西日本皮膚科
Online ISSN : 1880-4047
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74 巻 , 6 号
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図説
症例
  • 壷井 聡史, 三原 祥嗣, 岩本 和真, 信藤 肇, 秀 道広, 望月 満, 畑中 道代, 北野 悦子, 北村 肇
    74 巻 (2012) 6 号 p. 585-588
    公開日: 2013/02/26
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    6 歳,男児。初診の 8 ヵ月前より全身に米粒大から小豆大の紅色漿液性丘疹が出現した。伝染性膿痂疹として加療されたが難治であった。初診時には一部に小水疱や痂皮を伴う米粒大から小豆大の紅色丘疹を両膝,両肘に認めた。右肘の生検組織では表皮に軽度の肥厚と海綿状変化があり,真皮は全層にわたって血管周囲性に稠密な好中球,リンパ球の浸潤と血管内皮細胞の膨化,フィブリン析出がみられ,血管炎が示唆された。血清補体価 (CH50) は検出感度以下であったが,C3,C4 は正常範囲であった。EDTA 採血での血漿補体価も 9.4 U/ml と低値であり,補体成分の欠損症を疑いさらなる検索を行った。マイクロプレート法による CH50 は健常人プール血清 (NHS) の 24%であり,低イオン強度緩衝液にて測定すると NHS の 4%まで低下し,C9 欠損症が示唆された。さらに各補体成分の活性を測定するとC9 のみ0 SFU/ml であり,精製 C9 を添加すると CH50 の溶血活性は回復した。以上より自検例を C9 欠損症と診断した。
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  • 山城 栄津子, 新嘉喜 長, 新垣 均, 宮城 拓也, 山口 さやか, 高橋 健造, 上里 博
    74 巻 (2012) 6 号 p. 589-594
    公開日: 2013/02/26
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    症例は 55 歳,男性。皮膚科を受診する 1 年前に骨髄異形成症候群と診断され,血液内科で治療を受けていた。発熱と共に膿疱が四肢に多発し,やがて有痛性・穿屈性の皮膚潰瘍を形成した。抗生剤を投与した後も発熱は持続し,四肢の潰瘍も拡大したため 2006 年 9 月に当科に紹介された。当初,皮膚症状から壊疽性膿皮症を疑った。潰瘍部の病理組織像では,真皮全層にわたって好中球の浸潤がみられた。以上のことから骨髄異形成症候群に伴う壊疽性膿皮症と診断した。治療はプレドニゾロンを投与し,解熱傾向が認められ,皮膚症状も改善した。本症例は発熱とともに小膿疱が出現し,急速に拡大した潰瘍型壊疽性膿皮症の典型例であった。1987 年から2011 年までの本邦における骨髄異形成症候群に合併した壊疽性膿皮症の集計を行ったところ,骨髄異形成症候群に伴う壊疽性膿皮症は 55 例が報告されており,男性に発症することが多かった。壊疽性膿皮症の治療は主にステロイドの経口・経静脈的投与がなされていた。
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  • 安部 文人, 樋口 哲也, 野老 翔雲, 吉田 正己, 蛭田 啓之
    74 巻 (2012) 6 号 p. 595-598
    公開日: 2013/02/26
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    67 歳,男性。体幹の小結節を主訴に来院した。家族歴に神経系腫瘍はない。体幹に多発する米粒大までの軽度隆起する褐色小結節を認めた。小結節は躯幹の割線方向に一致して細長い傾向があった。MRI 検査で聴神経鞘腫および他の神経系腫瘍は伴っていなかった。病理組織学的には,真皮浅層に細長い腫瘍塊を認めた。腫瘍は細長い核を有する紡錘形の細胞が不規則に柵状・束状に増殖する Antoni A 型構造を示した。神経鞘腫症,神経線維腫症 2 型との鑑別を含めて考察した。
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  • 矢作 榮一郎, 赤坂 江美子, 加藤 正幸, 生駒 憲広, 馬渕 智生, 田宮 紫穂, 小澤 明
    74 巻 (2012) 6 号 p. 599-603
    公開日: 2013/02/26
