西日本皮膚科
Online ISSN : 1880-4047
Print ISSN : 0386-9784
78 巻 , 6 号
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目次
図説
綜説
症例
  • 大園 綾花, 南里 文, 阿部 俊文, 名嘉眞 武国
    2016 年 78 巻 6 号 p. 595-599
    発行日: 2016/12/01
    公開日: 2017/03/21
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    69 歳,男性。2014 年 10 月に近医皮膚科で前胸部痛を伴った掌蹠膿疱症と診断され加療していた。2014 年 12 月に膿疱と鱗屑を伴った紅斑局面が全身に多発し,前胸部痛も増強した。全身状態は良好であり,経過中に発熱はなかった。病理組織学的に角層下に単房性の膿疱を認め,膿疱周囲の表皮には海綿状態を呈する部分はなく,血管炎の所見もなかった。炎症所見の上昇があったため,病巣感染疑い抗菌薬を使用したところ症状は速やかに改善した。2015 年 1 月に再発したため,エトレチナートを投与し,抗菌薬を再投与したところ掌蹠外病変は速やかに消退し,掌蹠の症状は徐々に改善した。扁桃誘発試験陽性であり,扁桃摘出術が施行された。扁桃摘出後に,再度掌蹠と掌蹠外病変が出現したが,抗菌薬の内服で症状は改善し,その後皮疹の再燃はない。診断として,扁桃炎や骨関節炎を合併し,全身症状を伴わない皮疹が再発し,病理組織学的に血管炎を伴わないことから,全身型の掌蹠膿疱症とした。病巣感染が疑われる場合は,抗菌薬の投与が治療の選択肢の一つであると考えた。

  • 佐藤 さゆり, 安齋 眞一, 山下 利春
    2016 年 78 巻 6 号 p. 600-602
    発行日: 2016/12/01
    公開日: 2017/03/21
    ジャーナル 認証あり

    症例は 63 歳,女性。右上腕の圧痛を伴う索状硬結を主訴に当科を受診した。切除生検を行ったところ,脂肪組織は硬化し,一部は鹸化していた。病理組織学的検査では脂肪組織内に囊腫が多発しており,囊腫壁は好酸性の無構造物質で裏打ちされていた。膜様脂肪壊死と診断した。囊腫壁は無核部分と有核部分が混在するものがあり,膜様脂肪壊死の初期病変と考えた。周囲間質には閉塞血管が多数あり,虚血が原因と考えられた。

  • 天野 愛純香, 平郡 真記子, 田中 麻衣子, 秀 道広
    2016 年 78 巻 6 号 p. 603-607
    発行日: 2016/12/01
    公開日: 2017/03/21
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    41 歳,女性。既往歴として Crohn 病,身体表現性疼痛性障害がある。40 歳時より誘因なく外陰部の潰瘍形成,大陰唇の腫脹を生じ,複数の病院を受診し加療されたが改善しなかった。当科受診時,大陰唇は鶏卵大に腫脹し大小多数の潰瘍を伴っていた。皮膚生検では潰瘍形成,周囲の慢性炎症細胞浸潤に加え,多数の多核巨細胞を伴う非乾酪性肉芽腫を認めた。臨床所見および病理組織学的所見から Crohn's disease of the vulva と診断した。アダリムマブを投与し,外陰部の腫脹,潰瘍は改善傾向であったが,paradoxical reaction による乾癬様皮疹を生じ,アダリムマブによる治療の継続は困難となった。その後外陰部の腫脹と潰瘍は再び増悪し,メトロニダゾールを内服したところ著明に軽快した。Crohn's disease of the vulva は比較的稀な疾患で,特に我が国における報告は限られている。しかし,適切な治療により改善を期待し得る疾患であり,女性外陰部の腫脹,潰瘍を認めた場合には念頭に置く必要がある。

