西日本皮膚科
Online ISSN : 1880-4047
Print ISSN : 0386-9784
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76 巻 , 2 号
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図説
綜説
症例
  • 三原 祐子, 高垣 謙二, 石飛 朋子, 尾原 清司, 大沼 秀行, 辻 野 佳雄
    76 巻 (2014) 2 号 p. 80-84
    公開日: 2014/07/17
    ジャーナル 認証あり
    85 歳,男性。初診の約 10 年前から,尋常性乾癬として近医でステロイド外用,エトレチナート内服にて治療されていた。紅皮症状態となり,当科を受診 (初回) した。好中球増多,CRP 上昇を認め,感染症合併が疑われた。抗生剤投与,ステロイドとビタミン D の外用で皮疹は軽快した。約 1 年 2 カ月後に 2 回目の紅皮症状態となり,入院の上,歯根尖病巣に対し,抜歯,歯周病治療を行い,ステロイドとビタミン D の外用を併用し,全身症状,皮疹とも改善した。2 回目からさらに約 1 年 4 カ月後の 3回目の紅皮症状態時には,歯周病と無痛性胆囊炎を認め,再度入院し,抗生剤投与,抜歯を含む歯周病治療,ステロイド等の外用を行い,皮疹,無痛性胆囊炎とも軽快した。その後,外来通院にて歯周病治療,抗生剤投与を行い,皮疹のコントロールは良好である。乾癬性紅皮症に対し,歯科治療と抗生剤投与で良好な結果を得て,感染症のコントロールの重要性を再認識した。
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  • 溝手 政博, 日高 ら ん, 里村 暁子, 師井 洋一, 占部 篤道, 水内 知子, 古江 増隆
    76 巻 (2014) 2 号 p. 85-87
    公開日: 2014/07/17
    ジャーナル 認証あり
    症例 1:35 歳,女性。20 歳頃から左頰部に紅色皮疹を自覚した。皮疹は徐々に拡大し,28×22 mm 大の角化性環状局面を形成していた。自覚症状はほとんどない。病理組織学的所見で,辺縁の隆起する部位に一致して毛包内に錯角化円柱いわゆる cornoid lamellae を認めた。症例 2:69 歳,男性。50 歳頃より四肢に散在する褐色皮疹を自覚していた。腹部にも皮疹が出現し,下腿の皮疹に瘙痒を認めるようになった。病理組織学的所見で,毛孔に位置する cornoid lamellae を認めた。毛包内や汗管に cornoid lamellae を認めたとされる過去の報告例は少ないが,今回報告した 2 例では,はっきりと毛孔に cornoid lamellae を認めた。
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  • 浅井 幸, 冨田 元, 林 徳眞吉, 宇谷 厚志
    76 巻 (2014) 2 号 p. 88-91
    公開日: 2014/07/17
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    12 歳,Down 症候群の男児。7 歳頃より顔面,手足に白色小丘疹が出現し,徐々に増数してきたため,当科を受診した。両手,足,顔面に多発する数 mm までの白色小丘疹,また眼瞼周囲に汗管腫と考えられる皮疹を認めた。手背丘疹の病理組織は,表皮直下に結節状の石灰沈着を認め,Down 症候群に合併することが知られている稗粒腫様特発性皮膚石灰沈着症 (milia-like idiopathic calcinosis cutis) と診断した。 石灰沈着部位の近傍に汗管の増殖を認め,石灰沈着の発症に汗管の関連性が示唆された。
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  • 大川 智子, 中村 和子, 池澤 優子, 和田 秀文, 山中 正二, 毛利 忍, 相原 道子
    76 巻 (2014) 2 号 p. 92-96
    公開日: 2014/07/17
    ジャーナル 認証あり
