西日本皮膚科
Online ISSN : 1880-4047
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74 巻 , 4 号
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図説
症例
  • 難波 千佳, 宮脇 さおり, 村上 信司, 橋本 公二, 佐山 浩二, 城徳 昌典, 檜垣 實男, 宮崎 龍彦, 星井 嘉信, 杉浦 啓介
    74 巻 (2012) 4 号 p. 387-390
    公開日: 2012/11/15
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    92歳,男性。初診の1ヵ月程前より,前腕,背部にそう痒を伴う紅斑,水疱,びらんを認めた。組織学的所見では,表皮下水疱を認め,真皮血管周囲を中心にリンパ球,好酸球の浸潤を認めた。蛍光抗体直接法は陰性であり,水疱症の各種自己抗体も陰性であった。ネフローゼ症候群を認めたことから,腎生検を施行した所,腎アミロイドーシスであった。Direct fast scarlet 染色では,水疱底の真皮上層に軽度のアミロイドの沈着を認め,免疫組織学的には,λ 鎖陽性,κ 鎖陰性,トランスサイレチン陰性,AA アミロイド陰性であり,Aλ 型アミロイドーシスと診断した。骨髄穿刺は施行できず,血清 M 蛋白,尿中 Bence-Jones 蛋白は陰性であった。ステロイド外用,抗ヒスタミン剤内服で加療するも難治で,腎不全で永眠した。水疱形成が主体であり,そう痒が顕著であった点が本症例の特徴であった。
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  • 堀川 永子, 石井 千寸, 瀬戸山 充, 菊池 英維
    74 巻 (2012) 4 号 p. 391-393
    公開日: 2012/11/15
    ジャーナル 認証あり
    症例は12歳,男児。2年前より右上口唇に紅色結節が出現し近医皮膚科にて伝染性軟属腫の診断で凍結療法を施行されたが,その後すぐ同部位に結節が再発,増大してきたため,前医を受診した。表面平滑で頂部に痂皮を付着する淡紅色,径 7.0mm の結節であり,腫瘍性病変が疑われ全摘生検を施行,病理組織学的に,エクリン分化を示す基底細胞癌と診断された。当科入院の上追加切除,二期的に全層植皮術を施行し,約1年経過した現在,再発は認められない。基礎疾患を欠く若年発症(10歳台)の基底細胞癌は非常に稀であると考え報告する。
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  • 戸田 さゆり, 田中 麻衣子, 河合 幹雄, 秀 道広, 唐川 修平, 青木 恵美, 宮本 義洋
    74 巻 (2012) 4 号 p. 394-398
    公開日: 2012/11/15
    ジャーナル 認証あり
    10ヵ月,女児。生後1ヵ月より左上下眼瞼,左頬部,左側頭部から後頭部にかけて紅斑が出現した。病変は徐々に隆起し紅色の巨大な腫瘤となり,耳介の変形と開瞼障害をきたした。乳児血管腫と診断し,色素レーザー照射とステロイド局所投与により加療され一部は消退したが大部分が残存した。プロプラノロール 0.25mg/kg/day の内服を開始し,2日毎に 0.25mg/kg/day ずつ増量したところ,開始後1週間以内には退縮傾向がみられ,1.0mg/kg/day の維持量で投与を継続した。巨大な腫瘤を形成し,機能障害を生じる可能性がある乳児血管腫の治療としては,ステロイドの全身投与,あるいは局所投与が選択されることも多いが,治療に抵抗する場合もある。近年,乳児血管腫に対するプロプラノロールの有効性が海外から多数報告されている。プロプラノロール長期投与は,乳児血管腫に対し充分な副作用のモニタリングのもとに試みてもよい治療法と考えられる。
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  • 小薗 可奈, 山村 和彦, 増野 年彦, 古江 増隆, 麻奥 英毅, 藤原 恵
    74 巻 (2012) 4 号 p. 399-404
    公開日: 2012/11/15
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    皮疹を伴ったangioimmunoblastic T-cell lymphoma (以下 AITL) の2例を経験した。症例1は80歳の女性。略全身に,一部に硬結を伴う淡紅斑を認めた。硬結部より生検を行い,病理組織学的に真皮全層に異型細胞の浸潤が認められた。症例2は79歳の女性。下腿紫斑を呈し,病理組織学的に leukocytoclastic vasculitis が認められた。異型細胞の浸潤は認められなかった。両症例とも可溶性 IL-2 受容体上昇やリンパ節腫大を認めリンパ腫が疑われ,リンパ節生検が行われた。リンパ節の病理組織で,高内皮細静脈の増生と異型リンパ球の浸潤が認められ,AITL と診断された。AITL は約50%に皮疹を伴うとされるが,皮疹の性状,組織所見は多彩であり,今後更なる症例集積および検討が必要であると考えられた。
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  • 野田 和代, 眞部 恵子, 浅越 健治, 藤原 香緒里, 木村 健秀, 白神 浩史