  • 石元 達士, 中島 喜美子, 寺内 芳彦, 石原 正行, 藤枝 幹也, 久保 亨, 佐野 栄紀
    2016 年 78 巻 6 号 p. 608-612
    発行日: 2016/12/01
    公開日: 2017/03/21
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    症例 1:15 歳,男性。11 歳頃から運動時に両足に疼痛が生じ,徐々に焼けるような痛みへと変化した。 発汗低下の訴えもあり,当院小児科を受診したところ経過から Fabry 病を疑われ当科を紹介され受診した。初診時,明らかな被角血管腫は認めず,臀部の正常皮膚から生検した。HE 染色では真皮深層エクリン汗腺分泌部の胞体内に空洞化を多数認めた。電顕ではリソソーム内に電子密度の高い輪状・縞状構造物が確認できた。血漿 α-galactosidase A 活性が欠失しており,臨床症状と検査値から古典的 Fabry 病と診断した。症例 2:43 歳,女性。患者の母親にも低汗症,感音性難聴,心電図異常があり,遺伝子検査の結果,α-galactosidase 遺伝子の変異を認めたためヘテロ接合体の Fabry 病と診断した。Fabry 病の診断において,病理所見は補助診断項目として記載する箇所があり,蓄積物質の証明が重要である。以上より,被角血管腫がみられない症例においても blind biopsy は診断に有用であると考えた。

  • 中島 聡子, 井上 雄二, 加口 敦士, 近藤 裕一, 中村 元信, 尹 浩信
    2016 年 78 巻 6 号 p. 613-616
    発行日: 2016/12/01
    公開日: 2017/03/21
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    5 カ月,女児。正期産,自然分娩にて出生した。出生時より四肢を中心に皮疹を認めたため,日齢 8 日に当科を紹介され受診した。初診時,全身に落屑,四肢には紅斑と痂皮の付着を認めた。足部には水疱形成も確認した。紅斑の病理組織学的所見としては,角質増生を伴い表皮は肥厚し,浮腫状であった。表皮内への好酸球浸潤が認められ,真皮上層では血管拡張および血管周囲性のリンパ球浸潤が目立った。プロぺト®外用を行ったところ,紅斑は次第に消退し,生後 1 カ月で四肢に列序性の疣贅状丘疹を認めるようになった。さらに,生後 5 カ月では色素沈着が主体となった。なお,左網膜血管異常(拡張蛇行および異常吻合)および出血を合併したため,光凝固術を受け,血管の拡張蛇行は改善した。家族歴には明らかな同症はなかった。自験例は,炎症・水疱期から色素沈着期まで経時的に皮疹を観察できた典型的色素失調症の 1 例と考えられた。

  • 増永 泰枝, 藤山 幹子, 難波 千佳, 佐山 浩二
    2016 年 78 巻 6 号 p. 617-620
    発行日: 2016/12/01
    公開日: 2017/03/21
    ジャーナル 認証あり

    41 歳,女性。小学生頃より右頰部に赤色丘疹が出現し,徐々に増数したため受診した。病理組織で真皮浅層から中層で小血管の拡張,増生と結合組織の増生を認め,片側性に生じた血管線維腫と診断した。右下腿後面には shagreen patch があり,全身検索を行ったところ,右腎に腎血管筋脂肪腫を 2 つ認め,結節性硬化症の診断基準を満たした。顔面片側性の血管線維腫の報告は,1987 年から 2016 年に自験例を含めて国内外で 19 例が報告されており,5 例は血管線維腫以外の症状を認め,そのうち 2 例は結節性硬化症の診断基準を満たした。たとえ片側性に生じた顔面血管線維腫であっても,結節性硬化症を念頭に全身検索が必要である。また,結節性硬化症では種々の病変がさまざまな時期に出現するため,長期的な経過観察が必要である。

  • 西川 聡一, 濱崎 洋一郎, 大谷 翼伶, 泉 美貴, 籏持 淳
    2016 年 78 巻 6 号 p. 621-624
    発行日: 2016/12/01
    公開日: 2017/03/21
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    36 歳,女性。背部に 2.3×3 cm の可動性良好,紅色で軟性の隆起性皮膚腫瘤を認めた。病理組織学的所見では腫瘤は境界明瞭であり,毛芽細胞様細胞が大小の胞巣を形成し,一部で毛母細胞様細胞や陰影細胞,トリコヒアリン顆粒を有する内毛根鞘で構成される胞巣もみられた。また,拡張した毛包漏斗部様の構築や,毛包峡部に類似した構築もみられた。以上より panfolliculoma と診断した。自験例は,好発部位ではない背部に生じ,また,病理組織学的にも nodular type を示した比較的稀な病変であった。

