患者:40 歳,男性
主訴:顔面の紅斑
現病歴:小児期にアトピー性皮膚炎(AD)と診断されステロイド外用薬で加療されていたが,コントロール不良のため当科を受診した。デュピルマブを開始したところ初回投与 8 日目に顔面の皮疹の増悪を訴え再受診した。
初診時現症:体幹,四肢に紅斑,丘疹,搔破痕を広範囲に認め EASI スコアは 22.5 であった。前額部と眼周囲に軽度の紅斑を認めた(図 1 a)。
再診時現症:顔面全体が軽度腫脹し,著明な紅斑を認め(図 1 b),頭皮の鱗屑が増加していた。体幹,四肢については,皮疹,瘙痒とも改善傾向にあった。
初診時検査所見:血液検査では,軽度の好酸球増多(560/μl)を認めたが,IgE は低値(29 IU/ml)であった。View アレルギー 39 検査で,マラセチアが Index 値=1.00 で Class 2 であった。
診断および治療:デュピルマブ投与前にマラセチア感作が明らかとなったため,予め顔面にケトコナゾールを外用するよう指導した。しかし再診時,ほとんど外用していなかったことが判明し,デュピルマブ関連顔面紅斑と診断した。改めてケトコナゾールの外用を指導し,アルメタ®軟膏を併用したところ,顔面紅斑,頭皮の鱗屑は 2 週間ほどで改善した。デュピルマブは継続投与している。
患者:10 歳,女児
主訴:左頤部の皮膚陥凹
既往歴:なし
現病歴:出生時から左頤部の皮膚陥凹があり,成長とともに目立つようになってきたため当院を受診した。
現症:左頤部に指頭大の皮膚陥凹を認めた。また,左鼻翼が右より小さく,歯列不整と咬合障害を認めた(図 1,2 )。小耳,副耳,唇裂・口蓋裂,聴覚障害および顔面神経麻痺は認めなかった。
CT 検査所見:左側上下顎骨低形成,左埋没歯,左口蓋扁桃低形成,左顎下腺低形成および左咀嚼筋低形成を認めた(図 3 )。
治療および経過:咬合障害に対し,矯正歯科医院で治療中である。左頤部の陥凹に関しては,注入療法となることを説明した。
症例:16 歳,男性
主訴:不明熱,左大腿の有痛性血疱
現病歴:15 歳時に,繰り返す不明熱と顔面の腫れを主訴に当院耳鼻科から皮膚科に紹介され受診した(初発時,図 1 a)。耳鼻科にて左頰部の皮下硬結部から連続する左上顎洞内腫瘤の生検にて節外性 NK/T 細胞リンパ腫,鼻型(extranodal NK/T-cell lymphoma,nasal type:ENKL,StageⅡ)と診断した。当院小児科にて放射線化学療法(50.4 Gy/28 fr,2/3DeVIC 療法)を完遂し,完全奏効(CR)となった。小児科での CR 判定から 4 カ月後,39℃の発熱と共に左大腿に有痛性の紫斑を伴う血疱が出現し,再度皮膚科へ紹介となった(再発時,図 1 b)。
既往歴:熱性けいれん
現症:左大腿伸側に,紫斑を伴い 30×26×高さ 5 mm の有痛性の血疱を認めた(図 1 b)。
臨床検査所見(下線は異常値を示す)
初発時:EBV DNA 定量(全血):9.3×104 IU/ml(慢性活動性 EB ウイルス病診断時の目安:1.0×104 IU/ml 以上),EB-VCA IgG 抗体価(FA 法):1280 倍(慢性活動性 EB ウイルス病診断時の目安:640 倍以上),sIL-2R:635 U/ml(204~587)
再発時:EBV DNA 定量(全血):2.9×104 IU/ml,EB-VCA IgG 抗体価(FA 法):1280 倍,sIL-2R:444 U/ml
PET-CT 検査:左上顎洞,右下顎骨,左大腿に FDG の異常集積があった
病理組織学的所見(初発時の頰部皮下硬結部):顔面筋や皮下脂肪織にかけて,広範に出血と壊死が認められた。そのなかに血管の分布に一致して異型細胞が密に増殖し浸潤していた(図 2 a)。浸潤する異型リンパ球は CD2 弱陽性,CD3 陽性,CD4 陽性,CD8 陽性,CD30 部分陽性,TIA-1 陽性,Granzyme B 陽性,EBER-ISH 陽性(図 2 b),CD20 陰性,CD56 陰性。
病理組織学的所見(再発時の大腿の血疱):表皮は壊死を来し,表皮下に血疱を形成していた。真皮は血疱直下からびまん性・広範に壊死を呈していた。血管周囲性に多結節状に異型リンパ球が密に浸潤していた(図 3 a,b)。浸潤していた異型リンパ球は,EBER-ISH 陽性(図 3 c),CD2 弱陽性,CD3 陽性,CD4 陽性(図 3 d),CD8 陽性(図 3 e),CD30 部分陽性,TIA-1 陽性,Granzyme B 陽性,CD20 陰性,CD56 陰性。
