西日本皮膚科
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目次
図説
  • 久保 秀通, 久保 秀徳, 江川 清文
    原稿種別: 症例報告
    2025 年 87 巻 2 号 p. 97-98
    発行日: 2025/04/01
    公開日: 2025/04/20
    ジャーナル 認証あり

    患者:23 歳,男性

    主訴:陰茎に多発する小丘疹

    既往歴:特記事項なし

    薬剤歴:特記事項なし

    家族歴:特記事項なし

    生活歴:性風俗利用歴なし

    現病歴:中学生の頃から陰茎に小さな多発する丘疹があることを自覚していたが,無症状のため放置していた。最近,整容的に気になるとともに,尖圭コンジローマではないかと不安になり,当院を受診した。

    初診時現症:径 1 mm,無症候性で光沢ある小丘疹が,陰茎の冠状溝に沿って列序性に多発していた(図 1 a)。

    検査:ダーモスコピーでは,淡紅色調もしくは白色調の小丘疹が敷石状に並び,小点状血管,コンマ状血管を認めた(図 1 b)。皮膚生検は患者の了承が得られず施行していない。

    診断および経過:pearly penile papules(以下 PPP)と診断した。生理的変化なので治療不要である旨説明したところ,整容的観点から治療を希望されたため,液体窒素療法を開始した。

  • 西依 諒, 三浦 真理子, 東 保太郎, 中園 裕一, 甲斐 宜貴
    原稿種別: 症例報告
    2025 年 87 巻 2 号 p. 99-100
    発行日: 2025/04/01
    公開日: 2025/04/20
    ジャーナル 認証あり

    患者:55 歳,男性

    主訴:右拇指の腫瘤

    現病歴:10 年以上前に右拇指先端に隆起性病変を自覚し,その後徐々に増大し出血を伴うようになったため前医を受診した。皮膚生検でエクリン汗孔腫が疑われたため当科を紹介され受診した。

    現症:右拇指に 53×45×40mm の腫瘤性病変を認めた(図 1 a)。腫瘤は有茎性でカリフラワー状の外観を呈し,強い表面角化を伴った(図 1 b,c)

    ダーモスコピー所見:乳白色の無構造領域を背景に,comma-like vessels,hairpin vessels,dotted vessels の所見を認めた(図 2)。

    治療および経過:腫瘤の辺縁より safety margin 3 mm を設け,指背側は骨膜上,指腹側は骨膜上,腱上で剝離し摘出した。摘出後は人工真皮を縫着し瘢痕治癒させた。術後 5 カ月の時点で明らかな再発は認めていない(図 3 a,b)。

    病理組織学的所見:弱拡大像では腫瘍は表皮と連続して真皮内に索状に伸びて吻合増殖し(図 4 a),強拡大像では両染性で異型のない小型の円形の核を有する孔細胞が密に増殖し,一部では内腔縁がクチクラで縁取られた小管腔構造が認められた(図 4 b)。エクリン汗孔癌を疑う所見はなく,腫瘍辺縁の境界は明瞭で切除断端は陰性だった。

  • 高木 健志, 芳賀 美和, 増田 遙, 本田 遼馬, 井上 慶一, 武 信肇, 菊池 智子, 伊東 孝通, 中原 剛士
    原稿種別: 症例報告
    2025 年 87 巻 2 号 p. 101-102
    発行日: 2025/04/01
    公開日: 2025/04/20
    ジャーナル 認証あり

    患者:49 歳,女性

    主訴:左前胸部の巨大腫瘤

    現病歴:初診の 20 年ほど前に左前胸部に皮膚腫瘤が出現し徐々に増大した。初診の 1 カ月前,腫瘤を搔破した際に動脈性の出血をきたし,ショックバイタルで前医に救急搬送された。皮膚生検で隆起性皮膚線維肉腫(dermatofibrosarcoma protuberans:DFSP)と診断され,当科へ紹介となった。

    既往歴:バセドウ病(初診 8 年前に投薬終了)

