西日本皮膚科
Online ISSN : 1880-4047
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74 巻 , 3 号
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図説
症例
  • 河野 美己, 豊田 美都, 小林 順一, 古江 増隆
    74 巻 (2012) 3 号 p. 243-247
    公開日: 2012/09/26
    ジャーナル 認証あり
    43歳,女性。初診の3ヵ月前より左頬部にそう痒を伴う紅斑局面が出現した。近医にて抗アレルギー薬の内服やステロイド外用を行ったが効果なく,プレドニゾロン15mg/日の内服で改善した。しかし,満月様顔貌の副作用が出現したため中止したところ,症状が再燃したため,当科紹介となった。左頬部より皮膚生検を行い,病理組織学的に脂腺,毛包周囲に好酸球を伴う炎症細胞浸潤が認められ,好酸球性膿疱性毛包炎と診断した。末梢血白血球数5200/μl,好酸球数8.3%と末梢血好酸球増多を伴っていた。0.1%タクロリムス軟膏外用を開始し,約2週間後に紅斑は消退し,1ヵ月後も再燃は認められなかった。本邦で本疾患におけるタクロリムス軟膏の奏効例は,これまでに本症例をあわせて16例報告されており,タクロリムス軟膏の外用は,好酸球性膿疱性毛包炎に有効な治療法の一つと考える。
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  • 立松 沙織, 今福 信一, 森 竜樹, 伊藤 宏太郎, 古賀 文二, 中山 樹一郎, 古賀 佳織, 渡邉 廉也, 高畑 正文
    74 巻 (2012) 3 号 p. 248-251
    公開日: 2012/09/26
    ジャーナル 認証あり
    33歳,男性。健康診断で蛋白尿を指摘され,近医より慢性糸球体腎炎の疑いにて当院内科を紹介され受診した。原因精査中に,両鼠径部から胸背部にかけて半米粒大までの紅色丘疹がみられ,当科を紹介され受診した。病理組織学的検査で,真皮乳頭層に拡張した毛細血管と襟状の表皮突起の延長がみられ皮膚被角血管腫と診断した。また電子顕微鏡的に,真皮血管内皮細胞と腎糸球体上皮細胞に電子密度の高いZebra bodyと呼ばれる糖脂質グロボトリアオシルセラミド(GL-3)の沈着がみられた。白血球中α-ガラクトシダーゼA活性(α-Gal A活性)は1%未満と低下しておりFabry病と診断した。遺伝子解析の結果GLA遺伝子Exon6第237位に現在までに報告されていないノンセンス変異を確認した。α-Gal A活性は1%未満であったが幼少時からGL-3沈着による臓器障害は無く,30歳で蛋白尿と皮膚被角血管腫を認めた稀な症例であった。
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  • 佐藤 直樹, 藤山 幹子, 村上 信司, 橋本 公二, 佐山 浩二, 鈴木 由香
    74 巻 (2012) 3 号 p. 252-255
    公開日: 2012/09/26
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    9ヵ月,男児。日齢3日より新生児非ケトン性高グリシン血症と診断され,生後5ヵ月頃より,グリシンを中心に除去された治療用特殊ミルク(雪印乳業S-22®)で単独哺育されていた。生後7ヵ月頃より,口囲に紅斑が出現,徐々に臀部,前腕,足部にも拡大した。摂取していたミルク中に含まれるビオチンの1日量は0.4μgと極端に少なかったことから,ビオチン0.1mg/dayを筋注した。速やかに皮疹は改善,さらにミオクローヌス様の痙攣の消失,体動と発声の増加など全身症状の一部にも改善の兆しが認められた。皮膚科医としてビオチン欠乏症を的確に診断することは,全身症状の悪化を最小限にくい止めるための要とも言えるが,最も肝要なことは一日も早く治療用ミルクへのビオチン添加が認可されることである。
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  • 河崎 玲子, 工藤 恭子, 権藤 知聡, 加藤 しおり, 安川 史子, 今山 修平
    74 巻 (2012) 3 号 p. 256-264
    公開日: 2012/09/26
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    Blue rubber-bleb nevus syndromeは皮膚と消化管を主として,全身に青色調で弾力ある血管腫が多発する稀な症候群である。我々は20年以上の経過を観察した62歳の女性を含めて7例の症例を経験し,血管腫そのものの外科的治療を試みた。本症は,(1)幼児期の初期病変から経過観察することで(その独特の皮膚所見から)早期診断が可能であると思われる,(2)成長とともに増大して治療困難となり,機能障害や醜形をもたらす,(3)機能障害が予測される病変に対しては確診にいたり次第,機能不全になる前に早期の外科的治療が必要である,と考えた。
