苺状血管腫に対する早期レーザー治療を積極的に勧めるべきかどうかについてはいまだ議論があるところである。我々は生後 3 カ月以内にロングパルス色素レーザー治療を行った 31 例,計 36 カ所の苺状血管腫について検討した。臨床分類は皮下病変の有無で superficial type と mixed type の 2 群に分類し,治療回数,治療期間,治療効果,合併症等について検討した。治療回数は superficial type では 1~18 回 (平均 6.6 回),mixed type では 7~25 回 (平均 15 回),治療期間は superficial type では 0~18 カ月 (平均 5.2 カ月),mixed type では 7~37 カ月 (平均 20.3 カ月) であり,mixed type は superficial type と比較して有意に治療回数が多く,長い治療期間を要した。治療効果は完全消退 44%,わずかな残存 44%,明らかな残存 11%であった。Superficial type では紅色調,表面のしわ,隆起の改善効果が認められたが,mixed type では隆起の改善効果には限界があると考えられた。合併症は色素沈着が 22%,色素脱失が 6%に認められた。感染,出血,潰瘍形成,皮膚萎縮,瘢痕形成は認められなかった。苺状血管腫に対する生後 3 カ月以内のロングパルス色素レーザー治療は腫瘍の消退を促進し,苺状血管腫に伴う合併症を抑制する効果があると考えられた。
抄録全体を表示