遺伝子再構成検査(再発時の大腿の血疱,サザンブロット法):T 細胞受容体 β 鎖 Cβ 遺伝子の再構成があった。
診断:#1 節外性 NK/T 細胞リンパ腫,鼻型(extranodal NK/T-cell lymphoma,nasal type:ENKL)#2 慢性活動性 EB ウイルス病(Chronic active EBV disease;CAEBV)
肉芽腫は異物,抗酸菌や真菌の感染時などに形成される生体防御機構の一つである。免疫細胞では排除できない異物や病原体をマクロファージを主体とした免疫細胞が取り囲むことにより,体から隔離する。一方,異物や病原体に対してのみ肉芽腫は誘導されるのではなく,脂質によって形成される黄色肉芽腫や未知の抗原によって形成される炎症性肉芽腫(サルコイドーシスや環状肉芽腫など)がある。しかしながら,肉芽腫がなぜ形成されるのか?何のために形成されるのか?ということはほとんどわかっていない。この総論では,今まで報告されてきた知見をもとに“肉芽腫とはなにか?”という疑問に対する私なりの回答を述べている。
3-O- エチルアスコルビン酸(3-O-Ethyl Ascorbic Acid,3-O-EA)は医薬部外品美白有効成分であり,従来のビタミン C 誘導体と比べ構造が安定しており,メラニン生成抑制作用を発揮する上で即効性と持続性を持つため,色素沈着抑制作用や抗老化作用を目的として 430 種以上の化粧品に配合されている。われわれは,2019~2021 年の 1 年半で 3-O-EA による接触皮膚炎(CD)を 3 例経験した。症例 1:48 歳,女性。2 日前に 3 種類の美白美容化粧品シリーズを使用し,翌朝顔面全体に瘙痒の強い浮腫性紅斑が出現したため受診した。症例 2:50 歳,女性。5 日前に美白化粧水を使用し,翌朝顔面の腫脹と瘙痒が出現したため受診した。症例 3:55 歳,女性。半年前から両眼瞼の腫脹が出没していたが,2 週前から眼瞼の腫脹と痒みが継続するため受診した。全例で持参化粧品と化粧品成分の 48 時間閉鎖貼付試験(PT)を施行したところ,国際接触皮膚炎研究班(ICDRG)基準で美白化粧品 as is では+? や 1+の反応であったが,その成分である 3-O-EA 10% aq. は 48 時間後から 1 週間後まで 1+や 2+の反応であったことより,3-O-EA によるアレルギー性 CD と診断した。自験例を含めた 3-O-EA による顔面 CD の報告例は全例女性であり,美白化粧品の持続使用により,本成分に感作されてしまうと短期間で顔面全体の浮腫性紅斑を呈する特徴がうかがえた。また CD の原因検索に際し,化粧品 as is の PT では,原因成分の濃度が PT の至適濃度でない場合などもあり陽性になりにくいので,成分 PT を同時に施行することが有用であった。
70 代,女性。新型コロナウイルスワクチン 6 回目の接種後翌日から接種部位を中心に滲出性紅斑が出現した。皮疹は一部標的状を呈し融合傾向のある紅斑からなり,次第に顔面を含むほぼ全身に拡大した。ステロイド外用と抗ヒスタミン薬内服の処方を行うも,38℃以上の発熱と前腕に水疱形成を認めた。多形紅斑と診断し,ステロイド全身投与を追加した。皮膚症状は改善し,再燃なく経過した。新型コロナウイルスワクチン接種後に発症する皮膚症状の多くは蕁麻疹や接種部位反応などの即時型反応で,多形紅斑の報告は少ない。自験例での DLST は新型コロナウイルスワクチン残薬で陰性,内服薬 2 種(トリパミド,アセトアミノフェン)で陽性を示した。DLST は結果の解釈が困難で,陰性のみを理由に因果関係は否定できず,自験例では接種部位を中心に滲出性紅斑が出現したことを重視して,ワクチン接種が関与している可能性が高いと判断した。新型コロナウイルスワクチンの副反応の病態解析には,症例蓄積と今後のさらなる研究が必要である。