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  • 前久保 理恵, 室井 栄治, 石井 千寸, 持田 耕介, 天野 正宏, 瀬戸山 充, 小橋 正洋
    74 巻 (2012) 3 号 p. 265-268
    公開日: 2012/09/26
    ジャーナル 認証あり
    89歳,女性。20年前に左大陰唇にびらんを伴う紅斑が生じ,当科を受診した。乳房外パジェット病と診断し,腫瘍切除術を施行した。その後,5年間の外来経過観察で再発の所見がなかったため終診とした。約1年前より陰部のそう痒を生じ,当科を再度受診した。皮膚生検で表皮と真皮上層に大型で胞体が明るいパジェット細胞を認め,乳房外パジェット病の再発と診断した。全摘術を行うとともに,センチネルリンパ節生検を施行し,辺縁洞に微小なパジェット細胞の転移を確認した。
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  • 西元 順子, 持田 耕介, 古結 英樹, 小田 裕次郎, 天野 正宏, 瀬戸山 充, 江良 幸三, 成田 博実
    74 巻 (2012) 3 号 p. 269-272
    公開日: 2012/09/26
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    Nerve sheath myxomaとneurothekeomaは稀な間葉系の皮膚腫瘍である。充実性の腫瘍であり,紡錘形の腫瘍細胞と豊富な粘液基質により構成される。両疾患は以前まで組織学的に末梢神経鞘由来の腫瘍であるとみなされていた。しかしながら,近年,neurothekeomaはfibrous histiocytomaのバリアントであることが,免疫組織化学的検索およびmicroarray analysisにおいて明らかになった。我々は50歳の女性にみられたnerve sheath myxomaと55歳の男性に発症したneurothekeomaを各1例経験した。両者の鑑別点も含めて文献的考察を加え,報告する。
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  • 樋口 睦美, 高原 正和, 師井 洋一, 古江 増隆, 田代 あかり, 西坂 浩明, 柴田 智子
    74 巻 (2012) 3 号 p. 273-277
    公開日: 2012/09/26
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    47歳,女性。初診の約2年前,前額部に紅色丘疹が出現した。顔面全体と頚部,前腕にも同様の皮疹が拡大し,手指に結節が多発,全身の関節痛を伴うようになったため,当院を受診した。初診時,顔面・耳介・頚部に径3~4mmの紅色丘疹が多発,集簇しており,前腕にも散在していた。手指に紅褐色の結節が多発し,手指関節は腫脹していた。レントゲンでは手指関節,CTでは両肩,両股関節の関節炎が認められた。皮膚生検ではすりガラス様の好酸性の細胞質を有する組織球様細胞の増殖があり,multicentric reticulohistiocytosisと診断した。免疫染色ではCD68,CD10が陽性であった。悪性腫瘍の合併は認められなかった。プレドニゾロン20mg/dayと,メソトレキセート6mg/weekを併用したところ関節炎の進行は停止し皮疹も徐々に縮小してきている。
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  • 篠田 洋介, 三砂 範幸, 古場 慎一, 成澤 寛
    74 巻 (2012) 3 号 p. 278-280
    公開日: 2012/09/26
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    58歳,男性。初診の半年前より右前胸部の皮下結節を自覚し,近医にて腫瘍切除術を行われた。病巣部の病理組織学的検査より血管肉腫と診断され,精査加療目的に当科へ紹介となった。前医病理組織学的所見では腫瘍は皮下深層に境界明瞭な結節性病変として認められ,腫瘍の大部分は紡錘形~多稜形で,細胞質に乏しく大型で異型な核を有する腫瘍細胞が増生し,不規則な管腔構造が互いに交通しており,vascular channelの所見を認めた。免疫組織化学的染色ではvimentin,CD31,CD34,VIII因子関連抗原で陽性であった。以上より自験例を血管肉腫と診断した。全身検索では転移を認めなかったことから,治療としては手術瘢痕より3cm離し,切除術を行った。術後電子線の照射を60Gy行った。現在照射終了後より4年経過しているが,局所再発や遠隔転移を認めていない。自験例の血管肉腫は前胸部という体幹発症症例であり,それに加え皮下結節型でもあった事から極めて稀な症例であった。
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  • 篠田 英和, 西本 勝太郎
    74 巻 (2012) 3 号 p. 281-283
