西日本皮膚科
Online ISSN : 1880-4047
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76 巻 , 3 号
選択された号の論文の16件中1~16を表示しています
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図説
綜説
症例
  • 上尾 大輔, 波多野 豊 , 岡本 修, 藤原 作平
    76 巻 (2014) 3 号 p. 194-198
    公開日: 2014/09/18
    ジャーナル 認証あり
    32 歳,男性。刺青があり,慢性 C 型肝炎の既往がある。背部・上腕に紅色丘疹が多発し,生検にて真皮にムチンの沈着を伴う膠原線維の変性と組織球の浸潤を認め,汎発性環状肉芽腫と診断した。ステロイド内服・外用を主とする治療を試みたが皮疹は拡大した。その後,5 カ月間治療は中断したが,皮疹は自然消退した。汎発性環状肉芽腫の早期自然消退は成人例では稀である。
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  • 飯野 由佳, 伊藤 周作
    76 巻 (2014) 3 号 p. 199-201
    公開日: 2014/09/18
    ジャーナル 認証あり
    75 歳の女性。約 20 年前より存在する鼻背部の径 3 mm の小結節を主訴に受診。病変の中央部は陥凹し角化物を有していた。ダーモスコピーにて陥凹部に柱状あるいは小塊状の角化性領域をいくつか認め,一部は辺縁から中心部へ向き伸びていた。局所麻酔下に切除した。病理組織像では表皮は中心部で大きく開大し,その中に小突起状に分かれた角質塊を有していた。その下には主に有棘細胞からなる小葉状の上皮が増殖していた。増殖する上皮の一部は胞体の明るい細胞質を有し外毛根鞘への分化を示していた。以上より毛包棘細胞腫 (pilar sheath acanthoma,以下 PSA) と診断した。PSA は現在までに本邦で8 例の報告のみと稀であり,海外の報告を含めダーモスコピーによる観察を行ったものはない。本症例で観察されたダーモスコピー像はルーペでも注意してみれば観察可能と思われるが,病理組織所見と照らし合わせ考えると PSA の臨床診断に有用な特徴的所見であり,これを central multiple horn pattern と呼ぶことを提唱し報告する。
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  • 冬野 洋子, 千葉 貴人, 竹内 聡, 高原 正和, 師井 洋一, 古江 増隆
    76 巻 (2014) 3 号 p. 202-205
    公開日: 2014/09/18
    ジャーナル 認証あり
    白人に生じた基底細胞癌 (basal cell carcinoma, BCC) の 2 例を経験したので報告する。症例 1:29 歳,男性,オーストラリア国籍の白色人種。初診の 3 カ月前より右鎖骨上に瘢痕様の紅斑と,左背部に淡紅色丘疹が出現し当科を受診した。ダーモスコピーで左背部の皮疹には arborizing vessels が認められた。皮膚生検を施行したところいずれも BCC だった。症例 2:66 歳,男性,白色人種。20 年前頃より顔面,頭部,手背,前腕に 1 cm までの紅斑,びらんが多数出現した。右眉毛部外側に皮膚潰瘍を伴う紅色局面が出現したため,当科受診し,切除したところ BCC だった。黄色人種の典型例とはいずれも異なる臨床像を呈していたが,ダーモスコピーでの arborizing vessels は,色素沈着を伴わない BCC においても診断に有用な所見と考えた。
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  • 河野 秀郎, 橋川 恵子, 夏秋 洋平 , 名嘉眞 武国, 安元 慎一郎, 橋本 隆
    76 巻 (2014) 3 号 p. 206-209
    公開日: 2014/09/18
    ジャーナル 認証あり
    生後4 日目,女児。2010 年 4 月に正常分娩,3000 g で出生。出生時より右上背部に,表面に黄色痂皮と潰瘍を伴う直径 2 cm の紅色結節を認め,当科紹介となった。病理組織学的所見は真皮全層にコーヒー豆様のくびれた核を持つ胞体のやや豊富な組織球様細胞がびまん性に浸潤し,その周囲にはリンパ球や好酸球も認めた。免疫染色を行ったところ浸潤する細胞は S-100 蛋白,CD1a,langerin に陽性であった。 以上より Langerhans 細胞組織球症が考えられたため,全身精査として血液生化学検査や腹部エコー,全身骨レントゲン,骨シンチ,頭部 MRI を施行したが,Langerhans 細胞組織球症による皮膚以外の他臓器への浸潤を疑う所見は認めなかったため Langerhans 細胞組織球症のなかでも congenital self-healing reticulohistiocytosis (以下 CSHR) の可能性を考え,治療は行わずに経過観察を行った。その後,結節は生後31日目に自然消退したため最終的に CSHR と診断した。生後 6 カ月の現在,結節の再発は認めておらず全身状態も良好である。しかし,予後に関しては皮疹の消退を確認した後に他臓器での再燃をきたすことなどもまれに報告があり,本症例でも今後も長期にわたり注意深い経過観察が必要と考えられる。