    生活歴:喫煙 5 本 / 日×29 年,飲酒なし

    現症:左前胸部に潰瘍を形成する懸垂性の巨大腫瘤を認めた(図 1)。

    造影 CT 検査:腫瘤に流入する血管と腫瘤内の血液の貯留を認めた(図 2)。そのほか,転移を疑う所見は認めなかった。

    病理組織学的所見:真皮から皮下にかけて比較的均一な形状の紡錘形細胞が花むしろ状に増殖して storiform pattern を呈していた(図 3 a)。一部で細胞密度が高い束状増殖からなる herringbone pattern を形成し,多数の細胞分裂像がみられた(図 3 b)。CD34 はびまん性に陽性であったが,線維肉腫様変化をきたした部位では CD34 の発現が低下していた(図 3 c,d)。PCR 法,sequence 解析で COL1A1-PDGFB 融合遺伝子を検出した。

    診断:病理組織学的所見および遺伝子検査所見から線維肉腫様変化を伴った DFSP と診断した。

    経過:腫瘍周囲の色素沈着から 2 cm マージンをとり腫瘍切除を行った。切除断端陰性を確認した後に二期的に全層植皮術を行った。術後 9 カ月時点で再発や遠隔転移は認めていない。

綜説
症例
  • 越智 康之, 千貫 祐子, 太田 征孝, 高垣 謙二, 山﨑 修
    原稿種別: 症例報告
    2025 年 87 巻 2 号 p. 111-114
    発行日: 2025/04/01
    公開日: 2025/04/20
    ジャーナル 認証あり

    8 歳,男児。基礎疾患として 4 歳時発症の花粉症(ゴールデンウィーク後に症状あり)があった。初診の 2 週間前,夕食摂取後に入浴したところアナフィラキシーを発症し,総合病院の救急外来で治療を受けた。その後,原因精査目的で当科を紹介され受診した。血中抗原特異的 IgE 検査で,夕食時の食物のうち小麦関連抗原特異的 IgE のみが陽性で,好塩基球活性化試験において小麦 phosphate-buffered saline 分画とアルカリ分画の添加で好塩基球の活性化を認めた。さらに血中抗原特異的 IgE 検査でイネ科花粉特異的 IgE が強陽性であったことから,ハルガヤ花粉を用いた阻害試験を施行した結果,小麦水溶性タンパク質とハルガヤ花粉との交差反応を認めたため,イネ科花粉症に交差反応して発症した小麦による食物依存性運動誘発アナフィラキシー(food-dependent exercise-induced anaphylaxis:FDEIA)と診断した。なお,20 歳未満の小麦による FDEIA 患者で陽性となりやすい高分子量グルテニンについて,ドットブロット法にて解析を行ったが,患者血清 IgE の結合は認めなかった。花粉症発症の低年齢化が進んでいる昨今,小児の花粉症のみならず,小児の花粉―食物アレルギー症候群にも注意が必要と思われる。

  • 松田 真佑香, 浅倉 鎌, 玉腰 和, 大河内 智子, 花村 拓哉, 吉田 秀雄, 近藤 春香, 榊原 章浩
    原稿種別: 症例報告
    2025 年 87 巻 2 号 p. 115-118
    発行日: 2025/04/01
    公開日: 2025/04/20
    ジャーナル 認証あり

    71 歳,男性。X 年 1 月から左大腿部の腫脹と硬結があり,当初は蜂窩織炎を疑い,抗生剤の点滴を行った。その後両前腕,両下腿の浮腫と,右大腿部に紫斑が出現した。皮膚生検を施行し,白血球破砕性血管炎と診断した。同年 2 月からプレドニゾロンの内服を開始し,症状に合わせ増量,漸減を繰り返した。X+1 年 2 月ごろより嗄声を自覚したため,耳鼻科を受診し左反回神経麻痺を指摘され,造影 CT を施行したところ左肺結節影と多発リンパ節腫大を認めた。精査で左肺扁平上皮癌と診断し,化学療法,放射線療法を行ったが原病が進行し X+3 年 4 月永眠された。白血球破砕性血管炎は内臓悪性腫瘍に随伴することがあり,その場合は癌関連血管炎に含まれる。本症例では四肢の浮腫が主訴で診断した白血球破砕性血管炎の治療中に肺癌が指摘された。癌関連血管炎が四肢の血管炎による浮腫で発症するのは稀でありここに報告する。