    公開日: 2012/09/26
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    16歳,男子(高校生,柔道部)。約4週前より右側頚部に紅斑を認め,友人からもらった抗真菌薬を時々外用し3週間後には紅斑は消失したが,その部に黒点状の生毛がみられた。KOH法による直接鏡検で生毛はS字状に屈曲し,毛内性菌寄生の像が観察された。黒点状の生毛よりサブローブドウ糖寒天培地を用いた培養でTrichophyton tonsurans (T. tonsurans) を分離した。臨床および真菌学的所見より頚部にみられたT. tonsurans によるblack dot ringworm (BDR)と診断した。T. tonsurans は毛への親和性が強いため,体部白癬皮疹内の生毛にも毛内性菌寄生がみられることがあり,抗真菌薬の外用のみで治療を行い内服治療が遅れると治癒の遷延を招くことがある。このような場合体部白癬でも皮疹内の生毛にblack dot (BD)が作られると考えた。BDRは一般には頭部白癬の1病型に対する診断名として用いられているが,BDを一つの症状と捉え,体部白癬の生毛でも黒点の生毛がみられたためBDRの診断名を用いた。
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講座
治療
  • 高橋 綾, 横川 真紀, 樽谷 勝仁, 佐野 栄紀
    74 巻 (2012) 3 号 p. 289-292
    公開日: 2012/09/26
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    エキシマランプとは,塩化キセノンガスを媒体とした308nmの波長を発する光線治療器であり,尋常性乾癬,掌蹠膿疱症,尋常性白斑において高い有効性が示されている。当教室では,ターゲット型エキシマランプである米国Photo Medex社製のVTRACを使用して,種々疾患の治療を行っている。今回は円形脱毛症に対する発毛効果の検討につき報告する。単発性6例,多発性3例,汎発性4例の計13例に,ターゲット型エキシマランプを週1~2回照射した。治療効果は発毛までの治療回数,発毛範囲,患者評価の3項目で評価した。単発性においては6例中5例に脱毛面積75%以上の範囲に毛髪の新生を認め,うち3例は照射開始後半年以内に治癒した。また,従来の一般的な治療に抵抗性を示した症例でも,3~8回の照射で毛髪の新生を認め,比較的早期に効果が発現した。多発性3例中1例においても,4ヵ月後には治癒した。汎発性4例では2例に産毛の新生は認めたものの著効は得られなかった。2010年に作成された本邦における円形脱毛症診療ガイドラインに記載されているPUVA療法と比較して,ターゲット型エキシマランプは,健常部への不要な照射を避けることができ,しかも簡便に照射できる利点がある。以上より,ターゲット型エキシマランプを用いた光線療法は単発性円形脱毛症に特に有用であり,新たな標準治療の一つになり得ると思われる。
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  • 高橋 仁, 金子 栄, 千貫 祐子, 新原 寛之, 出来尾 格, 澄川 靖之, 今岡 かおる, 森田 栄伸, 東儀 君子, 高垣 謙二, 辻 ...
    74 巻 (2012) 3 号 p. 293-300
    公開日: 2012/09/26
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    島根大学附属病院を含む島根県下6医療施設を受診した慢性蕁麻疹患者で,ロラタジン(クラリチン®)以外の第二世代抗ヒスタミン薬服用にて効果不十分であった18例の慢性蕁麻疹患者に対し,ロラタジンを投与し,その臨床的有用性を蕁麻疹活動性スコア(Urticaria Activity Score:UAS),Visual Analogue Scale(VAS),および,Dermatology Life Quality Index(DLQI)により解析した。ロラタジンを通常用量(10mg/day)で2週間投与後,重症度レベル2以下の12例は,同条件での投与をさらに2週間継続した。2週後に重症度3以上であった6例は,ロラタジンを増量投与(20mg/day)し,さらに2週間経過を観察した。UASおよびVASは,ロラタジン投与4週後および最終評価時において有意な低下がみられた。DLQIの総合得点はロラタジン投与4週後に有意に改善した。ロラタジン投与4週後,かゆみを発現しない症例が増加し,2時間以上のかゆみを呈する症例は無くなった。これらのことから,ロラタジン以外の第二世代抗ヒスタミン薬で効果不十分であった慢性蕁麻疹患者に対し,ロラタジンへの切り替えは有用であることが示唆された。
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世界の皮膚科学者
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