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  • 加来 裕美子, 古賀 文二, 今福 信一, 中山 樹一郎, 古賀 佳織, 坂田 則行, 古江 増隆
    76 巻 (2014) 3 号 p. 210-213
    公開日: 2014/09/18
    ジャーナル 認証あり
    79 歳,女性。発症時期は不明であるが,四肢を中心に紅色結節が出現し,数週から数カ月で自然消退し,その後新たな部位に紅色結節が出現する経過を繰り返していた。2011年1月頃左手関節近傍に紅色結節が出現したが,消退せず当科を受診した。病理組織学的に多数の CD30 陽性腫瘍細胞の浸潤がみられ,他の表面免疫形質も併せ未分化大細胞性リンパ腫と考えられた。しかし,血清中の抗 HTLV-1 抗体が陽性で,右前腕の結節から採取した検体を用いたサザンブロット法で HTLV-1 proviral DNA monoclonality が確認されたことから,再度詳細に血清学的,免疫組織学的に検討し,CD30 陽性を呈した皮膚型の成人T細胞性白血病・リンパ腫 (ATLL) の皮膚浸潤と診断した。結節部位に電子線治療を照射し略治した。本例のように腫瘍細胞が CD30 陽性を示す ATLL で自然消退と再発を繰り返す症例の報告は調べた限り,極めて稀であった。
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  • 曽根 由美子, 上田 暢彦, 勝俣 道夫
    76 巻 (2014) 3 号 p. 214-217
    公開日: 2014/09/18
    ジャーナル 認証あり
    81 歳,男性。1992 年,左腎細胞癌と診断され,左腎摘出術を施行された。2007 年,左前額部に暗赤色の結節が出現した。結節は小豆大でドーム状に隆起しており,血管拡張性肉芽腫様の外観を呈していた。 当科受診後,本人の希望により姑息的に液体窒素凍結療法にて加療していたが,2011 年,喀血の精査時に施行した CT 検査にて右肺・右腎・右腸骨筋・左大腰筋・腹壁への左腎細胞癌の多発性転移が判明した。2012 年,左前額部の結節を全切除し,病理組織像より前額部への皮膚転移と診断した。腎細胞癌では原発巣の根治術後長期間を経て皮膚転移する例が存在する。自覚症状の乏しい紅色結節を診察し,病理組織学的に淡明細胞主体の転移性皮膚腫瘍を認めた場合,腎細胞癌の皮膚転移を鑑別に挙げる必要があることを強調した。
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  • 篠田 英和, 西本 勝太郎
    76 巻 (2014) 3 号 p. 218-221
    公開日: 2014/09/18
    ジャーナル 認証あり
    63 歳,女性。熱帯魚観賞用水槽の清掃中に右前腕屈側を擦過し,約 1 カ月後に紅色結節が出現した。1 週間後再び同部を魚水槽の壁で擦過し,さらに 2 個の紅色結節の形成をみた。発疹は前腕一部に限局した多発限局型(固定型)であった。紅色結節の病理組織所見は,組織球,類上皮細胞,多核巨細胞よりなる肉芽腫であった。組織を小川培地に接種し,25℃,2 週間後に乳白色のコロニーを得た。分離菌は DNA-DNA hybridiazation(DDH)法により Mycobacterium marinum と同定された。以上の所見より Mycobacterium marinum による fish tank granuloma と診断した。治療は塩酸テトラサイクリン 1000 mg を 8 週間投与し軽快した。塩酸テトラサイクリンは有用性が高く,眩暈などの副作用が少なく女性例にも処方できる安価な薬剤である。
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  • 都留 寛子, 内 博史, 伊東 玲子, 中野 美沙, 幸田 太, 師井 洋一, 古江 増 隆
    76 巻 (2014) 3 号 p. 222-224
    公開日: 2014/09/18
    ジャーナル 認証あり
    42 歳,女性。全身麻酔下に頭部汗腺癌の手術中,エピネフリン入り局所麻酔薬使用後から一過性高血圧と頻脈を生じた。術中心エコーの結果,たこつぼ心筋症と診断された。手術終了後低血圧となり,集中治療室にてドパミンの投与を行った。心筋収縮機能の回復に伴い血圧は正常値に戻り,後遺症を残すことなく自宅退院となった。極めてまれな事象ではあるが,局所麻酔中のエピネフリンがたこつぼ心筋症発症のきっかけになりうることを,皮膚科医であっても念頭に置く必要があると考えられた。