37 歳,女性。右乳癌への術前化学療法として,初診 13 日前より granulocyte-colony stimulating factor(G-CSF)製剤:ペグフィルグラスチムを併用したエピルビシン+カルボプラチン療法を開始した。初回のペグフィルグラスチム投与 8 日後に両大腿に有痛性紅斑が出現し,増数,拡大し,一部は膿疱を形成した。37.2℃の発熱も伴い,皮膚生検では真皮の浮腫と核破砕像を伴う稠密な好中球,組織球などの炎症細胞浸潤がみられた。組織培養では細菌,真菌,抗酸菌の検出はなく,Sweet 症候群と診断した。ステロイド外用とロキソプロフェン内服により,皮疹は一時消退傾向となり解熱していたが,初診 3 日後にペグフィルグラスチムを再投与され,同 7 日後に同様の皮膚症状が再燃した。以降はペグフィルグラスチムを中止し,ヨウ化カリウム内服を追加したところ,紅斑は消退しその後再燃はない。Sweet 症候群の病型には特発性,炎症疾患随伴性,悪性疾患随伴性,妊娠性などが知られているが,G-CSF 製剤を含めた薬剤誘発性の報告もある。G-CSF 製剤には従来のフィルグラスチムと,本邦では 2014 年に販売開始となったペグフィルグラスチムとがある。ペグフィルグラスチムは薬効も高く,メカニズム上 Sweet 症候群を誘発しやすい可能性があり,本剤を使用中の患者で,有痛性の紅斑や紅色丘疹,膿疱などをみた場合,本症を疑う必要がある。
48 歳男性の尋常性乾癬に対して,インフリキシマブで治療を開始するも 1 年後に二次無効を生じた。セクキヌマブへ変更するも皮疹改善の効果が不十分のためブロダルマブへ変更し,2 年後に二次無効と関節痛を生じたため,乾癬性関節炎と診断した。ブロダルマブを中止しウパダシチニブの内服を開始するも皮疹と関節痛の改善はわずかであったため,グセルクマブへ変更したところ症状は著明に改善した。2019 年の日本皮膚科学会のガイドラインでは乾癬性関節炎に対して TNF-α 阻害薬が第一選択となっていたが,近年 IL-17 阻害薬のイキセキズマブと IL-23p19 阻害薬のグセルクマブ(GUS)が TNF-α 阻害薬と同等に関節炎を抑制する製剤であることがわかってきた。GUS は免疫原性が低く長期使用においても有効性を維持できるため,高齢者や合併症が多い患者や他製剤で二次無効を生じた場合は乾癬性関節炎に対して積極的に使用することができると考えられる。
25 歳,男性。初診の約 1 年前より左対耳輪に小結節を自覚し,スマートフォンが当たると疼痛を伴うようになったため,当科を受診した。初診時,右対耳輪に 2 カ所,左対耳輪に 4 カ所,左耳輪に 1 カ所 4 mm の常色で硬い結節を認め,いずれも圧痛を伴っていた。結節部の病理組織学的所見で,真皮内の結節の中央部に膠原線維の変性とフィブリノイド壊死,その周囲に組織球とリンパ球を中心とした炎症細胞浸潤と毛細血管の拡張と増生を認め,chondrodermatitis nodularis chronica helicis と診断した。近年,若年発症者の中にはスマートフォンの使用が発症に関与しているという報告例もある。若年発症は非常に珍しく,発症の原因を含め文献的考察をふまえ報告する。
7 カ月,男児。6~7 カ月健診で紹介医を受診した。正常分娩であり,発達は正常であるが,生下時より側頭部に脱毛斑を認めており,精査目的に当科を紹介され受診した。初診時,左前頭部の 1×3 cm の範囲に境界不明瞭な脱毛斑が存在し,ほかには脱毛斑は存在しなかった。トリコスコピーでは短軟毛がみられ,毛幹径が不均一であった。黒点や漸減毛は存在しなかった。また,毛孔の消失は明らかでなく,瘢痕形成はなかった。明らかな腫瘍性病変は確認できなかった。先天性三角形脱毛症はトリコスコピーを含めた臨床所見のみで診断が可能であり,今回,われわれが経験した症例より皮膚生検を回避し,診断できる症例もあり得ると考えた。
当科では 2016 年 4 月から 2023 年 3 月の間に,躯幹部に多発する紅斑や褐色斑を認め,病理組織学的に皮膚への形質細胞浸潤を認める症例を 4 症例を経験した。全員女性で当科初診時の平均年齢は 39.5 歳であった。そのうち 2 症例は複数領域でリンパ節腫脹があり,リンパ節生検にて濾胞間に多クローン性の形質細胞増多を認めた。2 症例とも高ガンマグロブリン血症,高 IL-6 血症を認め,HHV-8 は陰性であった。これら 2 症例は診断基準を満たしたため特発性多中心性キャッスルマン病(Idiopathic Multicentric Castleman Disease:iMCD)と診断した。残りの 2 症例は初診時にリンパ節腫脹はなく,全身症状や臓器障害はなかった。これらは iMCD の診断基準を満たさず,皮膚形質細胞増多症(Cutaneous Plasmacytosis:CP)と診断した。しかし 1 症例は高 IgG 血症を認め,倦怠感や鉄剤不応性の貧血などの全身症状が徐々に進行した。リンパ節腫脹も出現し初診 6 年後に施行したリンパ節生検にて iMCD と診断した。残りの 1 症例は全身症状やリンパ節腫脹なく経過しており CP としてフォローしている。これら 4 症例の肉眼的・病理組織学的皮膚所見は共通したものであり,CP として発症し iMCD の診断に至った症例もあることから,両者は主要病変の分布が異なる同一スペクトラムの疾患の可能性がある。