    乳児線維性過誤腫 (fibrous hamartoma of infancy : FHI) は乳幼児に発生する比較的稀な皮下軟部組織腫瘍である。右上腕に FHI を生じた1歳女児の症例を報告する。生後 5 カ月頃より,右上腕に皮下腫瘤が出現した。徐々に増大傾向が認められた。11 カ月頃より,皮下腫瘤の表面に発毛がみられた。初診時,右上腕に有毛性の大豆大の弾性硬,比較的境界明瞭,下床との可動性良好な皮下腫瘤を触知した。皮下腫瘍摘出術を行い,皮下脂肪織内に存在する白色の充実性腫瘍 (17×17× 5 mm) を摘出した。病理組織学的に交錯する線維組織,成熟脂肪細胞,幼若な間葉細胞巣の三要素が混在しており,FHI と診断した。FHI は交錯する膠原線維,未分化間葉細胞巣,成熟脂肪組織の 3成分で構成されるのが特徴である良性腫瘍で,比較的再発は稀である。術後,6 歳 9 カ月に至るまで再発はみられていない。乳児期に発生する皮下腫瘤では本疾患も鑑別に挙げる必要がある。
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  • 北 和代, 古江 増隆, 武下 泰三
    76 巻 (2014) 2 号 p. 97-99
    公開日: 2014/07/17
    ジャーナル 認証あり
    80 歳,男性。高度貧血(Hb 3.6 g/dl)の精査のため当院へ救急搬送され,胃間葉系腫瘍(GIST)からの出血の診断で,外科へ入院となった。入院時の身体所見にて四肢,側胸部,季肋部,右前腸骨棘に直径2~3 cm の可動性良好な皮下腫瘤を認めた。神経線維腫症 1 型(NF-1)のうち 5~25%の患者に GIST を生じるとの報告があり,同疾患の鑑別のため当科紹介となった。患者本人には NF-1を示唆する皮疹やその他特異的症状は認めず,家族歴もなかった。しかし,患者の子にも同様の皮下腫瘤があり,また孫にも同様の皮下腫瘤があるとの問診から,精査を行った。その結果,患者,子の皮下腫瘤は病理組織学的には血管脂肪腫(angiolipoma)の診断であり,家族性血管脂肪腫の診断となった。血管脂肪腫はありふれた疾患ではあるが,その様な疾患が貴重な症例になり得ることを経験したため報告する。
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  • 原田 佳代, 前 川 朋子, 加来 裕美子, 小 川 昌宣, 今山 修平, 占部 和敬
    76 巻 (2014) 2 号 p. 100-104
    公開日: 2014/07/17
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    62 歳,女性。2005 年後頭部の黒色腫瘍に気づき,2006年6月近医にて切除し,悪性黒色腫の診断にて,当 科 紹介 受診となった。7 月に 拡 大切除(T4bN0M0, stage II C)を 行 い,術 後 DAV-feron(DTIC/ACNU/VCR + IFN-β)療法を3クール施行した。経過観察中 2011 年 7 月に 5-S.C.D. 31.5 nmol/l と上昇し,同月の PET-CT で腫大子宮の一部,および左上内深頚部リンパ節領域に異常集積を認めた。 2010 年 7 月より多発子宮筋腫の診断で当院婦人科にて経過観察中であったが,2011 年8月に MRI にて閉経後子宮筋腫の増大と子宮左側に充実部分の出現を認め,2011 年9月に子宮摘出術と両側付属器切除術を施行した。摘出された子宮は肉眼的に黒色調を呈し,病理も悪性黒色腫子宮転移の診断であった。術後CDV(CDDP/DTIC/VDS)療法 3 クール施行し,現在 5-S.C.D. は正常化し,PET-CT で認めた異常集積は,頚部も含め消失した。本症例は不正性器出血などの症状を認めず,経過観察中に 5-S.C.D. の上昇があり,画像所見と合わせ転移を発見でき,治療が可能であったが,通常,悪性黒色腫患者の診療においては採血・画像検査と共に,患者の自覚症状にも気を配り,転移のサインを見逃さないことが重要である。
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  • 佐藤 さゆり, 加賀谷 真起子, 岩崎 博, 後藤田 裕子, 嵯峨 賢次, 高橋 博之
    76 巻 (2014) 2 号 p. 105-108
    公開日: 2014/07/17