    74 巻 (2012) 4 号 p. 405-408
    公開日: 2012/11/15
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    6歳,女児。繰り返す有痛性の紅斑と発熱,腹部症状を主訴に当院小児科に入院し,皮膚病変の評価のため当科を受診した。下腿伸側の圧痛を伴う紅斑から生検を行ったところ,septal panniculitis の像で,結節性紅斑と診断した。発熱,四肢末端の落屑,紅斑,苺舌,頚部リンパ節腫脹など川崎病の診断基準を満たしたため,γ-グロブリン,アスピリン投与などの川崎病としての治療を開始した。治療開始翌日より解熱し皮疹も消退傾向となった。心エコーでも冠動脈の拡張傾向がないことを確認し,第35病日に退院した。川崎病の診断基準を満たした一方で,腹部症状や結節性紅斑,井戸水の使用歴もあり,川崎病の症状を伴ったエルシニア感染症の可能性も考えられた。2回の便培養は陰性であったが,エルシニア血清抗体価の上昇 (Yersinia pseudotuberculosis 血清群4b群,1280倍) を認め,結節性紅斑と川崎病様症状を伴ったエルシニア感染症と考えた。
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  • 中村 令子, 新谷 洋一, 本郷 明子, 鈴木 慎太郎, 山本 敬三
    74 巻 (2012) 4 号 p. 409-412
    公開日: 2012/11/15
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    外歯瘻の鑑別は時に忘れがちであるが,その存在を知っていれば診断は難しいものではない。実際,外歯瘻の患者の多くが,瘻孔部位が原因歯より離れた口腔外に生じるという理由により,歯科領域の疾患であるにも関わらず,最初に皮膚科,外科など医科各科を訪れることが多い。よって特徴的な部位の難治性,炎症性,化膿性病変をみたら,鑑別のひとつとして念頭に置く必要がある。今回われわれはここ3年間に皮膚科を訪れた比較的典型的な4例 (鼻翼1例,下顎3例) の外歯瘻の症例を提示し,過去6年間に当院口腔外科にて治療を受けた他8例の患者とあわせて,診断,治療,発生部位について若干の検討を加えた。
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  • 鶴田 紀子, 凌 太郎, 成澤 寛, 西本 勝太郎
    74 巻 (2012) 4 号 p. 413-416
    公開日: 2012/11/15
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    50歳,男性。頭部に著明な鱗屑を認め,脂漏性皮膚炎と診断しステロイド剤の外用を開始した。足白癬も認めたが患者は治療を希望せず放置した。4ヵ月後,後頚部に鱗屑を付す環状紅斑が出現し,後頭部に毛孔一致性の黒点を認めた。病毛の KOH 鏡検で毛内性菌寄生の像がみられ,black dot ringworm (BDR) と診断した。毛髪の培養にて Trichophyton rubrum を分離した。1978年以降,Trichophyton rubrum による BDR の症例は自験例を含めて17例報告されている。特徴として,(1) 高齢者に多い,(2) 足白癬合併が多い,(3) 前治療としてステロイド剤の投与例が多い,などがあげられた。
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  • 三原 祐子, 石飛 朋子, 辻野 佳雄, 高垣 謙二
    74 巻 (2012) 4 号 p. 417-421
    公開日: 2012/11/15
    ジャーナル 認証あり
    53歳,男性。アルコール多飲,アルコール性肝障害の既往歴あり。初診の5週間前からシアナミド,ジアゼパムを内服している。発熱・咽頭痛・扁桃発赤のため,近医にて抗生剤投与開始。翌日,解熱したが,全身に発疹が生じ,急性咽喉頭炎,多発口内炎,発疹の精査加療目的にて当院入院となった。入院2日目から40°C前後の発熱,全身に紅斑を生じたため,抗生剤の変更とシアナミド,ジアゼパムを中止したところ,徐々に解熱した。入院13日目に39°C以上の発熱が再燃し,顔面の浮腫性紅斑を含む全身の紅斑,白血球・好酸球増多,肝機能障害,リンパ節腫脹を認めた。2度目の発熱の前後で,HHV-6 の再活性化も確認した。抗アレルギー剤内服のみにて,解熱し,顔面・躯幹・四肢の紅斑は消退し,肝機能障害の改善を認めた。シアナミド,ジアゼパムの DLST は陰性であったが,初診の約9カ月後に行った前記2剤のパッチテストではシアナミドのみ陽性を示した。よって,シアナミドによる drug-induced hypersensitivity syndrome (DIHS) と診断した。
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  • 帖佐 宣昭
    74 巻 (2012) 4 号 p. 422-426
    公開日: 2012/11/15
