西日本皮膚科
Online ISSN : 1880-4047
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79 巻 , 4 号
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目次
図説
綜説
症例
  • 宇佐川 祐子, 三苫 千景, 和田 尚子, 内 博史, 古江 増隆
    79 巻 (2017) 4 号 p. 345-348
    公開日: 2017/09/20
    ジャーナル 認証あり

    73 歳,男性。若年期は顔面に痤瘡が生じることが多かった。約 30∼40 年前より,鼻部から排膿するようになり,その都度近医で抗菌薬を処方され内服していた。次第に鼻に腫瘤が形成され,徐々に増大してきた。初診の数カ月前,鼻部が発赤,腫脹したため,当科を紹介され受診した。初診時,鼻全体を置換する常色から淡紅色のカリフラワー状の腫瘤がみられ,腫瘤は鼻尖部で懸垂していた。鼻瘤と診断し,整容目的に可及的に腫瘤を切除した。病理組織学的に,真皮の脂腺は増生し,血管新生と炎症性細胞浸潤を伴い真皮の毛包や脂腺周囲に軽度の線維化と,多数の肥満細胞がみられた。本邦では比較的稀な鼻瘤の病態,発生機序,その治療法について文献的考察を行い報告する。

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  • 清水 裕毅, 伊藤 宏太郎, 古賀 文二, 今福 信一
    79 巻 (2017) 4 号 p. 349-352
    公開日: 2017/09/20
    ジャーナル 認証あり

    77 歳の女性。福岡市内の山に行き,その 4 日後に左前腕に瘙痒を伴う小紅斑が出現した。次第に全身に同様の皮疹が出現してきたため近医皮膚科を受診しマダニ刺症と診断され当科を受診した。全身に 183 カ所の皮疹を認め,その内の 31 カ所に虫体を確認できた。虫体の肉眼的所見よりタカサゴキララマダニ幼虫と同定した。瘙痒以外に発熱などの全身症状はなく,ミノサイクリン 100 mg/日,レボセチリジン5 mg/日の内服とジフルコルトロン吉草酸エステルクリームの外用を開始した。第 7 病日に刺咬部位の一部に環状紅斑が出現した。ライム病の遊走性紅斑に類似しており血清中のボレリア抗体を検査したが IgM,IgG 抗体ともに陰性であった。皮疹は前述の内服と外用で消退した。タカサゴキララマダニやシュルツェマダニによるマダニ刺症で,ライム病様の環状紅斑が出現するがボレリア感染を確認できない症例が散見され,tick-associated rashillness(TARI)という疾患概念が提唱されており,自験例もこれに矛盾しないと考えた。また下腿の脂漏性角化症内にも虫体がみられ,9 カ月後に同部が急激に増大した。過去の報告も併せてマダニ刺症の際は脂漏性角化症など角化性病変内も注意深く観察する必要があると考えた。

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  • 青木 奈津子, 中島 喜美子, 若嶋 千恵, 志賀 建夫, 神野 義行, 佐野 栄紀
    79 巻 (2017) 4 号 p. 353-356
    公開日: 2017/09/20
    ジャーナル 認証あり

    75 歳,女性。初診 2 カ月前から体幹・四肢に水疱が生じ,近医皮膚科で水疱性類天疱瘡(BP)と診断され,ステロイド内服治療が開始された。初診 1 カ月前,外傷性アキレス腱断裂の外科手術に際してステロイド内服を中断したところ,緊満性水疱が多数新生した。術後,ステロイド内服を再開したが,皮疹が悪化したため,当科を紹介された。初診時,体幹・四肢に水疱とびらんを伴う多形紅斑様の紅褐色斑が散在し,その後急速に紅斑が拡大し,広範囲のびらんを生じた。Nikolsky 現象陽性であり,口唇にもびらんがみられた。病理組織学的に,基底細胞の液状変性と多数の個細胞壊死があり,蛍光抗体直接法では基底膜部に IgG が線状に沈着していた。血清中の抗 BP180 抗体が高値であった。以上より,Stevens-Johnson 症候群/中毒性表皮壊死症(SJS/TEN)を合併した BP と診断した。内服中の薬剤を中止または変更した上で,ステロイドパルス療法,免疫グロブリン大量静注療法を施行したところ,水疱の新生は止まり,紅斑も褪色し治癒した。SJS/TEN の原因として薬剤性を疑ったが,原因薬剤を確定することはできなかった。また,合併したサイトメガロウイルスの再活性化に対しても治療を行った。