  • 金田 海弘, 山村 和彦, 古森 環, 大野 文嵩, 中原 剛士
    原稿種別: 症例報告
    2025 年 87 巻 2 号 p. 119-122
    発行日: 2025/04/01
    公開日: 2025/04/20
    ジャーナル 認証あり

    1 歳 7 カ月,男児。自宅で 90℃以上の電気ポットのお湯が足にかかって熱傷を受傷した。当院救急科へ搬送され当科を紹介された。初診時,右足内側と左下肢に広範囲なⅡ度およびⅢ度熱傷が混在しており,熱傷面積は 9.5%であった。保存的な外用治療のみでは治療期間が長期にわたることが予想され,その間の感染症のリスクも考慮して自家皮膚細胞移植用キット(RECELL® 自家細胞採取・非培養細胞懸濁液作成キット)による治療を行った。術後約 1 カ月で潰瘍の大部分に上皮化がみられた。RECELL® による熱傷治療は少ない範囲の採皮で広い熱傷面積をカバーでき,治療期間の短縮も見込まれることから,今後の熱傷治療に対する有効な治療オプションとなる可能性がある。

  • 今村 桜子, 藤井 晴香, 佐々木 諒, 大野 文嵩, 中原 剛士, 古賀 浩嗣, 石井 文人
    原稿種別: 症例報告
    2025 年 87 巻 2 号 p. 123-127
    発行日: 2025/04/01
    公開日: 2025/04/20
    ジャーナル 認証あり

    61 歳,男性。初診 3 週間前より口唇と口腔内にびらんが出現した。2 週間前より股部と陰部の間擦部に暗紅色の増殖性局面が出現したため受診した。病理組織学的所見で表皮内に棘融解を認め,蛍光抗体間接法で抗表皮細胞膜抗体が陽性,ELISA 法で抗デスモグレイン 3 抗体が陽性であり,臨床所見と併せて増殖性天疱瘡と診断した。プレドニゾロン(PSL)60 mg/日で治療を開始し,皮疹は速やかに改善した。増殖性天疱瘡は,尋常性天疱瘡の亜型で,近年では抗デスモコリン抗体の関与が指摘されている。自験例では抗デスモコリン 1/2/3 抗体は全て陰性だったが,抗デスモコリン抗体陽性の増殖性天疱瘡の報告もあり,病態への関与についても考察した。

  • 渡邉 遥, 森桶 聡, 坂本 拓海, 松尾 佳美, 田中 暁生
    原稿種別: 症例報告
    2025 年 87 巻 2 号 p. 128-131
    発行日: 2025/04/01
    公開日: 2025/04/20
    ジャーナル 認証あり

    56 歳,女性。クローン病に対して約 4 年間のインフリキシマブ投与歴があった。インフリキシマブの効果減弱にてアダリムマブに変更して 4 週間後より躯幹と四肢に紅斑と水疱が多発し,水疱性類天疱瘡と診断した。薬剤誘発性水疱性類天疱瘡を疑い,アダリムマブ投与を中止しプレドニゾロン(PSL)20 mg/日の内服を開始した。皮疹は徐々に消退し,PSL は 5 mg/日まで漸減しているが再燃なく経過している。水疱性類天疱瘡において TNFα 阻害薬が疾患制御に有効であったことが報告されている一方で,自験例のように TNFα 阻害薬により誘発された事例も報告されている。その機序については十分に解明されていない。自験例は TNFα 阻害薬投与により何らかの免疫の不均衡が生じ,それに加え炎症性腸疾患の合併があるため自己免疫疾患を発症しやすく,皮膚との交差反応を起こしやすい患者素因があったことも推察され,それらの複数の要因により類天疱瘡を発症した可能性が考えられた。

  • 馬場 まゆみ
    原稿種別: 症例報告
    2025 年 87 巻 2 号 p. 132-136
    発行日: 2025/04/01
    公開日: 2025/04/20
    ジャーナル 認証あり

