がみつかり多発性内分泌腫瘍症1型と既に診断されていたが,血管線維腫の出現から多発性内分泌腫瘍症1型が明らかになる場合も少なくないと思われる。日常診療においてまれな疾患ではあるが多発性内分泌腫瘍症1型のデルマドロームの1つとして,血管線維腫に注意を払う必要があると考えた。
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  • 倉持 益枝, 古谷野 さとみ, 石黒 恵美子, 濱崎 洋一郎, 籏持 淳, 山崎 雙次
    73 巻 (2011) 4 号 p. 371-374
    公開日: 2011/11/18
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    15歳,女性。身長151cm,54kg,BMI23.6。約半年前より腹部,肘窩にそう痒などの自覚症状のない網状の色素斑が出現。家族歴,既往歴に特記すべきことはない。初診時,鱗屑を付す網状の淡褐色色素斑を腹部,肘窩に認めた。病変部鱗屑の直接鏡検で真菌は陰性。病理組織所見は,角質増生,表皮の乳頭腫症を呈し,基底層の一部にメラニン色素の増強がみられた。真皮浅層の血管周囲性に炎症性細胞の浸潤を認めた。融合性細網状乳頭腫症と診断し,塩酸ミノサイクリン200mg/日内服,10%尿素ローション(ウレパール®ローション)外用にて,4週間で皮疹は改善した。
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  • 浅井 愛, 浅井 純, 竹中 秀也, 加藤 則人, 三神 一哉
    73 巻 (2011) 4 号 p. 375-377
    公開日: 2011/11/18
    ジャーナル 認証あり
    41歳,男性。初診の約半月前から臍周囲に疼痛が出現した。抗生剤投与による保存的治療に反応しなかったため,MRIを施行したところ,臍と連続し腹腔内に突出する被包化された液体貯留と,そこから膀胱頂部まで連続する索状物を認めた。尿膜管遺残症に起因した尿膜管膿瘍と診断し,ドレーン留置による洗浄処置と抗生剤投与にて炎症の沈静化をはかった後,尿膜管摘出術を施行した。難治性臍炎をみた場合,尿膜管遺残症に起因する尿膜管膿瘍の可能性を考え,MRIなどによる精査が必要であると考えた。
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  • 伊藤 亜希子, 竹尾 直子, 片桐 一元, 藤原 作平, 加藤 愛子, 安倍 いとみ, 前島 圭佑, 石井 宏治, 中野 忠男, 大楠 清文
    73 巻 (2011) 4 号 p. 378-382
    公開日: 2011/11/18
    ジャーナル 認証あり
    59歳,女性。15年前に全身性エリテマトーデスを発症し,predonisoloneを内服中であった。顔面から下顎部にかけて皮下膿瘍を形成し,再発を繰り返していた。少数のメチシリン耐性ブドウ球菌(MRSA)とグラム陽性桿菌が検出され,感受性のある抗菌薬を投与したが改善しなかった。皮膚常在菌のCorynebacterium の混入と考えられていたグラム陽性桿菌を原因菌と考え,精査を依頼し,16S rRNA遺伝子の塩基配列による系統解析で,Nocardia niigatensis と同定された。臨床像から皮膚リンパ管型ノカルジア症と診断し,minocyclinの内服により約2ヵ月で略治した。本邦で6例目となるNocardia niigatensis 感染症を報告するとともに,SLE患者におけるノカルジア感染症について考察し,ノカルジア感染症診断における臨床側から検査室への情報提供が必要な具体的理由について言及する。
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  • 井上 卓也, 三砂 範幸, 成澤 寛
    73 巻 (2011) 4 号 p. 383-387
    公開日: 2011/11/18
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    53歳,女性。SLEにてbetamethasone 1.5mg/day内服中であった。1ヵ月前より左下腿から膝蓋にかけて皮下結節が多発してきた。病理組織学的に化膿性肉芽腫の所見で,抗酸菌培養にてMycobacterium abscessus (以下,M. abscessus )が検出された。Clarithromycin(CAM)400mg/day 内服にて治療を開始したところ,4ヵ月後には皮下硬結も消失した。皮膚非結核性抗酸菌感染症の起因菌として,M. abscessus は稀であり,治療法も確立されていない。しかしながら,最も有効な薬剤はCAMと考えられており,levofloxacin(LVFX)などの経口剤やamikacin(AM),imipenem(IPM)などの非経口剤との併用により耐性菌の出現に注意して治療することが重要である。自験例は,SLE患者に生じた皮膚M. abscessus 感染症の本邦初症例である。