81 歳,男性。初診の 8 年程前に左上腕に小結節を自覚し,徐々に増大傾向にあった。手拳大ほどに増大した腫瘤が自壊し,多量に出血を認めたため,緊急で当科を紹介され受診した。初診時,左上腕に 9 cm の皮下腫瘤を認め,自壊した箇所から多量の出血と凝血塊の排出を認めた。MRI では左上腕に 3 cm の腫瘤と,その背側に 9 cm の厚い被膜を有する血腫が疑われる病変を認めた。出血に対しては,圧迫などの保存的処置で経過をみたが制御できず,血液検査では経時的にヘモグロビンの低下を認めた。臨床所見や画像所見からは肉腫などの悪性腫瘍の鑑別を要する所見であったため,腫瘤部分から皮膚生検を施行したうえで,病変全体の切除は確定診断後に行う方針とし,まずは止血のための血腫除去術を行った。その後,生検の病理組織学的所見から Spiradenoma と診断し,腫瘍切除術を施行した。最終的に,病理組織学的に腫瘍の間質で血管の増生や拡張が目立つ所見などから,血管増生型 Spiradenoma と診断した。
63 歳,女性。受診の半年前頃より右鎖骨部に結節が出現し徐々に増大傾向であった。右鎖骨部に約 1.5 cm の弾性硬の紅色結節を認め,皮膚生検にて顆粒細胞腫と診断した。局所麻酔下で腫瘍を切除した。病理組織学的所見では,真皮から皮下脂肪にかけて細胞質に好酸性の顆粒を多数含む類円形の細胞の増殖を認めた。免疫組織化学的所見では,腫瘍細胞は S-100 蛋白,neuron specific enolase(NSE),glucose transporter-1(Glut-1),vimentin,CD68 が陽性,glial fibrillary acidic protein(GFAP)は陰性であった。好酸性の顆粒はジアスターゼ抵抗性の PAS 染色陽性であった。電子顕微鏡所見では腫瘍細胞の細胞質内にさまざまな形態のライソゾーム様顆粒が充満し,一部層状の myelin-like body を認めた。顆粒細胞腫の起源や病態については未だ不明な点が多いが,現在では Schwann 細胞に由来する神経源説が有力である。肉眼所見も多彩であり非特異的であることから初診時に鑑別疾患として顆粒細胞腫が挙がることは非常に少なく,顆粒細胞腫について認知しておくことが必要である。
43 歳,女性。10 年以上前から右外鼻孔の黄白色丘疹を自覚していた。5 年前に近医で皮膚生検を施行されたが線維硬化性毛包上皮腫の診断であった。丘疹は緩徐に増大し,当院初診 1 カ月前に前医を受診した。皮膚生検の結果,微小囊胞性付属器癌(microcystic adnexal carcinoma:以下 MAC)が疑われたため,加療目的に当科を紹介され受診した。腫瘍を切除し,病理組織学的所見より MAC と診断した。MAC の発症機序はまだよくわかっておらず,過去の報告をもとに自験例の切除切片を用いて免疫組織化学染色を行った。その結果,過去の報告と同様に p53 の発現が亢進しており TP53 の変異がある可能性が示唆された。一方で phospho-STAT3,c-myc,bcl-2 の発現は亢進していなかった。MAC はしばしば良性腫瘍との鑑別が難しいことがあり,これらの免疫組織化学染色は今後の診断の一助となる可能性がある。
37 歳,女性。6 カ月前より右第 2 指爪甲に褐色線条を認め当科を受診した。右第 2 指爪甲に濃淡のある幅 1.5 mm の褐色線条を爪甲全長にわたって認めた。爪甲の肥厚は明らかではなかった。ダーモスコピーでは線条の幅の不整,途絶,濃淡を認めた。爪甲下悪性黒色腫を疑い,線条より 5 mm 離して切除したが,病理組織学的所見で細胞異型は認めず,爪母部における basaloid cell の増殖とそれに連続して prekeratogenous zone および keratogenous zone の形成が認められ,onychocytic matricoma(OCM)と診断した。OCM は爪母由来の稀な良性上皮性腫瘍であり,爪甲の肥厚および褐色ないし黄白色の爪甲線条を特徴とする。OCM の報告例が少なくそのダーモスコピー所見の多様性については症例の蓄積を待つ必要があるが,自験例のように爪甲下悪性黒色腫との鑑別が困難な症例も含まれ,不規則な爪甲色素線条の鑑別疾患の一つとして OCM を念頭におく必要があると考えられた。