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  • 中家 理紗, 三苫 千景, 高原 正和, 内 博史, 古江 増隆
    79 巻 (2017) 4 号 p. 357-360
    公開日: 2017/09/20
    ジャーナル 認証あり

    56 歳,男性。初診の 2 カ月前に,左足底に 12×10 mm の圧痛を伴う皮下結節があるのに気付いた。糖尿病歴はない。超音波像では,足底皮下に比較的均一な低エコー域がみられ,内部にやや輝度の高い隔壁を認めた。組織学的には,皮下組織に束状に配列する紡錘形細胞の増殖と膠原線維の増生がみられた。免疫組織化学染色では紡錘形細胞は α-smoothmuscle actin と muscle specific actin(HHF-35)で陽性に染色された。以上より,plantar fibromatosis と診断した。加えて自験例では,肩に 1 カ所,大腿に 2 カ所のケロイドがみられた。Plantar fibromatosis,別名 Ledderhose 病は足底の筋膜が線維性に増殖する疾患で,皮膚科からの報告は少ない。その病態,発生機序,ケロイドとの合併について文献的考察を行った。

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  • 和田 麻衣子, 高木 誠司, 鈴木 翔太郎, 古江 増隆, 大慈弥 裕之
    79 巻 (2017) 4 号 p. 361-366
    公開日: 2017/09/20
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    70 歳,男性。約 20 年前より左鼻翼部から頰部にかけて皮下腫瘤が発生し,徐々に増大した。初診時,腫瘤は左鼻翼部 2.5×2.5 cm,左頰部 4×4 cm,弾性軟,下床との可動性は良好だった。全身麻酔下に摘出し,病理組織学的所見で被膜に包まれた粘液基質からなる腫瘍を認め,基質内には異型性のない紡錘形細胞と拡張した小血管が増生していた。紡錘形細胞は CD34 陽性,S-100 蛋白,α-SMA,desmin 陰性であり superficial angiomyxoma と診断した。術後,再発は認めていないが,局所再発が多い腫瘍とされているため,長期間の慎重な経過観察が必要である。また,色素斑,粘液腫,内分泌異常を有する疾患群として Carney complex がある。Carney complex では皮膚に加えて心臓粘液腫を発症する可能性があるため,superficial angiomyxoma を認めた場合は,鑑別のため心臓超音波検査を行うことが重要である。

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  • 國見 侑花, 古賀 文二, 正木 沙織, 正木 充生, 中島 勇太, 伊藤 宏太郎, 竹下 盛重, 今福 信一
    79 巻 (2017) 4 号 p. 367-370
    公開日: 2017/09/20
    ジャーナル 認証あり

    91 歳,女性。2015 年 10 月末頃から食思不振を主訴に近医内科を受診し,血液検査にて貧血ならびに芽球が出現していることを指摘され,当院を紹介され受診した。骨髄検査の結果,急性骨髄性白血病(急性単球性白血病:M5の疑い)の診断となった。同年 11 月中旬頃から左前腕屈側に発赤,圧痛,腫脹が出現した。皮膚細菌感染症を疑い,抗菌薬の全身投与が開始されるも皮膚症状は改善しなかった。皮膚生検では,真皮にびまん性に軽度核異型のある単核球の浸潤がみられた。これらの浸潤細胞は免疫染色にてCD68 に陽性であり,急性骨髄性白血病(M5の疑い)の皮膚浸潤と診断した。化学療法(アザシチジン療法)を開始するも皮膚病変の増悪がみられたため中止した。その後,急速に全身状態が悪化し,緩和治療目的に転院となった。急性骨髄性白血病において皮膚浸潤の出現は予後不良兆候と考えられており,早期に確定診断を行うことが肝要である。

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  • 前村 紘美, 木村 七絵, 高松 紘子, 原田 佳代, 占部 和敬, 古江 増 隆
    79 巻 (2017) 4 号 p. 371-375
    公開日: 2017/09/20
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    77 歳の女性。初診の 14 カ月前より鼻背部右側に紅斑が出現し,中央にびらんを伴うようになった。複数の近医でステロイド外用加療されるも改善なく,当科を紹介され受診した。初診時,鼻背部右側に,36 × 30 mm の易出血性の紅斑があり,中央に一部痂皮の付着を伴っていた。ダーモスコピー検査では,肉眼的血管拡張部と一致した血管拡張や,樹枝状血管がみられたが,黒色等の色素はなかった。病理組織学的所見では,異型な基底細胞様細胞が柵状配列を呈し胞巣を形成しており,腫瘍胞巣と周囲結合織との間に裂隙がみられた。メラニン顆粒やメラノファージはなく,無色素性基底細胞癌と診断した。Melan-A 染色では腫瘍内にメラノサイトが確認され,tyrosinase 染色では活性化メラノサイトはなく,Fontana-Masson 染色では腫瘍内に黒色メラニンはみられなかった。以上より,自験例において,色素がみられなかったのは,メラノサイトのメラニン生合成活性が抑制されていたためと考えられた。