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    83歳,女性。当科初診の10年前に視床出血で左片麻痺が出現した。9年前から徐々に左下肢の浮腫を自覚し,5年前にリンパ浮腫と診断された。3ヵ月前に左下腿に皮膚潰瘍を形成し,難治のため当科を紹介された。左下肢全体の浮腫,左下腿の色素沈着,左下腿内側に径5cmと左下腿前面に径13cmの易出血性壊死性感染性皮膚潰瘍を認めた。血管造影 CT で左大腿静脈は鼠径靭帯レベルで閉塞,瘤化し,中枢側の左外腸骨静脈は閉塞していた。また左下肢静脈の早期還流所見がみられ,動静脈瘻の存在が強く疑われた。患肢挙上と弾性包帯での圧迫療法,洗浄と軟膏処置を施行するも改善しないため,病室の吸引システムを用いての局所陰圧閉鎖療法を施行したところ,良好な肉芽が形成された。その肉芽床が大きいため,ベッドサイドで局所麻酔下に分層植皮術 (パッチグラフト。採皮は wheal shaving 法) を2週間毎に計3回施行し,局所陰圧閉鎖療法を手術直後から併用し,奏効した。慢性のリンパ浮腫に生じた皮膚潰瘍は難治であるが,局所陰圧閉鎖療法は本病態を改善する有効な治療法になりうる。また良好な肉芽形成後の皮膚欠損が大きい場合,ベッドサイドでのパッチグラフト (採皮は wheal shaving 法) は簡便で,局所陰圧閉鎖療法との併用もでき,より早く創閉鎖するのに有用である。
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研究
  • 木下 央子, 木下 正嘉, 高橋 亜紀代, 湯浅 慎介, 福田 恵一
    74 巻 (2012) 4 号 p. 427-431
    公開日: 2012/11/15
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    皮膚老化は皮膚が人間の最も表面にある臓器ゆえに,経時的,遺伝的な内因的要因だけではなく,日光や大気などの外的要因も老化現象に影響を及ぼす。皮膚のたるみやしわの大きな原因は皮下組織の線維芽細胞の細胞数減少や結合組織構成タンパクの分泌能低下,日光などの外的ストレスが原因となるコラーゲン分解亢進などが主な原因となって起こることが知られている。フルボ酸は腐植物質より抽出される自然由来の物質であるが,キレート作用や pH 緩衝作用,細菌増殖抑制作用や,湿疹に対する有用性の報告がある。このフルボ酸が線維芽細胞やコラーゲン分解に直接的に関与する matrix metalloproteinase (MMP) に対してどのような効果をもたらすか調べた。細胞は正常人成人の皮膚線維芽細胞を使用し,細胞のバイアビリティは Calcein-AM を使用した細胞のエステラーゼ活性を測定することにより,MMP の阻害作用については FITC 標識コラーゲンの分解抑制試験にて観察した。フルボ酸1%では26.1% (P<0.01) 細胞バイアビリティ増加を認め5%でも細胞毒性を認めなかっ た MMP の抑制試験において MMP-8 0.25unit ではコントロールに比べフルボ酸1%は約47% (P<0.01),フルボ酸5%は約61% (P<0.01) の MMP 抑制効果を認め,MMP-8 0.5unit ではコントロールに比べフルボ酸1%は約23% (P<0.01),フルボ酸5%は約56% (P<0.01) の MMP 抑制効果を認めた。今回の実験よりフルボ酸は線維芽細胞のバイアビリティ増加と MMP によるコラーゲン分解を抑制するという二つの観点からアンチエイジングに対して有用である可能性が示唆された。
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治療
  • 窪田 泰夫, 森上 徹也, 森上 純子, 中井 浩三, 横井 郁美, 藤田 名都子, 宗廣 明日香, 前田 麗子, 石川 絵美子, 細川 洋 ...
    74 巻 (2012) 4 号 p. 432-438
    公開日: 2012/11/15
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    アトピー性皮膚炎 (AD) 患者を対象に標準的 AD 治療のひとつとしてスキンケアにビーソフテン® ローション (B) およびヒルドイド® ローション (H) を使用し,患部皮膚の角質水分量,経皮水分喪失量の推移,AD の皮膚症状に及ぼす影響を左右半身比較による検討を行った。両製剤の使用感や利便性に関する評価と満足度も検討した。両製剤とも4,8週後に皮膚症状は有意に改善し,製剤間に差はなかった。角質水分量,経皮水分喪失量については,治療前後および製剤間の差はなかった。Visual Analogue Scale (VAS) による評価では「皮膚のうるおい」,「皮膚のなめらかさ」,「患部皮膚の色調」では,両製剤とも4,8週後に有意に改善し,製剤間に差はなかった。「痒み」は4週後では両製剤とも有意な改善を認め,8週後では (H) のみが有意に改善したが,製剤間には差はなかった。薬剤使用感のVAS評価では,「薬剤塗布時の使用感」で (B) が有意に優れていたが,「塗りやすさ」,「薬剤塗布時のにおい」,「薬剤塗布した翌朝の皮膚の状態」,「薬剤の継続使用希望」は製剤間に有意差はなかった。AD 外用治療の基礎であるスキンケアにおける保湿剤の使用は皮膚炎の軽重にかかわらず長期にわたる。患者の好み,塗布範囲,季節,発汗などに応じた剤形選択がアドヒアランス向上をもたらし,高い治療効果や QOL の改善にも寄与するものと考えられた。
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世界の皮膚科学者
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