  • 佐々木 諒, 山口 和記, 今泉 敏史, 日浦 ゆかり, 今福 信一
    2016 年 78 巻 6 号 p. 625-629
    発行日: 2016/12/01
    公開日: 2017/03/21
    ジャーナル 認証あり

    症例 1:46 歳の女性。1 年前より臍部に腫瘤を自覚し,増大傾向があり出血も伴うようになり受診した。臍窩に 25×20 mm の淡紅褐色の弾性硬の結節を認めた。CT では腹腔内との連続性ははっきりせず,生検にて線毛円柱上皮の腺腔構造を島状に認め,異所性子宮内膜症と診断し,局所麻酔にて切除した。症例 2:73 歳の男性。臍部に腫瘤があり,排膿を繰り返すため当科を受診した。臍窩に 15×15 mm の暗紫色の弾性硬の結節を認めた。CT では腹腔内との連続性は認められず内部に囊胞性病変が認められ,局所麻酔にて切除した。病理組織学的所見は線維芽細胞の増殖と膠原線維の増生を伴い,内部に重層扁平上皮の囊胞様構造を認め,瘢痕組織に被われた表皮囊腫と診断した。内視鏡的胆囊摘出術の既往があり,その手術の際に瘻孔状に上皮が迷入し,肥厚性瘢痕になったものと考えられた。臍部に生じる腫瘤は腹腔内と交通しているものもあり,帝王切開や腹腔鏡手術等の既往がある例では腹膜や大網と癒着している場合もあるため術前に画像診断等で十分な検討が必要である。

  • 増田 亜希子, 伊東 孝通, 和田 麻衣子, 加来 裕美子, 中村 美沙, 内 博史, 古江 増隆
    2016 年 78 巻 6 号 p. 630-632
    発行日: 2016/12/01
    公開日: 2017/03/21
    ジャーナル 認証あり

    63 歳,女性。当科初診の 14 年前より胸部に色素斑を認め,色素斑は徐々に拡大した。当科初診 1 年前,近医で皮膚生検を施行し,基底細胞癌と診断された。切除目的で当院に紹介された。当科初診時,前医で生検された部位以外の計 9 箇所に紅色から黒褐色の色素斑が散在していた。病理組織学的に 9 箇所の皮疹はすべて表在型基底細胞癌であり,多発性基底細胞癌と診断した。自験例では原因となりうるような発症素因,および発生母地となる病変は認めなかった。発症素因のない多発性基底細胞癌は比較的稀であり,これまでの本邦報告例の考察も含め報告した。

  • 吉見 圭子, 里見 行義, 堀 真
    2016 年 78 巻 6 号 p. 633-638
    発行日: 2016/12/01
    公開日: 2017/03/21
    ジャーナル 認証あり

    Actinic keratosis (AK) は太陽紫外線を遮断することにより退縮することが報告されているが,遮断前後の臨床的,病理組織学的な所見は示されていない。われわれは AK と診断した 3 症例にサンスクリーンクリームを 1 日 3 回,83 日から 109 日間使用させ,使用前後の臨床,病理組織,p53 および Ki67 免疫染色所見を比較検討した。その結果,クリーム使用前に比し使用後は,臨床的には紅斑が軽快し,病理組織学的には異型細胞が不明瞭となった。また,使用前にみられた p53 陽性細胞,Ki67 陽性細胞の陽性率もクリーム使用後は全例において著しく減少した。太陽紫外線は皮膚の発癌において initiator およびpromoter として作用することが明らかにされている。また,AK には p53 遺伝子の変異が高頻度にみられることもよく知られている。自験例においてサンスクリーンクリームの使用により,太陽紫外線を遮断した結果,紫外線の promoter 作用が遮断され,AK cell はその増殖および mutant-p53 蛋白の発現が抑制され,分化に向かうことが考えられた。その結果,臨床的,組織学的,免疫組織化学的に軽快を示したと推論した。