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  • 前村 紘美, 古賀 文二, 鎗田 響子, 亀井 克彦, 古江 増 隆, 今福 信 一
    79 巻 (2017) 4 号 p. 376-380
    公開日: 2017/09/20
    ジャーナル 認証あり

    12 歳の男児,サッカー部に所属している。2015 年 5 月より左膝に瘙痒を伴う紅斑が出現し,近医で苛性カリ鏡検法 (KOH 検査) にて陰性であり,ステロイド外用加療で改善がなく,同年 6 月に当科を受診した。左膝に 6 × 5 cm の角化性紅斑がみられ,再度表面の鱗屑で KOH 検査を施行したが陰性であった。 しかし毛包を含む皮膚組織での真菌培養検査にて真菌の発育がみられ,同菌株を用いた遺伝子解析で DNA 塩基配列が標準 Trichophyton tonsurans(T. tonsurans) 株と 100%一致し,T. tonsurans による体部白癬と確定診断した。T. tonsurans による体部白癬は,これまでにも報告はあるが稀であり,その臨床像は多彩である。確定診断には組織培養を含めた徹底した精査が必要であると考えた。

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  • 江川 清文
    79 巻 (2017) 4 号 p. 381-385
    公開日: 2017/09/20
    ジャーナル 認証あり

    肛囲溶連菌性皮膚炎は,肛囲の紅斑や瘙痒を主徴とする溶連菌感染症である。主に幼小児を侵す疾患とされ,成人例の報告は極めて稀である。本邦では,未だ 5 例を数えるのみで,詳細は不明のままと言える。最近我々は,それぞれ,陰囊の発赤,全身性瘙痒,耳後部から頚部にかけてのびまん性粟粒大紅斑,股部から鼠径部にかけての落屑性紅斑,大腿内側や臀部皮膚の毛囊炎や肛門のカンジダ症などを伴う 3 人の成人例を相次いで経験した。いずれも,男性患者であった。本症は,視診のみでは接触皮膚炎,脂漏性皮膚炎やカンジダ症などとの鑑別が困難な疾患である。幼小児例については,認知度の低さも手伝って,見逃されている症例の多いことが指摘されている。成人例についても,同様の状態にあることが危惧される。今後,本症についての認識が進み,病因・病態や疫学を含む実態が明らかにされる必要がある。

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講座
治療
  • 江川 清文
    79 巻 (2017) 4 号 p. 391-395
    公開日: 2017/09/20
    ジャーナル 認証あり

    トリクロロ酢酸 (trichloroacetic acid:TCA) 外用療法は,よく知られた尖圭コンジローマ治療法であるが,尋常性疣贅や足底疣贅等の尖圭コンジローマ以外の疣贅に使用した報告は殆んど無い。医中誌で検索した限り,本邦皮膚科医による報告は見当たらない。今回,液体窒素凍結療法,サリチル酸,グルタルアルデヒドや活性型ビタミン D3 外用療法およびヨクイニンエキス剤内服療法等を用いて無効であった 7 歳の女児と 9 歳の男児の爪囲/爪下疣贅を含む手足の難治性疣贅に対し,45% TCA 外用療法を試みたところ著効した。疣贅は週毎の塗布により徐々に消退し,2 症例とも約 3 カ月の治療で完治した。汎用される液体窒素療法に必発の副作用である疼痛は,自験例でもそうであったように,しばしば治療に対する患者のアドヒアランス低下の原因となっている。疼痛が無い点で,TCA 外用療法は液体窒素凍結療法に勝るかもしれない。自験例は,TCA 外用療法が,尋常性疣贅や足底疣贅等尖圭コンジローマ以外の疣贅にも,特に小児例等において,有効で有用な治療法になりうることを示している。しかしながら,今回の報告には 2 例報告という限界がある。また,既報告は尋常性疣贅や足底疣贅の治療に 30∼80%の TCA を用いている。今後,尋常性疣贅や足底疣贅等に対する TCA 外用療法については,有用・有効性や安全性とともに,至適濃度に関する良質のエビデンスが集積され,治療選択肢の一つとして確立されることが望まれる。

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世界の皮膚科学者
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