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    症例 1 : 62 歳,女性。1990 年頃から顔面,前胸部に皮疹が出現した。臨床および病理組織学的所見から,汗管腫と診断した。サリチル酸ワセリン,活性型ビタミン D3 誘導体,アダパレンのそれぞれの外用により臨床的治療効果を比較した。そのうち,アダパレン外用部位では,約 4 週間後に皮疹の平坦化と個疹の減数を認めた。症例 2 : 70 歳,女性。2009 年頃から外陰部に皮疹が出現した。徐々に個疹は増数し,疼痛が出現した。臨床および病理組織学的所見から,汗管腫と診断した。ステロイド外用療法では改善がなく,アダパレンの外用療法を試みた。その結果,皮疹の平坦化と疼痛の改善を認めた。両症例で外用療法開始約 1 ヵ月後に再度生検を施行したところ,病理組織学的に管腔構造の減少を認めた。汗管腫に対する治療の一つとして,アダパレン外用療法の臨床的有用性が示唆された。
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  • 佐々木 良輔, 有馬 豪, 岩田 洋平, 松永 佳世子
    74 巻 (2012) 6 号 p. 604-607
    公開日: 2013/02/26
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    11 ヵ月の女児。生後 1 ヵ月頃より右第 4 指に丘疹が出現し,徐々に増大傾向となったため当院を受診した。右手第 4 指遠位指節間関節付近に径 15 mm と 6 mm の 2 つの皮下結節を認めた。病理組織像で紡錘形腫瘍細胞の増生と好酸性封入体を認め,乳児指趾線維腫症と診断した。手指の可動制限や成長障害は認めなかったため,無治療で経過観察したところ軽度の瘢痕は残したものの機能障害は残さず 1 年後には自然消退した。本症は自然退縮することも多いため,成長障害や機能障害が危惧される症例を除けば,まずは経過観察してみることが適切と考えられる。本症は稀な疾患ではあるが,乳児の指趾に好発するため両親をはじめとした家族の不安も強いことも多い。本症に対する治療法や経過について充分なインフォームドコンセントを行っていくことが皮膚科医として大切と考えられた。
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  • 鍬塚 大, 小池 雄太, 小川 文秀, 清水 和宏, 宇谷 厚志, 鳥山 史, 武石 恵美子, 林 徳眞吉, 重松 和人
    74 巻 (2012) 6 号 p. 608-613
    公開日: 2013/02/26
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    73 歳,女性。初診 3 年前に右大腿伸側に小豆大紅色丘疹が出現し,以後増大してゆき,初診時には右大腿伸側に径 50 mm,不整形の紅色肉芽様腫瘤がみられた。その中央部に径 20 mm 大の暗赤色結節が出現した。CT スキャンでは右鼠径リンパ節から傍腹部大動脈周囲にかけてリンパ節腫大を認めた。原発巣切除標本の病理組織検査により,紅色腫瘤は有棘細胞癌と判明した。中央部の暗赤色結節では異型を示す小型の好塩基性細胞が索状に配列していた。免疫組織学的検討で,cytokeratin 20(-) であったものの,chromogranin(+),synaptophysin(+)を示したことからメルケル細胞癌と診断した。腫大した右鼠径リンパ節は切除標本の組織検査によりメルケル細胞癌転移と判明した。メルケル細胞癌に対し,カルボプラチンとエトポシドによる化学療法と放射線療法を施行しリンパ節転移は一旦縮小したが,4 ヵ月後にはリンパ節転移が再燃し 6 ヵ月後に死亡した。今回,同一部位でメルケル細胞癌と他の皮膚悪性腫瘍を合併した例に関して,文献的考察を加えて報告する。
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  • 齊藤 知子, 宇佐川 祐子, 執行 あかり, 山本 一郎, 桐生 美麿, 古江 増隆
    74 巻 (2012) 6 号 p. 614-618
    公開日: 2013/02/26