  • 山本 真有子, 青木 奈津子, 中島 喜美子, 佐野 栄紀
    2016 年 78 巻 6 号 p. 639-643
    発行日: 2016/12/01
    公開日: 2017/03/21
    ジャーナル 認証あり

    78 歳,女性。3 カ月前から発熱とともに全身に紅斑が出現し,紅皮症を呈した。初診時,頭部,顔面を含む全身に鱗屑を伴う紅斑があり,腋窩リンパ節腫大を伴っていた。抗 HTLV-1 抗体陽性。末梢血に異型リンパ球は認めなかった。病理組織では,少数の CD25 陽性異型リンパ球および多数の CD8 陽性細胞が表皮内に浸潤し,基底層の空胞変性と角化細胞のアポトーシスを認めた。皮疹部での HTLV-1 proviral DNA の単クローン性は PCR 法により検出できたが,サザンブロット法では検出できなかった。ATLL の腫瘍細胞に対する CD8 陽性細胞による抗腫瘍免疫反応が活性化した結果,腫瘍細胞の増殖が抑制されたため,ATLL の特異疹を示すことなく,GVHD 型反応による紅皮症を呈したものと考えた。

  • 前原 恵里子, 辻 学, 溝手 政博, 竹内 直英, 古江 増隆
    2016 年 78 巻 6 号 p. 644-649
    発行日: 2016/12/01
    公開日: 2017/03/21
    ジャーナル 認証あり

    G 群溶連菌感染により toxic shock-like syndrome (TSLS) に至った左下肢壊死性軟部組織感染症の 1 例を経験し,早期デブリードマンにより救命し得たため報告する。症例は 61 歳,左下腿特発性リンパ浮腫の女性。1 週間前より咽頭痛と感冒様症状を認め,3 日前から左下腿の疼痛,熱感が出現し歩行困難になった。蜂窩織炎が疑われ内科より紹介となったが WBC 11110/μl,CRP 25.86 mg/dl,CK 1781 U/l と高値を認めたため MRI を撮像したところ,T1 強調画像では腓腹筋の一部に高輝度を認め,出血と壊死を反映した所見を呈し,T2 強調画像では皮下組織と筋膜の輝度上昇を認めた。その数時間後,発赤,紫斑が急速に上行性に拡大し,壊死性軟部組織感染症と診断し全身麻酔下で緊急筋膜切開を施行した。翌日,血液培養から G 群 β 溶連菌が検出され,TSLS の診断基準を満たした。ピペラシリン,クリンダマイシン,メロペネムの投与およびヒト免疫グロブリン大量静注療法を併用した。炎症反応高値が遷延したため,残存壊死組織の確認のため第 5 病日に再度 MRI を撮像したところ,T1 強調画像で腓腹筋領域の高輝度領域が拡大していた。全身状態がやや落ち着いた第 18 病日に筋層表面に壊死を認めた腓腹筋,腓骨筋,前脛骨筋の部分切除を行った。炎症反応と臨床症状の速やかな改善を認めたため,第 37 病日に右大腿前面よりメッシュ植皮術を施行し,第 55 病日に退院した。

  • 八束 和樹, 白石 研, 宇都宮 亮, 藤山 幹子, 鎗田 響子, 亀井 克彦, 佐山 浩二
    2016 年 78 巻 6 号 p. 650-659
    発行日: 2016/12/01
    公開日: 2017/03/21
    ジャーナル 認証あり