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統計
  • 田中 摩弥, 市川 美樹, 多田 斉, 成富 由司, 古江 増隆
    76 巻 (2014) 3 号 p. 225-229
    公開日: 2014/09/18
    ジャーナル 認証あり
    フットスクリーニング外来の初診患者 342 名 (2009年4月1 日∼2012年6月30日) を集計したところ, 男性33.6%,女性66.4%,平均年齢は70.1歳 (9∼99 歳,中央値 73 歳) であった。この 342 名を対象として,血流障害,神経障害,変形,糖尿病,関節リウマチを危険因子とし,①関節リウマチの有無別の各因子の頻度,②足部潰瘍に関連する危険因子を検討した。その結果,関節リウマチ患者は女性が多く,足部潰瘍と変形を有意に高頻度に認めた。足部潰瘍に関しては,血流障害 (オッズ比:5.31 倍),関節リウマチ (オッズ比:5.99 倍) が危険因子として有意に関連していた。
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講座
治療
  • 中原 剛士, 師井 洋一, 高山 浩一, 中西 洋一, 古江 増隆
    76 巻 (2014) 3 号 p. 242-247
    公開日: 2014/09/18
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    近年,手術不能な非小細胞肺癌に対して上皮成長因子受容体(EGFR)阻害薬が使用されるようになり,その有用性が示されている。しかし,EGFR 阻害薬使用により皮膚障害が高頻度で発現し,患者の QOL 低下を来すことが知られている。一方,皮膚障害の出現が治療効果と相関するとの報告もあり,皮膚障害をコントロールしながら継続治療することが重要であるといえる。しかし,現在皮膚障害の病態はほとんどわかっていない。そこで今回我々は,非小細胞肺癌患者で EGFR 阻害薬を投与した 8 症例を対象に,皮膚障害のひとつである皮膚乾燥の程度を客観的に評価するため,他覚所見に加え角層水分量の変化を経時的に測定した。さらに,保湿剤塗布群と無塗布群に分け,皮膚乾燥に対する保湿剤の有用性を臨床試験で評価した。その結果,EGFR 阻害薬投与直後より,角層水分量は経時的に減少し,乾燥スコアは経時的に増加した。EGFR 阻害薬投与開始 2 週後に保湿剤塗布群と無塗布群に分けたところ,無塗布群では角層水分量は引き続き減少したが,塗布群においては減少しなかった。以上より,皮膚乾燥は EGFR 阻害薬投与直後から発現すること,そして保湿剤は乾燥症状の改善に有効であることが明らかになった。
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  • 大嶋 雄一郎, 柳下 武士, 伊東 慶子, 玉田 康彦, 渡辺 大輔
    76 巻 (2014) 3 号 p. 248-252
    公開日: 2014/09/18
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    2012 年 11 月,本邦において重度原発性腋窩多汗症に対する A 型ボツリヌス毒素 (以下,BTX-A) (ボトックス®) 局注療法が,健康保険で受けられるようになった。重症原発性腋窩多汗症で BTX-A 局注療法を受けた患者 31 人に対してアンケート調査を実施し,患者背景,治療効果,治療満足度について検討した。治療前,治療 1 カ月後における Hyperhidrosis Disease Severity Scale を比較すると,治療前平均3.43±0.5 であったのに対し,治療 1 カ月後平均 1.22±0.42 と有意な低下を認めた。治療満足度は,患者全員が「非常に満足している」,「比較的満足している」と回答した。さらに,治療効果がなくなったら,また BTX-A 局注療法を受けたいかという質問では「ぜひもう一度受けたい」と回答した患者が88%を占めた。以上のことから BTX-A 局注療法は十分な治療効果が期待でき,治療満足度も非常に高い治療であることが理解できる。患者の76%は医療機関で初めて医師から健康保険で BTX-A 局注療法を受けることができることを教えてもらっており,まだ世間の人達には健康保険で治療できることが認知されていないのが現状である。今後,我々は世間の人にもっと BTX-A 局注療法を知って頂くように働きかけ,腋窩の多汗に対して一人で悩み,日常生活において制限があり,精神的苦痛を受けている患者が一人でも多く医療機関を受診し,適切な治療を受ける事ができる環境作りも重要であると考える。
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世界の皮膚科学者
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