超高分子量と高い保水性を有し,更に抗炎症効果が確認されている硫酸化多糖類サクラン(スイゼンジノリ多糖体)をワセリンに混合し,0 歳から 3 歳までの乳幼児 80 名の湿疹・皮膚炎に試用した。試用後保護者に実施したアンケート結果では,湿疹・皮膚炎に対する効果に関しては,非常に効果ありおよび効果ありとする回答が 80%以上で,またクロベタゾン酪酸エステル 0.025%軟膏との比較では,同等以上の効果があったとする回答が 75.6%であった。また慢性の眼瞼炎および顔面の外傷性潰瘍にも試用したところ,好結果であった。
帯状疱疹関連痛に対してペインクリニックとの連携治療を要する患者の特徴を明らかにすることを目的に,2022 年 4 月から 2023 年 3 月までに昭和大学病院皮膚科を受診した帯状疱疹患者を対象に検討を行った。帯状疱疹 166 例中,帯状疱疹関連痛の治療目的にペインクリニックとの連携を 35 例で導入した。皮疹部位は上体部が 11 例(31%)と最多で,発症からペインクリニック初診までの期間は 3~57 日(中央値 16 日),ペインクリニックでの治療開始時 Numerical rating scale(NRS)は 2~10(中央値 7)で,NRS4 以上が 88.6%を占めた。NRS4 以上の患者が,NRS3 以下になるまでの期間は中央値 7 週であった。ペインクリニックとの連携導入群(35 例)と非導入群(131 例)を比較し,高齢,併存症あり(悪性腫瘍,糖尿病,慢性腎臓病)の因子に統計学的な有意差を認めた。帯状疱疹の発症から神経ブロック開始までの期間が,NRS 改善に影響をおよぼすか検討したが,施行開始が 1 カ月以内と,1~3 カ月以内の間で,NRS 改善までの期間に有意差はなかった。以上より,高齢者や,悪性腫瘍,糖尿病,慢性腎臓病を併存している場合はペインクリニックとの連携治療を要する可能性が高く,連携治療の判断の一助になる可能性が示唆された。連携時期については,発症 3 カ月以内に連携治療の開始時期による疼痛改善までの期間に有意差がないため,発症 3 カ月以内では時期に関わらず,疼痛 NRS などから必要と判断した場合は連携治療を念頭に置くことが重要と考えた。
Jean L. Bolognia, MD, is a Professor of Dermatology and Vice-Chair for Faculty Affairs at the Yale School of Medicine in New Haven, CT. Although she was born a "Hoosier" in the state of Indiana while her father was in graduate school, her formative years were spent in rural western Pennsylvania. Several miles outside a small town with 2000 residents, the majority of her neighbors along rural delivery route #1 were members of her extended family. Growing up in the "sticks" taught her self-reliance and to think more independently. With the advent of consolidations to produce larger regional schools, her bus ride to school became close to an hour. Learning to daydream and how to talk to anyone about anything were the silver linings of these many long rides.