    65 歳,女性。皮疹出現の 2 年半ほど前から糖尿病にてビルダグリプチンを内服していた。体幹や四肢に強い痒みを伴う 1 cm 以下の水疱が繰り返し出現し,ステロイド外用療法に難治であった。皮疹は搔破によるびらん,色素沈着が散在しているが,膨疹や紅斑はごく軽度であった。病理組織学的所見,抗 BP180NC16a 抗体陽性より DPP-4 阻害薬関連水疱性類天疱瘡と診断し,ビルダグリプチン中止とステロイド外用療法を行うも軽快しなかったが,ジアフェニルスルホン治療開始 1 カ月後には軽微な症状は持続するものの症状の改善を認めた。内服開始から 2 カ月後,感冒にて体調を崩した際に患者判断で内服を中断してしまったが症状の悪化なく経過している。また,ジアフェニルスルホンの副作用として生じた貧血により HbA1c は偽低値となり,内服中止により貧血と HbA1c の回復を確認した。ジアフェニルスルホンによる溶血性貧血は常用量でも内服 1 カ月前後で生じる。著明な貧血症状を呈さず,内服継続可能な場合が多いが,赤血球寿命が影響する HbA1c は偽低値を呈するため,DPP-4 阻害薬関連水疱性類天疱瘡の治療中においては,血糖値の評価にグリコアルブミンを用いるよう推奨されている。2 型糖尿病の薬物療法において DPP-4 阻害薬は低血糖発作を起こしにくい特徴からシェアを拡大しているが,使用頻度の増加に伴い DPP-4 阻害薬関連水疱性類天疱瘡の報告が増えており,糖尿病治療医との連携が重要である。

  • 平野 早希子, 前山 徹, 吉村 希, 大山 拓人, 髙木 誠司, 中原 剛士
    原稿種別: 症例報告
    2025 年 87 巻 2 号 p. 137-140
    発行日: 2025/04/01
    公開日: 2025/04/20
    ジャーナル 認証あり

    43 歳,女性。25 年前から両側腋窩に排膿を繰り返していた。前医の皮膚科で化膿性汗腺炎を疑われ,外科的加療が必要との判断で当科を紹介され受診した。当科を初診時,両側腋窩が瘢痕化し肩関節の外転障害をきたしていた。右腋窩の病変に対して広背筋弁と分層植皮による再建を行い経過は良好であった。左腋窩の病変にも同様の再建方法を提案したが,患者の希望に沿って分割広背筋皮弁による再建を行った。化膿性汗腺炎にはさまざまな治療法があるが,瘢痕に伴う拘縮がある場合や根治を目指す場合には外科的切除が必要となる。自験例では,患者の希望に沿って再建方法を検討し直し患者の満足度は良好であった。患者に合わせた治療方法の検討が重要である。

  • 須田 孝博, 下村 裕
    原稿種別: 症例報告
    2025 年 87 巻 2 号 p. 141-144
    発行日: 2025/04/01
    公開日: 2025/04/20
    ジャーナル 認証あり

    73 歳,女性。初診 13 年前に頭部と左前腕尺側を打撲した。初診 10 年前頃から左前腕の打撲部に疼痛を認めるようになった。初診 2 年前から同部位に皮下結節を触れるようになり,また疼痛が徐々に増悪したため,近医からの紹介で当科を受診した。左前腕尺側に淡く紫紅色に透見される軟性皮下結節があり,CT で 6 mm の球形皮下腫瘤が認められた。全切除生検術を施行したところ,病理組織学的に腫瘍は線維性の被膜内に存在しており,腫瘍細胞は円形から立方体の明るい両染性の細胞質を有していた。さらに,被膜周囲には断裂した弾性線維を認めた。免疫組織化学染色などの所見とあわせ,自験例を血管内グロムス腫瘍と診断した。

  • 小山 智史, 岩原 邦夫
    原稿種別: 症例報告
    2025 年 87 巻 2 号 p. 145-149
    発行日: 2025/04/01
    公開日: 2025/04/20
    ジャーナル 認証あり