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    62 歳,女性。3 年前にドアで打撲した前頭部左側に小腫瘤が出現し,徐々に増大した。肉眼的に摘出腫瘤は白色の被膜に包まれ,突出性の暗赤色血腫様で,病理組織学的には出血を伴って多房構造を呈する比較的境界明瞭な腫瘤であり,内皮細胞を伴わない吻合性血管腔様構造が目立ち,硝子化した線維性間質内に組織球様細胞の増殖がみられた。また一部に線維芽細胞様の紡錘形細胞も増殖していた。臨床所見と病理組織所見より aneurysmal fibrous histiocytoma と診断した。鑑別疾患として angiomatoid malignant fibrous histiocytomaやchronic expanding hematoma が挙げられ,それぞれを比較検討した。
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  • 加瀬 貴美, 黄倉 真恵, 山下 利春
    74 巻 (2012) 6 号 p. 619-622
    公開日: 2013/02/26
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    24 歳,女性。初診の 4 ヵ月前より外陰部に黒色斑を自覚した。婦人科的診察に異常なく近医でカンジダ症として加療されたが,黒褐色丘疹が拡大し,当科紹介受診となった。初診時,両側小陰唇から大陰唇にかけて黒褐色丘疹と黒色斑の多発を認めた。病理組織学的に異型重層扁平上皮の増殖,有棘細胞の極性の乱れ,全層性の核分裂像を認めた。パラフィンブロックより DNA を精製し,HPV16 L1 特異的 PCR を行った結果,特異バンドが増幅され,シークエンス解析より HPV16 であることが確定した。以上より,ボーエン様丘疹症と診断した。5 %イミキモドクリームを週 3 回,5 週間外用したところ,皮疹は消失した。今後,イミキモド外用がボーエン様丘疹症の治療の選択肢となり得ると考えた。
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  • 工藤 朋子, 志賀 建夫, 高田 智也, 中島 英貴, 樽谷 勝仁, 佐野 栄紀
    74 巻 (2012) 6 号 p. 623-626
    公開日: 2013/02/26
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    62 歳,女性。初診の 8 ヵ月前より急性骨髄性白血病に対して化学療法中であった。塩酸シプロフロキサシン,イトラコナゾールの予防投与が行われていたが,発熱とともに,体幹,四肢に有痛性の紅斑が出現した。四肢,臀部に小指頭大から鶏卵大までの皮下硬結を伴う境界不明瞭な紅斑が十数個散在しており,強い圧痛と局所熱感を伴っていた。病理組織像では,皮下に膿瘍形成がみられ,PAS 染色陽性を示す胞子および菌糸成分を多数認めた。スライドカルチャーで,隔壁を持つ三日月型の大分生子を認め,播種性 Fusarium 感染症と診断した。ボリコナゾールの投与を開始し,皮疹は改善。投与 6 ヵ月後に,残存する皮下硬結を摘出し病理組織を確認したが,菌体成分は認めなかった。免疫低下患者,特に血液疾患患者において有痛性の紅斑,皮下硬結などの皮疹をみた場合,播種性 Fusarium 感染症を念頭におくことが重要である。
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  • 小池 雅人, 林 周次郎, 伊藤 幸恵, 北村 洋平, 濱崎 洋一郎, 籏持 淳
    74 巻 (2012) 6 号 p. 627-629
    公開日: 2013/02/26
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    56 歳,女性。10 ヵ月前から近医内科より高脂血症の治療としてロスバスタチンの内服を受けていたが,数週間前より顔面・四肢に紅斑が出現したため当科を受診した。初診時,顔面の潮紅と,体幹,四肢に環状を呈する淡紅色から暗紅色の紅斑の散在がみられ,一部で癒合傾向を認めた。病理組織で真皮上層から中層の小血管周囲にリンパ球および好酸球の浸潤を認めた。ロスバスタチンの薬剤リンパ球刺激試験は陽性。ロスバスタチンの服薬を中止し,副腎皮質ステロイド剤の内服および外用の治療により速やかに皮疹の改善を認めた。副腎皮質ステロイド剤の内服中止後も皮疹の再燃を認めない。ロスバスタチンによる薬疹を疑った。
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治療
  • 窪田 泰夫, 宗広 明日香, 小浦 綾子, 白髭 由恵, 横井 郁美, 前田 麗子, 石川 絵美子, 細川 洋一郎, 森上 純子, 森上 徹 ...