    65 歳,男性。64 歳時発症の尋常性天疱瘡に対して,プレドニゾロン 13 mg/day およびシクロスポリン130 mg/day を内服中であり,ステロイド糖尿病を合併していた。また,繰り返すサイトメガロウイルス抗原血症にて当科で入退院を繰り返していた。2014 年に同症治療目的で当科に入院中,左大腿伸側に 2×1.5 cm の紅褐色結節を認め,圧迫にて少量の排膿を伴った。病理組織学的には,真皮全層に組織球や好中球を主体とする細胞浸潤を認め,PAS 染色陽性の菌要素が多数みられた。生検組織および膿汁からの分離培養では,いずれもポテトデキストロース寒天培地で,表面が羊毛状,緑褐色で,裏面が褐色から黒色の集落を形成した。スライド培養では洋梨型で,特有な隔壁で縦横に仕切られた分生子を連鎖して認めた。遺伝子解析にて Alternaria alternata と同定し,深在性皮膚アルテルナリア症と診断した。プレドニゾロンおよびシクロスポリンの漸減を行いつつ,ボリコナゾール 300 mg/day の内服で治療を開始したが,肝機能障害が出現し,イトラコナゾール 200 mg/day の内服に変更した。その後,約 3 週間の経過で皮疹はほぼ平坦化した。深在性皮膚アルテルナリア症は,本邦での報告は自験例を含め 27 例と稀であり,本稿では,2000 年以降の報告例13例についてまとめた。その多くでイトラコナゾールが奏効していた。

統計
  • 中原 真希子, 蜂須賀 淳一, 中原 剛士, 古庄 憲浩, 下田 慎治, 古藤 和浩, 古江 増隆
    2016 年 78 巻 6 号 p. 655-659
    発行日: 2016/12/01
    公開日: 2017/03/21
    ジャーナル 認証あり

    かゆみは慢性肝疾患でしばしば認められる症状である。しかしその頻度やかゆみの程度についての報告は少ない。そこで,今回我々は原発性胆汁性肝硬変(PBC)や慢性 B 型・C 型肝炎患者を含む慢性肝疾患患者 71 名に対し,かゆみに関するアンケート調査を行い,かゆみの現状を明らかにすることとした。慢性肝疾患の患者のうち,約 5 割(36/71 名)でかゆみがあった。かゆみが生じる傾向は,PBC 患者と B 型肝炎や C 型肝炎に肝硬変を続発した患者で高く,とくに C 型肝炎に肝硬変を続発した患者では肝硬変の無い患者と比較して有意にかゆみが生じる割合が高かった。かゆみの程度は visual analogue scale で日中は 19.2±3.4,夜間は 25.9±4.1 であり,日中より夜間のかゆみのほうが強い傾向にあったが有意差はなかった。また,かゆみがあると回答した患者のうち外用薬や抗ヒスタミン薬の内服などのかゆみに対する治療を行っているものは約半数(17/36 名)であり,治療により約 8 割(14/17 名)の患者がかゆみは軽減すると回答していたが,かゆみの症状は持続していた。本研究では,これまでの報告と比較して,慢性肝疾患の中でかゆみを伴う患者の割合は高かった。慢性肝疾患のかゆみに対する既存治療の効果は十分とはいえない。新規治療薬である κ オピオイド受容体作動薬の治療効果の集積が期待される。

講座
治療
  • 中山 秀夫, 陳 科栄, 陣内 宏行
    2016 年 78 巻 6 号 p. 667-672
    発行日: 2016/12/01
    公開日: 2017/03/21
    ジャーナル 認証あり

    肝斑,色素沈着型化粧品皮膚炎,dirty neck,日光黒子,その他の色素沈着症に 0.5% エラグ酸+2%アスコルビン酸 2-グルコシド+0.1% リキリチンのクリームを用いて 1 日 2 回外用を行い,多くは 3∼6 カ月間効果を観察してその効果をみた。肝斑は 68 例中有効 63 例で有効率 92.6%,日光黒子は 62 例中 22 例有効で有効率 35.5%,色素沈着型化粧品皮膚炎は 4 例全て有効,発疹後色素沈着では 19 例中 18 例有効で,有効率 94.7%であった。副作用は全 161 例において,1 例もみられなかった。エラグ酸他 2 種の成分はこれまで用いられてきた各種美白剤のキノン系やピロン系,レゾルシン系などと全く化学構造の異なるため,感作が起こらず,刺激も白斑もみられなかった。この合剤は今後もっとも安全に使用しうる美白剤として期待しうると思われる。

世界の皮膚科学者
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