    49 歳,女性。初診の半年前に背部に紅斑が出現した。近医の皮膚科を受診しステロイドを外用するも改善しないため当科へ受診された。軽度の皮下硬結を伴う萎縮性の紅斑に対し超音波検査を施行し,血流が豊富であることより悪性腫瘍を念頭に皮膚生検を施行し,隆起性皮膚線維肉腫(DFSP)の診断に至り比較的早期の切除に繋がった。萎縮型の DFSP は比較的まれな疾患であり,文献的考察を加え報告する。

  • 須田 孝博, 髙旗 博昭
    原稿種別: 症例報告
    2025 年 87 巻 2 号 p. 150-154
    発行日: 2025/04/01
    公開日: 2025/04/20
    ジャーナル 認証あり

    72 歳,女性。末期腎不全で維持透析中である。関節リウマチに対してステロイドおよび抗 TNF-α 抗体製剤で加療している。初診 3 日前から左下腿の発赤を自覚し,蜂窩織炎として入院加療した。蜂窩織炎としては経過良好だったが,症状改善後に有痛性多発皮下結節を生じた。皮膚非結核性抗酸菌症を疑い抗酸菌培養検査を行い,3 回目の培養で Mycobacterium chelonae を検出し診断を確定した。クラリスロマイシンとレボフロキサシンの内服および温熱療法を併用し経過良好だった。免疫抑制状態は皮膚非結核性抗酸菌症の発症リスクで,発赤や潰瘍,多発皮下結節など多様な所見を呈する。皮疹発症から診断確定まで長期間となる傾向があり,病変本体を確実に摘出して培養検査を行うことが診断率の向上に寄与する可能性がある。また自験例のように蜂窩織炎治療後に発症する場合は,一般細菌から抗酸菌への菌交代現象が関与しているのではないかと考えられた。

  • 中川 浩一, 東田 理恵, 徳田 一三, 岡林 綾, 福本 隆也
    原稿種別: 症例報告
    2025 年 87 巻 2 号 p. 155-157
    発行日: 2025/04/01
    公開日: 2025/04/20
    ジャーナル 認証あり

    79 歳,男性。既往歴に高血圧がある。初診の 1 カ月ほど前から左前腕の中枢側に小さな紅斑が出没を繰り返し,次第に拡大,腫脹した。初診時には 8×4 cm の環状の紅斑を認めた。環の部分は皮表よりわずかに盛り上がり,強い浸潤を触れた。環の部分からの病理組織像では角層や表皮に著変はなく,真皮乳頭層には著明な浮腫があった。その下方から真皮中層にかけて稠密な炎症細胞浸潤が観察された。真皮に浸潤している細胞のほとんどが好中球で,一部に好酸球やリンパ球,組織球も混じた。以上の所見から neutrophilic figurate erythema(NFE)と診断した。遠心性環状紅斑,シェーグレン症候群および亜急性エリテマトーデスに合併する環状の紅斑,Sweet 症候群,壊疽性膿皮症を臨床・病理組織学的所見から鑑別した。さらに Wu と Hsiao の総説から自験例の各々の所見が NFE として妥当であると結論した。

研究
  • 稲葉 葉一
    原稿種別: 研究論文
    2025 年 87 巻 2 号 p. 158-162
    発行日: 2025/04/01
    公開日: 2025/04/20
    ジャーナル 認証あり

    爪白癬の外用療法に関して,保険適用外用剤が無かった時代,臨床現場では通常の外用抗真菌剤が転用されることが多かったが,有効性はあまり期待できなかった。最近では抗真菌剤の爪甲への浸透を高める工夫のほどこされた爪白癬専用外用剤が認可されているが,爪白癬専用外用剤をもってしても,半数程度にしか有効性が得られない現状である。今回われわれは,従来使われているテルビナフィン塩酸塩外用液 1%を用いて,さまざまな条件の下での爪甲への浸透濃度を測定した結果,テルビナフィン 125 mg 錠の内服の爪甲中最高濃度(0.78±0.30 ng/mg)まで外用で爪甲に浸透させるためには,1)外用に先立ち爪甲表層を軽く削除する,2)爪甲表面に液状が保たれたまま長時間接している必要がある,3)加圧することが浸透を助けることが分かった。

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