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    症例は 87 歳,女性。右下腿に腫脹,発赤,皮膚潰瘍が出現し,近医整形外科にて蜂窩織炎の診断で抗生剤の点滴治療と外用療法を受けるも改善せず,当科を紹介され受診した。初診時,右下腿全体に著明な発赤,腫脹と表面に黄色壊死組織が固着した不整形な虫食い状の潰瘍を認めた。二次感染を伴っていたものの治療抵抗性のため皮膚生検を施行したところ peripheral T-cell lymphoma, not otherwise specified の診断となり,当院血液内科へ転科し化学療法を施行した。難治の下腿潰瘍に遭遇した場合は稀ではあるが悪性リンパ腫も考慮に入れて積極的に生検を行う必要があると考えられた。
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  • 金丸 志保, 天野 正宏, 井上 知宏, 石井 千寸, 室井 栄治, 成田 博実, 瀬戸山 充
    76 巻 (2014) 2 号 p. 109-114
    公開日: 2014/07/17
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    45 歳,男性。15 歳からアトピー性皮膚炎 (atopic dermatitis : AD) と診断され,間歇的に治療を受けていたが,コントロール不良であった。当科初診の 6 カ月前,背部に腫瘤が出現,次第に増加してきた。初診時,全身の皮膚は乾燥し,鱗屑を伴った紅斑,色素沈着,搔破痕が多くみられ,典型的な AD の皮疹を呈していたが,上背部から腰部にかけて紅色の結節・腫瘤を 4 個認めた。生検組織で大型の異型リンパ球が真皮から皮下組織に浸潤していた。免疫組織化学的に腫瘍細胞は CD3,CD4,CD30,CD45RO が陽性,CD8,CD20,ALK は陰性,サザンブロット法で TCR-Cb1の再構成を認め,PET-CT やリンパ節生検でリンパ節や内臓への浸潤を認めないため,AD に合併した原発性皮膚未分化大細胞リンパ腫 (primary cutaneous anaplastic large cell lymphoma : PCALCL9 と診断した。電子線照射療法を行い,背部 の腫瘤は消退したが,頚部リンパ節の腫大が出現したため CHOP 療法,ESHAP 療法を施行した。一般にPCALCL の予後は 10 年生存率 90%と良好である。しかしながら,本症例では初診から 1 年 9 カ月後に永眠しており,PCALCL における AD の合併は予後不良因子の一つであると考えた。
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  • 松尾 敦子, 緒方 亜紀, 水足 謙介, 彌永 和宏, 城野 昌義
    76 巻 (2014) 2 号 p. 115-120
    公開日: 2014/07/17
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    2 回の急性転化を経て,19 年間にわたり経過観察できた慢性型成人 T 細胞白血病/リンパ腫 (ATLL) の症例を報告する。発症は 1991 年で,熊本大学医学部附属病院にて “慢性型 ATLL の急性転化” の診断の下, recombinant interleukin-1β (rIL-1β) による治療を開始し,治療開始 5 カ月後に完全寛解 (CR) が得られ,ATLL 関連の検査値異常すべてが 10 カ月後には正常に回復した。その後は治療なしで CR を13年間維持していた。しかし 2007 年に四肢の紅色丘疹と肺病変が再発,今回も “慢性型 ATLL の急性転化” と診断し,低容量ソブゾキサン+エトポシド併用内服療法を開始した。本治療法は皮膚・肺病変の両方に著効し,治療開始 6 カ月後には CR が得られ,腎盂腎炎に続発した多臓器不全で 2010 年に死亡するまでの2年間,ATLL は CR を維持できた。自験例の長期生存には,複合化学療法を避けて選択した免疫賦活療法と内服抗癌剤による治療が著効した点と,皮疹の病理組織検査の所見として ATLL 細胞の皮膚浸潤に加え肉芽腫反応が観察された点が重要であったと考えた。
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研究
  • 高原 正和, 竹井 賢二郎, 八谷 顕子, 溝手 政博, 村井 美華, 佐々木 誉詩子, 大野 文高, 岡部 倫子, 武 信肇, 増田 亜希 ...