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  • 鍬塚 さやか, 芦田 美輪, 西村 香織, 増輪 文治, 芦塚 文美, 西本 勝太郎, 吉崎 麻子, 鍬塚 大, 竹中 基, 宇谷 厚志
    73 巻 (2011) 4 号 p. 388-391
    公開日: 2011/11/18
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    6歳,女児,小学生,少年柔道クラブ所属。初診の2週前より頭頂部に発赤,膿疱,皮下膿瘍を伴った脱毛斑を形成するようになった。排膿があり,毛髪は容易に抜けた。培養によりTrichophyton tonsuransT. tonsurans )を分離,同菌種によるケルスス禿瘡と診断した。グリセオフルビン錠(250mg/日)を3ヵ月間投与し瘢痕治癒した。家族と柔道クラブ全員の頭髪のヘアブラシ法による集団検診を行ったところ,長兄が全スパイクにT. tonsurans のコロニーを生じ,家族内感染が明らかとなった。これまでにT. tonsurans によるケルスス禿瘡は29例の報告があるが,自験例は格闘家白癬でみられたケルスス禿瘡では,6歳という若年者である点が注目すべき点であり,日常診療において年少者の頭部の診察に際しての注意が必要と考えた。
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講座
治療
  • 澤田 美月, 洲崎 玲子, 石崎 純子, 田中 勝
    73 巻 (2011) 4 号 p. 402-407
    公開日: 2011/11/18
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    ベポタスチンベシル酸塩は,そう痒性皮膚疾患に対し強い症状抑制効果と安全性が認められた第二世代の抗ヒスタミン薬である。今回,そう痒性皮膚疾患の患者32例に対しベポタスチン口腔内崩壊錠を4週間投与し,痒みのVASと患者アンケートを用いて,臨床的有用性ならびに錠剤の味や飲みやすさ,今後の服用希望等について調査した。また味に関する事前説明の及ぼす影響を調査するため,「説明あり群」「説明なし群」の2群に振り分けた。日中・夜間の痒みVASはともに平均スコアが2週後までに有意に改善し,その効果は4週後まで維持された。メントール味に関するアンケートでは,味に関する事前説明なし群では「良い」以上の評価が38.1%だったのに対し,説明あり群では54.5%と高かった。また今後の服用に関しても,説明なし群で希望した患者は42.9%であったが,説明あり群では63.6%であった。以上の結果から,ベポタスチン口腔内崩壊錠はそう痒性皮膚疾患に対し高い有用性を示し,さらに医師が処方前にメントール味や刺激感について十分に説明することによって,患者の抵抗感が和らぎ,服薬コンプライアンスの低下を防ぐことができる可能性が示唆された。
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  • 内 小保理, 師井 美樹, 中村 賢二郎, 古江 増隆
    73 巻 (2011) 4 号 p. 408-411
    公開日: 2011/11/18
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    アトピー性皮膚炎(AD)は慢性の炎症が続くことから色素沈着を生じやすく,美白剤の使用を希望する患者は多いが接触皮膚炎も懸念される。そこで,リノール酸配合美白剤のAD患者に対する安全性試験を実施した。同意の得られたAD患者にパッチテストを行い,陰性例の片顔に1ヵ月間使用試験を行い,副作用の有無を観察した。その結果,パッチテストで陽性例は24例中1例であった。使用試験に移行した23例中,不来院の2例と使用を中断した1例を除外し,20例を対象に副作用を検討した。20例全てにおいて1ヵ月継続して使用できた。副作用としては,額部・口唇の刺激感,一過性の紅斑,一過性の鱗屑,一過性の眼瞼浮腫,口角の色素沈着がみられたが,いずれも軽微であった。以上より,リノール酸配合美白剤は,経過観察は必要であるがAD患者に使用する美白剤の選択肢となりうると考えた。
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世界の皮膚科学者
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