    74 巻 (2012) 6 号 p. 630-635
    公開日: 2013/02/26
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    ダラシン® T ローション 1 %はざ瘡の炎症性皮疹に対して有効性と安全性が確認された外用抗菌剤である。今回,炎症性皮疹を有する成人ざ瘡患者 23 例に,ダラシン® T ローション 1 %を 8 週間,半顔には直接塗布により,また対側半顔にはコットンパフを用いて塗布し,炎症性皮疹の減少率と安全性,また刺激感や使用感等に対する患者自身による評価を比較検討した。その結果,コットンパフ使用法および直接塗布法ともに開始時と比較して外用開始 8 週後には炎症性皮疹減少率が有意に高かった。しかし両群間の炎症性皮疹の減少率において 4 週後,8 週後に有意差は認められなかった。全症例において特記すべき有害事象はなかった。患者自身による評価では,両群間の治療効果・使用感・刺激感に有意差は認められなかったが,70 % (16 例/23 例) の患者が「医師から具体的な塗布方法について説明を受けて良かった」と回答していた。これはざ瘡外用治療の際に医師が患者に外用方法の具体的な説明・指導をすることが患者の治療満足度を向上させるためにも重要であることを示唆していると思われた。また,液状のざ瘡外用治療薬とコットンパフを用いて塗布する方法は日常の化粧行動でコットンパフの使用に慣れている「大人の女性」のざ瘡患者には勧めやすいものと思われた。≥
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  • 今福 信一, 中山 樹一郎, 野口 雅久
    74 巻 (2012) 6 号 p. 636-641
    公開日: 2013/02/26
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    皮膚の細菌感染症はありふれた疾患で,その多くは黄色ブドウ球菌による。治療には内服または外用の抗菌薬が用いられるが,外用薬についてはあまり熟慮されず古典的な抗菌薬が未だに用いられ続けている傾向がある。また,日常の臨床では培養結果をみて薬剤を選択することは稀で,一般に初診時に経験的に投与されている。従って用いている抗菌薬の感受性と菌種の頻度を知ることは重要である。ナジフロキサシン (NDFX) は内服の剤形がない外用抗菌薬で,皮膚の細菌感染症に対して保険適応があるが,伝染性膿痂疹以外の皮膚細菌感染症についての効果,および感受性についての情報に乏しい。
       目的:伝染性膿痂疹以外の皮膚感染症(毛包炎,せつ・癰,ひょう疽)について NDFX 軟膏 1 %の臨床効果,および分離された起炎菌の各種薬剤に対する感受性について検討した。
       方法 : 同意を得た各疾患毛包炎患者 22 例,せつ・癰患者 28 例,ひょう疽患者 25 例に対して起炎菌の培養同定,感受性試験を行った。また治療の効果を 5 段階で評価した。
       結果 : 分離された菌の 37%(29/79)が Staphylococcus aureus であった。。NDFX の感受性は MIC が最も小さい 0.063 μg/ml 以下が 75.9 %を占め,また全菌種が 4 μg/ml 以下で耐性が無いと考えられた。臨床的な改善度は改善以上が毛包炎で 95%,ひょう疽で 81%,せつ・癰で 96%であった。試験中に明らかな副作用はみられなかった。NDFX 軟膏 1%は他の薬剤と比較して頻度の高い起炎菌に低い MIC を示し,有用性の高い外用薬と考えられた。
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  • 小林 裕美, 石井 正光, 古江 増隆
    74 巻 (2012) 6 号 p. 642-647
    公開日: 2013/02/26
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    我々は,標準的治療を受けている「気虚」(虚弱体質:薬剤の効能効果として) を伴うアトピー性皮膚炎患者を対象に,補中益気湯またはプラセボを 24 週間経口投与する二重盲検プラセボ対照無作為化試験 (以下 DB 試験とする) により,補中益気湯群では,有意な差はなかったが皮疹重症度スコアがより改善し,治療期間中の外用薬 (ステロイド,タクロリムス) の使用量が有意に少なくなったことを,以前に報告した。漢方治療には,その症状を引き起こしている原因となる患者の体質を改善する本治と,目の前に表われている症状を改善する標治がある。補中益気湯は易疲労や易感染性を示す生体防御能低下状態,すなわち, 「気虚」を改善する本治の代表処方の一つであり,これまで皮疹の状態に関する使用目標は必ずしも明らかではなかった。そこで,補中益気湯をアトピー性皮膚炎の治療に用いる場合に,適用すべき皮疹の状態を明らかにすることは,漢方治療における処方選択の参考になるものと考え,DB 試験のデータ (補中益気湯 : n = 37, プラセボ : n - 40) を皮疹要素別に再度解析した。その結果,補中益気湯群では「紅斑・急性期の丘疹」,「湿潤・痂皮」,「慢性期の丘疹・結節・苔癬化」,「皮疹の面積」の各要素別の皮疹重症度スコアにおいて,いずれも有意な改善 (p<0.01) を示したが,プラセボ群では, 「湿潤・痂皮」では有意な改善がなく, 「紅斑・急性期の丘疹」では有意水準が p<0.05 に留まった。また,補中益気湯群においては,皮疹改善率は,試験開始時の皮疹性状 3 要素における「湿潤・痂皮」の比率と負の相関を,「慢性期の丘疹・結節・苔癬化」の比率とは正の相関を示した。一方,プラセボ群においては何の相関性も認めなかった。補中益気湯は,アトピー性皮膚炎患者の皮疹症状として「湿潤・痂皮」の比率が低く, 「慢性期の丘疹・結節・苔癬化」の比率が高い患者に適応があることが示唆された。
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世界の皮膚科学者
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