    76 巻 (2014) 2 号 p. 121-126
    公開日: 2014/07/17
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    白癬に対する外用治療薬であるリラナフタート (ゼフナート®) は,強い抗真菌作用に加えて抗炎症作用などを有することが知られている。本研究では,培養ヒト表皮細胞にリラナフタートを添加し,その機序を検討した。リラナフタートを添加すると,表皮細胞質内に存在していた aryl hydrocarbon receptor (AhR) は核内に移動した。加えて抗酸化転写因子である nuclear factor-erythroid 2-related factor-2 (Nrf2) の核内移行,ならびに抗酸化酵素である NAD (P) H:quinone oxidoreductase 1 (Nqo1) と Nrf2 の mRNA 発現が亢進された。また,TNFa 刺激下での活性酸素および IL-8 の産生を抑制した。siRNA 導入によりAhR をノックダウンして検討したところ,リラナフタートによる Nrf2,Nqo1 の発現誘導,IL-8 抑制作用がキャンセルされ,AhR を介した効果であることが示唆された。さらに,リラナフタートは表皮分化,バリア機能に中心的な役割を担うフィラグリン,ロリクリン,インボルクリン,トランスグルタミナーゼ 5 の発現も AhR 依存性に誘導することが明らかになった。リラナフタートの抗真菌作用に加えて,これらの現象が,白癬の臨床症状を速やかに改善させる機序の一端を担っている可能性がある。
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  • 大井 一弥, 横山 聡, 阿波 勇樹 , 河井 亜希, 平本 恵一
    76 巻 (2014) 2 号 p. 127-130
    公開日: 2014/07/17
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    タクロリムス軟膏とヘパリン類似物質製剤の塗布順序によるタクロリムスの皮膚内移行性について,アトピー性皮膚炎モデル動物である NOA/Jcl マウスにより検討を行った。NOA/Jcl マウスの背部にタクロリムス軟膏を塗布し,タクロリムス軟膏 (プロトピック® 軟膏 0.1%) およびヘパリン類似物質製剤 (ヒルドイド® ソフト軟膏 0.3%,ヒルドイド® クリーム 0.3%,ヒルドイド® ローション 0.3%) 塗布後,3 時間の皮膚中タクロリムス濃度を LC-MS/MS を用いて測定した。タクロリムス軟膏塗布後,ヒルドイド® ソフト軟膏塗布は A 群,ヒルドイド® ソフト軟膏塗布後,タクロリムス軟膏塗布は B 群,タクロリムス軟膏塗布後,ヒルドイド® クリーム塗布は C 群,ヒルドイド® クリーム塗布後,タクロリムス軟膏塗布は D 群,タクロリムス軟膏塗布後,ヒルドイド® ローション塗布は E 群,ヒルドイド® ローション塗布後,タクロリムス軟膏塗布は F 群,タクロリムス軟膏とヒルドイド® ソフト軟膏混合塗布は G 群とした。この結果,タクロリムス軟膏とヘパリン類似物質製剤の塗布順序の違いによる皮膚中タクロリムス濃度に,有意な差はなかった ( P=0.8325)。また,タクロリムス軟膏と各剤形のヘパリン類似物質製剤の塗布順序による皮膚中タクロリムス濃度についても検討したところ,有意な差はなかった( P=0.0811)。さらに,タクロリムス軟膏とヘパリン類似物質製剤の混合塗布した場合とタクロリムス軟膏とヘパリン類似物質製剤の各々の塗布順序でも有意差は認められなかった (A 群との比較 : P=0.0958,B 群との比較 : P=0.1331)。これらのことから,タクロリムス軟膏とヘパリン類似物質製剤の塗布順序の違いが,皮膚中タクロリムス濃度に影響を与える可能性は低いと考えられる。従って,臨床ではどちらを先行塗布しても効果に差を認めるものではないことが推察される。
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講座
治療
  • 竹村 司, 遠野 弘美 , 与茂田 敏, 大窪 敏樹
    76 巻 (2014) 2 号 p. 140-146
    公開日: 2014/07/17
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    中等症以上を中心とした女性の尋常性痤瘡患者 44 名に対し,抗菌薬の内服を禁じ,桜皮 (ヤマザクラ Prunus jamasakura Siebold (バラ科)) を配合した漢方製剤の十味敗毒湯エキス製剤の内服と外用抗菌薬 (クリンダマイシンリン酸エステル製剤) の併用によって 12 週間の治療を行った。炎症性皮疹の改善度は改善以上が 34 例で累積改善率は 77.3%であり,調査薬剤による副作用は見られず,十味敗毒湯エキス製剤 (桜皮配合) と外用抗菌薬との併用療法は臨床的有用性が認められた。またその作用機序を推定する目的で,桜皮および桜皮に代わり用いられることのある樸樕 (クヌギ Quercus acutissima Carruthers (ブナ科)) の水抽出エキスを用いて皮膚線維芽細胞からのエストロゲン分泌作用を測定したところ,桜皮は 17 β−エストラジオールの顕著な産生を認めたが,樸樕では認められなかった。これらのことから桜皮を配合した十味敗毒湯エキス製剤は,尋常性痤瘡患者の皮膚局所においてエストロゲンの産生を誘導することにより,痤瘡の悪化要因であるテストステロンを拮抗的に抑制することが作用機序のひとつとしてあげられることが示唆された。
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世界の皮膚科学者
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